第14回MF文庫Jライトノベル新人賞受賞作品が発売開始!
第14回MF文庫J新人賞で賞を受賞した期待の作品がついに書籍化!それを記念し、受賞4作品のうち2作品以上ご購入でコインが10倍還元となるお得なフェアを開催中!応募総数2,049作から選ばれた珠玉の4作品をぜひご堪能ください!
キャンペーン期間
人形剣士<ドールブレイブ>は絶ち切れない 一等審問官ガルノーの監視記録
聖語の皇弟と魔剣の騎士姫 ~蒼雪のクロニクル~ I
【この作品の見どころ】 科学文明が衰退した世界で、魔法のごとき〈聖語〉が物理世界を書き換える、絢爛豪華な魔法学園ファンタジー。
憧れてしまうような学園生活、華麗なバトルと仄かな恋愛模様、思春期特有の将来への想いなど、見所満載の本作。学生の皆様は是非ともお楽しみ下さい!(もちろん社会人の方も!)
【作者コメント】
はじめまして、春楡遥です。まずはこの場をお借りしまして、審査員並びに編集部の皆様、そして家族・友人に心からの御礼を。この度は、栄えある優秀賞に選んで頂き、誠にありがとうございました。
奇しくも受賞の知らせは、飽き風そよめくキャンパス内。
塵を積もらせ山と化した課題に、汲汲忙忙としていた折。
「おめでとうございます」との吉報に前途洋々、意気揚々。
唯々諾々と邁進するも、めくるめく推敲作業に戦々恐々として今に至ります。
カレイの目もかくや、とばかりに斜に構えていた当時。
失礼にも「これ、ドッキリじゃないですよね?」と電話口で返してしまい、担当さんに笑われたのは良い思い出―――じゃなくて、済みませんでした、ええ。
さて、抱負というかマジメなお話。いわゆる「ゆとり」世代として過ごした思春期を振り返って、思うのは。ラノベに限らず濃密な読書体験が、本当の意味で心に「ゆとり」をもたらしてくれたこと、でしょうか。
「ゆとり」はおろか、現実こんなものと「さとり」。
「お値段以上」に働く「ニトリ」となった暁には、伴侶無き「おヒトリ」様――なこの時代。
「学校面倒くせー」が、「宿題、早めにやっておこうかな」に変わるような。
困難に立ち向かう主人公達の物語、そんな勇気を届けられれば嬉しいです!
【審査員コメント(さがら総先生)】
エネルギッシュな熱量と、装飾的文章に彩られた近未来ファンタジー作品。「言語」という、この世界観の根底設定に関するこだわりが随所に挟まってくる点がよかったです。
しかし、構成の難や雰囲気にそぐわないメタネタなど、書き手による取捨選択が適切になされておらず、応募時点での穴は大きいように見えます。全く評価できないという声もあがったほどに、尖った作品です。
ただ、この話はだれにでも書けるものではありません。少なくとも、自分には絶対に書けない。このオリジナリティと深い世界観、加えて独特の熱を大事にしていただきたいと思います。完成作を読めるのを、ある意味で最も楽しみにしています。がんばってください!
青色ノイズと<やきもち>キラーチューン ワケありJKと始める男装V系バンド
【この作品の見どころ】
過去<トラウマ>を打ち砕き、大切な仲間<アナタ>へ懸命に理想<ユメ>を歌う学園青春バンドストーリー!
恋、夢、音楽――。掻き鳴らされる苦くも熱い青春の爆音<ノイズ>を心からキミに伝えたい! そんな情熱<パトス>に溢れる本作をどうぞお楽しみください!
【作者コメント】
はじめまして、総夜ムカイと申します。審査員特別賞。何だか凄く良い響きでございます。審査員の先生方、関係者の皆様に心からお礼を申し上げます。
実は私、しばらく投稿から遠ざかっており、3年ぶりに書いたのが本作です。最後に自分が本当に書きたい物を書いて、ライトノベル作家になる夢は諦めるつもりでした。それだけに投稿したこともすっかり忘れており、最初に入賞のメールを受信した際は、MF文庫Jを名乗るスパムメールが流行しているのだと思い、一日放置してしまった程です。
本当に欲しいと願った時はそっぽを向くくせに、もういらないやと手放したらそっちからやってくる。夢ってツンデレタイプのヒロインだと思うんですよ。
三十路を越えて作家デビュー。正直、不安や戸惑いもありますが、どうせならこのラノベみたいな現実を心から楽しんでやろうと思います!
