『角川春樹事務所(文芸・小説、実用)』の電子書籍一覧
1 ~60件目/全336件
-
東京・台場で少年たちのグループの抗争があり、一人が刃物で背中を刺され死亡する事件が起きた。直後に現場で目撃された車から、運転者の風間智也に容疑がかけられた。東京湾臨海署(ベイエリア分署)の安積警部補は、交通機動隊の速水警部補とともに風間を追うが、彼の容疑を否定する速水の言葉に、捜査方針への疑問を感じ始める。やがて、二人の前に、首都高最速の伝説を持つ風間のスカイラインが姿を現すが……。興奮の高速バトルと刑事たちの誇りを描く、傑作警察小説。(解説・長谷部史親)
-
神奈川県警捜査一課特殊捜査係、通称SISの元第四班長だった武田晴虎がこの四月より赴任するのは、松田警察署地域課丹沢湖駐在所。過去の人質立てこもり事件の際に部下を負傷させてしまい、また伴侶を失っていた晴虎は、その地での再起を誓っていた。長閑な温泉街で持ち込まれる、微笑ましい相談。しかし、まさかの誘拐事件が発生し!? 過去を乗り越え、再び闘う己を取り戻すことはできるのか。警察小説の新ヒーロー、誕生。
-
名作映画「里見八犬伝」の原作が時を超えて蘇る──室町の世、手柄を挙げた飼犬・八房の妻になった安房里見家の伏姫。姫を八房からとり戻そうとした家来の手で、命を落としたその体から八つの光の玉が飛び散った。〈仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌〉その玉を持つ運命となった八人の光の戦士たち。彼らと悪の軍団との凄絶な戦いが、今始まる! 『南総里見八犬伝』をベースにしながらも波乱のドラマを加え、大きく変身させた疾風迅雷の大伝奇エンターテインメント・ノベル。〈全2巻〉
-
江東区有明で強盗事件が発生。被害者は救急搬送されたが、病院で死亡が確認された。強行犯第一係の安積班が現場に向かい、本格的な捜査が始まろうとしている矢先、犯人が自首してきたのだが、須田は納得がいかないようで――。(第二話「暮鐘」より) 安積班の揺るがぬ正義の眼差しで、ひとつひとつの事件を解決に導く。ドラマ化常連! 大ベストセラー「安積班シリーズ」。
-
時は天保十二年。丹沢で熊獲り名人と呼ばれている玄蔵は、恋女房の希和とふたりの子どもと共に幸せに暮らしていた。そんなある日、御公儀徒目付の多羅尾と名乗る武士が突然玄蔵の元にやって来て、「お前、江戸に出て武家奉公をしてみないか」という。どうやら己の鉄砲の腕が欲しいらしい。とんでもないと断ろうとした玄蔵だが、「お前の女房は耶蘇なのか」と脅され、泣く泣く多羅尾と共に江戸へ……。孤立無援の玄蔵を待ち受けている苛酷な運命とは!? 人気作家による、手に汗握る熱望の書き下ろし時代小説、新シリーズ。
-
宮崎の山奥に異動になっていた山本猛元店長が、 三年ぶりに、吉祥寺本店に店長として復帰した。 張り切る店長だが、相変わらず、人を苛立たせる天才だ。しかし京子は、心の中で「お帰りなさい」とつぶやいた。そんな中、本や書店を取り巻く環境はますます厳しくなってきたが、 それでも京子は、新人作家の才能に出逢い、打ちのめされ、 好きな作家の新作に心躍らせ、時には泣き、笑い、怒り、日々戦っています。スタッフの磯田さんや、覆面作家だった大西先生や神楽坂で小料理屋を営む親父さんや、優しき先輩たちに、応援を受けながら――。2020年本屋大賞にノミネートされ、本を愛する人々を興奮と感動に巻き込み大ロングセラーとなり、今なお売れ続けている『店長がバカすぎて』、熱望の第2幕。 今を懸命に生きる私たちの特別な物語。とにかく文句なしに面白い!! 店長、ますますパワーアップ。小説と書店の未来を、仕事の意味を、生きる希望を改めて深く問い直す、第二弾。
