本書は、2006年に秀和システムから出版した『ドラッカーが描く未来社会』を底本に、第1話から第6話に再編集したその第1話です。
知の巨人ピーター・ドラッカー――。
ドラッカーの名を聞くと、多くの人は反射的にマネジメントという言葉を思い浮かべるに違いありません。確かにドラッカーは「マネジメントを発明した男」とさえ言われるほどですから、これもまた仕方のないことでしょう。
しかしながら、ドラッカーの約六五年の著作活動を検討すると、単にドラッカー=マネジメントとする発想はあまりにも短絡的過ぎることが分かります。というのも、ドラッカーは当初からマネジメントを研究対象にしていたのではなく、異なる興味からやがてマネジメントに辿り着いた側面が強いからです。
では、ドラッカーは本来何に興味をもっていたのでしょうか。ドラッカーは自分自身を「観察者」であり「社会生態学者」であり「文筆家」と規定していました。
では、ほぼ96年の生涯を通して、社会生態の何を観察して記述したのでしょうか。そのエッセンスに迫ろうというのが本書です。本書を一読することで、ドラッカーの生涯、ドラッカーが世に問うた著作、さらに個々の著作でドラッカーが考えたこと、これらについてひとさらえに把握できるようにしました。
本書がドラッカーを理解するための一助となれば、筆者として幸いです。
【目次】
1-1 ドラッカー略伝とその著作
1-2 社会生態学者としてのドラッカー
1-3 社会生態学者の方法論
1-4 “非”未来学者としてのドラッカー
1-5 ドラッカー思想の変遷
1-6 ドラッカーの未来社会論に分け入る
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本書は、2006年に秀和システムから出版した『ドラッカーが描く未来社会』を底本に、第1話から第6話に再編集したその第6話です。
ドラッカーは著作『ネクスト・ソサエティ』の中で、人類には4度情報革命を経験していると説きました。まず紀元前4000年頃に文字が発明されてこれにより第一次情報革命が起こります。次に中国では紀元前1300年頃、ギリシャでは紀元前500年頃に、書籍の発明による第二次情報革命が起こりました。
さらに15世紀半ばになると活版印刷が実用化されることで第三次情報革命が起こりました。そして現在、コンピュータとインターネットの発明で起こったのが第四次情報革命です。
面白いのは、こうした革命的出来事をつぶさに見ていくと、情報革命の震源となった基本技術とは異なる分野に大きな影響を及ぼしている点です。
たとえば印刷技術は出版業の勃興や宗教改革、学校制度の変化をもたらしました。また産業革命では蒸気機関がその震源となりましたが、これは船舶や鉄道の発展、旅行業や電信の進展などをもたらしました。いずれも基本技術とは異なる分野に大きな影響をもたらしています。
そして同じことが、第四次情報革命の真っ只中にある現在にも言える、というのがドラッカーの見立てです。
では、どの分野にどのような影響をもたらすのでしようか。その点に関するドラッカーの考えをすくいとるのが本書です。
本書がさらに進展する情報化社会を生き抜くためのヒントになれば筆者としても幸いです。
【目次】
6-1 まったく新しい産業の胎動
6-2 人口減少・少子高齢化社会、日本
6-3 日本が背負う課題
6-4 イノベーションの追求
6-5 起業の促進
6-6 知識社会と21世紀型社会の狭間で
101円〜255円(税込)
本書は、2006年に秀和システムから出版した『ドラッカーが描く未来社会』を底本に、第1話から第6話に再編集したその第1話です。
知の巨人ピーター・ドラッカー――。
ドラッカーの名を聞くと、多くの人は反射的にマネジメントという言葉を思い浮かべるに違いありません。確かにドラッカーは「マネジメントを発明した男」とさえ言われるほどですから、これもまた仕方のないことでしょう。
しかしながら、ドラッカーの約六五年の著作活動を検討すると、単にドラッカー=マネジメントとする発想はあまりにも短絡的過ぎることが分かります。というのも、ドラッカーは当初からマネジメントを研究対象にしていたのではなく、異なる興味からやがてマネジメントに辿り着いた側面が強いからです。
では、ドラッカーは本来何に興味をもっていたのでしょうか。ドラッカーは自分自身を「観察者」であり「社会生態学者」であり「文筆家」と規定していました。
では、ほぼ96年の生涯を通して、社会生態の何を観察して記述したのでしょうか。そのエッセンスに迫ろうというのが本書です。本書を一読することで、ドラッカーの生涯、ドラッカーが世に問うた著作、さらに個々の著作でドラッカーが考えたこと、これらについてひとさらえに把握できるようにしました。
本書がドラッカーを理解するための一助となれば、筆者として幸いです。
【目次】
1-1 ドラッカー略伝とその著作
1-2 社会生態学者としてのドラッカー
1-3 社会生態学者の方法論
1-4 “非”未来学者としてのドラッカー
1-5 ドラッカー思想の変遷
1-6 ドラッカーの未来社会論に分け入る
本書は、2006年に秀和システムから出版した『ドラッカーが描く未来社会』を底本に、第1話から第6話に再編集したその第2話です。
『ドラッカーが考えたこと』シリーズ、その第二弾は、無名時代のドラッカーがいかにしてマネジメント論を提唱するようになったかにスポットを当てています。
オーストリア=ハンガリー帝国のウィーンに生まれたドラッカーは、幼少時に第一次世界大戦やオーストリア帝国の消滅を経験します。停滞するウィーンに見切りを付け、ドイツで新聞記者、イギリスでは商業銀行のバンカーとして働きます。