【審査員コメント(三浦勇雄先生)】
ラブコメ要素もあり、青春小説的な要素もあり。ただ何処か振りきれておらず、どっちつかずな印象がありました。審査会ではいっそのことラブコメの方向に寄せたほうがいいのでは? という意見もありましたが、僕はあえて言いたい。僕の総評を踏まえた上で、ラブコメにも青春小説にも、どちらの方向にも尖ってほしい、と。
ラブコメと青春小説は共存できる(と個人的に思っています)。そのための武器に当たるのが本作品の「男装」や「ビジュアル系バンド」などといった飛び道具なのです。現時点ではそれらの飛び道具が活かしきれていない。しかしテーマに寄り添う形で活かすことができたなら、この作品はもっと面白いものになると僕は思っています。いや、結構確信しています。それだけの可能性がこの作品にはあると確かに感じたのです。
改稿を経てどんな姿になって本になるのか。楽しみにお待ちしております。
ラブコメの神様なのに俺のラブコメを邪魔するの? だって好きなんだもん
【この作品の見どころ】 好きな女の子への告白が阻止される理由は、自分に惚れたラブコメの神様が邪魔するせいだった!
という100%の学園ラブコメ。ウザかわいい神様アテナちゃんと告白が阻止される現象のぶっ飛び具合にご注目ください。
【作者コメント】
はじめまして、三月みどりと申します。このたびは光栄ある賞を頂きまことにありがとうございます。
自分は今から三年前にライトノベルと出会ったのですが、その魅力に一瞬で取りつかれるとすぐに自分もライトノベルを書きたい、そして自分の作品を沢山の人に読んでもらいたいと思うようになりました。
なので、今回その機会を頂けて非常に嬉しく思っています。
より多くの読者の皆様に「おもしろい!」と感じてもらえるような作品をつくれるように、精一杯頑張っていきたいと思います。
最後となりましたが、自分の作品を選んで下さった審査員の皆様、編集部の皆様に感謝してもしきれません。本当にありがとうございます。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。
【審査員コメント(鈴木大輔先生)】
エピソードが絞られ、テンポよく話が進む。時間の経過もスピーディ。キャラ造形にも大きな破綻はなく、安心して読み進められる。文章も読みやすい。もろもろ足りない箇所は散見されましたが、今回の受賞作の中で最も完成度が高かった作品だと個人的には思います。
ただし、作品全体から漂うテンプレ感の強さが、審査においてマイナスに働きました。これだけテンプレで固めてしまうと『どこかで読んだ感』がありすぎて、商品化した際のセールスポイントが薄くなってしまいます。キャラでも設定でも展開でもいいので、何かひとつ突出した要素を盛り込めていれば、違った結果になっていたかもしれません。
読みやすい小説を書く能力はすでに持っている作者だと思うので、担当編集とよく話し合って改稿を重ねてください。期待しています。
【この作品の見どころ】 審問官ガルノーの視点から、剣士のブレイスと人形のリネットの二人の動向を観察するという一風変わった書き口の物語です。ブレイスの軽口、そしてリネットの可愛らしく愛おしい仕草を追っていくうちに、気付けば大きな事件に巻き込まれていくことに……。構成力の高さにも注目です。
【作者コメント】 初めまして、林星悟と申します。このコメントを書く傍ら、明日の気象予報を見ていますが、平成最後の夏は酷暑が続いています。皆様、熱中症にはくれぐれもお気を付けください。
さて、この度は最優秀賞という大変に栄誉ある賞を頂き、心より御礼申し上げます。審査員の皆様や編集部の方々、そして自分の夢を応援して下さった友人達には、感謝してもしきれません。
自分の作品は、実のところ賞取ったるぞゴラァ! という熱意をもって書いたわけではなく、誰かに読んでもらいたくて書き上げただけの小説でした。今まで世界中で自分一人だけが面白いに違いないと思い続けながら、誰にも見せずに仕舞い込んできたような妄想のひとつです。その妄想を物語という形にして、このような評価を現実に頂けたことは、大きな自信でもあり、同じくらいに大きな不安でもあります。
ですが今はこの結果を喜び、大好きな緑色の背表紙に並び立てる名誉と責任を胸に、多くの人々に「楽しい!」「面白い!」「好き!」を届けていけたらと思っています。かつて自分が偉大な先輩方の作品に沢山のものを貰ったのと同じように。どうぞこれから、よろしくお願い致します。
【審査員コメント(志端祐先生)】 人形と魔法と正義の在り方をテーマにした、古き良き正統派ファンタジーです。伏線の張り方、構成が巧みで、作者の確かな筆力を感じました。特に中盤の山となるシーンでの戦闘描写は白眉で、読んでいてかなりゾクゾクしました。最優秀賞に選ばれたのは、その完成度の高さゆえですが、反面、作風が全体的に地味であること、視点人物への感情移入がしにくい、キャラクター造形の弱さなども指摘されました。改稿でこれらのウィークポイントが改善され、より素晴らしい作品になることを期待しております。