”不朽の名作”として語り継がれること間違いなし!バトル・アクション11選
バトル・アクション漫画は、子どもから大人までさまざま世代から愛される王道ジャンル。その中から、長年にわたり”不朽の名作”として語り継がれること間違いなしのおすすめ作品をご紹介します。
チェンソーマン
2022年10月よりアニメ放送もスタートし、話題を呼んでいる作品。舞台は「悪魔」が日常にいる世界。主人公のデンジは一度殺されてしまうが、「チェンソーの悪魔」と契約して蘇る。そしてマキマというミステリアスな女性に拾われ、“公安”所属のデビルハンターとなり悪魔と戦っていく様子を描く。
週刊少年ジャンプの主人公とは思えないくらい倫理観がぶっ飛んだデンジとそれを取り巻く個性的なキャラクターたち、予想の斜め上をいくストーリーに夢中になれます。ショッキングな伏線回収も多く、もしかするとジャンプ作品としては“邪道”とも捉えられるかもしれません。ストーリーは単純なように見えて実はよく練られており、気の休まることのない展開の連続です。続きが気になる漫画という意味では随一の作品です。
怪獣8号
舞台は怪獣発生率が世界有数の国・日本。幼いころに自分が住む町が破壊された日比野カフカは、幼なじみの亜白ミナと怪獣を全滅させることを約束した。時が経って、怪獣専門清掃業で働く日比野はある日、謎の生物によって体が怪獣化させられてしまう……。
一度は夢を諦め、いわゆる”おっさん”に片足を踏み入れている主人公が奮闘する姿に胸が熱くなります。試験で不合格続きの日比野の夢は、自分とは違って防衛隊の隊長にまでなった幼なじみのミナと肩を並べるということ。怪獣になりながらも、怪獣を倒す防衛隊員を目指します。大人だからこそ諦めてしまう部分も、逃げずに諦めずに立ち向かう姿にも感動できます。
ダンダダン
幽霊を信じる女子高校生の綾瀬桃と、怪奇現象オタクのオカルンこと高倉健。2人は互いに否定するUFOと怪異を信じさせるために、それぞれ“出る”といわれているスポットを紹介し合う。そこで2人はそれぞれ、宇宙人と妖怪に遭遇してしまう......。
超能力を操る桃と妖怪の力を使うオカルンの2人が異星人やUMA、妖怪たちと繰り広げるバトルシーンはスピード感も迫力も満点。能力を使うための細かな発動条件などもないので、気軽に楽しめるバトル漫画です。オカルトは信じるけど幽霊は信じなかった”陰キャ”なオカルンと、幽霊は信じるけどオカルトは信じなかった”陽キャ”な桃という正反対な2人が次第に距離を縮めていくラブコメ要素にも注目です。
終末のワルキューレ
人類の存亡を懸けて、神と歴史上の偉人や武人、傑人が戦うバトル漫画。地上で横暴を極める人類に対し、神々は人類の滅亡を決定する。その決定を覆すべく選ばれたのは、13人の戦士たち。人類史上最強と呼ばれる彼らは、人類を存続させるために神々とのタイマン13番勝負に挑む。
最後の最後まで先が読めない展開にドキドキワクワクします。バトルシーンの描写も迫力があって引き込まれます。登場人物が全員かっこいいのですが、神代表としてゼウスや毘沙門天、人類代表として佐々木小次郎や始皇帝が登場するなど、神話や歴史が好きな人は聞いたことのある名前が出てきて楽しめるし、逆に知らなかった人はこれを機に調べてみても面白いかもしれません。何も考えずに熱くなりたい人におすすめ。
鬼滅の刃
炭を売ることで家族を支えていた少年・竈門炭治郎の日常は、鬼に家族を殺された日から一変する。鬼となってしまった妹・禰豆子を元に戻し、家族の敵を討つため、炭治郎は“鬼殺隊”としての道を歩み始める。
爆発的人気を誇った同作の魅力の一つは、キャラクター一人一人を丁寧に描いているところです。人間や鬼がこれまでどう生きてきてなぜ今こうなっているのか、出来事だけでなくキャラクターの心理描写を含めて繊細に描かれています。だから何度も読み返したくなるし、感情移入して大号泣したり、一緒に鍛錬を積んだような気持ちにもなれる……。息の詰まる展開やアクションも見どころですが、時折くすっと笑えるコメディー要素で緩急がついているのも読みやすく、素晴らしい作品です。
呪術廻戦
”呪い”を祓う呪術師の闘いを描くダークファンタジー。超人的な身体能力を持つ高校生・虎杖悠仁は、強力な力を持つ“呪霊”の指を探しにやって来た呪術師・伏黒恵と出会う。その夜、呪霊に襲われる先輩たちを助けるため、虎杖はその指を食べて呪霊の撃退に成功。それをきっかけに、虎杖は呪術師として呪霊たちと戦うことになる。
魅力的なキャラクターの多さやさまざまな呪いの祓い方など、夢中になる要素はたくさんありますが、アクションの描き方のテンポと迫力が一つの見どころです。また、キャラクター造形や戦闘シーンにこれまでのジャンプ作品で使われてきた表現技法が満載というのも興味深いポイントです。
ワールドトリガー
異次元からの侵略者“近界民(ネイバー)”と防衛組織“ボーダー”の戦いを描くSFアクション。ボーダーは近界の兵器に対抗できる唯一の武器“トリガー”を使って、敵からの侵攻を阻止していた。ある日、「近界民」の脅威にさらされる町に住む中学生で、ひそかにボーダーの隊員として活動していた三雲修は、転校生の空閑遊真が亡き父親の友人を探しにやって来た近界民であることを知る……。
単純に身体能力が高ければ勝てる、というだけではないのがこの作品の魅力です。例えば、武器である「トリガー」をどのように使うか、チームとしてどのように動くかなど、戦いの場面では頭の回転や判断力なども必要となり、そこが普通のアクション漫画と一味違った面白さがあります。
ファイアパンチ
文明崩壊後の世界で、消えない炎に焼かれながら復讐に生きる青年・アグニを描いたダークファンタジー。「祝福者」と呼ばれる特殊能力者達が生きる世界で、すさまじい肉体再生能力を持つ「祝福者」のアグニが、別の「祝福者」により全身を消えない炎に焼かれ続ける状態にされる。その後アグニが肉体をコントロールしつつ、復讐のため戦う姿を描く。
