アニメーションする力は世界を創り出す力
浅草みどり」はとにかく世界を作り出したい人。アニメといえばまずキャラから入るのが普通なのに、ひたすら小道具や背景など、その物語世界の根幹となる設定画をスイッチが入ると描きまくる。
一方美人読モで、ベテラン俳優と人気女優を両親を持つ「水崎ツバメ」は、天性のアニメーター。とにかくキャラやメカを動かしたい、動かすことで自分なりの演技を追求したい。
そして「金森さやか」はクリエイティブなことには一切興味無し。ただひたすらお金が好きなだけ。でもそのお金を集めるための仕掛けを作ることができる。金森がいるから、残りの2人は自分のクリエイティビティを発揮してモノづくりに邁進できる。
アニメーションを作る上で必要な機能が、すべてこの3人に集約される。そんな最強の3人組が、自分たちの最強のアニメを目指して縦横無尽に暴れまわる。
彼女たちのイマジネーションによって、紙に描いた風車は重いうなりを上げながら回り出し、部室は宇宙艇となっては宇宙(ソラ)を駆けていく。
マンガの中で、彼女たちの現実と妄想はほぼ等価で描かれていき、2つの世界を区別しない均質な線の効果も有り、読み進めていく内に、まるでマンガそのものがアニメーションになっていくかのようなワクワク感が味わえます。
とにかくアニメーションすること、動かないものに命を与えて動かすことへの、楽しさや欲求がビンビンと伝わってくる作品なのです。