西穂高独標付近で倒れている男が発見された。当初は遭難と思われたが、遺体にはアイスピック状の刺し傷があったため、殺人事件と思われた。
長野県警豊科署の人情刑事・道原伝吉も、不自然な現場を目の当たりにして、殺人事件と考えた。
殺害された被害者の身元を調べていくと、かつて働いていた一流企業を同時期に辞めた男も、南アルプスで殺害されるという事件が起きた。
その被害者も、アイスピック状の凶器に倒れたと判明し、ふたつの事件は同一犯によるものであろうと推測された。
伝吉はふたりの被害者の足跡を追い、隠されていた共通項を見いだし、犯人に近づいていく!
読み応え十分の中編3本からなる山岳推理集である。
「穂高屏風岩」では、穂高屏風岩の屏風ノ頭で恋人と待ち合わせしていたが現れないと、女性が山小屋に助けを求めてきた。男はどこに行ったのか。
「鬼の生還」は、遭難した男が羽毛服を着ていなかったことに違和感を覚えた豊科署の刑事たちは、そこから重大な事件を嗅ぎ取った。
「夜の山脈」では、食堂に4歳の男の子がひとりでご飯を食べやってきた。この子に両親はいないのか。食堂の店主からの通報を受けた道原伝吉は、単なる迷子ではなく、事件が潜んでいると直感した。
660円〜682円(税込)
ちょうどその日、冬の上高地で、カラマツの木に寄りかかるようにして立つ、氷に閉じ込められた遺体が発見された。いったい誰が、手間をかけた遺体をつくったのか。警察官の妻の射殺と関連ははたしてあるのか。稀にみる難事件に、長野県警豊科署の道原伝吉が挑む!一月下旬の朝、警視庁刑事の妻射殺事件のニュースで持ちきりだった長野県警豊科署に「妙な遭難者を発見」の通報が入った。現場は上高地の小梨平。遭難者は若い男性で、氷柱の中に閉じ込められた形で木の幹に添って立っていた。所持品から身元は割れたが、脇腹を二か所刺されていたため他殺と断定、殺人事件へ。手がかりも殺害動機も掴めず、捜査は難航。担当の道原伝吉刑事も、これだけ犯人像が浮かばない事件も珍しい―と。山岳ミステリーの第一人者・梓林太郎の渾身作。
読み応え十分の5つの中編ミステリーからなっている。
表題となった「白銀の暗黒」は、北アルプスの屏風岩で転落死した登山者のテントに、別の登山者の凍死体が発見されたことが事件の発端となった。
「潜伏」では、自分のミスから若い女性を死なせたことから責任をとって辞職した元刑事が、数十年後、死の予感の中で、迷宮入りとなったその事件に、鋭い推理を働かせる。
「弱味」は、6千万円を持ったまま行方不明になった不動産会社社長の行動を追ううちに、忌まわしい過去をあぶり出していく。
「岩尾根の告発」では、ピッケルを間違えてられた若者に悲劇が襲いかかる。
「雪の蝶」では、記憶喪失になった男が、蝶を描くことだけはできるということを知った長野県警豊科署の道原伝吉の見事な推理が冴え渡る。
「避難命令」では、雪山の小屋から署に犯人移送をはじめた伝吉たち刑事の危機を描く。
梓林太郎が、巧みで、力強いことをあらためて知らせている。読後感は清涼だ
登山者の少ない北アルプス霞沢岳で、顔面を無惨に切り裂かれた死体が発見された。
ポケットにはコスモスの花びらが一枚入っていた。
八日後、遠く北海道警旭川東署から、旭岳で同じように顔面を刻まれて殺された死体が見つかったとの報告を、長野県警豊科署の道原伝吉刑事は受けた。
ポケットには同じようにコスモスの花びらがひとつ。
地道な捜査をつづけるが、連続殺人の輪郭を描けず、被害者に共通することは何も見つけられない。
捜査本部に行き詰まり感が漂いはじめた頃、第三の殺人の報が入った。
宿怨を抱く犯人とは誰か。
そして、殺された者たちに共通する行いとは何だったのか……。
刑事の鬼気迫る執念が、男たちの闇をあぶりだしていく。
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