作中世界ではすでに失われた文化である「映画」が重要な鍵となり、次々と起きる予測不能な展開が魅力となっています。悲劇的で絶望的で残酷なストーリーの中にユーモアと正義感が垣間見えて、想像とはまったく違う方向へ進んでいく展開に翻弄されること請け合い。好みが分かれそうですが、圧倒的な世界観にどっぷり浸りたい人におすすめです。
進撃の巨人
舞台は巨人がすべてを支配する世界。人類は巨大な壁を築き、日々巨人の侵攻を防ぎながら生活していた。ある日、巨人たちが壁を壊して町は壊滅状態に陥る。母親が巨人によって捕食される光景を目にしたエレンは、巨人をこの世から駆逐することを誓うのだった。人間と巨人の闘いだけでなく、ストーリーが進むにつれて深まる謎も魅力の、超大作アクション。
この作品は、何が正義で何が悪なのか、誰が正しくて何が間違いなのかは見る側によって変わる、人から聞いたことに本当のことはないのかもしれない……など、さまざまなことを教えてくれます。主人公のエレンでさえも、一方から見たら悪になり、仲間でさえ彼を信じることができなくなる瞬間も。それでも、自分の信念を曲げずに大切な人を守る、それだけを突き詰めた”究極の愛”を見せてくれます。世界中の人に読んでもらいたい作品です。
HUNTER×HUNTER
週刊少年ジャンプにて長期連載中の名作王道少年漫画。父に会うために同じハンターを目指し、ハンター試験に参加するゴン。そこで出会ったキルア、クラピカ、レオリオとともにさまざまな困難に立ち向かう。
とにかくストーリーのおもしろさが圧倒的です。奇想天外なおもしろさではなく、話の軸がしっかりあるうえでハラハラする仕掛け・次の展開へとつながる仕掛けが随所に散りばめられています。作者である冨樫義博さんのプロット力に脱帽です。バトル描写や必殺技となる「念能力」の設定の緻密さ、キャラクターデザインなど、すべてにおいてトップクラスの作品。HUNTERxHUNTERをこれから読むという人が心底うらやましいです。
ONE PIECE
伝説の“海賊王”ゴールド・ロジャーの遺した「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を巡って、幾人もの海賊たちが覇権を賭けて争う「大海賊時代」。主人公の少年・ルフィは、海賊王を目指して旅へと出発し、その中で出会う仲間と共にさまざまな苦難を乗り越えながら成長していく。
登場するキャラクターはもちろん、ストーリーや世界観も綿密に描かれ、長きにわたる連載の中で多数の伏線が存在するのも魅力です。初期に登場したキャラが物語の途中で再登場するなど、一度ハマればファン心をくすぐる演出も盛りだくさん、根強い人気を誇るのもうなずけます。
次世代を担う話題作品が続々登場!スポーツ漫画8選
かつては”スポ根”が主流だったスポーツ漫画も、最近ではリアリティーを追求した作品や登場人物の人間模様を描いた作品が人気になるなど、時代の流れとともにスポーツ漫画の在り方も変化してきました。多くのファンを抱える人気作品から、次世代を象徴するようなスポーツ漫画をご紹介します。
アオのハコ
憧れの先輩に恋をし一喜一憂する主人公を描く恋愛×青春×スポーツ漫画。主人公の猪股大喜はバドミントン部に所属しており、朝練の体育館でよく顔を合わせる女子バスケ部の先輩である鹿野千夏に恋をする。そんなある日、ひょんなことから猪股は千夏と同居することになる……。
学校の先輩、同居生活など、ドキドキするようなシチュエーションが満載。スポーツ、コメディー、青春、恋愛など、さまざまな要素が取り入れられています。もちろん、猪股が必死にバドミントンに取り組む姿にも感動できます。青春漫画、恋愛漫画、スポーツ漫画が好きな人など、幅広い好みの方に読んでもらいたい作品です。
メダリスト
「次にくるマンガ大賞2022」コミックス部門第1位に選ばれた、フィギュアスケートを題材にしたスポーツ漫画。フィギュアスケートクラブに所属し、オリンピックの金メダリストを目指す小学5年生の結束いのり。そんないのりのコーチを務めることになったのは、かつて夢に破れた過去を持つ明浦路司だった……。
フィギュアスケート以外取り柄がなくクラブに入ることもできないいのりと、フィギュアスケートの選手になる夢を諦めた26歳の明浦路の二人三脚の奮闘ぶりが描かれています。互いに支え合いながら信頼を深めていく姿を見ると胸が熱くなるので、フィギュアスケートに詳しくない人でも楽しめるはずです。
ブルーロック
選手全員がフォワードという前代未聞のサッカー漫画。県大会決勝の決定的な場面で味方にパスを出したことを後悔している主人公の潔世一の元に、強化指定選手に選ばれたという通知が届く。それは、日本をワールドカップ優勝へと導くエースストライカーを養成する「ブルーロック」と呼ばれるプロジェクトへの招待状だった。
チームスポーツを題材にした作品にもかかわらず、「エゴ」というキーワードを使っているのも興味深いポイントです。「ここまで個人技にフォーカスするのか」と思わせる斬新な序盤から一転、「化学変化」という単語でチームプレーを確立させていく流れがとても印象的。仲間同士のサバイバル要素もあり、スポーツにおいて大事な闘争心がこれでもかと描かれているので、スポ根作品としてもかなり熱くなれる作品です。
アオアシ
読むだけでサッカーがうまくなると話題のサッカー漫画。愛媛県の中学校でプレーしていた青井葦人。自分勝手なプレーを見せる青井だったが、そのボールへの嗅覚と視野の広さを評価され、ユースチーム監督の福田達也からセレクションへと招待される。
それまで戦略の「せ」の字も知らなかったサッカー少年が、プレーの視野の広さを武器に戦略を学び成長していく過程は、スポーツ漫画によくある「努力=成長」とは違った面白みがあります。また、頭を使って行動しようとする人にとっては、まるで教科書のように感じる教えが多々あり、サッカー以外のスポーツやゲームなどをする人にとっても十分読み応えのある作品となっています。
ダイヤのA
中学最後の大会で自らの暴投で敗退した投手・沢村栄純は、“クセ球”に素質を見いだされ、高校野球の名門・青道高校からスカウトされる。そこで出会った名捕手・御幸一也をはじめとした仲間たちとともに、高校野球への情熱を目覚めさせる。
