『戦記、文藝春秋(実用、新書)』の電子書籍一覧
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朝ドラ「ブギウギ」で大ブレイク、翼和希(OSK日本歌劇団)が絶賛!
「商人の知恵と武士の志で新時代を生き抜く浪速の男子がマンガでも大活躍します」
大阪で与力の跡取りとして生まれた17歳の志方錬一郎は、明治維新で家が没落し、薬問屋へ奉公に出ていた。明治10年、西南戦争が勃発。強者ぞろいの薩摩軍に立ち向かうため、明治政府は戊辰の動乱を戦った士族たちを「壮兵」として徴募することになった。
軍務の経験がないにもかかわらず機略を巡らせ、官軍に潜り込んだ錬一郎。武勲を立てると意気込むが、配属されたのは……。博打好きの大男、京の料理人、算盤勘定専門の眼鏡、賊軍出身の中尉と、一癖も二癖もある輩が集まる落ちこぼれ部隊だった!? 17歳の西南戦争従軍記、開幕!!
新進歴史作家・坂上泉の松本清張賞受賞作を『地獄堂霊界通信』『しゃばけ』の“みもり”が熱血コミカライズ。原作は、OSK日本歌劇団により「へぼ侍~西南戦争物語~」(翼和希主演)として舞台化された。 -
一見、関わりなど無いように思える「発酵」と「戦争」。
しかし太平洋戦争末期からの食糧欠乏期、国民全体が発酵食品にいかに救われたか、
また食糧のみならず爆薬・燃料・薬品をもつくる驚異のパワーを、
古今東西の豊富な事例で紹介。その幅広さには、「発酵」の豊かさと
無駄のない強靭さ、無限の可能性が感じられる。
【目次】
第一章 戦争と発酵食品
納豆/味噌/醤油/食酢/漬物/食パン/鰹節/チーズ/甘酒/チョコレート/紅茶/缶詰/軍隊調理法
第二章 戦時下の酒
日本酒/焼酎/泡盛/ビール/ワイン/ウイスキー/酒保/密造酒
第三章 戦争と知られざる発酵
小便から発酵で爆薬をつくる/発酵で爆薬ニトログリセリンを生産/芋を発酵させて爆撃機の燃料をつくる/傷病兵のための抗生物質の発酵生産/海藻を発酵させて軍需用品の沃素をつくる/戦争と堆肥/戦争と柿渋
第四章ウクライナとロシアの発酵嗜好品
ウクライナとロシアの伝統発酵料理/ウクライナのワイン/ロシアのワイン/ジョージアのワイン -
日本人よ、いまこそ目覚めよ!
海上自衛隊特殊部隊の創設に関わり、各国の軍隊と交流のある伊藤祐靖氏と、ウクライナ・イラク・北朝鮮など世界の現場で活躍する戦場カメラマンの二人による初の対談本。「これからの日本、特に若い人たちはどうあるべきか」を国防という視点からから考える。 -
世界三大海軍の栄光から、その壊滅まで――
1941年秋、世界三大海軍の一つとして、大日本帝国海軍は254隻、109万トンの大兵力を海上に浮かべていた。
しかし戦うこと3年半、40万もの戦死者とともに、そのほとんどが海底に沈んだ。
かつて「国防」の期待を一身に受けた大艦隊が消滅するに至るまでを、
従軍記や日米海軍の提督伝など多角的に、豊富な写真とともに再現する。
激戦の記録、希少な体験談。生残った将兵による「軍艦マイベスト5」。提督たちの列伝。
一冊でたどる大日本帝国海軍の最期。
※この電子書籍は、1985年2月に刊行された文春文庫ビジュアル版『太平洋戦争 日本軍艦戦記』の版をもとにした文春文庫版を底本にしています。一部の画像に見づらい個所があります。また一部の記事は掲載されておりません。ご了承のほど、お願いいたします。 -
大きな反響を呼んだ「戦争と女性」に迫るノンフィクション。
シベリア抑留者の中に女性捕虜が存在したことは、長く歴史の影に埋もれてきた。戦後七十年以上沈黙してきた女性たちの貴重な証言集。
終戦直後、満洲や樺太などにいた軍人や民間人など60万人近い日本人がソ連によって連行された「シベリア抑留」。その中に数百人から千人近い女性捕虜が存在したことは、長く歴史の影に埋もれていた。関東軍の陸軍病院で勤務していた従軍看護婦や軍属として働いていたタイピスト、電話交換手、開拓団の民間女性、そして受刑者たちが、極北の地シベリアに送られていたのである。その中には「女囚」として10年を超える抑留生活を送った女性や、日本に帰る場所もなく異国の地で人生を全うした者もいる。帰国を果たした女性たちにとっても、故国の人々のまなざしは決して温かいものではなかった。
戦後70年以上、長く沈黙を守ってきた女性たちをインタビューすることに成功し、2014年にNHK・BS1スペシャルで放送されたドキュメンタリー「女たちのシベリア抑留」は、文化庁芸術祭賞優秀賞、放送文化基金賞奨励賞、ATP賞テレビグランプリ優秀賞、ギャラクシー賞奨励賞、NHK放送総局長特賞など、その年のドキュメンタリー部門の賞を総なめにした。その番組を担当した女性ディレクターが綴る本格ノンフィクション。ロシア側から初めて提出された女性抑留者の記録「登録簿」の内容も明らかになる。
※この電子書籍は2019年12月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
現地での撮影写真、多数収録!
