~普遍の凄み~秋月りす
代表作:『OL進化論』『かしましハウス』
ほのぼのした日常描写に潜む批評性
秋月りすの代表作である『OL進化論』の連載が始まったのは、1989年というまさにバブルがはじけた時代だった。当時ジャンルとして隆盛していた、OLが主役の4コママンガを、サラリーマンが読む『週刊モーニング』に、いわば逆輸入するような流れだった。それ以来現在まで連載が続く同作は、節目節目で時代を反映させながら、一貫して人間に対する鋭い批評性を持ち続けた。
かしましいながらも楽しい職場
ジュンちゃんや課長といったレギュラー陣が、あるある的なほのぼのとしたテーマを扱うのに対し、その一遍にだけ登場する名前もわからないキャラたちは、世間に蔓延するおためごかしや、見せかけの親切の嘘を暴いて去っていく。途中で本編内シリーズとして定着した「35歳で独身」では、男女問わない現代人の孤独を、「まあしょうがないよね」とユーモアに変えながら切り取って見せた。
名も無き人たちの一言が深い
また『かしましハウス』や『おうちがいちばん』は、『OL進化論』のような毒は薄いけども、軽妙な秋月節を楽しみたい人にはオススメだ。前者は性格も見た目もバラバラな4姉妹、後者は共働きしながら2人の子育てをする夫婦の話で、どちらも家族をテーマにした、一周まわってまさに王道といえるファミリー4コマだ。のんびりしながらも、ちょっとだけスパイスの効いた家族ドラマが楽しめる。
普通だけど普通じゃない人たち
秋月りす作品を彩る登場人物
ジュンちゃん
登場作品:OL進化論
多数のキャラが登場する中で、レギュラーとして主役に近い存在感を見せるOL。おかっぱ頭が特徴。
登場作品:OL進化論
多数のキャラが登場する中で、レギュラーとして主役に近い存在感を見せるOL。おかっぱ頭が特徴。
課長
登場作品:OL進化論
ジュンちゃんたちの上司。ポーカーフェイスだが、中間管理職の鑑として、細やかな気遣いを見せる。
登場作品:OL進化論
ジュンちゃんたちの上司。ポーカーフェイスだが、中間管理職の鑑として、細やかな気遣いを見せる。
田中
登場作品:OL進化論
課長の部下。いい人ではあるが、平凡な顔立ちかつ独身のため、独り身男性の悲哀ネタによく登場する。
登場作品:OL進化論
課長の部下。いい人ではあるが、平凡な顔立ちかつ独身のため、独り身男性の悲哀ネタによく登場する。
みづえ
登場作品:かしましハウス
野田4姉妹の三女。いつも寝てばかりいてぼーっとしてるが、鋭い観察眼と芸術センスがある。
登場作品:かしましハウス
野田4姉妹の三女。いつも寝てばかりいてぼーっとしてるが、鋭い観察眼と芸術センスがある。
目白課長
登場作品:おうちがいちばん
主人公であるつぐみの上司で、既婚のキャリアウーマン。バブル期を生き抜いてきたため、言動が若干パワハラおっさん気味。
登場作品:おうちがいちばん
主人公であるつぐみの上司で、既婚のキャリアウーマン。バブル期を生き抜いてきたため、言動が若干パワハラおっさん気味。