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『ギッちょん(文春文庫)(文芸・小説)』の電子書籍一覧

1 ~1件目/全1件

  • 867(税込)
    著:
    山下澄人
    レーベル: 文春文庫
    出版社: 文藝春秋

    新芥川賞作家の傑作小説集!
    「しんせかい」で第156回芥川賞を受賞。鮮烈なスタイルで現れた山下澄人の初期傑作集を待望の文庫化!
    『ギッちょん』『コルバトントリ』二冊の単行本を一冊に。

    〇収録作
    ・ギッちょん
    四十過ぎてホームレスになった男。目の前を往き来するのは幼馴染み“ギッちょん ”とひとりぼっちの父。(第147回芥川賞候補)
    ・水の音しかしない
    毎朝同じ電車になる男が鬱陶しくて、時間をはやめてみたら、やはり男といっしょになった。適当に話を合わせているうちに「わたし」は窮地に陥る。
    ・トゥンブクトゥ
    第一部 街でゆきかう老若男女の様々な思惑、殺意。第二部 海辺のサバイバル。
    ・コルバトントリ
    わしは死なへん。お前も死なへんねん。誰も死なへん。生者も死者も人間も動物も永遠を往還する――(第150回芥川賞候補)


    〇小川洋子さんによる解説を収録。
    「山下澄人さんの小説を読むと、語り手も登場人物たちも皆、魂だけになってしまった人々のようだ、と思う。魂というと普通、肉体の檻から解放された、純度の高い存在の源、のようなイメージがあるが、山下さんの場合は少し違う。」

    「山下さんの小説に現れるのも、この“ 在り間”に近いものたちだと思われる。存在する、と明確に断言するだけの自信もなく、かと言って、存在しないのだな、と問われるといや、待ってくれと言いたくなる。どっちつかずの隙間、空洞、落とし穴、のような何か。ないけれどある。あるけれどない。」

    「語り手たちは皆、迷ってばかりで、自信がなく、肝心なことをすぐに忘れる。生かされている世界に圧倒され、その前でちっぽけな自分を持て余している。そんな小さな人々にしか見えない真実の風景が、ここには描かれている」

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