2017年8月23日更新
残念すぎるダメっぷりはゲスマ…じゃなくてカズマに匹敵!
ハードボイルドな事件を解決したいのに便利屋と呼ばれペット探しの日々…。
駄女神をはじめとする残念な仲間たちはこちらにも。
仕事をしない年齢詐称秘書に薄~いアルコールを出してくるバーのマスターなどなど。
著者:荻原浩
ハードボイルドな生き方に固執するあまり、探偵小説の名言を乱用し、人との会話が成り立たない主人公、最上俊平。
「何か飲む?」と聞かれればここぞとばかりに渋く答える。
「ウイスキーソーダを。氷は三つ。レモンは軽く絞って。なければ水で。」
…水が出てきた。
フィリップ・マーロウに憧れて探偵になったものの仕事はペット探しばかり。
あれ?心躍る殺人事件の依頼は?美人秘書は?
この“こんなはずじゃなかった”感は、車に轢かれそうな女の子を助けたつもりが、突き飛ばして怪我をさせただけのあげく、寸前で止まったトラクターに驚き心臓麻痺で死んだ“カズマ”のよう。
自分の生き方を振り返って「うわああああ。黒歴史だああああ!」と悶えることなく、残念な方向にまっすぐ突き進む姿は爆笑必至…じゃなくて清々しい。
この残念さはカズマを超える!?
本人は至って真面目な笑えるコメディ探偵小説!(時にはホロッと泣ける場面も)