-
「コロッケ」「キャベツ炒め」「豆ごはん」「鰺フライ」「白菜とリンゴとチーズと胡桃のサラダ」「ひじき煮」「茸の混ぜごはん」……東京の私鉄沿線のささやかな商店街にある「ここ家」のお惣菜は、とびっきり美味しい。にぎやかなオーナーの江子に、むっつりの麻津子と内省的な郁子、大人の事情をたっぷり抱えた3人で切り盛りしている。彼女たちの愛しい人生を、幸福な記憶を、切ない想いを、季節の食べ物とともに描いた話題作、遂に文庫化。(解説・平松洋子)
-
仔牛のカツレツ、ポルチーニのリゾット、鯛のアクアパッツア、ホタルイカと菜の花のスパゲッティ、レモンパイ――偲と杏二の姉弟で切り盛りしている目黒の小さなリストランテ。名前は「アモーレ」。常連客の沙世ちゃんと石橋さんの理由ありカップルや初子ちゃん、そして、杏二の師匠で今は休養中の松崎さん……など、それぞれの事情を抱えたアモーレどもと季節の美味しい料理の数々を描く、幸福に満ちた物語。(解説・俵万智)
-
神奈川で現金輸送車の強盗事件が発生し、犯人の一人に鎌田光也の名が挙がった。鎌田は一年前、ストーカー行為をしていた村瀬香里のアパートに不法侵入したところを小島百合巡査に発砲され、現行犯逮捕された。だが、入院中に脱走し指名手配されたまま一年が経ってしまっていたのだ。一方、よさこいソーラン祭りで賑わう札幌で、鎌田からと思われる一通の脅迫メールが香里の元へ届く。小島百合は再び香里の護衛につくことになるのだが・・・・・・。大人気道警シリーズ第四弾、待望の文庫化。(解説・西上心太)
-
谷原京子、二十八歳。吉祥寺の書店の契約社員。超多忙なのに薄給。お客様からのクレームは日常茶飯事。店長は山本猛という名前ばかり勇ましい「非」敏腕。人を苛立たせる天才だ。ああ、店長がバカすぎる! 毎日「マジで辞めてやる」と思いながら、しかし仕事を、本を、小説を愛する京子は――。全国の読者、書店員から感動、共感、応援をいただいた、二〇二〇年本屋大賞ノミネート作にして大ヒット作。巻末にボーナストラック&早見和真×角川春樹のオリジナル対談を収録。
-
警察大学校を首席で卒業した、キャリア組の中でもバリバリのエリートである鴨下俊輔警部補は、署から警視庁刑事部長直轄の組織・刑事部捜査第一課特命捜査係への異動を告げられる。数々の難事件を解決した実績を持つこの部署の中心人物が、鴨下がバディを組むことになる特別捜査官の花比良真理。彼女は現役の女子高生で!? プリーツスカートから伸びる白く細い脚。既存の常識を蹴り飛ばす、タフで可憐な女子高生刑事、登場!!!
-
嘉永三年(一八五〇)、九州肥後の熊本藩、御花畑表御掃除坊主の河上彦斎は、師・宮部鼎蔵を訪ね、尊敬する吉田松陰と、生涯にわたり惹かれ合う女性・由依と出会う。彦斎は日本を守るため厳しい県の修行をし、尊攘派の志士として次々と佐幕派の者たちを喪っていく。しかし彦斎の願いむなしく、明治新政府はこの国を西洋に屈服させてしまうように思えた。抵抗した彦斎は……。尊攘派の志士として激烈な活動を行い、「人斬り彦斎」として恐れられた漢・彦斎の苛烈な人生と志を描く、傑作長篇歴史小説。(解説・佐藤賢一)
-
横浜・中華街、四川料理の名店「翠玉楼」は来月で閉店を迎える。いずれはオーナーの座を継ぐつもりでいたロンこと小柳龍一は当てが外れ、毎日することもなく、ぶらぶらと暇を持て余していた。二十歳を超えたからって、まだ将来なんて決められない。そんな働く気も夢も、何もない彼の元に次々と厄介事が持ち込まれる。それはロンが〈山下町の名探偵〉と呼ばれていたからだ。「何も手にはもっていないけれど、それでも」──大きな共感を集める等身大のヒーローが誕生!