数々のスクープ写真で知られる報道カメラマンの不肖・宮嶋こと宮嶋茂樹さん。
2月24日にロシアによるウクライナ侵攻が始まり、日本メディアのほとんどが現地入りを躊躇していた3月5日、ポーランドから陸路でウクライナ入り。
3月12日にはロシア軍が13キロまで迫っていたキーウへ。以降4月17日に出国するまで、ブチャ、イルピンなど各地で取材を続ける。
5月中旬には再びウクライナへ。東部ハルキウを取材。
激戦地の取材から見えてきた「戦争の真実」とは?
※本書には、遺体を含む戦争のショッキングな写真が掲載されています。ご了承の上、御覧下さい。 -
二宮和也主演映画『ラーゲリより愛を込めて』(2022年12月9日公開)、究極の愛を描く感動巨編映画、その見どころを余すところなく伝えるノベライズ版。
原作は講談社ノンフィクション賞・大宅壮一ノンフィクション賞をダブル受賞した『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』(辺見じゅん・著)。
第二次世界大戦で劣悪な環境のシベリア強制収容所に、捕虜として抑留された山本幡男一等兵。
妻やまだ幼い4人の子供とは離れ離れになったまま、消息もつかめない。
栄養失調や過酷な労働作業で命を落とす者、自ら命を断つ者が出るなか、
常に帰国する日を待ち、人間としての尊厳、生きる希望を持ち続けた山本。
絶望の状況において、収容所のひとすじの希望の光でありつづけた山本幡男を二宮和也が、
夫の帰国を心から信じ11年間待ちつづけた妻モジミを北川景子が演じる。
メガホンをとるのは『8年越しの花嫁 奇跡の実話』『64―ロクヨン― 前編/後編』の
瀬々敬久監督、脚本は『永遠の0』『糸』の林民夫。
涙なくしては読み進めることができない、驚きと感動で心が震わされる、究極の愛の実話。 -
降伏か、本土決戦か。8・15をめぐる攻防が始まる! 半藤一利の傑作ノンフィクションを、SF伝奇漫画の巨匠・星野之宣が鮮烈コミカライズ。
敗色が濃い昭和20年夏。連合国によるポツダム宣言をめぐり、受諾派と徹底抗戦派との間で鈴木貫太郎内閣の意見は真っ二つに分かれていた。無条件降伏を主張する米内海軍大臣と東郷外務大臣に対し、阿南陸軍大臣と梅津参謀総長は「国体護持」の堅持を訴え、一歩も譲らない。
広島への原爆投下、ソ連の参戦と徐々に追い詰められるなか、いよいよ昭和天皇の“聖断”を仰ぐことに。一方、降伏を認めない陸軍将校らによるクーデター計画が、水面下で進んでいた。
すでに二度も映画化されている終戦を巡るドラマを、コミカライズ版では幕末の「尊皇攘夷」思想から説き起こす。天皇を切り札に討幕を進めた薩長は、明治維新後も陸海軍を掌握。統帥権の名のもとに、軍を議会や内閣から独立した存在であり続けさせた。いわば“玉”を抱え込んだのだ。
皇太子時代に第一次大戦の戦跡を訪れた昭和天皇は、戦争の悲惨さを痛感する。だが、大陸進出を押し進める軍部の膨張は歯止めがきかない。満洲事変、二・ニ六事件、日米開戦……連綿と続く軍部と天皇との緊張関係を軸に、終戦の日のドラマが幕を開ける──。
作画を担当するのは、漫画家の星野之宣。『ヤマタイカ』『星を継ぐもの』で星雲賞コミック部門を、『宗像教授異考録』で文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。日本人として初めて、大英博物館で原画展を開催した。
※こちらは「無料試し読み版」となります。続きは製品版をご購入のうえ、お楽しみください。 -
1 主役たちの肉声と手記 編・保阪正康
山本五十六が語るロンドン軍縮会議の内幕
私が見た元老西園寺公望 近衛文麿
松岡洋右、連盟脱退後の心境を明かす
「東洋のローレンス」の中国生活三十年史 土肥原賢二
東條英機 最後の日記 ほか
2 軍人たちの素顔 編・保阪正康
父、渡辺錠太郎を殺した軍人 渡辺和子
満洲事変を起こした板垣征四郎は泣き虫だった 板垣賛造
部下から見た石原莞爾の哲人的生涯 田中新一 ほか
3 作家たちの戦争 編・辻田真佐憲
菊池寛、軍神・西住戦車長の母に会う 岩崎栄
剣豪小説家 五味康祐の従軍記
「田辺写真館」焼失 母は強し 田辺聖子 ほか
4 戦場の証言 編・保阪正康
真珠湾までの山本五十六 福留繁
文藝春秋社員 戦場の手記 鷲尾洋三
吉川英治が将校たちに航空戦の実態を聞く
「マレーの虎」山下奉文、幻の手記 保阪正康 ほか
5 取材者たちの記録 編・辻田真佐憲
二・二六事件、被害者宅を連続訪問する
戦時下の銀座、浅草を飲み歩く 小野佐世男
頭山満、蒋介石と相撲を語る 鈴木氏亨)
生きている十三人の大将 村上兵衛
鎮魂曲・特攻の妻たち 澤地久枝 ほか
6 私の戦争体験 編・辻田真佐憲
特別対談 アスリートの見た戦場 沢村栄治×笹崎たけし
戦時下を生きた九人の記憶
三笠宮崇仁親王 中曾根康弘 水木しげる 千玄室 橋田壽賀子 美輪明宏 丹波哲郎 佐藤安枝 ドナルド・キーン
座談会 満洲のいちばん長い日
澤地久枝 ジェームス三木 藤原作弥 小澤俊夫 神代喜雄 福永こせい 天野博之 保阪正康
命からがら逃げた東京大空襲 半藤一利 -
二宮和也主演で映画化!奇跡の実話をコミカライズ
シベリア抑留中に死んだ仲間の遺書を、厳しい監視網をかい潜り、驚嘆すべき方法で日本へ持ち帰った男たちがいた。勇気と知性の物語。
「ダモイ(帰国)の日は必ず来ます」元一等兵、山本幡男はシベリアの強制収容所(ラーゲリ)で死と隣り合わせの日々を送りながらも希望を捨てず、仲間を励まし続けました。
しかし、過酷な捕虜生活が山本の体を蝕みます。死期を悟った山本は4通の遺書を記し、日本の家族に届けるようにと遺言し、息を引き取ります。
ラーゲリでは、文字を書き残すことはスパイ行為として厳禁され、帰国する時も紙一枚持ち出すことは許されませんでした。しかし、仲間たちは驚くべき方法で山本の遺書を日本へと持ち帰り、終戦から12年後に遺族のもとへと届けたのです。一体、どうやって……!?
