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高橋和巳・高橋たか子 電子全集 第1巻 高橋和巳 小説1『邪宗門』ほか あらすじ・内容
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高橋和巳の代表作ともいえる宗教団体の破滅を描いた一大長編『邪宗門』を中心に、未完作「古風」を併録した一巻。
高橋和巳の代表作ともいえる一大長編『邪宗門』。
序章+3部構成の体裁をとる物語は、「ひのもと救霊会」なる宗教団体が昭和初期に治安維持法違反や不敬罪といった罪科に問われることで、国体論的国家権力によって徹底的に弾圧され、壊滅の危機に迫られるも、戦後、新たなる世の到来とともに、信徒それぞれが希望と復讐の念を交錯させつつ再起、再興を志しながらも、今度は駐留軍によって弾圧され解体していく宗教団体の破滅までのさまを描いた作品。
当巻では、決定版ともいえる単行本に加え、「朝日ジャーナル」1965年1月3日号~1966年5月29日号まで全74回にわたり連載された初出版も完全併録。
決定版では改稿に加え、特に第3章で、大幅な増補が施されていることも確認できる。
また、併録した未完作「古風」は1957年3月から1958年8月まで、同人雑誌「対話」第一、二、三号に発表され、壮大な構想にもとづく長編小説として書かれたが、中断したまま、未完となった作品で、和巳最後の小説『黄昏の橋』に受け継がれる作品といえる。
解説は、和巳と同じ京都大学文学部卒で関西学院大学文学部教授・橋本安央氏(『高橋和巳 棄子の風景』を執筆)が務め、解題は和己巻の監修を務める作家・太田代志朗氏が担当。
付録として「邪宗門」「古風」の生原稿等も収録する。
「高橋和巳・高橋たか子 電子全集(小学館)」作品一覧
(24冊)各2,200円(税込)
高橋和巳パートの最終巻。全69件、延べ179人との対談、座談を一挙に掲載。あわせて、インタビュー、講演等を収録。
高橋和巳、高橋たか子の全作品をテーマごとに編纂する電子全集の23巻は「高橋和巳 対話、講演」と銘打ち、1962年から71年にかけて企画された対談、座談全69件を掲載。あわせて、各種インタビュー、テレビ大学講座、講演等を収録する。
「私を支えるのは、文学であり、その文学が自己を告発する」と語り続けた和巳は、わずか10年ほどの著作活動にもかかわらず、実にさまざまな人に会い、文学創造の喜びと真実を語りあった。収録された対談相手は延べ179人に及ぶ。
なかでも、晩年に文学仲間と立ち上げた季刊文芸誌「人間として」から、編集同人・小田実、開高健、柴田翔、真継伸彦と語り合った座談8件は興味深い。
インタビューは全6本収録。とくに自分の生い立ちから始まる原風景を明かし、小説を書く動機を語った「私の文学を語る」(秋山駿によるインタビュー)は注目される。
立命館大学と読売テレビの共同企画で放映されたテレビ大学講座、1963年「現代小説の課題」(全5回)、1964年「文学思想史」(全9回)、北海道大学から島根大学まで全国各地での講演15件も収録する。
高橋和巳パートの最終巻として、監修を務める作家・太田代志朗氏が作成した年譜を掲載。解題も太田氏が担当した。付録は、交流のあった人々とのスナップや、1971年5月9日に青山斎場で行われた和巳の葬儀告別式等の写真。
※この作品は一部カラー写真が含まれます。
高橋たか子パートの最終巻。没後刊行の『終りの日々』等3冊のエッセイ集に、単行本未収録エッセイや書評等を収録。
高橋和巳、高橋たか子の全作品をテーマごとに編纂する電子全集の24巻は「高橋たか子 エッセイ4」と銘打ち、没後に刊行された日記形式のエッセイ集『終りの日々』と、『高橋たか子の「日記」』に加え、自選エッセイ集『どこか或る家』より再録分を除いた14篇と、巻末エッセイを収載。
加えて単行本未収録エッセイ22篇、書評16篇、文庫解説2篇、その他として「創作合評」や大庭みな子氏への追悼文等13篇を収録する。
『高橋たか子の「日記」』は2002年11月22日から2004年9月30日までを綴った第一部のほか、第二部とパリ日記で構成され、2005年4月に講談社から刊行された。フランス文学に定着している「日記文学」を、「一人の人間としての自分を、その自分が生きた人生を、直視して、証言する姿」として倣い、自身の新しい表現手法として試みた意欲作。
その続編ともいえる『終りの日々』は、2006年6月15日から2010年6月26日までの日記で、2013年7月12日に81歳で没したたか子の遺稿として、同年12月にみすず書房より刊行された“最後の作品集”である。
高橋たか子パートの最終巻として、監修を務める鈴木晶氏が作成した年譜と「あとがき」を収録。解説と解題は、たか子と交流のあった文芸評論家・山内由紀人氏が担当。付録として、『きれいな人』で受賞した第45回毎日芸術賞の授賞式のスナップ写真を採録する。
※この作品はカラー写真が含まれます。
大庭みな子との対談集『対談・性としての女』ほか、単行本未収録対談、座談、往復書簡、インタビュー等を収録。
大庭みな子との対談集『対談・性としての女』ほか、単行本未収録対談、座談、往復書簡、インタビュー等に、カルメル会司祭との対話集『意識と存在の謎 ある宗教者との対話』を収録。
同じ昭和一ケタ世代の女性作家として晩年まで交流が続いた作家・大庭みな子との対談集『対談・性としての女』(1979年11月、講談社刊)は、「性としての女」をテーマに4回にわたって行われた対談(1978年11月~1979年4月)をまとめた1巻で、40代後半になった二人が自らの内的体験から「女」について熱く語り合う。
単行本未収録の座談、対談は1972年から1985年まで行われた22本を収録。遠藤周作、中村真一郎、加賀乙彦、井上光晴、大庭みな子等の作家同士による対談に加え、音楽家・武満徹との芸術創造の源泉についての対談は興味深い。
「魂の渇望――往復書簡と対話」は埴谷雄高との特別対談として、「群像」1994年1月号に掲載された。フランスでの霊的生活を経て、神体験と芸術創造が同じ深層世界で行われていることに気づいたたか子は、“巨人”埴谷とその深遠にして広大なテーマについて語り合う。
解説と解題は、生前のたか子と交流のあった文芸評論家・山内由紀人氏が担当。付録として、たか子が編集した『神の小羊についてゆく』(1994年4月、女子パウロ会刊)等を収録する。
※この作品は一部カラー写真が含まれます。