決してエリートではないけど、光る素質を持つ主人公の投手が成長していく過程がリアル。野球理論や野球部あるあるなども満載で、読み応え抜群。現役のプロ野球選手がおすすめするだけあります。絵のうまさも特徴的で、キャラクターの動きがまるで本物の選手のプレーを切り取ったような繊細さも見事。主人公や味方のキャラクターだけでなく、そのライバルたちにも感情移入してしまうような展開もグッときます。
おおきく振りかぶって
熱烈な支持を集める、本格高校野球漫画。卑屈で弱気なピッチャー・三橋廉を中心に、創設まもない野球部が本気で「甲子園優勝」を目指す姿が描かれており、従来のスポーツ漫画にはない繊細な心理描写や、日常の細やかな描写が高く評価されています。
これは野球漫画ではなく「高校野球漫画」。“部活としての野球”を丁寧に描いていて、選手はもちろん、マネージャーや親、監督などの描写も読んでいて楽しいです。「気合で勝つ!」ではなく、「どうしたら点数を入れられるのか」「相手の攻撃を抑えられるのか」といった試合の戦術が論理的かつ具体的。「野球ってこんなに考え尽くして戦うスポーツなんだ……」と感心してしまいます。
孤高の人
登山家・加藤文太郎をモデルにした山岳小説が原案の漫画。孤独な高校生・森文太郎は、転校初日に同じクラスの宮本にけしかけられ校舎をよじ登ることに。一歩間違えば命も危ない状況の中で登りきり、クライミングの魅力に目覚める。
やがて彼は、より高い場所を求めて険しく過酷な山にも挑むことに。その中で、仲間との別れや人からの裏切りに遭うなどして、次第に心を閉ざす主人公の精神描写が繊細に描かれています。山々の大自然もリアルに美しく描かれ、どんどん引き込まれていく作品です。
テニスの王子様
“超次元テニス”といわれることもあるほど派手な技が多いテニス漫画。アメリカからの帰国子女である主人公の越前リョーマはテニスの名門「青春学園中等部」に入学し、先輩や他校のライバルとの試合を経て成長していく。
魅力的なキャラクター、派手でかっこいい技、そして、数々の名ぜりふが魅力的で、これまでのスポーツ漫画とは一線を画すような作品です。連載が終了したいまでも多くのファンがいるのもうなずけます。作中に登場するツイストサーブやジャックナイフ、ライジングショットなどの技は現実のテニスでも再現可能なので、実際に試そうとしたことがある人も多いのではないでしょうか。「俺はデータを捨てる!」や「その球、消えるよ」、「リズムに乗るぜ」などの名言はいまだにネット上でよく使われていて、その影響力の高さにも驚かされます。
胸キュン、ラブコメ、大人の恋まで!おすすめの恋愛漫画9選
年齢を重ねても恋の甘酸っぱさや切なさは色あせないもの。胸キュンできるピュアな作品や一風変わった作品まで、いま恋愛中の方もそうでない方にもおすすめしたい漫画をピックアップしました。
山田くんとLv999の恋をする
ネットゲームで彼氏に浮気された女子大学生・茜。腹いせにネトゲで雑魚モンスターを狩っていると、ギルドメンバーのアフロ男に声をかけられる。元彼にフラれたことを愚痴るも、そっけないアフロ男の態度にキレる茜。後日、ゲームのリアルイベントで茜はイケメン男子高校生・山田と出会うが、山田はそのアフロ男だった……。
茜と山田ははじめこそ分かり合えない2人でしたが、物語が進むにつれてだんだん引かれ合っていく様子がほほ笑ましいです。天真爛漫でお人好しな茜と、口数が少なくクールなしっかり者でありながらたまに高校生らしい一面を見せる山田。2人のピュアな恋愛模様にキュンキュンします。
その着せ替え人形は恋をする
雛人形の顔を作る「頭師」を目指す男子高校生・五条新菜。真面目で雛人形作りに一途な反面、同世代の流行には疎く、中々クラスになじめずにいた。そんな彼にとって、いつも輪の中心にいるギャル系の人気者・ 喜多川海夢はまるで別世界の住人だと思っていたのだが……。
一見すると接点のなさそうな二人が、コスプレを通じて徐々に距離を縮めていくラブコメ。五条と海夢の初々しいやりとりにはときめきだけでなく、どこか懐かしさも感じます。周りのキャラクターも素直で嫌味がないので気楽に読めるのも魅力的。また、作画も美しく、キャラクターはもちろん風景も一つひとつ丁寧に描かれているのも楽しめるポイントだと思います。
明日はどっちだ!
見た目と性格が正反対な男子高校生2人が繰り広げるピュアなラブコメディーBL(ボーイズラブ)。男らしさに憧れる美少年ヤンキーの黛星は、無愛想で無口な幼なじみの土佐山田顕に片思いをしています。自分の気持ちがバレて嫌われないように必死になるあまり、どんどん意地っ張りな態度をとるようになってしまい……。
けなげな星と無口故にすれ違ってしまう顕の両片思いの様子に胸キュン間違いなしの作品です。いつもはツンでクールな顕が、星がピンチな時には必死になって助ける。このギャップが嫌いな女性はいないはず。ツンデレクール男子とちょっとおバカな美男子の王道BLが読みたい時はこの一冊。
五等分の花嫁
貧しい生活を送る高校2年生・上杉風太郎のもとに、好条件の家庭教師アルバイトの話が舞い込む。ところが、教え子はなんと同級生の五つ子だった。全員美少女だけど「落第寸前」「勉強嫌い」の問題児たち。風太郎が超個性的な彼女たちを「卒業」まで導いていくという大ヒットラブコメ。
とにかく、五つ子のかわいらしさがたまりません。顔はそっくりでもちゃんと個性があり、一人ひとりスポットが当たるように描かれているので、全員推したくなります。「五つ子のうち誰が主人公と結婚するのか?」ということを考えながら読み進めていくのも面白いのですが、結末を知ってから読み返すと改めて気付くこともあるので、何度でも楽しめます。アニメを先に見た人も、漫画を読むと新たな発見ができるのでおすすめです。
恋は雨上がりのように
17歳の高校2年生・橘あきらがひそかに恋心を寄せるのは、アルバイト先の店長でさえない中年男性の近藤。けがで陸上を挫折した彼女と、かつて夢を諦めた近藤。二人の恋の行方は……?