1990年に大宅賞を受賞した原作は、現在も版を重ねる傑作ノンフィクション。極寒、飢餓、重労働に屈しなかった男たちの勇気と知性の物語は、戦争を知らない世代にも感動を与え続けています。
今冬には「ラーゲリより愛を込めて」として映画公開も決定。主演は「硫黄島からの手紙」の二宮和也。映画とのメディアミックスにより、より幅広い読者に届けられればと考えています。
※こちらは「無料試し読み版」となります。続きは製品版をご購入のうえ、お楽しみください。 -
恩賜の軍刀を与えられた秀才組に名将はいなかった
責任感、リーダーシップ、戦略の有無、知性、人望……昭和の代表的軍人22人を俎上に載せて、敗軍の将たちの人物にあえて評価を下す。
第一章 栗林忠道
第二章 石原莞爾と永田鉄山
第三章 米内光政と山口多聞
第四章 山下奉文と武藤章
第五章 伊藤整一と小沢治三郎
第六章 宮沢繁三郎と小野寺信
第七章 今村均と山本五十六
第八章 服部卓四郎と辻政信
第九章 牟多口廉也と瀬島龍三
第十章 石川信吾と岡敬純
第十一章 特攻隊の責任者 大西瀧治郎・冨永恭次・菅原道大
*電子書籍版では掲載されていない写真があります。 -
史上最大の海の戦いは悲劇のクライマックスへ。
前人未踏の太平洋戦史トリロジー、遂に完結――。
第一部、第二部に続き、5年の執筆期間を費やして描き切られた、太平洋戦争最後の1年間。あまりに巨大かつ濃密なドラマが、かつてなかった戦史の掉尾を飾る。
太平洋戦争はその最終盤においては、初期よりもはるかに大規模に、そしてはるかに政治的になっていた。真珠湾、ミッドウェイ、ガダルカナルといったそれぞれの海戦戦記だけでは決してわからない、終戦に向かう巨大なうねりを可視化するには、本書が描き出す無数の人々の群像劇が必要不可欠だった。
それを象徴するエピソードが、本書上巻冒頭で描かれる、1944年7月のホノルル戦略会議である。この会議は、これまでの歴史書や伝記ではなおざりにされてきた。
しかし著者は新資料に基づいてこの会議の内実を余すところなく描写する。フィリピン解放を主張する陸軍・マッカーサー、台湾攻撃を支持する海軍・キング。そして前例のない4期目をめざす大統領選出馬を表明したばかりのローズヴェルト。
海軍と陸軍の縄張り争い、国内政治の綱引き、アジアの新勢力図をにらんだ国際政治――日本をどうやって降伏させるかは、単なる軍事的な問題を超えて、微妙な思惑が交錯する政治イシューになっていた。
ともあれ、多くの人々の運命を飲み込む決断は下された。そして動き出した奔流のなかで、ニミッツ提督はミンダナオ島を迂回してレイテを攻撃するという劇的な大転換を決意。それに対し、超戦艦武蔵と大和を擁する栗田提督は、レイテ侵攻に全力で対抗する動きを見せる。
太平洋戦争最後の艦隊決戦の幕が上がろうとしていた――。 -
歴史に秘められた事実を掘り起こした傑作長篇。
明治二年三月二十五日の夜明け。
宮古湾に碇泊している新政府軍の艦隊を
旧幕府軍の軍艦「回天」が襲った――。
箱館に立てこもった榎本武揚、土方歳三らは、次第に追い詰められていく状況を打開しようと、新鋭艦・開陽丸なきあと二番手の軍艦だった「回天」を使い、大胆な奇襲に賭けたのだった。
奇襲には成功したが、外輪船で小回りが利かない「回天」は、新政府艦隊に包囲されて集中砲撃を浴びる――。
一切作者の主観的視点は入れ込まず、事実のみをたどり、「回天」の運命を追いながら、初めて海上から箱館戦争が描かれた。
後に書かれる『天狗争乱』につながる、隠れた名作。
薩摩藩領宝島において、外国の捕鯨船員と島の警備の日本人との間の、小規模ながら戦闘がおこなわれた様子を描く「牛」を併録。
解説・森 史朗 -
【真珠湾攻撃80年】
山本五十六の密命を帯び、作戦の中心的役割を担った元参謀による歴史的回顧録!
魚雷の使えない浅い港湾、命中確率の低い水平爆撃、給油不可能な荒れる航路――開戦と同時に米太平洋艦隊の根拠地を叩く真珠湾作戦は、当初誰もが不可能と考えた。ただひとり、連合艦隊司令長官・山本五十六を除いて……山本の密命を帯びた著者は、いかにして不可能を可能としたのか。元参謀、驚愕の回想録。増補2篇「真珠湾奇襲と三人の提督」「淵田美津雄という男」収録。(解説・秦 郁彦)
機密保持は? 指揮官の人選は?
