二十五世紀。人類はかつて“神”として自分たちの上に君臨した者たちとの“大戦（ビッグ・ウォーズ）”に突入していた。太陽系を植民化しようとする人類、これを阻むために銀河系外から飛来し、水星を要塞とする神々。人類と神々はすでに対等だった。私ハイパー・マグドナルドも地球防衛軍に志願、大戦に加わり、同僚の浄土一成らと共に人体強化処置を施されて、神々の砦・水星を目指した……。一九七八年に発表されたＳＦ古典名作を、著者が現在の知見を加えて全面的に書き直した改訂版、登場！

神々との戦闘から離れて地球に凱旋したハイパー・マグドナルドは、行方不明の有明レイナらを捜すため、変顔手術を受けて爆破事故で死亡した男になりすまし、海上都市ニュー・ユートピア・シティーに潜入した。神々のスパイの横行するこの街で、レイナが火星に連れ去られたことを知ったマグドナルドは、再び神々との戦場・火星戦線へと向かった。壮大なスケールで描かれるスペースオペラ第二弾！

神々との戦いのさなか、何者かによって火星から石炭紀の地球に転送されたハイパー・マグドナルドにも、ようやく事態の推移が理解されてきた。全ては人類の地球脱出に向けて、世界頭脳（サンタ・マリア）が周到に用意した計画の一環だったのだ。ハイパーもまた遺伝子操作を受けて誕生し、敗色濃い地球人を、神々の専制から救う任務を帯びていた。世界頭脳が描く未来世紀の方舟計画とは？　時空の深淵を描くスペース・オペラ第三弾