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安達としまむら あらすじ・内容
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のんびり日常を過ごす、女子高生な安達としまむら。その関係が、少しだけ変わる日。
体育館の二階。ここが私たちのお決まりの場所だ。今は授業中。当然、こんなとこで授業なんかやっていない。 ここで、私としまむらは友達になった。好きなテレビ番組や料理のことを話したり、たまに卓球したり。友情なんてものを育んだ。 頭を壁に当てたまま、私は小さく息を吐く。 なんだろうこの気持ち。昨日、しまむらとキスをする夢を見た。 別に私はそういうあれじゃないのだ。しまむらだってきっと違う。念を押すようだけど、私はそういうあれじゃない。 ただ、しまむらが友達という言葉を聞いて、私を最初に思い浮かべてほしい。ただ、それだけ。
「安達としまむら(電撃文庫)」作品一覧
(13冊)583円〜726円(税込)
高校二年生の十月は修学旅行の季節らしい。となると班決めがあって、席を素早く立つ安達の姿が目に飛び込んで来る。
「なにかな足の速い安達」
「班は、一緒で」
「うん」
当然そうなるのだ。
ただ問題は、班を作るには五人必要ということだ。安達の性格からして、二人きりじゃないと不満だろうし、どうしたものか。
意識して準備する物もないし、二泊三日の旅行で私服が必要なわけもなく。流れるままに、ぱーっと、出たとこ勝負でいいかな。
安達と出会ってからの一年が割と濃いから、過去が遠くなっているのを感じる。良くも悪くも、安達は印象的なので他の記憶を上書きしてしまう。わたしはいつか、安達との過去だけで埋め尽くされるのかもしれない。
私には思い出というものがおよそ欠けている。そして、私には今にしかしまむらがいない。少なくとも、今この時は。一年前はまだちゃんと覚えていて、そこにある。だから昔じゃない。私は、いつかしまむらと過去を過ごせるだろうか。
安達と出会う前のしまむらと、しまむらと出会ってからの安達。少しずつ何かが変わっていく。そんなお話。
しまむらと付き合うってことは、うーん、まず、い、一緒に登校するとか……でいいんだよね……。でも、何時に迎えに行けばいいのかな。自転車どうしよう……しまむらは歩きだし……早く学校始まらないかな。安達と付き合うことになったけど……、何か今までと変わるのかなー。……安達は変わるんだろうか。でも、付き合うってどうすればいいんだろ。うーんよくわかんないな。大丈夫なのかね。お祭りでの告白から、彼女と彼女になった二人。夏休みも明けて新学期。これまでとちょっと違う高校生活が始まる。