-
台湾有事の時、最初に狙われるのは沖縄だ! 徹底した長期取材を経て辿り着いた〝おそるべき日本の危機〟を描く、著者渾身の軍事小説。「日本有事のリアルなストーリーとその意外な展開に読者は引き込まれるであろう」河野克俊氏(元統合幕僚長)
中国人民解放軍が台湾周辺の海域で今までにない規模で演習を開始した。台湾侵攻が急迫していると分析した日本政府は、〝台湾戦争〟の勃発後に日本が巻き込まれた場合を想定し、アメリカ軍の作戦をいかに支援していくべきかの検討を開始した。その事前準備として石垣島と与那国島への陸上自衛隊の事前配置を急ぐ決断をした日本を嘲笑うかのように、中国特殊部隊は宮古島をはじめとする先島諸島に徐々に浸透、破壊工作を始めようとしていた。そして日本は、想定していなかった戦禍に見舞われていく……。 -
看護師の真野七海は、婚約者の高辻真悟と結婚するために東京の病院を辞め、彼が住む札幌に引っ越した。その三日後、急遽頼まれた夜勤を終えた七海は、そのまま真悟と共に役所に婚姻届を提出する予定だった。だが雪の積もる道を一人帰った七海を待っていたのは、ベッドの上で物言わぬ死体となっていた彼だった――。七海が下した驚きの決断とは!? 衝撃の結末へ誘われる、書下ろしサスペンス!
-
「ゼロ打ち」とは選挙の開票開始直後、開票率0パーセントに近い時点で特定候補者の当選確実を報じること――。 大和新聞の社会部記者・片山芽衣は、唐突な解散後の衆議院選挙で、選挙報道センターに配属された。担当は激戦区の東京一区。そんなある日、片山は取材中に「ある都議会議員の不審死」を知ることに。一方、国会議員の秘書歴十年の中村は、同じく民政党東京一区の新人・大学教授である若宮の事務所の応援に駆り出された。苦しい選挙戦のなか、若宮の女性スキャンダルがネットで拡散され…… 小説でしか描けない政界の暗部とマスコミとの危険な癒着。ノンストップエンターテインメント。
-
『ブラザーズ』『ムショぼけ』『インフォーマ』の著者、最新作! 震える、笑える、そして痺れる——ぴっかぴかのヤクザ小説、爆誕! 関西ヤクザ界に「ヒットマンブラザーズ」の異名で知られる危険な男、天空会の萩原紅。懲役囚だが刑務所内に絶大な影響力を持ち、不自由ながら懲役の面白さを感じながら刑期を過ごしていた。やがて出所し組に戻った萩原が引き起こした、構成員1万人とも言われる大川連合とのもめ事。10人の組員しかいない天空会だが、誰も引く気はない。難しいこと考えて、こぢんまりまとまっても、しゃあない――そして、また熱い日々がやってくる。
-
ドラマ映画プロデューサー・村瀬健氏、ミステリ書評家・若林踏氏、絶賛!!! 悪とは何か? 正義とは?を問う衝撃ミステリー。神奈川県警最悪の汚れ刑事、闇に潜み続けた最凶最悪の〝悪〟に挑む! 郊外の森林公園で発見された身元不明の死体の捜査に従事していた神奈川県警捜査第一課の桃井小百合は、県警本部に呼び出された。そこで彼女は本スジからはずれ、迷宮入り事件を専門に捜査する特命中隊の赤堂栄一郎警部補と組むように指示される。赤堂は以前、捜査一課の強行犯係にいた際は、“神の手”と呼ばれたエース刑事で、その検挙率は群を抜いていた。だが彼は汚職の疑いがある“汚れ刑事”でもあった。身元不明遺体発見現場に向かった赤堂と桃井は、その近くの山中で複数の遺体が埋められている場所を発見する。二人の捜査はやがて、戦後から続く人狩り集団の存在に辿り着いていく。それは神奈川で続く神隠し事件の真相につながっていた……。
-
財布や煙草入れなど、身につける小物に刺繍と金銀の箔をあわせて模様を入れる、縫箔師の咲。両親を亡くし、弟妹の親代わりとなって一生懸命に腕を磨いてきた。ある日立ち寄った日本橋の小間物屋で、咲はきれいな飛燕の簪に魅了される。気になって再び店を訪れると、その簪を手掛けたという錺師の修次と出会った。しかし二人が話している隙に、双子の子供が簪を奪って逃げてしまい……。咲が施す刺繍が人々の縁をやさしく紡ぎます──江戸のお仕事人情小説、装いを新たにシリーズ開幕!