激しく、劇的な展開があるわけではないけど、その分、長くじわじわと楽しむことができる恋愛漫画です。キャラクターのかわいさが描かれる場面にわざとらしさがないのも好ましいポイント。挫折するも、夢を諦め切れない、そんな2人に共感してしまいます。力強く自分の人生を生きる若い世代の人だけでなく、人生が落ち着きつつある中高年の世代にも読んでもらいたい作品です。
煙と蜜
西洋文化が広がり始めた大正時代、12歳の女の子・姫子と30歳の軍人・文治は、歳の差を超えて少しずつ愛を育んでいく……。
許嫁の2人が仲を深めていく姿に心がキュンとなります。また、甘酸っぱいとも清楚・清い心ともいえるような感情が全面に出ているので、どんどん物語に引き込まれます。文治への好意を持つ姫子が彼に好きになってもらいたいという健気な気持ちが丁寧に描かれていて、そこがまた魅力的。その気持ちを大事に受け取る文治もかっこよくて応援したくなります。
ローズ ローズィ ローズフル バッド
主人公は40歳のコメディー漫画家・神原正子。自身の作品の漫画賞受賞パーティーで出会った鷹野怜にときめきを感じた正子は、「今こそ少女漫画を描けるかも!」と動き出します。
長らく遠ざかっていた“恋らしきもの”や夢だった少女漫画家の道など、彼女のこれからがどうなるのか非常に気になります。他のいくえみ綾さんの作品と同様に、情緒の塊でありながら、軽妙さが絶妙。同作は、正子が生み出した、見た目はおすもうさんのケーキ職人というキャラクター“ファブ郎”が語り部(ツッコミ役)になっていて、そのコミカルさに乗ってスラスラ読めます。そうかと思うと、急にグッと心をわしづかみにするような描写が出てきたりするので油断なりません。ちなみに、ネコがいる暮らしの描き方が抜群で、ネコ飼いは共感必至。
青野くんに触りたいから死にたい
天然な女子高校生の優里は、一目ぼれをした同級生の青野くんに告白をし、晴れて交際することに。しかし青野くんは付き合って2週間後に事故で亡くなり、幽霊になって優里の前に現れて……。
優里と青野くんの純愛模様が描かれる……かと思いきや、背筋が凍るような本格的なホラー描写が展開されるホラーラブストーリーです。交際初期の2人の初々しい関係に胸キュンしつつ、優里の青野くんへの愛の重さや、幽霊になってしまった青野くんの別人格描写にヒヤッとする新感覚な作品で、いつの間にかその独特な世界観にハマってしまいます。青野くんが優里に憑依するシーンはドキドキ感満載で描かれていて必見です。
同級生
音楽の授業で同じクラスの優等生・佐条利人が歌っていないことに気付いた草壁光。ある日の放課後、誰もいない教室で一生懸命に歌の練習をする佐条を見た草壁は思わず声をかけてしまう……。
楽天的な金髪ロン毛男子の草壁とインテリメガネ男子の佐条が織りなす恋の物語を、丁寧かつ繊細に描いたピュアな青春BL作品です。恋に不器用な2人のスローテンポで進む物語はじれったいけどそこがいい。作品を通して思春期の甘酸っぱさが感じられる名作です。
とにかく笑いたいときに読んでほしい!コメディー9選
日常の疲れから解放してくれるのも漫画の醍醐味の一つ。会社や学校で疲れていたり、人間関係や日々の生活に悩みを抱えている人に、とにかく笑ってほしいというコメディー作品をピックアップ。これを読んで、明日も頑張りましょう!
女の園の星
舞台はとある女子高校。2年4組の担任・星先生が生徒や先生たちと織りなす日常がユーモアたっぷりに描かれています。
先生たちが学級日誌の落書きや部活のタペストリー作りに頭を悩ませたり、生徒たちが自習中にくだらない話を延々としていたり……。そんなささいな日常が読みながら何度も吹き出してしまうほど面白く、今でも思い出しては笑えるほど。自分の学生時代を思い返して、「あの教室という謎空間では確かにこういう空気感だったかも……」と懐かしくも思えます。ホラーでもいけそうなタッチの絵というのも味わい深さがあります。
邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん
ある高校の「映画について語る若人の部」に入部した女子高校生が邦画の魅力を熱くプレゼンするコメディー。邦画が好きで好きで、人に勧めずにはいられない邦キチこと邦吉映子。彼女は唯一の部員である部長を相手に、少々マニアックな邦画の魅力を語り尽くすのだった。
邦画の中でも「実写版」や「ネットでちょっと叩かれ気味だったやつ」など、映画好きが公言しにくい作品への偏愛が強めで、「バカにしてる?」と思えなくもないけど、あの熱さには愛を感じずにはいられません。そしてその映画が見たくなり、自分が鑑賞済みの映画だったりすると妙にうれしくなります。
SPY×FAMILY
2022年4月よりアニメがスタートし、注目を集めている大ヒットスパイコメディー。凄腕スパイの黄昏は、極秘任務を遂行するため精神科医のロイド・フォージャーに扮し、心を読むことができる超能力者の少女アーニャと、殺し屋の顔を持つ女性ヨルとお互いの正体を隠しながら仮初めの家族生活を開始する。
世界中の人々をとりこにしているアーニャのかわいさに、仕事の疲れも吹き飛ぶ癒し効果抜群の作品です。偶然出会った特殊な3人が、本当の家族のように暮らすドタバタな日常は面白くもあり、温かさもあふれています。家族愛にほっこりしたい時にもおすすめ。
夢中さ、きみに。
男子高校生たちの淡々とした日常を描いた学園コメディー。一見普通な男子高校生の林くんが日常の中で、パンダの着ぐるみ姿で友人の家を訪れたり、見ず知らずの生徒のキャンパスで干し芋を作ったり、不可思議な行動で周囲の生徒を魅了していく。
周りに流されない独自の世界観を持ち、心に余裕があるうちに無駄なことをしたいという林くんの考え方や行動にはクスりとなりながらもハッとさせられます。
後半に収録されている「うしろの二階堂」シリーズはWEBで話題となった作品。過去のトラウマから猫背でいつも下を向き、不気味なオーラを出している二階堂に「二階堂の笑顔がみたい」とクラスメートの目高が歩み寄ります。不器用な男子高校生2人の関係性にグッとくる人は多いはず。
ゆるキャン△
アニメ化・実写ドラマ化もされた、キャンプを題材にしたアウトドアコメディー。オフシーズンのソロキャンプを趣味とする志摩リンと偶然知り合った各務原なでしこはキャンプに興味を持ち、通っていた高校の野外活動サークルに入部。そこで出会ったメンバーやリンとともにキャンプにのめり込んで行く様子がほのぼのと描かれている。
かなりマニアックなキャンプ知識が披露されていて、読んでいるとキャンプをしたくなります。また、一人で行動することの多いリンが色々と押しが強いなでしこにつられて交友関係を広げていく過程も読んでいてほほ笑ましく、日常系、青春系作品としても楽しめる作品です。
腐女子のつづ井さん
