巨大地震は地殻に大変動をもたらす。震源が原発付近になれば、原発は津波が来る前に崩壊する。プレートのぶつかり合いによって誕生した、日本列島の地盤は極めてぜい弱だ。活断層はいつでもどこでも生じ得る。
東北地方太平洋沖地震の直後に、深海調査研究船が震源域で海底地形の調査を行なった。高さ50メートル、幅1500メートルの地殻の隆起が、海底に伸びていた。震源から福島第一原子力発電所までの距離は、180キロメートル。巨大地震が、原子力発電所の直下、あるいは近傍で発生すれば、どのような技術的対策も無意味になる。発電所は瞬間的に壊滅する。太平洋沖地震の前の50年余の間に、マグニチュード9クラスの巨大地震が世界で5回発生した。特に、アラスカ西部からアリューシャン列島にかけての太平洋北部で、集中的に3回の巨大地震が発生。日本列島周辺での巨大地震発生は、「想定内」にしなければならなかった。本著で、地球規模の地殻プレートの動きを考慮して、日本列島周辺で発生する巨大地震の様相を述べている。放射線許容量の問題は、生物学的な視点から考察している。被爆者にどのような長期的影響が現れるのかが、分かりにくい。子や孫にも影響が出る可能性があるのだから、生物学の専門家でもない限り、不安の念をふくらませても仕方がない。まして、行政が決める許容量なるものが、行政の都合で勝手に変えられてしまうのだから、何を信じていいのか分からないという感想を、多くの人たちが持つのは当然だ。生体への放射線の影響を正確に知ることによって、日本人が置かれている状況を理解することができる。発電方法が原子力以外に何もないならば、ある程度のコストと犠牲を覚悟の上で、原子力発電に頼らざるを得ない。しかし、発電は、風力発電に見るように、各種のとても古典的な方法で行なうことができる。箱物の建設費だけで数千億円から1兆円を超える、巨大で複雑、かつ危険な原子力発電所で発電をする必要は、全くない。科学においては、客観的な事象に直結した情報やデータを集め、解析し、判断し、帰納法的な考察から結論を出す。科学者である著者は、その方法論を使って本書を書いた。第1章原子力安全神話の恐ろしい背景
第2章とても高くつく原子力発電
第3章必然だった原子力発電所の事故
第4章ガラパゴス化する日本の対応
第5章技術で止められない巨大地震の破壊力
第6章生体への放射線の影響
第7章高レベル放射性廃棄物の悪夢
第8章原子力から再生可能エネルギーへ
(c) 2011 Jun Watogawa
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