雷撃や爆撃の訓練方法は? 空母編成は? 攻撃目標は?
南方か北方か――接近航路は?
第二撃はなぜ行われなかったか?
山本五十六、大西瀧治郎、南雲忠一――三人の提督の素顔とは?
指揮官のあるべき姿とは?
そもそも、奇襲は必要だったのか?
戦史的観点から真珠湾攻撃を観察しようとする人々にとって、本書は不可欠の文献である(※秦 郁彦氏の解説より) -
人間爆弾「桜花」、人間魚雷「回天」、陸軍水上艇「マルレ」、海軍特攻艇「震洋」、水中特攻「伏龍」、零戦、艦攻、襲撃機……。いずれも異なる兵器で彼らが目指したのは「自死」だった。昭和戦中史の一大悲劇として語られる「特攻」に志願し、生き延びた人たちに戦後生まれの若者がインタビューを試みる。果たして特攻に強制はあったのか、命を賭してまで守りたかったものは何か。いずれの証言も深く胸をうつ。戦争を知らない読者のために詳細な注と、写真・図版を収録。特攻を知る上で不可欠の一冊。
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戦後12年目にシベリア帰還者から遺族に届いた6通の遺書。その背後に驚くべき事実が隠されていた! 大宅賞と講談社ノンフィクション賞のダブル受賞に輝いた感動の書。
敗戦から12年目に遺族が手にした6通の遺書。ソ連軍に捕らわれ、極寒と飢餓と重労働のシベリア抑留中に死んだ男のその遺書は、彼を敬慕する仲間たちの驚くべき方法により厳しいソ連監視網をかいくぐったものだった。悪名高き強制収容所(ラーゲリ)に屈しなかった男たちのしたたかな知性と人間性を発掘した感動の傑作。第11回講談社ノンフィクション賞(1989年)、第21回大宅壮一ノンフィクション賞(1990年)を受賞。
解説・吉岡忍 -
特攻、これだけは伝えたい。
生還した11人からのメッセージ。
多くの“神話”と“誤解”を生んだ特攻。
その真実を知る最後の語り部たちが重い口を開いた。
四式重爆撃機「飛龍」、
百式重爆撃機「呑龍」、
四式連絡艇/四式肉迫攻撃艇「マルレ」、
九七式艦上攻撃機、
九七式戦闘機、
人間機雷「伏龍」、
零式艦上戦闘機、
一式陸上攻撃機、
四式戦闘機「疾風」、
九三式中間練習機。
心ならずも生き残った11人の元特攻隊員のロングインタビュー。
平和を知るために私たちの祖父、そして父たちの熱き想いに耳を傾けよ。
写真・図版多数。 -
東京ドームの脇に「鎮魂の碑」という名の石碑が建っていることをご存知だろうか。
昭和五十六年(一九八一年)、後楽園球場の時代に造られ、東京ドームの完成に伴って今の場所に移築されたこの碑は、先の大戦で戦死したプロ野球(職業野球)の選手たちの御霊を鎮めることを目的として建立されたものである。「建立の趣旨」として、次のような言葉が刻まれている。
〈第二次世界大戦に出陣し、プロ野球の未来に永遠の夢を託しつつ、戦塵に散華した選手諸君の霊を慰めるため、われら有志あいはかりてこれを建つ〉
この碑には、計六十九名の選手が祀られている。名前の列記の中には、沢村栄治のように一般的に知られている著名な選手の名前もあれば、殆ど無名の方もいる。本書では、この碑に名前の刻まれている野球人たちの中から六名を選び、その生涯を紹介する。
更に、一口に「戦場に散った野球人」と言っても、それはプロ野球の選手だけではなく、学生野球で活躍した者たちも少なくなかったことを踏まえ、「伝説の大投手」こと嶋清一についての章を加えており、計七名の生涯の記録ということになる。この石碑に内包されている血と涙の記憶とは、どのようなものだったのか。時代の不条理とは常に単層構造ではありえず、その実相を描くには百万言あっても足りないが、僅かなりとも鎮魂の一助とすることを目的に著者が精魂こめて書き下ろしたノンフィクションである。 -
“大虐殺の首謀者”として裁かれた軍人は中国を深く愛していた。ついに明らかになる南京戦の全貌──。
折り重なる屍体。過酷な戦場の現実。押し寄せる日本軍に中国軍司令官は逃亡する。軍律に厳しい松井と血気にはやる師団長の確執。中国便衣兵の無法と日本兵の混乱……。その時、南京城内で何が起きたのか?
