電子書籍 キノの旅 ラノベ

著者: 時雨沢恵一  イラスト: 黒星紅白 

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キノの旅 the Beautiful World あらすじ・内容

世界は美しくなんかない。

「キノはどうして旅を続けているの?」 「ボクはね、たまに自分がどうしようもない、愚かで矮小な奴ではないか? ものすごく汚い人間ではないか? なぜだかよく分からないけど、そう感じる時があるんだ……でもそんな時は必ず、それ以外のもの、例えば世界とか、他の人間の生き方とかが、全て美しく、素敵なものの様に感じるんだ。とても、愛しく思えるんだよ……。ボクは、それらをもっともっと知りたくて、そのために旅をしている様な気がする」 ―――短編連作の形で綴られる人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の話。今までにない新感覚ノベルが登場!

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「キノの旅」作品一覧

(23冊)

539〜715(税込)

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歌声が聞こえる。そこは、紅い世界だった。 一面に紅い花が咲き乱れ、隙間なく大地を埋め尽くしている。 何もない、ただ蒼いだけの空が広がる。 ……紅い草原に、再び歌声が聞こえた。 そしてそれが終わった時、最初に聞こえた声が訊ねる。 「これからどうするの?」 別の声は、 「いつかと同じさ。どこかへ行こう」 すかさず答えた。 「そうだね。そうしよう」 最初の声が、嬉しそうに同意した。 そして言う。 「そろそろホントに起こしてほしいなあ。キノ」 人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の話。短編連作の形で綴られる、大人気新感覚ノベル第4弾!!

そう――。 この世界は美しく、そして輝いている。 ボクの心を落ち着かせ、なごませてくれる。辛いことを忘れさせてくれる。それが、ボクの心がおかしくて、狂っていて、壊れていることの証明だとしても……。 それでもボクは、そう思えることを幸せに思う。思える今を大切に思う。 さあ――。 ボクはこれからもこれを見続けよう。ボク以外の世界中の人が、これを美しくないと吐き捨てても。そう思うことが、これ以上ないほどの間違いだとしても。 ボクが、これを美しいと思うかぎり。 人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の話。短編連作の形で綴られる、大人気新感覚ノベル第5弾!!

よくない道だねえ、と走ってきたモトラド(注・二輪車。空を飛ばないものだけを指す)が言った。後輪の脇には箱が、上には大きな鞄と丸めた寝袋とコート。旅荷物をたくさん積んだモトラドだった。でもやっぱりこれは近道だよと、モトラドの運転手が言った。黒いジャケットを着て、帽子とゴーグルをした十代中頃の若い人間だった。腰を太いベルトで締めたジャケットの前合わせは、初夏の風が入るように大きく開けていた。その下に、白いシャツを着ていた。 人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の話。短編連作の形で綴られる、大人気新感覚ノベル第6弾!!

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