しかし、30歳になっても、自分がどやって生きていくべきなのかはっきりしなかった、と自身が述べるように、この頃のドラッカーはまさに暗中模索の時代でした。
未来が大きく開けるのはドラッカーがアメリカに渡ってからです。ここで文筆家としてのデビューを果たし、さらにマネジメントの重要性を声高に主張することで、ドラッカーは一躍ときの人になります。
では、ドラッカーのマネジメント論はいかにして生まれたのか──。
この点については特に本書の後半部分を読んでもらえれば、その謎が解けると思います。
本書がドラッカーを理解するための一助となれば、筆者として幸いです。
【目次】
2-1 第二次世界大戦までの20世紀
2-2 無名時代のドラッカー
2-3 19世紀と20世紀のせめぎ合い
2-4 組織社会――経済人の次に来るもの
2-5 産業社会の中心としての企業
2-6 マネジメントの発明
本書は、2006年に秀和システムから出版した『ドラッカーが描く未来社会』を底本に、第1話から第6話に再編集したその第3話です。
ドラッカーが1969年に出版して世界的なベストセラーになった著作に『断絶の時代』があります。今さら言うまでもありませんが、我々の住む社会は時の経過とともに変化します。
しかしながら、時代によってはある時期の社会と別の時期の社会とでは、その在り方が根底から異なっている場合があります。たとえば、江戸時代の社会と明治時代の社会、あるいは第二次世界大戦前後の社会です。このように質的に異なる社会はそれぞれが「断絶」していると言えるでしょう。
この社会の断絶はある日突如として生じるものではありません。10年や20年、ときには100年や200年かかることもあります。ドラッカーは断絶した社会が作り上げられるこの過渡期のことを断絶の時代と呼びました。
日本は第二次世界大戦後に、世界も驚く経済成長を遂げました。しかし右肩上がりの経済発展にも終止符が打たれ、現在は経済の停滞が20年、やがては30年続くのではないかという状況です。してみれば、現在の我々も断絶の時代に生きていると言えそうです。
では、断絶の時代をいかに生きるべきか──。そのヒントを見出そうとするのが本書に違いありません。
【目次】
3-1 メイド・イン・USAの時代3-2 技術に知識を応用する3-3 知識労働者の出現3-4 断絶の時代への突入3-5 多元社会の到来3-6 多元論から民営化へ3-7 政府が抱える病理3-8 非営利組織への期待3-9 多元社会の問題点
本書は、2006年に秀和システムから出版した『ドラッカーが描く未来社会』を底本に、第1話から第6話に再編集したその第4話です。
ドラッカーは自分自身を「未来学者」とは定義しませんでした。しかし、社会生態を精緻に観察するドラッカーは、将来の予測をたびたび開陳し、それが次々と現実のものになることがしばしばありました。
ドラッカーが将来について考える際、特に重視したのが人口動態です。その国の人口動態を見れば、たとえば20年後にどのような年齢構成になるのか、ほぼ確実に予測できます。
ドラッカーはこのような事象を「すでに起こった未来」と称したものです。
確かに、すでに起こった未来をベースに考えれば、20年という長期的な変化についても予測する手掛かりが得られるでしょう。
現在の日本は未曾有の少子高齢化社会に突入しています。ドラッカーはこの少子高齢化社会をいかに捉え、どのように対処すべきだと提唱したのか──。ドラッカーの提言には、現代の日本社会を考える上での重要なヒントが隠されていると思います。
【目次】
4-1 すでに起こった未来としての人口動態
4-2 人口動態から導き出せるもの
4-3 少子高齢化社会にどう対応するのか
4-4 年金基金社会主義の誕生
4-5 大口投資家の功罪
4-6 ソビエト連邦の崩壊
4-7 世界経済の推移を観察する
4-8 国境を越えた連合
4-9 世界経済の3つのベクトル
本書は、2006年に秀和システムから出版した『ドラッカーが描く未来社会』を底本に、第1話から第6話に再編集したその第5話です。
ドラッカーは古くから資本に代わって知識が生産の主要な要素になると喝破していました。ドラッカーはこうした知識を生産の主要素にする社会を知識社会と呼びました。
ドラッカーが知識社会について書いた著作は多数あるのですが、その中でも筆者が勧めたいのが『ポスト資本主義社会』です。この著作の出版は1993年ですが、現在読んでもいまだ示唆に富む著作と言って間違いありません。
ドラッカーは1993年当時、新たに現れつつあるいまの社会を、知識社会というには未熟過ぎると指摘しました。しかし、資源は資本や労働力から知識に移行しているのは明らかだと見て取ります。そこで名付けられたのが「ポスト資本主義社会」です。
それから20年、知識社会化はすさまじい勢いで進んでいます。それはインターネットで絶大な力を誇るグーグルが、まさに持てる知識を縦横無尽に活用して大きな富を築いていることからも容易に理解できるでしょう。
本書では、ドラッカーが『ポスト資本主義社会』で述べた、知識社会に関する問題について取り上げて解説することを主たる目的としています。その上で、我々は現在の知識社会をいかに生きるべきなのか、ドラッカーの考えからそのヒントを手にすることを目指したいと考えています。
【目次】
5-1 知識社会に至る道程
5-2 ポスト資本主義社会で起きていること
5-3 知識労働者とは誰なのか
5-4 生産性の向上と労働者間の対立
5-5 アウトソーシングによる生産性の向上
5-6 知識社会の組織の特徴
5-7 自らチェンジ・リーダーになれ
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