南京事件の罪を問われ東京裁判で処刑された松井石根を、中国人は今も「日本のヒトラー」と呼ぶ。著者はこの悲運の将軍の生涯を追いながら、いまだ昭和史のタブーとされる事件全貌の解明に挑む。
【目次より】
第1章 日中友好論者への道
第2章 大亜細亜協会の台頭
第3章 上海戦
第4章 南京戦
第5章 占領後の南京
第6章 興亜観音
第7章 東京裁判
最終章 歿後 -
戦死者10222名。最後に残ったのは34名。
玉砕から75年、いま明かされるペリリュー戦の全貌。
フィリピンの東、小笠原諸島の南西に浮かぶ島国パラオ共和国。
戦後70年の節目となる2015年4月8日、天皇皇后両陛下(現在の上皇上皇后両陛下)は、この国の南部に位置するペリリュー島を訪問され、日米それぞれの慰霊碑に献花された。
宿泊されたのは巡視船内、移動は大型ヘリという強行軍であった。
そうまでして両陛下が慰霊のために訪問されたのはなぜか。
この島こそ、太平洋戦争でも有数の激戦地でありながら、人々の記憶から消えようとしているからではなかったか。
ペリリュー島にあった大型空港の確保を狙う米軍の総兵力は約4万2000人。
主力は米軍最強ともうたわれた第一海兵師団であった。
いっぽう日本の守備隊は約1万人。寡黙な九州男児である中川州男大佐に率いられた「陸軍最強の精鋭部隊」との声もある水戸の歩兵第二連隊が中心である。
自滅覚悟の「バンザイ突撃」を禁止し、太平洋の防波堤たらんと、守備隊は島じゅうに張りめぐらせた地下壕を駆使して、74日間にもおよぶ徹底抗戦を試みる。
昭和天皇から発せられた「お褒めのお言葉」(御嘉尚)は異例の11回。
米第一海兵師団は史上最悪ともいわれる損害をこうむった。
中川大佐の人生、満洲から転戦した歩兵第二連隊の記録を追いつつ、ペリリューでの壮絶な戦闘を、帰還兵の貴重な証言や現地取材などを通じて描き出すノンフィクション。 -
かつて、地中海からインドにかけて、壮大な大帝国を築いた青年がいた。その名は、アレクサンドロス――。
紀元前359年、ギリシャ辺境の地マケドニアの王子として生まれ、父フィリッポスの急死により弱冠20歳の若さで即位するや、東方アジアへの遠征を敢行。小アジア、エジプトを制圧し、ついに宿敵・ダレイオス王を破り、ペルシャ帝国を征服する。しかし、アレクサンドロスの野望は止まることを知らない。さらに東方へ兵を進めようとする矢先、病に倒れ、33年の短い一生を閉じる。大王の死後、40年に渡る後継者戦争の末、アレクサンドロスの妻子は殺され家系は断絶、彼が築いた帝国は臣下たちによって解体され、分割統治されることになる。
マケドニア生まれの一青年を「世界」の涯へと駆り立てたものは一体何だったのか? 友人で部下のリュシマコスの目を通して描かれる、大王の知られざる真実の姿とは――。
「アレクサンドロスは、もちろん俗人の域をはるかに超えていただろう。しかし、「超人」ではなかった、と思う。超人に対する畏敬の念ではなく、リュシマコス達は彼に深い愛情を抱いていたのではないか。敬意に加えて親しみを、畏れに加えて憐憫の情を。彼の短い人生と長い遠征に同伴した人々はみな感じていたのではないか。そう想像しつつ僕もつかの間、一兵卒として隊列の端に加わってみることにした」
(本書「あとがき」より)
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の巨匠・安彦良和が描く、歴史ファンタジーの傑作! -
救世主、悪魔つき、煽動家、それとも只の人──。「イエス」とは一体、何者だったのか?
ローマ帝国統治の下、大王ヘロデが君臨するパレスチナの地。予言者ヨハネから洗礼を受け、荒野での修行の後、イエスは故郷ガリラヤで教えを説き始める。病人を治し、死者を甦らせるなど数々の“奇蹟”を起こすイエスの周りには、多くの崇拝者が集まるが、その中にヨシュアという若者がいた。彼は、ある”密命“を帯びて、イエスに近づいてきたのだった。
イエスを敵視するユダヤ教聖職者たち、イエスを担いでローマ帝国に武装蜂起を企む一派など様々な思惑が渦巻くなか、イエスは自らの死を予感しつつ、聖地エルサレムへと向かう。イエスに心酔するヨシュアは、師を助けようとして事件を巻き込まれ、イエスと一緒に磔にされてしまう──。
「イエスは二千年前に生きた情熱的な宗教家です。彼は「自分はいったい何者であるのか」という疑問を宗教的に問い続けます。しかし、福音書の随所に表れるその問いのなんと動揺していることでしょう。時には弟子に向けられるその問いのなんと執拗なことでしょう。「神の子である」と、死に臨んでも断言しておりながら、見えすぎる眼が早くから彼に告知する「逃れられない死」に怯える彼の姿の、なんと弱々しく人間的なことでしょう」
(本書「あとがき」より)
『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』の偉才・安彦良和がオールカラー400ページで描く、歴史コミックの金字塔! -
“奇蹟の少女”ジャンヌ・ダルクの火刑から10年、一人の少女がジャンヌの幻を追って、歴史の荒波へと立ち向かっていく──。
ロレーヌ公爵の娘として生まれながら男子として育てられたエミールは、ジャンヌと運命の糸で結ばれていた。幼い頃に城でジャンヌと会っていたし、養父ボードリクールはジャンヌを祖国解放の戦いへと送り出した張本人だった。成長したエミールは、ジャンヌの幻影に導かれるように、フランスを救うため旅立つのだった。
英仏百年戦争も終局を迎え、ジャンヌ・ダルクの奇蹟的な戦いによってフランスは最大の国難を乗り越え、新王シャルル七世の下、失地を徐々に回復しつつあった。その矢先、重大事が勃発する。野望に満ちた王太子ルイが、父王シャルルに反旗を翻したのだ。弱気な王への信望は薄く、かつてジャンヌと戦った武将たちもこぞって王太子に味方し、フランスは分裂の危機に直面していた。エミールは王シャルルを救うべく、ジャンヌの足跡を辿るかのように、敵中を進んでいく──。
「人々が戦にあけくれていた暗黒の時代、ジャンヌの存在が奇蹟であるためにはほんの少しの超日常があれば良かったのではないか。彼女がその心の清浄さと義憤とによって一種のトランス状態に至ったのが実情だったとしても、その分だけ確かに通常の人の丈を超えて世界に開眼したのだとすれば、それを奇蹟と呼び、神がかりと呼んでもさしつかえないのではないか」
(本書「あとがき」より)
『機動戦士ガンダム・オリジン』の巨匠・安彦良和がオールカラー550ページで描く、圧巻の歴史ファンタジー! -
内戦を完璧に封じ込めた「1.0」=江戸、
包括的な近代化を達成した「2.0」=明治、
弱点を強みに変えた「3.0」=戦後。
そしていま、日本は自ら戦える国「4.0」に進化する!