日々“推し活”に明け暮れるつづ井さんと仲間たちによる“腐女子コメディー”。アラサーおひとりさま女子の彼女は、オタク仲間と公園で遊んだり、知育菓子を作ったり、架空の恋人を作ったりと、とにかく趣味に人生をささげている。
腐女子たちが趣味に全力をかける日常に笑いをこらえきれません。疲れたときやただただ笑いたいときにぜひご一読を。「オタク」という括りだけではなく、何かに熱中したり、強いこだわりを持ったりと、何かにハマったことのあるすべての人に読んでもらいたい漫画です。読んだ後、一緒に同じことで笑い合える友達の大切さに気付かされたりもします。
鬼灯の冷徹
人にとっての地獄……それは鬼にとっての日常。人口爆発や悪霊の凶暴化により混乱を極めた地獄で、閻魔大王の第一補佐官の鬼神は膨大な仕事を淡々とこなしていた。そんな彼を中心に巻き起こるドタバタな日常を描くコメディー作品。
日本だけでなく、ヨーロッパやエジプトの地獄のイメージについても知ることができる……と書くと真面目な作品に思えるかもしれませんが、実態はめちゃくちゃ笑えるギャグ漫画。主人公の鬼灯が閻魔を叱咤し、地獄で働く個性豊かな登場人物たちにツッコむかと思えば、マイペースにボケに乗っかったりも。彼をはじめ憎めないキャラクターが多すぎて、笑わずにはいられません。また、作者の江口夏美さんがたくさんの文献を読んで描かれているので、見聞を広めることもできるのがうれしいところ。
月刊少女野崎くん
男子高校生でありながら人気少女漫画家でもある野崎くんの日常を4コマ漫画で描く、学園ラブコメディー。無骨な男子高校生・野崎梅太郎に恋をした女子高校生の佐倉千代は勇気を振り絞って野崎くんに告白するものの、なぜか恋人ではなく少女漫画家である彼のアシスタントになってしまう……。
ギャク満載で描かれる彼らの学園生活と奇想天外なオチの数々は爆笑必至。野崎くんを取り巻く個性豊かなキャラクターたちの恋の行方や、野崎くんが描いている少女漫画の今後も気になり、読み進めるのが止まらなくなる作品です。
ギャルと恐竜
ギャルと恐竜が奇妙な同居生活を送る日々を描くコメディー。ある日、ギャルの楓は酔った勢いで恐竜を連れ帰ってしまい、そのまま一緒に住むことに……。
恐竜を拾う? 周りの人は違和感ないの? 普通に意思疎通できるの? 突っ込みどころ満載の不思議な世界観ですが、細かいことは気にせず、頭を空っぽにして笑いたい時に読んでみてほしいです。ハートフルなストーリーもあるので、ほっと一息つきたいときにもおすすめ。愛らしくデフォルメされた恐竜と恐竜らしからぬ言動に癒されてください。
非日常を味わいたい人におすすめ!SF・ファンタジー10選
日常から切り離された”超現実”を楽しめるのも漫画の面白いところ。異世界といった架空の世界を舞台とするハイファンタジー、現実世界を舞台にしたローファンタジーやSFなど、おすすめの漫画を厳選しました。
葬送のフリーレン
魔王を倒した勇者一行の後日譚を描くファンタジー。魔王を倒して帰還した勇者、僧侶、戦士、魔法使いの4人は、50年後の再会を約束し、長い旅路を終えた。50年後、勇者のヒンメルは亡くなり、彼の葬儀で悲しみに暮れた魔法使いのフリーレンは、人間を知るための旅に出る。
長命なエルフである魔法使いのフリーレンは、仲間たちの死後、一人残されてしまいます。そのことを案じた勇者のヒンメルが、フリーレンのためにさまざまなものを残していたことが一つずつ明らかになっていくところは涙が出てきます。ほかにも、フリーレンが知ることのなかった感情を冒険を通じて経験していくところにもグッときます。
菌と鉄
舞台はキノコによって支配された地球。キノコは人間の脳に寄生することで、自由や思考を奪い、徹底した管理社会を築いていた。そんな世界で暮らす最強の兵士・ダンテは、一人の少女との出会いをきっかけに、この世界に反旗を翻す。
『進撃の巨人』の作者・諌山創さんが絶賛している、絶望と抵抗の物語。知らないものを知りたいと思うこと、人間はなぜ生きているのか、考えることを止めたとき、人は生きていると言えるのか……そんなことを教えてくれる作品です。スピード感のある展開、人間を操るキノコとの戦闘シーン、主人公とその教官の悲しい別れなど見どころ満載で、今後の物語がどのように展開されていくのか期待です。
死がふたりを分かつとも
願いをかなえることと引き換えに召喚者(人間)の寿命をいただく悪魔が登場する、ファンタジー要素ありのラブストーリー。
悪魔でありながら人から寿命を奪うことをためらう心優しきポンコツ悪魔・よつばと、不遇な生い立ちによって天涯孤独に生きてきた青年・流星。ある日出会った2人は、互いに満たされていなかった「愛されたい」「大事にされたい」という思いが満たされていき、”人間らしく”なっていきます。繊細で美しくどこかレトロさも感じさせる絵のタッチが素敵で、美男美女しか出てこない、透明感のある世界観に魅了されます。
人間のいない国
舞台は人間に奉仕するために作られた、「ゴーレム」と呼ばれる自立式人形があふれる世界。自分以外に誰も人間がいない世界で目覚めた少女シイは、感情のないゴーレムのバルブと出会い、失った記憶を探しはじめる。
“人外×少女”の組み合わせが好きなら読んでおきたい作品。通訳のような役割を担うムイムイというもう一体のゴーレムがいないと彼女たちは会話すらできないが、シイの気持ちに応えたいと徐々に変化していくバルブの姿には胸を打たれるものがあります。この世界の謎が解き明かされていくところも魅力の一つです。
学園アリス
「アリス」と呼ばれる天賦の才能を持つ者だけが入学できる「アリス学園」を舞台に、天真爛漫な元気っこ・佐倉蜜柑と頭脳明晰なクール女子・今井蛍の親友コンビの奮闘を描いた学園ファンタジー。
日常生活や学校行事などをほのぼのと描く反面、次第に学園全体を揺るがす大きな陰謀が明らかになり、アリスを駆使したバトルシーンなども繰り広げられます。もちろん恋愛要素も! 作中に出てくる架空のお菓子「ホワロン」や動くテディベア「Mrベア」など、ファンタジー全開な世界観なので、魔法の世界に憧れる人におすすめです。
宇宙を駆けるよだか
かわいくてクラスでも人気者のあゆみは、大好きな人との初デートに向かう途中でクラスメートの然子の自殺を目撃し、意識を失ってしまう。目が覚めると、あゆみは醜い容姿の然子と身体が入れ替わっていて……。
大切なのは外見か中身か、永遠に決着のつかない疑問を真正面から描いた作品です。外見の美醜についてはもちろんのこと、育った家庭環境の違いや周囲からの目など、外的要因がもたらしたそれぞれの性格についてもフォーカスされていて、全3巻と短いお話ですがかなり読み応えがあります。きれいごとだけでは終わらせず、人間の醜い感情もしっかり描かれていて、考えさせられる作品です。
陰の実力者になりたくて!