-
深川佐賀町の稲荷小路に『足柄屋』という小間物屋を構える与四郎と小里の夫婦。十三年前に無一文で江戸にやってきた与四郎は、立ち直りのきっかけとなった地蔵様からお恵みと縁を大事にすること、そして修行時代に出会い、互いに一目惚れした女房の小里に支えられた商いが誠実なことで、周囲から評判だった。しかし深川祭りで、小僧の太助が争いに巻き込まれたことから恨みを買ってしまい、撒かれた悪評から商売が傾きつつあった……。共に助け合う夫婦の仲睦まじさと、周囲の人々の人情で解決される事件を、実力は作家が描く心温まる物語。新シリーズスタート。
-
嘉応二年(一一七〇年)。朝廷が行った強制移住で近江の国に生まれ育った蝦夷のシレトコロは、まだ見ぬ本当の故郷―奥州―を想っていた。十三歳の春のこと、三条の橘司信高と名乗る男があらわれ、シレトコロは奥羽に連れて行かれる……。それは、後の源義経の影武者とするためだった。一方、鞍馬山の牛若は、「あなた様は、源氏のお血筋。平家を打倒し、天下に名をはせるお人」という言葉によって剣術の稽古を続けていた。そして〈遮那王〉と名乗ることになった十六歳の牛若は、奥州平泉に向かう決意をする。壮大なスケールで、新しい義経を描ききった、歴史小説の金字塔!
-
さっぽろ雪まつり開幕前日に起こった、自動車窃盗事件、少女の家出、そして発砲事件。無関係に見える事件が、一年で一番賑わう札幌でひとつに収束していく。虐待、不正、外国人労働者――刑事たちの執念は届くか?圧巻のタイムリミット・サスペンス。大ベストセラー道警シリーズ、待望の最新刊!
-
札幌市内のアパートで、女性の変死体が発見された。遺体は北海道警察本部生活安全部の水村朝美巡査と判明。容疑者には交際相手で同じ本部に所属する津久井巡査部長が浮かぶ。やがて津久井に対する射殺命令までが出た。捜査から外された所轄署の佐伯警部補は、かつておとり捜査で組んだことのある津久井の潔白を証明するため有志たちと極秘裏に捜査を始めるが……。警察小説の金字塔、大ベストセラー「道警シリーズ」第1弾、新装版!
-
白昼の新宿で起きた連続殺傷事件――無差別に通行人を切りつける犯人を体当たりで刺し、その行動を阻止した男がいた。だが男は、そのまま現場を立ち去り、そして月日が流れた。未解決事件を追う警視庁追跡捜査係の沖田大輝は、犯人を刺した男の僅かな手がかりを探し求めていた。一方、同係の西川大和は、都内で起きた貴金属店強盗を追って、盗品の行方を探っていた。二人の刑事の執念の捜査が交錯するとき、それぞれの事件は驚くべき様相を見せはじめる。長編警察小説シリーズ、待望の第一弾!(解説・西上心太)
-
焼き魚、チキン南蛮、トンカツ、コロッケ、おでん、オムライス、ポテトサラダ、中華風冷や奴……。佃にある「はじめ食堂」は、昼は定食屋、夜は居酒屋を兼ねており、姑の一子と嫁の二三が、仲良く店を切り盛りしている。心と身体と財布に優しい「はじめ食堂」でお腹一杯になれば、明日の元気がわいてくる。テレビ・雑誌などの各メディアで話題となり、続々重版した、元・食堂のおばちゃんが描く、人情食堂小説。(著者によるレシピ付き)。
-
最福神社門前の茶屋「たまや」を切り盛りする母を手伝いながら、明るく元気に暮らしていた娘・すず。母娘で営む茶屋は、丁寧に作られた甘味と季節の蕎麦がうまいと客の評判も上々だ。ところが一年前の春、隅田川沿いの桜を見物に行って以来、すずはどんな医者も原因がわからぬ不調に苦しむようになった。最後の望みをかけ評判の医者の元へ向かう道すがら、具合が悪くなったすずは、宇之助と名乗る謎の占い師に助けられて……。口福を満たす甘味や蕎麦とぴたりと当たる占いが明日への幸せを呼ぶ、時代小説の新シリーズ開幕!