世界的戦略家による緊急提言!
日本に核武装はいらない。
必要なのは「先制攻撃能力」と「作戦実行メンタリティ」だ。
[ルトワック語録より]
●日本のチャンスは北朝鮮の非核化が本格的に開始されてからだ。
●戦争で必要なのは、勝つためになんでもやるということだ。そこにはズルをすることも含まれる。目的は「勝つこと」であり、「ルールを守ること」ではないからだ。
●見事なパレードを行う軍隊は、ほぼ実戦で役に立たない。無駄なことにコストを使っているからだ。
●米中の対立の主戦場は、もはや軍事的な領域から、地経学(ジオエコノミックス)的領域に移りつつある。
●もし日本が本当にリアルな戦略を考えるならば、最優先されるべきは少子化対策だ。 -
二度と戻れないことを承知で、真珠湾の奥深く向った特殊潜航艇「甲標的」の搭乗員。敵潜水艦の危険を知りつつ、魔の海峡に突入した高雄型重巡戦隊。滅び去ることを目的に沖縄への特攻出撃を命じられた戦艦大和。幕末からわずか七十年足らずで世界三大海軍の一角を占めるようになりながら、3年8カ月の太平洋戦争によって消え去った日本の「いくさぶね」の姿が日米全調査で甦る。
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特攻作戦の全貌を綿密な取材と膨大な資料を駆使して明らかにした入魂の大作。
ベストセラー『不死身の特攻兵』の鴻上尚史氏もリスペクトする戦史小説の金字塔!
菊池寛賞受賞。
レイテ決戦に執着する大本営が縋った特攻作戦。
9回出撃しても生還した“不死身の特攻隊員”佐々木友次伍長。
特攻隊を置き去りにして敵前逃亡した冨永軍司令官。
特攻隊は“志願”と一般に思われているが、これは全くの間違いで、本人の意思を無視した強制であった。
「体当り機」は機首に“死の触覚”の起爆剤がついており、爆弾は機体に固着させ、投下装置がなく、体当りをせざるをえないように造られていた。
この非人道的な“棺桶飛行機”の体当り効果のウソをあばく。
(*荒垣秀雄氏の解説は収録していません。) -
インド洋を横切り、アフリカ大陸を回りこんで大西洋を北上する3万キロの隠密行!
第二次大戦中、五回に渡って行われた遣独潜水艦作戦の全貌を描いた著者最後の戦史小説
太平洋戦争勃発後、連合国側に陸路・海路を封鎖され、日本と同盟国ドイツとの連絡は途絶した。この苦境を打破するため、海軍は潜水艦を単独でドイツに派遣する“遣独潜水艦作戦”を敢行した。
マラッカ海峡を抜けてインド洋を横断し、アフリカ大陸を南下、喜望峰を回りドイツ占領下フランスの大西洋岸の港まで、はるか3万キロを連合国側の厳重な対潜哨戒網をかいくぐって往復するという、過酷極まりない作戦。
伊30、伊8、伊34、伊29、伊52。五次に渡る作戦の中で、無事に日本に帰還したのは第二次の伊8一隻に過ぎなかった。
「文藝春秋」連載中から大きな反響を呼び文藝春秋読者賞を受賞。そして本作が著者最後の戦史小説となった。
解説・半藤一利 -
太平洋戦争時、日本領土内で起こった劇的な出来事を発掘!
当事者に綿密な取材を行って書き上げられた衝撃の戦史小説
北海道の海辺の寒村に次々と流れ着く死体の群れ。沖合で潜水艦に撃沈された輸送船では、上陸用舟艇に載れたのは将校ばかりだった(「海の棺」)
ソ連軍の侵攻にさらされた樺太の炭鉱町で、看護婦たちが集団自決を図った。記者の取材に生き残った元看護婦たちは固く口を閉ざすが……(「手首の記憶」)。
昭和20年8月22日。戦争は終わったはずの北の海で、ソ連籍と思しき潜水艦の攻撃で沈没した「小笠原丸」の悲劇(「烏の浜」)。
沖縄戦で軍司令部の散発要員として軍に帯同した理髪師が見た、軍司令官自決の真実(「剃刀」)。
訓練中に不幸な事故で沈没した潜水艦・伊三十三。9年の歳月を経て引き上げられた艦内の一室からは、生けるが如き13名の遺体が発見された(「総員起シ」)。
全5篇を収録。 -
「昭和史」対話篇、待望の文庫化。
『世界史のなかの昭和史』が刊行され、代表作「昭和史シリーズ」が完結――それらのエッセンスを、12本の対談で理解できる!