主人公でもラスボスでもなく、物語に陰ながら介入して密かに実力を示す「陰の実力者」に憧れていた少年、シド。シドは異世界に転生し、「自分は陰の実力者として、闇の教団を倒すべく暗躍している」という「設定」を楽しんでいたところ、なんとその「闇の教団」は実在していて……。
“陰の実力者ごっこ”を楽しむ中二病全開の主人公と、周囲の人々との思考のずれ方が面白いです。あくまでも主人公は、敵も味方も「自分の設定に付き合ってくれるノリの良い人達」としか思っていなくて、自分の妄想が現実となっていることにも気付かないままストーリーがどんどん進んでいきます。かみ合っていないようでかみ合っている会話にもクスクス笑えます。コミカルな作品が好きな人におすすめです。
転生したらスライムだった件
7億PVを記録した異世界転生モノの名作小説を、原作者完全監修でコミカライズした作品。異世界でスライムに転生した主人公が、相手の能力を奪う「捕食者」と世界の理を知る「大賢者」という二つのユニークスキルを武器に無双していく。
設定が緻密でテンポも良く、伏線回収もうまいので、ストーリーにどんどん引き込まれていきます。作画も美しく、バトルシーンは迫力満点です。ところで、スライムの「目」に見える線のところって、「シワ」だったって知っていますか? 「えっ、どこ!?」って思ったそこのあなた、ぜひ読んでみてください。
蜘蛛ですが、なにか?
転生先が蜘蛛のモンスターという一風変わった「なろう」系小説のコミカライズ。女子高校生だった主人公の「私」は目覚めると蜘蛛になっていた。ひょんなことから世界の真実を知ってしまった「私」は、生き残るための力を手に入れるために奮闘する。
魔法、転生、成り上がりといった王道な要素を捉えつつ、ユニークな設定と面白さを合わせた内容です。やたらとテンションの高い主人公は見ていて飽きず、伏線もしっかりと張られているので続きが気になります。「なろう」系、「異世界転生」系が好きな人には特に読んでほしい作品です。
異世界薬局
研究に没頭するあまり過労死した若き薬学者が、異世界で宮廷薬師の息子として転生。間違った治療法が横行するこの異世界で、彼は現代薬学と手に入れたチート能力であらゆる疾病に立ち向かっていく。
主人公の能力はものすごくチートなのですが、転生前は過労死するほどの努力家で、転生した異世界でもチート能力を振りかざすことのない姿に好感が持てます。内容は若干のシリアスも入りつつ、かと言って重すぎず、テンポ良く進んでいくので性別年齢問わず読みやすくなっています。また、話の中で出てくる病名や薬剤は実在するものなので、注釈まで読んでみると初めて知ることも多く、興味が持てる作品です。
国民的人気作品やいま話題の作品まで!おすすめミステリ6選
ミステリといえば、実写化・映像化される人気作品が多いジャンルの一つ。誰もが知る国民的人気作品からいま話題の作品までをご紹介。それぞれ、どのようなアプローチで真実に迫っていくのか、読み比べてみても楽しめそう。
【推しの子】
2023年にアニメ化が決定している同作。主人公のゴローは地方都市で産婦人科医として働く青年。芸能界とは無縁の日々を過ごす彼が、“推し”のアイドル・星野アイと思わぬ形で出会う。
タイトルだけ見ると「かわいいアイドルがたくさん出てくる萌え系コミック」かと思いきや、「ファンタジー」「転生モノ」「考察モノ」などさまざまな要素が詰め込まれた、とにかく濃ゆいジャンルレス漫画。衝撃的な大事件が3つほど展開された後に、ようやく本格的な本編が始まり、そのテンポの良さには爽快さを感じます。同時に、作中には芸能界やSNSの暗い一面も表現されており、人から注目を浴びる人たちの苦労や苦悩も描かれているからこそ、“推し”がいる人には読んで欲しい作品です。
憂国のモリアーティ
イギリスの小説家、コナン・ドイルの『シャーロック・ホームズ』シリーズを原案に、ホームズの宿敵であるモリアーティを主人公にした作品。舞台は19世紀末、大英帝国最盛期のロンドン。頭脳明晰で博識な天才・モリアーティが、モリアーティ家伯爵の長男・アルバートと弟・ルイスと共に腐敗した階級制度が根付いた世界を浄化すべく犯罪を重ねる、異色のサスペンス。
天才同士であるモリアーティとホームズの心理戦、頭脳戦は先の読めない展開です。登場人物たちのスタイリッシュさに引かれる人も多いはず。
ミステリと言う勿れ
カレーが大好きな天然パーマの大学生・久能整が、殺人事件の容疑者として取り調べを受けたことをきっかけに、さまざまな事件に巻き込まれていくミステリ。
この主人公のキャラクターがとにかく魅力的です。彼がたびたび事件に遭遇しては謎を解いていきますが、この手の謎解きキャラの中では圧倒的に謙虚。豊富な知恵と知識、卓越した洞察力をもって、とにかく思ったことをしゃべりまくる。その言葉が金言であふれていて、彼の周りの人も、読んでいるこちらも心をほぐされます。勇気や感動、豊かさを与えてくれる漫画のキャラクターたちを讃える「マガデミー賞 2021」で主演男優賞を受賞したのも納得です。
名探偵コナン
天才高校生探偵・工藤新一は、ある日謎の組織に薬を飲まされ、頭脳は高校生のまま小学生の姿になってしまう。子どもの姿になった新一は「江戸川コナン」と名乗り、幼馴染・毛利蘭の父親が営む毛利探偵事務所に居候しながら元の姿に戻る手がかりを探すことに。
言わずもがなの国民的人気コミック。小さな事件から大きな事件まで、恐ろしい数の事件が起こっているにもかかわらず、トリックが尽きないというのが驚きです。事件発生から解決までの展開にも引き込まれますが、同じぐらい主要登場人物たちのつかず離れずな恋愛模様も気になってしまう。いろんな意味でハラハラするシリーズです。
七つ屋志のぶの宝石匣
『のだめカンタービレ』の作者が描く、宝石と質屋の物語。宝石鑑定の不思議な力を持つ質屋の娘・志のぶと宝石店外商・顕定のもとに、宝石にまつわるさまざまな事件、トラブルが舞い込む。
描かれる宝石の世界がとにかく深くて、石の魅力に引き込まれます。これまで宝石に詳しくなかった人、興味がなかった人でも楽しめるはず。質屋の跡取りである主人公・志のぶと顕定の関係や、質屋を訪れる客たちとのヒューマンドラマも見応えがあります。さらにミステリの要素が強まっていくので、先が気になる作品です。
北北西に曇と往け
