『日本文学、杉本苑子(文芸・小説、実用)』の電子書籍一覧
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夏草おい繁る祗園女御塚、墨色の暮靄に沈む祗王寺……、一ノ谷、壇ノ浦へ、そして大原寂光院へ……。春浅き西海に散った平家の滅びの美を謳う一大叙事詩「平家物語」を、「人間業」の記録とみた著者がいざなう、もう一つの平家物語の世界。――歴史の舞台を彩った人々の、封じこめられた呻き、悲歎、呪咀を行間につたえる歴史紀行。平家の舞台を旅しその「心」を探る。この1冊をポケットに平家物語を歩こう!
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「私は身分違いの相手に想われ、玉の輿に乗った女である。」――並外れた美貌と作歌の才に恵まれた平安朝の一女性が、浮気の絶えない夫との生活から女同士の確執、一人息子への溺愛ぶりまでを赤裸々に綴る。無類に面白い千年前の記録を、大胆かつしなやかな日本語で生き生きと再現させた現代人必読の書。平安朝日記文学の傑作を、しなやかで優美な現代語で甦らせた名篇。女の人生、夫次第。古典のおもしろさ、新発見!
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名優たちが生み出した伊達男たち。身近に歌舞伎を楽しむ好読物……。天下一品の伊達男・花川戸助六(はなかわどのすけろく)、私情を捩じ伏せて苦しみに耐える松王丸、陽気な野生児・超能力の妖術使い・石川五右衛門、ちょっとニヒルな色悪・民谷(たみや)伊右衛門、華奢な美少年の脆いデカダンス・弁天小僧……。個性豊かな役者たちが創り上げ観客に愛されてきた、破天荒に面白いヒーロー、12人の魅力を伝える名著。大迫力、胸をうつ「男の華」。花形とはどういう男か?
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江戸、芝居町の雀はおもしろ尽に囁きあった。「妾のたたりだぜ。きっと」……おたふく半四郎、目千両と人気の女形(おやま)四世岩井半四郎の怪死に始まる、大和屋を次々襲う、おぞましくも奇怪な事件……。舞台の花の陰にうごめく女と男の愛憎をミステリアスに捉えた標題作ほか、「かえる役者」「祇園ぎつね」「団十郎の死」「手前味噌」。歌舞伎界の裏を縦横無尽に描いた役者小説集。
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「宝暦治水」事件の全貌を描く時代長編。直木賞受賞
宝暦3年、屠蘇気分抜けやらぬ鹿児島城下に江戸藩邸より急飛脚が到着、濃尾川普請手伝いの幕命が下ったとの報がもたらされた。幕府と外様大名。征服者と被征服者との間にかわされる武器なき戦い――。幕命を拒否すれば天下を敵に回して戦わなければならない。涙を呑んで受諾し、総奉行・平田靱負以下数100人の薩摩藩士が濃尾の野に向かったが、そこに待っていたのは……。吉川英治門下の女流が「宝暦治水」をテーマに人間の極限を描いた本格的時代小説。第48回直木賞受賞作。 -
初作品集にして骨格・筆致ともに鮮かな時代小説5篇
乳母の娘・小兎君(ことぎ)と鞠投げ遊びに興じていた高岳(たかおか)親王は、父・安殿皇太子の私室の窓下に不審な男を見つけた。藤原薬子(くすこ)の夫・藤原縄主だった。娘・多岐が皇太子に輿入れするのについて来た薬子は、皇太子の寵を受け、そのまま宮中に留まっていた。多岐の入水、父・天皇の怒り――だが、やがて即位した平城天皇の傍らには、妖艶な薬子の姿があった。華やかな宮廷に展開する愛憎劇、政争を描く表題作ほか「みちのく戦記」「朝焼け」「罠」「船と将軍」を収録。 -
情熱的な自己を政治に示した古代の女帝たち、文学史上に燦然と輝く清少納言や紫式部ら王朝の女流作家、源平のトップレディ建礼門院と北条政子、戦国乱世を強烈に生きたお市や淀君。金山開発の犠牲とされた佐渡相川の遊女たち……様々な時代や立場におかれた女性の意識や生き方を11人の識者と語る。
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日本にまだ固有の文字がなかった八世紀初頭に成立した『古事記』は、漢字の音と訓を利用して、神話や古くからの言い伝えを書き表した日本最古の書物である。国の成り立ちを説いた歴史の書にとどまらず、古代の人々の想像力にみちた豊かな文学性を感じさせる。とりわけここに収めた「上の巻」には、イザナキ・イザナミの国生み、天の岩屋戸、スサノオの八俣の大蛇退治など、日本神話としてなじみ深い話の数々が、飾り気なく力強く描かれている。ここには、日本人の心と行動すべての原初の姿を見つけることができる。
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