あの戦争の指揮官たちのそれぞれの戦後。
硫黄島の戦いに殉じた栗林中将の手紙。
東京空襲の夜に凧を揚げていた少年。
「阿部定事件」で中断した国会。
反安保デモの終わった夜――。
激動の「昭和史」を目撃した半藤氏と12人の対話がポスト平成時代に問いかける。
「私たちは『昭和』をこう生きた。君たちはどう生きるのか?」
もはや対談者の多くが鬼籍に入られたいま、この本そのものが「昭和史」です。
〈対談者とテーマ〉
●澤地久枝――ふたつの戦場 ミッドウェーと満洲
●保阪正康――指揮官たちは戦後をどう生きたか
●戸高一成――なぜ日本人は山本五十六を忘れないのか
●加藤陽子――天皇と決断
●吉村昭――東京の戦争
●梯久美子――硫黄島と栗林忠道
●野中郁次郎――撤退の本質
●野坂昭如――繁栄という名の貧窮
●宮部みゆき――熱狂の昭和
●丸谷才一――戦争と艶笑の昭和史
●佐野洋――清張さんと昭和史
●辻井喬――希望と喪失の世紀 -
第一次世界大戦100年目の真実。第一次世界大戦末期、1918年の「春季大攻勢」でドイツ軍は連合国軍の塹壕線を突破、戦術的な「大成功」を収めた。しかし、それからわずか半年後には降伏することとなったのはなぜなのか。ドイツ国内での革命や裏切りのために敗れたという歴史観もあるがそれは真実なのか。ドイツ軍の頂点に立ち、その強さの象徴であった参謀本部とそのリーダーたちは対処したのか。容赦なく勝つことはできても、上手に負けることができないドイツというシステムを徹底検証。19世紀から今日にまで続くドイツ・システムの強さの要因とともに、その危険性について探った!
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2016年末、米国新大統領に当選したトランプ氏と安倍総理がニューヨークのトランプ・タワーで電撃会見し、大きなニュースとなった。この会見で安倍総理をアテンドしたのが、安倍家と親しい米国弁護士の村瀬悟氏。悟氏は、米国の有名弁護士事務所のパートナーを務める日系人3世だ。
村瀬家は、米国の日系人サークルの中でも特別な地位を占める。そのルーツは、悟氏の祖父に遡る。悟氏の祖父は、軍医として日露戦争で活躍するも、日本の医学のレベルの低さを知り、米ニューヨークのメディカル・スクールに留学。現地で開業する。ここから、日系人・村瀬家が始まる。
そしてニューヨークで誕生したのが、本書の主人公、村瀬二郎氏だ。二郎氏は、日系2世として米国で育つが、「大和魂を忘れるな」という父の方針で中学のとき日本に帰国。しかし、旧制芦屋中学在学中に太平洋戦争が始まる。立派な軍国少年へと成長した二郎氏だが、国籍の問題は常に二郎氏を悩ませる。そして戦争が終わり、米国に戻ると、今度は米国陸軍への徴兵が待っていた……。
青春時代に戦争にぶつかり、「二つの祖国」の狭間で悩み、苦しんだ二郎氏は、その後、アメリカで弁護士になるが、こんどは日米貿易摩擦の矢面に立たされる。「戦争前夜」とまでいわれた日米関係の悪化。そのとき、二郎氏は日本のために、摩擦解消に陰に日向に尽力する。
激動の20世紀に「二つの祖国」を生き抜いた男は、「大和魂」と「アメリカンスピリッツ」の狭間で何を考え、どう行動したのか。
「堤清二『最後の肉声』」(「文藝春秋」掲載)で2016年(第47回)大宅壮一ノンフィクション賞(雑誌部門)を受賞した筆者の受賞第一作の大型評伝! -
21世紀の日本人は「あの戦争」から何を学ぶべきなのか?
書籍の刊行から10年を経て、いまも読み継がれる名著、待望の電子化!
対米戦争の目的は何だったのか? 陸軍エリートはどこで間違えたのか? 特攻、玉砕、戦艦大和……開戦から敗戦までの疑問を徹底的に掘り下げ、20世紀日本最大の失敗を最高のメンバーが論じた。その議論は戦略論、組織論、日本人論、エリート論など広範囲にわたり、戦後70年を過ぎたいまなお、輝きを失わない。
議論された人物、歴史的な出来事などに詳しい注がついているので、近現代史の入門書としても最適。
【目次】
<第一部>座談会 あの戦争になぜ負けたのか
1.対米戦争の目的は何だったのか
2.ヒトラーとの同盟は昭和史の謎
3.開明派・海軍が持つ致命的欠点
4.陸軍エリートはどこで間違えた
5.大元帥陛下・昭和天皇の孤独
6.新聞も国民も戦争に熱狂した
7.真珠湾の罠 大戦略なき戦い
8.特攻、玉砕、零戦、戦艦大和
<第二部>あの戦争に思うこと
●空しかった首脳会議(半藤一利)
●八月九日の最高戦争指導会議(保阪正康)
●私の太平洋戦争観(中西輝政)
●果たされなかった死者との約束(戸高一成)
●戦わなかった戦争から学ぶということ(福田和也)
●戦争を決意させたもの(加藤陽子) -
ユダヤ人「命のビザ」救出劇はもう一つ存在した!