気持ちだけでも開放的な地へとトリップできる作品。そんな物語の舞台になっているのは、北欧アイスランド。祖父のもとに身を寄せる17歳の探偵・御山慧が、探偵業に勤しみながら、さまざまな人と出会い、成長していく。
広大な自然のなかを車で走るシーンが爽快。エピソードの中でアイスランドの観光スポットもしっかりと紹介されているため、アイスランドを旅している感覚になります。車と話ができるという能力も心引かれるポイントです。
知らない世界を楽しめる!アート系漫画5選
音楽、絵画、映画など、普段よく見聞きするアートも、その世界の奥深さを知る人はあまりいないのでは? そのアートが持つ本当の魅力やそこに携わる人の情熱に触れることができる、おすすめアート系漫画をご紹介します。
海が走るエンドロール
65歳を過ぎてから夫に先立たれ、数十年ぶりに映画館を訪れたうみ子。うみ子は、映画館で映像専攻の美大生・海(カイ)と出会ったことがきっかけで、自分は「映画が撮りたい側」の人間なのだと気付き映画製作の世界に飛び込んでいきます。
何かを始めようとしている人、大きく人生を変えたい人、ものづくりをしている人にはとても刺さる描写が満載です。海のひと言で自分の本心に気付いたうみ子が、尻込みしながらも一大決心して美大に入学する姿に、何かを始めるのに遅いということはないんだ、自分で自分の限界を決めなくていいんだと背中を押されます。読んでいると何かを作りたいという気持ちが湧いてくる一冊です。
PPPPPP
ピアノが大好きな7つ子たちのうち、6人は天才だったが、たった一人、ラッキーだけが凡人だった……。家族から虐げられ、中学卒業後は働こうと考えていたラッキーだったが、余命少ない母の願いにより、ピアニストになる約束をする。
ピアノを題材にした作品の中でも傑作といえる作品です。バトル要素もあり、一味変わったピアノ漫画です。読みながらその曲が聞こえてくるほど、音が画で魅力的に表現されています。
ブルーピリオド
成績優秀で“リア充”な生徒として一目置かれるも、どこか空虚な焦燥感を感じて生きる高校生・矢口八虎。ある日、たまたま目にした一枚の絵に心を奪われた矢口は、それをきっかけに東京藝術大学合格を目指し、美術の世界へ飛び込む。
この作品を読めば「美術ってこんなに理論的で思慮深くて、そして熱いんだ」と感じることができます。これまでなんとなく見てきた絵画や、有名な作品を見る目がきっと変わるはず。過去の企画展や遠方の美術館で見た作品はたくさんありますが、今後はなかなか見る機会が巡ってこないのが本気で悔しくなる……。それほどに美術の魅力が存分に伝わってくる作品です。
BLUE GIANT
将来何をしたいのか分からず学生生活を送っていた高校3年生の宮本大が、ある日たまたま聞いたジャズに興味を持ち、さらに、初めて訪れたライブハウスでジャズの演奏を目の当たりにしたことでサックスプレーヤーを目指すことを決意する。「世界一のサックスプレーヤーになる」という夢に向かっていく物語で、大がただひたすら真っすぐに努力を続ける成長譚です。
どんな困難や高い壁をも乗り越えていくその姿に、目頭が熱くなること間違いなし。大迫力の演奏シーンや魅力的なジャズ仲間たちと織りなすヒューマンドラマも必見です。読み終えた後は温かい気持ちに包まれるとともに、「へこたれている場合じゃない」「自分も頑張ろう」と思える名作。
G線上のあなたと私
寿退社をした当日に婚約破棄されてしまった主人公の也映子。フラフラと立ち寄ったCDショップで聞いた「G線上のアリア」に心を奪われ、半ば自棄(やけ)になってバイオリン教室に通うことを決意します。教室で出会った、男子大学生の加瀬理人、子供を持つ主婦の北河幸恵との交流から物語が動き出す、大人の青春物語です。
最初は全くかみ合わなかった3人がバイオリンを通じて交流を深めていく様子に注目です。年や境遇が違うからこそ相談できることもあるし、時には感情をぶつけ合うこともできる。思春期のそれとは違う、”大人の青春”が描かれています。
多様な生き方人間模様に触れる!ヒューマンドラマ12選
最後は少し大人向けに、さまざまな人間模様を描いたり、社会的なテーマを題材としたおすすめ漫画をピックアップしました。この作品を読めば、生き方のヒントが見つかるかもしれません。
明日、私は誰かのカノジョ
レンタル彼女(彼女代行)として日々誰かの「彼女」になる女性たちをそれぞれ主軸に描くオムニバス形式の作品。パパ活、整形、ホスト狂いなど、エピソードごとにセンセーショナルなテーマが描かれます。2022年にはドラマ化もされました。
「これは私の物語かも」と思う人もいるかもしれないほど、どのヒロインもリアルすぎてゾッとします。全く同じ境遇ではなくとも、ヒロインたちに共感できる部分がきっとあるはず。彼女たちが持つコンプレックスを超えていくために悩み、葛藤し、強く生きるための手段を選択していく.......”いま”の日本に生きる彼女たちが、自分の価値観と他者の価値観がぶつかり合う世の中で自分の信念を持って強く生きる姿に、勇気づけられます。
ダーウィン事変
人間とそれ以外による世界革命を描く作品。半分ヒトで半分チンパンジーの「ヒューマンジー」であるチャーリーが、人間の両親のもとで育てられ高校に入学。そこで、“陰キャ”と揶揄されるルーシーと出会い友情を育んでいきます。しかし、動物を解放するためなら人間の犠牲は厭わないテロ組織「動物解放同盟(ALA)」が、チャーリーを仲間に加えるべく強引な手段に出る……。
人種や志向に対する差別、動物の権利など複雑な問題をテーマとして扱っており、“人間中心”の考え方になっている我々への強い問題提起も入っていると感じます。「ALA」の言動が過激で、“正義のための戦争”の是非を突き付けられる。読んだあと、現代社会について深く考えさせられる作品です。
BEASTARS
肉食獣と草食獣が共存する世界を舞台にした動物群像劇。主人公はチェリートン学園の演劇部に所属するオスのハイイロオオカミのレゴシ。彼は肉食獣なのにとても繊細で、とにかく他者にとって無害であるよう生きてきた。そんなある日、学園で草食獣が“食殺”される事件が発生する……。
さまざま性格、個性を持つ生徒たちが織りなす学園ドラマを楽しめることはもちろん、彼らが抱える問題や世の中に公然とはびこる触れてはいけない事情に、思わず現代社会を重ねてしまいます。動物をモチーフに、その生態を通して描かれている点もまた良し。多様性への理解や他者への尊重が求められる時代にぜひ読んでほしい作品です。
