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~キャラメーカー~森下裕美

~キャラメーカー~森下裕美

代表作:『少年アシベ』『ここだけのふたり』

究極にディフォルメされたキャラが折りなす、人間模様の多彩さと凄さ
森下裕美の描くキャラは皆毒舌だ。『少年アシベ』の「ゴマちゃん」は、ゴマフアザラシの赤ちゃんなので無垢でかわいい存在だが、同じ顔を持つ『ここだけのふたり』の「妻」は、少女のような純粋さで容赦の無い言葉を吐く。『ここだけのふたり』に出てくる従弟の「ボクちゃん」は、性格の悪さと卑屈さがにじみ出てるかのような顔だが、同じ顔のキャラが『少年アシベ』にも登場し、やはり卑屈で性格の悪いことを言っては、周りから嫌われていじめられる。
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大人は勝手に振る舞い、子供達も容赦ない
森下作品では個性的なキャラクターが続々登場し、みんな好き勝手な振る舞いをする。「妻」の団地での主婦仲間は、姑や旦那の悪口を言いまくり、「アシベ」の周りの大人たちは、子どもたちを翻弄する。4コマというのは、シンプルなコマ構成なため、キャラの特徴付けが極端になる傾向があるが、森下作品に登場するキャラは、極端でありながら人間としてのリアリティさを感じさせる。
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ドギついようでいて、案外日常会話ってこんなもの
『ここだけのふたり』は「旦那」が受け持つ生徒たちが、ある期間を過ぎると卒業していった。『少年アシベ』では、「アシベ」たちの周辺が描かれていったのとは別に、父親の転勤で遠い地に行った親友の「スガオくん」の、家族や周辺の物語が平行して描かれ、作中で一度も交わらなかった2人が、再会する直前のシーンで作品は終わっている。日常は移ろいでいくこと、自分の周り以外でも様々なことが起きていること、他人はいけすかなくてやなやつで度し難かったりするけど、一方で愛情があってお茶目で優しさも持ち合わせていること。森下作品は世界の多様さを教えてくれる。
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人生はホントいろいろある
森下裕美作品を彩る登場人物
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登場作品:ここだけのふたり
高校の時の担任と結婚して団地で暮らす新妻。かわいい外見に反して、シビアで本質を突いた発言をたびたびする。
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ゴマちゃん
登場作品:少年アシベ
小学生のアシベが、トラックからころげ落ちたところを拾った、ゴマフアザラシの赤ちゃん。自分を人間の子どもだと思っている。
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カズオくん
登場作品:少年アシベ
アシベの親友だったが、お父さんの転勤により、ネパールや孤島を転々とすることに。目つきは悪いが大人しくて優しい性格。
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伊獣院
登場作品:ここだけのふたり
柄は悪いがいいとこのお坊ちゃんで、花を愛する優しい高校生。旦那が受け持つクラスの生徒として、前半はレギュラー的存在だったが、3巻で卒業。
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ボクちゃん
登場作品:ここだけのふたり
妻の従弟。初登場時は小学生。こまっしゃくれた性格で、たいがいヒドイ扱いを受けている。『少年アシベ』の味田くんと同じ顔と性格をしている。

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