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968円(税込)
感想・レビュー
本書の出版は2002年なのだが、物語の時は19世紀であり、まさにディケンズのロンドンを彷彿とさせる時代である。文体(これは翻訳なので何とも言えないが)、叙述の積み重ね方、構成ともにあえて19世紀的なスタイルをとっている。最初のロンドンの処刑場を間近にするあたりは殊にそうしたムードを醸成する。また、丁寧に描くと言えばそうだが、まだるっこしいばかりの描写の執拗さも19世紀的である。さらには、第1部と第2部は同じ時間を語りなおすという念の入れようだ。その一方で、第1部の末尾の急展開にはもう感嘆するばかりだ。
2,600円(税込)
感想・レビュー
幽霊という表象を拡張、再解釈した高度で新しい掌篇集。一口に”ゴースト・ストーリー”と言っても非常に多彩。物語のアプローチも千姿万態であり、古典的なものから哲学的なもの、不気味さや人間臭さを感じさせる作品までバリエーションに富んでいる。ほぼ全てが2頁に満たないにも拘わらず「食べ応え」が尋常ではないのだ。稀に良い小説だったという以上に誰かにお勧めしたい、紹介したいと思う作品に出会うことがあるが、この作品はまさにそれ。テーマは違うがジム・クレイス『食料棚』やギョルゲ・ササルマン『方形の円』が好きな人は必読。