殺さない彼と死なない彼女
SNSで投稿された漫画が話題となり書籍化された同作。「きゃぴ子」「君が代ちゃん」「殺さない彼と死なない彼女」の3つの物語が展開されています。表題の「殺さない彼と死なない彼女」は、「死にたい」が口癖でリストカット常習犯の彼女と、そんな彼女に日常的に暴言をはきながらもなんだかんだで彼女を大切にする彼の物語。
シンプルなイラストで言葉数の少ないせりふなのに、胸に刺さったり考えさせられたりと、読了後に必ず何か心に残るものがあるはずです。切なくて、温かくて、大切に何度も何度も読み返したくなるような一冊です。
メタモルフォーゼの縁側
17歳の女子高校生と75歳の老婦人の、BL漫画がきっかけで始まる友情を描いた作品。たまたま手に取ったBL漫画のとりこになった75歳の市野井雪と、同じくそのBL漫画の愛読者だった17歳の佐山うららは、偶然の出会いから好きなBL漫画について語り合う友達になる。
58歳差の2人が好きなことから仲を深める姿や2人で新たなことに挑戦していく描写には、何かに夢中になることや友情を育むこと、新たに挑戦することに年齢なんて関係ない、遅くないと勇気をもらえます。雪とうららが大好きなBL漫画の作者のサイン会で作品への感謝を伝える場面は、好きという気持ちを言葉で伝える大切さに気付かされます。
片喰と黄金
19世紀、カリフォルニアで発見された一粒の黄金をきっかけに、ゴールドラッシュが始まる。ゴールドラッシュのうわさは世界中に広がり、野心家たちが無名の田舎町へと押し寄せていたころ、アイルランドではアメリアとその従者のコナーも一獲千金を夢見てアメリカへ渡る……。
やっとの思いで2人がたどり着いたアメリカは、差別や暴力がまん延するニューヨークや奴隷州ケンタッキー。当時の時代背景をもとに描かれており、それらに直面するアメリアとコナーの苦しみや葛藤が心に迫ります。厳しい現実に直面してもアメリアは抗うことを諦めず、気持ちいいぐらい真っすぐで、コナーを大事にしている姿に好感が持てます。
ランド
その村では人は必ず50歳で死を迎える……。そんな村で暮らし、双子の姉を生け贄に捧げられた少女・杏が“あの世”や“神”の隠された真実に迫るSFファンタジー作品。
日本独特の”村社会”という文化がなせる世界観や自分の住んでいる世界すら信じられなくなってくる恐怖感が、より作品を魅力的にしています。主人公の杏は、この村で育っていれば何の疑問も持たないであろうさまざまな事柄にも疑問を抱き、恐れずに踏み入っていく……。作品にリアリティーがあるからこそ、自分の生きている世界の不思議に触れてしまったような感覚を味わえます。「第25回手塚治虫文化賞マンガ大賞」を受賞したことが、読めば納得できる作品です。
明日ちゃんのセーラー服
田舎出身で小学生までクラスメートがいなかった主人公・明日小路の夢は、セーラー服を着ること。そしてついに、憧れの名門女子中学校に入学し、同級生たちとのスローな青春時間が始まる。
新たな世界へ足を踏み入れるワクワク感と思春期特有の「いろんなものがキラキラして見える」ような感覚が思い起こされます。友人たちと過ごすなんでもない日常のなかに、新たな発見や初めての感情があったり、そんな純粋な主人公の成長を見守っていきたくなるはずです。絵が美しく、思春期の女の子の首筋や脚など、パーツにフューチャーした描き方が丁寧かつ繊細でいい意味で変態的。しかし、露骨ないやらしさはなく、かえって思春期女子特有の刹那的な美しさが表現されていて、女性が読んでも見とれてしまいます。
佐々木と宮野
さまざまなメディアミックスが展開されているBL作品。女顔がコンプレックスな宮野は、ふとしたきっかけで不良の先輩・佐々木に気に入られてしまう。やがて2人は、宮野の趣味であるBL漫画をきっかけに次第に距離を縮めていく……。
純粋に人が人を好きになる気持ちや他人への思いやりといった大切な感情が丁寧に描かれていて、”人を好きになること”に前向きな気持ちを持つことができる作品です。まだ大人になりきっていない高校生だからこそ生まれる戸惑いや素直な気持ちにキュンとします。また、佐々木と宮野を取り囲む友人たちの思いやりのある言動も素晴らしく、2人の恋を一緒に応援したくなる、そんな優しい気持ちになれる作品です。
凪のお暇
仕事も恋もすべてを捨てた28歳・大島凪の人生リセットストーリー。その場の空気を読みすぎるあまり過呼吸で倒れてしまった凪は、100万円の貯金を元手に仕事をやめて引っ越し、彼氏からも逃げ出して新たな生活をスタートさせます。
田舎から上京し、無理をして都会の職場になじもうとする凪の姿はとてもリアル。凪が抱えている、親、モラハラ彼氏、仕事、結婚の問題は、多くのアラサー女性が共感できるはず。新たな場所で新たな人々に出会いながら人生のお暇を過ごす凪の日常に、ヒリヒリとしながらも勇気をもらえるストーリーです。
違国日記
35歳の小説家と両親を事故で亡くした姪の同居生活を描いた作品。姉夫婦の葬式で、遺児となった田汲朝が親戚間をたらい回しにされているのを見逃せず、勢いで引き取ることにした高代槙生。しかし、誰かと暮らすのに不向きな性格の槙生は、同居人となった朝の存在に困惑する。一方で15歳の朝は、今まで関わった大人とはタイプの違う槇生との暮らしを素直に受け入れ、新たな生活に順応していく……。
心の機微の表現と言い回しが絶妙で、お互いを理解して歩み寄ろうとする槙生と朝が丁寧に描かれています。まったくタイプの異なる2人が、時にぶつかりながら“暮らし”を作っていく、日々の積み重ねを描いた作品。特別なことを言っているわけではないのに、心にぐさぐさ刺さるせりふも満載です。
海街diary
鎌倉の祖母の家で暮らす香田幸、香田佳乃、香田千佳の三姉妹の元に、離婚して家を出ていった父親の訃報が届きます。出席した父の葬儀で異母妹のすずと出会った3人は、身寄りを失くしたすずのことを思い、鎌倉の家で一緒に暮らすことを提案。すずを含めた4人姉妹の生活がスタートする。
大きくドラマチックな展開はありませんが、複雑な家庭環境に置かれた4姉妹の日常が静かに丁寧に描かれています。鎌倉を舞台にしたお話で、景色や食事などストーリー以外の描写も魅力です。
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