リトアニアの外交官、杉原千畝(ちうね)が逃げてきた約六千人ものユダヤ人難民に対して特別ビザを発給し、その命を救った救出劇は多くの人に知られている。
しかし、その二年半前、満州のハルビン特務機関長だった樋口季一郎が、ナチスの迫害からソ満国境の地まで逃げてきたユダヤ人難民に対し特別ビザの発給を実現させた「オトポール事件」は歴史の中に埋没してしまった。
そのユダヤ人救出劇から5年、北方軍司令官となっていた樋口は札幌・月寒の軍司令部にいた。
彼の指揮下にあるアッツ島には無数の米軍上陸部隊が押し寄せていた。樋口は現地軍に対して一度は「増援部隊」を送ることを伝えた。しかし大本営の決定により、増援部隊の派遣は中止となる。樋口は涙を流しながら、その命令を現地に伝えたという。
アッツ島は玉砕。かつて満州の地において多くのユダヤ人を救った男は部下の命を助けることができなかった。オトポール事件の立役者は「日本初の玉砕戦の指揮官」という汚名をかぶることとなってしまう。
本書は運命に翻弄された元陸軍中将、樋口季一郎の生涯を追ったノンフィクションである。 -
生命を賭けて大空を飛んだ男たちの証言。
昭和15年、中国大陸での衝撃的なデビュー、真珠湾からラバウル航空戦、そして終戦間際の神風特別攻撃まで。現場にいた男たちが綴る。
「零戦搭乗員会」とは1978年に発足し、2002年まで運営された旧海軍搭乗員の会である。
その後継団体として発足した「零戦の会」が、「零戦搭乗員会」の会報「零戦」に掲載された回想を中心に、会員の私家版、雑誌記事などを加えてまとめたものが本書だ。
【目次】
第一章 零戦前史--海軍戦闘機隊の草創から支那事変まで
第二章 零戦の登場
第三章 大東亜戦争開戦
第四章 珊瑚海からミッドウェーへ
第五章 空と海を紅に染めて--死闘ソロモン
第六章 マリアナ沖から比島攻防戦へ
第七章 沖縄--本土防空戦
付 追悼・開発・復元
資料 海軍搭乗員の養成コース、関連年表ほか
※本書は『零戦、かく戦えり!』(文春ネスコ)を再編集したものです。 -
もっとも死ぬ確率が高い特殊部隊の創設者が語る究極の組織論。
新安保法制が施行され、「自衛隊員の戦死」が現実味をおびてきた。しかし、今の日本という国家に「死ね」と命じる資格はあるのだろうか。国のために死ねる人間を作るにはどうしたらいいのか――。
【著者プロフィール】
1964年生まれ。日本体育大学から海上自衛隊へ。防衛大学校指導教官、「たちかぜ」砲術長を経て、イージス艦「みょうこう」航海長に。在任中の1999年、能登半島沖で不審船と遭遇。この事件を契機に創設された海上自衛隊内初の特殊部隊「特別警備隊」に配属され、現場突入部隊の初代指揮者として足かけ8年間在籍。42歳で退官し、ミンダナオ島に拠点を移し、日本を含む各国の警察、軍隊を指導。現在は日本の警備会社のアドバイザーを務めるかたわら、私塾を開いて、みずからの知識、技術、経験を後進へ伝えている。
【おもな目次】
第一章 海上警備行動発令
北朝鮮戦闘員の目/初めての海上警備行動/警告射撃開始 など
第二章 特殊部隊創設
特別警備隊準備室/レンジャー訓練の実態/自衛隊は弱いのか など
第三章 戦いの本質
拉致被害者を奪還できるか/相手に勝つということ/平時と非常時/常識を捨てられない問題 など
第四章 この国のかたち
あなたの国は、おかしい/トロい奴は餌/危うい行動美学 など -
戦火のサイゴンで日本の新聞記者が、大輪の花のような笑顔に惹かれて子連れのベトナム女性と結婚した。サイゴン陥落後、日本に移り住んだ親子3人だったが、妻のベトナム式生活ぶりと子育て方はまったく変わらず。親に絶対服従のスパルタ教育にショックを受け、可愛いペットのウサギ料理に度肝を抜かれ……毎日のように巻き起こる小事件を通して、アジア人同士のカルチャーギャップを軽妙な筆で描く。大宅壮一ノンフィクション賞受賞作品。
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「絶対悪」が、背広をきてソファに座っている……著者が辻政信に初めて会った感慨である。師団によっては76%という絶望的な損耗率のノモンハン事件を扇動しながら、狂いもせず、戦後は国会議員となった男。この戦いを可能にしてしまったのは、いったい何だったのか? 参謀本部作戦課と関東軍作戦課、二つのエリート集団が齟齬をきたし、満蒙国境の悲劇がはじまった。モスクワのスターリン、ベルリンのヒトラーの野望、中国の動静を交えて雄壮に描く、ノモンハン事件の決定版。
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日露戦争で勇名をはせ海軍大将まで昇りつめた鈴木貫太郎は、侍従長としても天皇の信頼が厚かった。敗色濃い昭和20年4月、鈴木は老齢ながら「最後のご奉公」と総理大臣に就任。徹底抗戦、一億玉砕論渦巻くなか、太平洋戦争に終止符を打つために動く。天皇は「この際、自分のできることはなんでもする」と御前会議で語り、“聖断”により戦争は終わった。平和を希求される天皇と、国家の分断を阻止し、狂瀾を既倒に廻らす大仕事をなす宰相の感動の終戦実録。
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“最後の文士”高見順が、第二次大戦初期から死の直前まで、秘かに書き続けた精緻な日記は、昭和史の一級資料たるのみならず、日記文学の最高峰の一つとなった。ここに収録されたのは昭和20年1月から12月までの記録で、自己をも押し流しながら破局へと突き進む空襲下の8月までと、すべて価値観が変わってしまった、連合軍の占領下にある年末までの日本の悲劇を、冷徹で仮借ない文学者の目をもって率直に活写した、ハイライトの部分である。
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「戦後30年、私は未だ復員しきれていないような気がする。軍隊の理不尽に耐えていた期間と、生死のはざまをナロウ・エスケープした100日間の体験は、確かに私に終生のテーマとするものを怨念として与えた。それをフィクションとして表現したのが『人間の条件』であり、ドキュメントとして誌したのが本書である」(あとがきより)。日本帝国陸軍野望の象徴「関東軍」はかく壊滅せり! 元関東軍の兵士だった著者が怨念をこめて綴る力作長編。
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昭和18年の秋、家族六人を支える中年の版下職人、松本清張のもとへ突然の召集令状がきた。34歳にして戦場へ送られた体験がこの作家の根底に残した深い傷へ、担当編集者だった著者が迫る。
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