『日本文学、文春e-Books(文芸・小説、実用)』の電子書籍一覧
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なぜキーンさんは英語で書き、私に翻訳させたのか
ドナルド・キーンは生前、日本の新聞社・出版社の求めに応じて自伝を3冊刊行したが、まとまった評伝はこれまで書かれてこなかった。『日本文学史』をはじめ、長年のキーンの日本文学研究についての本格的な批評・研究もあまり見られないのではないか。数々の文学賞や文化勲章を受け、晩年に帰化してからは多くのメディアに登場したが、「学者ドナルド・キーンは、こうした受賞も含めて世間で持て囃されるか、あるいは無視されるか、そのどちらかの扱いしか受けてこなかったような気がする」と、40年来の友人で、『明治天皇』『日本人の戦争』などを翻訳した著者は指摘する。
ドナルド・キーン生誕101年、ユーモアと本物の知性を兼ね備えた文人の生涯をたどり、その豊かな仕事に光をあてる1冊。 -
コロナ禍のベルリン。若き研究者のパトリックはカフェで、ツェランを愛読する謎めいた中国系の男性に出会う。
“死のフーガ”“糸の太陽たち”“子午線”……2人は想像力を駆使しながらツェランの詩の世界に接近していく。
世界文学の旗手とツェラン研究の第一人者による「注釈付き翻訳小説」。 -
怖いものほど見たくなる、駄目なものほど癖になる。
日常の輪郭がゆがんでとろける、奇「快」な物語たち!
折口山町に暮らすのは、どうしようもない人達ばかり。
・セックスの回数を記録する愛人
・徘徊癖のある妻を介護する老人
・アパートのドアが開きっぱなしの裸男
・朝どうしても起きられなくなってしまった女
・困った人の面倒を見たがる聖職者
町はずれの植物園に、彼らは、吸い寄せられるようにやってくる。
芥川賞作家が織りなす、平凡なようで非凡な六篇の物語。
●担当編集者より
住みたいかと聞かれたら答えに窮する、しかし覗き見したいかと言われたら確実に「YES」なのが、折口山町だと思います。
登場人物たちの特徴を挙げてみるだけで、もうこの町の不思議な空気が漂ってきた気がします。
ちなみに、なんとも魅力的なタイトルは、ポール・ヴァレリーの『テスト氏』の一節から。 -
芸術家たちは大震災にどう向き合ったか
大震災を、映画監督、写真家、演劇人、小説家はどう受け止めたか。未曾有の惨事に芸術は有効か。表現活動の最前線に相対する批評。 -
忘れられない人、場所がある。
あの日以来、ずっとフクシマのことを考えてきた――。
日本を離れ、長らくドイツで教鞭をとってきた著者の脳裏に去来する言葉がある。
石牟礼道子、井上光晴、大江健三郎、柄谷行人、小林秀雄、島崎藤村、谷川雁、寺山修司、中上健次、中野重治、萩原朔太郎、水上勉、柳田国男、横光利一、保田興重郎、李恢成、若山牧水……。
自らの過去から近現代へと、深い哀しみとともに綴られる思索の旅。
【目次から】
序章 フクシマ以後を考える
第一章 故郷という概念
第二章 懐かしさの演出
第三章 離郷と望郷
第四章 故郷はどのようにして失われたか
第五章 水上勉の故郷
第六章 故郷という共同幻想
終章 周縁と故郷の文学 -
日本で働く台湾人の私。
台湾人と結婚し、台湾に移り住んだ友人の実桜。
平成最後の夏、二人は5年ぶりに東京で再会する。
話す言葉、住む国――選び取ってきたその先に、
今だから伝えたい思いがある。
第161回芥川賞候補作。 -
「日本沈没」「復活の日」など、多くの名作を世に送り出した日本SF界の巨匠・小松左京。トランプ大統領の当選で、「孤立化」するアメリカを予言した小説として「アメリカの壁」がメディアに取り上げられるなど、いま小松作品に注目が集まっている。科学的知識をもとに検証し、起こりうる危機を小説にしていた小松氏は、未来の日本の読者に何を伝えようとしたか。小松氏の次男・小松実盛氏と『見果てぬ日本』で小松左京論を書いたほどの愛読者・片山杜秀氏が、小松作品について語り合った。(※文藝春秋2017年11月号に掲載された記事を電子書籍化)
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