-
有名広告代理店を早期退職したキョウコは、古いアパート「れんげ荘」で貯金を切り崩しながら自由な暮らし。近所の花店で元気なチューリップを買ってきたり、お腹周りが心配になってきたので、遠回りして買い物に出かけたり、「れんげ荘」の元住人・コナツさんの結婚のお披露目会に、久々におめかしして出かけたり。ネコやイヌ、鳥や花や隣人とのお茶の時間などに心を癒されながら、キョウコは今日も小さな幸せを見つけています。 幸せは、人それぞれ―― キョウコは自分でも「休みすぎ!」とツッコミを入れながらも、無職のまま、月10万円の生活をのんびり続けています。 ささやかな楽しみを見つけながら。 ロングセラー「れんげ荘物語」シリーズ、第7弾! 書き下ろし長篇(どの巻からでも、お楽しみいただけます)
-
あたし、高井南海は超能力者! 今までは怪談やらアチコチで転ぶために「粗忽姫」と呼ばれていたけど、実は転ぶことでこの世界の各所にある“空間の亀裂”を修復していたのだ! 多くの人々が意図せずひっかかり、事故の原因となっていた見えない“空間の亀裂”。それを靄として感知できる御曹司の超能力者・板橋さんと組んで、あたしは世界を救うために働き出した! 仕事に恋愛、そして世界を良くしたいと願う女性の生き方――人気作家が描くちょっと不思議なSF超能力ストーリー。
-
「911」──米国は日本と違い、警察、消防、救急の区別なく、緊急事態は全てこの番号に電話を掛ける。そこで必要な対応を決定するのだ。「株式会社911代理店」はそれを日本で行うことを目的とする。恋人をテロで失い自棄になっていた元スカイマーシャルの神谷隼人は、ある出来事を契機にそこに勤めることに。しかし元悪徳警官と名高い社長をはじめ、元詐欺師に現天才ハッカーなどと、社員は皆一癖も二癖もあって? 正義とは何かを問う、痛快アクション!
-
九代将軍家重の治世。親の代からの浪人・諫山左馬介は、馴染みの棟梁の紹介で割のいい仕事にありついた。雇い主は、江戸屈指の両替屋・分銅屋仁左衛門。夜逃げした貸し方の店の片付けという楽な仕事を真面目にこなす左馬介を仁左衛門は高く評価するが、空店から不審な帳面を見つけて以降ふたりの周りは騒がしくなる。一方、若き田沼意次は亡き大御所・吉宗からの遺言に頭を悩ませていた。「幕政の中心を米から金にすべて移行せよ」。しかし、既存の制度を壊して造りなおす大改革は、武家からも札差からも猛反発必至。江戸の「金」に正面から挑む新シリーズ、堂々の第一弾!(解説/細谷正充)
-
下谷にある〈出直し神社〉には、人生を仕切り直したいと願う人々が訪れる。縁起の良い〈たね銭〉を授かりに来るのだ。神社を守るのは、うしろ戸の婆と呼ばれる老女。その手伝いをすることになった十六歳の娘おけいは、器量はよくないが気の利く働き者だ。ある日、神社にお妙と名乗る美女が現れる。蔵茶屋の商売繁盛を望む彼女が授かったのは大枚金八両。さらにうしろ戸の婆は、お妙に相談役としておけいを連れていくように言い、おけいには「蔵に閉じ込められたものをすべて解き放ってくるように」と耳打ちして──。読み応え抜群の時代小説。(解説・吉田伸子)
-
