第24回電撃小説大賞《金賞》受賞作! ――これは僕が失った、二百十四回にも及ぶ一週間の恋の話。そして、わたしが手にした、四年に及ぶ一度きりの恋の話。
「ねえ、由くん。わたしはあなたが――」 初めて聞いたその声に足を止める。学校からの帰り道。中学のグラウンドや、駅前の本屋。それから白い猫が眠る空き地の中で、なぜだか僕のことを知っている不思議な少女・椎名由希は、いつもそんな風に声をかけてきた。笑って、泣いて、怒って、手を繋いで。僕たちは何度も、消えていく思い出を、どこにも存在しない約束を重ねていく。だから、僕は何も知らなかったんだ。由希が浮かべた笑顔の価値も、零した涙の意味も。たくさんの「初めまして」に込められた、たった一つの想いすら。これは残酷なまでに切なく、心を捉えて離さない、出会いと別れの物語。
(C)AYA HAZUKI 2018
これはわたしが紡いだ、あの夏から続く“願い”の物語。
そして――
これは僕に届いた、いつかの春へと続く“希望”の物語だ。
「わたしたちは最後の瞬間、お互いに向かって同じことを願ったの。会いにきて、名前を呼んでって。だって、それは――」
大学生活も終わりの足音が近づいてきた春の日に、僕は見知らぬ少年に声をかけた。その横顔はやけに真剣で、切実で、かつての自分に重なった気がした。
こんな風に新たな出会いを紡ぎ、僕は明日を歩いていく。いつか失った“願い”を手に、幸のように笑う“誰か”のもとへ。再び辿りつくことを祈りながら。
電撃文庫MAGAZINEに掲載され、好評を博した短編3本に加え、書き下ろし中編『Contact.214+1 僕たちの辿りついた場所』を収録した待望の続刊が登場!
各671円 (税込)
「ねえ、由くん。わたしはあなたが――」 初めて聞いたその声に足を止める。学校からの帰り道。中学のグラウンドや、駅前の本屋。それから白い猫が眠る空き地の中で、なぜだか僕のことを知っている不思議な少女・椎名由希は、いつもそんな風に声をかけてきた。笑って、泣いて、怒って、手を繋いで。僕たちは何度も、消えていく思い出を、どこにも存在しない約束を重ねていく。だから、僕は何も知らなかったんだ。由希が浮かべた笑顔の価値も、零した涙の意味も。たくさんの「初めまして」に込められた、たった一つの想いすら。これは残酷なまでに切なく、心を捉えて離さない、出会いと別れの物語。
これはわたしが紡いだ、あの夏から続く“願い”の物語。
そして――
これは僕に届いた、いつかの春へと続く“希望”の物語だ。
「わたしたちは最後の瞬間、お互いに向かって同じことを願ったの。会いにきて、名前を呼んでって。だって、それは――」
大学生活も終わりの足音が近づいてきた春の日に、僕は見知らぬ少年に声をかけた。その横顔はやけに真剣で、切実で、かつての自分に重なった気がした。
こんな風に新たな出会いを紡ぎ、僕は明日を歩いていく。いつか失った“願い”を手に、幸のように笑う“誰か”のもとへ。再び辿りつくことを祈りながら。
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