なびきは幼い頃に親兄弟とはぐれ、神田に煮売屋を営む久蔵に引き取られた。養親となった久蔵が富士のお山でのご来光を拝むために旅立ったことで、十四歳のなびきが女将として、間口二間で二階建ての店を任される。久蔵が残した「神棚の神さまへの供えだけは忘れるな」という教えと、料理の腕で店の切り盛りは何とかなるものの、なびきを悩ませるのは、店に持ち込まれるお客たちの事件や謎だった。不思議な神さまのお告げと持ち前の鋭さで、なびきは難事を乗り越えていくのだが……。美味しい料理と事件の謎が彩る、江戸前ミステリーの誕生。
-
ヒマラヤで氷河湖が決壊した。下流のダム湖に浮かび上がったのは、なんと古代の「方舟」だった。こんな高地になぜ文明の跡が? いぶかる調査隊をさらに驚愕させたのは内部から発見された大量の木簡。それらにはみな、不思議な蓮華模様が刻まれており、文字とも絵とも判然としなかったが、なんらかのメッセージを伝えているのは確かだった――。一体、何者が、何を伝えようというのか? 第3回小松左京賞受賞作『神様のパズル』に続く、傑作長編SF、待望の文庫化。
-
嘉永六年(1853)江戸。好奇心たっぷりの銀次と絵師の歌川芳徳は、妖怪伝説やゴシップネタなどを追う、低俗なかわら版を売りさばいて人気を博していたが、浦賀に来た黒船を見に行き、勢いで乗り込んだことがきっかけで人生が変わる。江戸一番の物知りと評判が高い佐久間象山に師事し、勝麟太郎や坂本龍馬、吉田松陰、西郷吉之助など、様々な幕末の英雄と出会い、大地震や大火災、死の疫病をかわら版で報じるうちに、銀次は報道の使命に目覚め、弱き大衆のために立ち上がる。 幕末の動乱の中で、真実(たまに嘘)を追い求めるかわら版屋を描いた、痛快時代小説!!
-
お家騒動に遭遇したのを幸いに、知恵を絞り尽くして食と職にありつこうとする主人公の悲哀を軽妙に描き、映画「椿三十郎」の原作にもなった「日日平安」をはじめ、男勝りの江戸のキャリアウーマンが登場する「しゅるしゅる」、若いふたりの不器用な恋が美しい「鶴は帰りぬ」など、若者たちを主人公に据えた時代小説全六篇を収録。山本周五郎ならではの品のいいユーモアに溢れ、誇り高い日本人の姿が浮かびあがるオリジナル名作短篇集。(編/解説・竹添敦子)
-
阿佐ヶ谷のガード下にある居酒屋「善次郎」。妻を絞め殺したと思いこんだ男、借金の取り立てから追われる男、その他、様々な窮地に立たされた常連客たちが、己の苦境から現実逃避するために、偶然この店に集まってしまった。一方、別の事件で警察が「善次郎」の向かいの店にパトカーで出動。サイレンの音を聞いた常連客たちは、それぞれが自分を捕まえにきたと思いこみ、事態は立て籠もり事件にエスカレートしてしまうのだが・・・・・・。抱腹絶倒のスラップスティック小説の金字塔、待望の文庫化!
-
時は江戸。上野の禅寺で住職の天暁と暮らす十四歳の少年がいた。名は弥六。かつて幕府と盟を結んでいた大妖怪・白仙と、人間の女の間に産まれた〝半妖〟の子だ。だが白仙は七年前、突然数多の妖怪達と江戸を襲撃し、姿を消した。以来幕府は怨霊怪異改方──通称・孔雀組を組織し妖怪を厳しく取り締まり、人も暮らしにくい窮屈な世となってしまった。弥六は、人も妖怪も平穏に暮らせる世を目指し、烏天狗の黒鉄と、夜ごと江戸の町を見廻るが……。妖怪×剣戟ノンストップ時代小説の誕生!
-
「それは、そのうちね」そう、お妙がにっこり笑う。お花が
「料理を教えて」というと、お妙はきまってそう有耶無耶に
してしまうのだ。養い子のお花は、引き取ってくれた只次郎
とお妙の役に立ちたいだけなのに――。一方、かつてお妙と
只次郎の世話になった薬問屋「俵屋」の小僧・熊吉は十八歳
になり、手代へと昇進していた。出世頭には違いないが、小
僧とは距離ができ、年嵩には疎まれ、心労が半端ない……。
蕗の薹の芥子和え、タラの芽の天麩羅、ホクホク枸杞飯、そ
してふわふわの鰻づくし! 彩り豊かな料理と共に、若い二
人の成長を瑞々しく描く傑作人情時代小説、新装開店です! -
北海道警察本部刑事部捜査第一課に所属する吉灘麻耶は、ある事件で負った怪我をきっかけに、“廃墟に限定して、そこで起こった過去の情報を視ることができる目”を持つようになった。そして、廃墟に関わる事件を専門で追う、窓際部署・廃物件捜査班に異動させられる。ある日、定山渓温泉の廃旅館で大規模な火災が発生。現場に向かうと、麻耶には異様な人影が視え、何者かの感情が流れ込む感覚に陥って……。書き下ろし警察小説。
-
無料で「こども飯」を提供する『大衆食堂かざま』。店のオーナーの息子・心也は、怪我で大好きなサッカーができなくなり、中学最後の夏休みを前に晴れない気持ちを持て余している。また心也は、時々こども飯を食べにくる同級生のことを気にしていた。一人は夕花。クラスから疎外され、義父との折り合いも悪い。もう一人は金髪パーマの不良、石村。友情と恋心、夏の逃避行。大人たちの深い想い。〈子ども食堂〉から始まる思いやりの連鎖が、温かな奇跡を呼ぶ。傑作長篇、待望の文庫化!
-
高校球児だった太田裕二は「将来プロ野球選手になる!」という夢を抱いていたが、あと一歩というところで甲子園の出場を逃し、その夢は儚くも散ってしまった。その後、太田は地方局のアナウンサーとなり、夢を諦めてから三十五年の歳月が流れ、五十三歳になっていた。そんなある日、番組で太田が発した一言がきっかけとなり、世の中が急激に動き出す。それと同時に、忘れかけていた「プロ野球選手になる!」という太田の夢が再び燃焼するが――。中年男の挑戦が今、始まる!
-
松前家中の少年、春山伸輔は、尊皇攘夷に与しなかったことで落ちぶれてしまった家名を復権させるべく、箱館の遊軍隊と合流。
榎本軍への撹乱活動を行っていた。
一方、新選組副長だった土方歳三は、蝦夷地にできた箱館政府において陸軍奉行並となっていた。
市中の混乱を収めつつ、近藤勇らと夢見た国盗りを、再びこの地で実現させようとしていた。
薬売りに変じて市中見廻りに出ていた土方歳三は、撹乱活動中だった伸輔と偶然にも知り合うことになる。
互いの正体を知らないままに、知遇を得た二人。
だが激化する戦いが、やがて二人の運命を切り裂いていく。待望の文庫化。 -
第15回角川春樹小説賞受賞作
「狼との闘いの描出に秀でたものがある」北方謙三
「一種の『チームもの』『バディもの』としてもよく出来ている」今野敏
「時代小説の持つべき要諦を完璧に押さえている」今村翔吾
「『狼狩奉行』という役職に着目した点が鋭く、ミステリータッチの部分も効果的」角川春樹
選考委員、満場一致!静謐なるデビュー作。時代小説の本流を継ぐ、新人誕生。
江戸時代、馬産が盛んな地域にとって、狼害は由々しき問題だった。そのため、奥州には狼を狩る役――狼狩奉行が存在した。狼狩奉行に就くよう藩から申し渡された、岩泉亮介。父が三年前に非業の死を遂げ、家督を継いだ兄も病で臥せっている。家のため、命を受けた亮介だったが、今、狼の群れは「黒絞り」という見たこともない大きな頭目に率いられ、かつてないほどの狼害を引き起こしていた。だが「黒絞り」を追う内に、父の死の真相、藩の不正問題にまで繋がり……。狼狩を通じて描かれる、自然と人。時代小説に新風を吹き込む静謐な世界。
・キャンペーンの内容や期間は予告なく変更する場合があります。
・コインUP表示がある場合、ご購入時に付与されるキャンペーン分のコインは期間限定コインです。詳しくはこちら
・決済時に商品の合計税抜金額に対して課税するため、作品詳細ページの表示価格と差が生じる場合がございます。