『黒岩重吾、501円~800円(文芸・小説、実用)』の電子書籍一覧
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文豪たちが描いた日本の「名城紀行」が復刊。
1977~78年に小学館より発刊された「探訪日本の城」シリーズに掲載された作家の紀行文の復刊。
第1巻は森敦、藤沢周平、円地文子、杉浦明平、飯沢匡、永岡慶之助、奈良本辰也、北畠八穂、杉森久英の9名の文豪たちが個性豊かに描く日本各地の名城紀行である。
視点も作家により様々で、ガイドブックとはひと味もふた味も異なる城案内。史料をベースにまとめる作家もいれば、自分や家族とのかかわりから展開していく作家もいて、実にバラエティに富んでおり、時間が経っても色あせない名文揃いで、城マニアにもお勧めの一冊。 -
東京の千川上水沿いで連続する“通り魔”事件。いずれも若く太った女性が臀部を切りつけられ、被害者は数を増すばかり。だが、警察の捜査は捗らず、ついには婦警を囮に犯人を誘き寄せたが……。法の抜け穴をついた巧みな構成が光る表題作を始め、著者の記念すべきデビュー作「寒中水泳」、国際情勢を加味したスパイ小説「風の報酬」など、名手の腕が冴える傑作集!
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不遇から甦った男の知謀と野望! 天皇に疎(うと)まれながらも不屈に生きる、中臣鎌足の子・不比等の凄烈な生涯――天智天皇と中臣鎌足(なかとみのかまたり)が築いた近江朝は、壬申の乱により大海人皇子(おおあまのみこ、後の天武天皇)に倒される。鎌足の子・不比等(ふひと)は山科で戦乱を逃れたが、中臣氏を疎む天武天皇は、不比等に出世の機会を与えなかった。だが彼は、知謀と強運を武器に昇進をとげ、律令国家の基礎を作っていく。古代史小説の第一人者が描く、凄烈な男の実像。<上下巻>
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突然襲った、原因不明の全身麻痺。その日から、生への執念と奇病との格闘が始まった。芋虫のようにのたうつ我が身の惨めさ、意のままにならぬ入院生活、看病してくれる妻とのいさかい、絶望的になる日々の中で、作家になることを心の支えにして、ついに難病を克服。強烈なバイタリティがほとばしる、自伝的長編。
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釜ヶ崎に接する西成海道町。かつては人間的な体臭に満ち、庶民の哀歓が溢れていた街は、今やその面影を失い、陰湿な街に変貌していた。一時、この街に落魄の身を寄せていた著者が、現地取材し、古ぼけたアパートの住人を中心に、愛憎にうごめく底辺社会の人間像を活写。失われたものへの愛惜をこめて描いた力作。
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ドヤ街に住む男女の、たくましい生き方を描く、傑作短編集。西成の遊戯場に勤める八城は、別れた妻・広美を探すため、キャバレーに通ううち、妻にそっくりの女・奈緒子に会った。八城は、やもめ暮らしの自分の部屋に、奈緒子を誘うが、トイレから出た彼女は、八城の顔を見て大声で悲鳴を上げる。奈緒子の隠された秘密とは……。という表題作ほか5編を収録。人生の谷間に垣間見た、男の地獄と女の業。
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高松塚古墳の壁画、出雲で出土した358本の銅剣、藤の木古墳、吉野ヶ里遺跡――このような発掘が相次いだにもかかわらず、古代史は相変わらず霧の中にある。古代史ブームの火付役であり、第一人者である巨匠が、曖昧模糊とした霧中に想像力の光を照射し、これまでの学説から1歩踏み込んだ、古代への浪漫紀行。
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恋人のまりが、殺された。いまや、美しい思い出となった、たった一夜の契り。夜の紳士・宝木は、恋人に対する愛と犯人への怒りに燃えて、自力捜査を決意する。彼の危険をおそれぬ追及で、事件の輪郭は、徐々にあらわにされる。悪徳と情欲の渦まく大都会を舞台に、女を縛る謎のフィルムをめぐって展開する、ハードボイルド推理。
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おれを左遷したヤツはだれだ? 左遷を画策した「犯人」を追う、長編サスペンス。D薬品の有能なプロパーである立槍は、創業者会長の縁戚の娘と見合したが、愛人の存在を理由に破談の上、九州転任を命じられる。辞表を出した彼は、総会屋の部下になり、見えない敵に復讐を誓う……。サラリーマン社会に渦巻く、飽くなき人間の欲望と闘いを鮮やかに描く、サスペンス力作。
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夫婦のかすかな欲求不満に仕掛けられた甘美な罠は、しだいに獲物を追いつめる。巧みに仕組まれた汚職に巻きこまれ、家庭の崩壊を招く「砂の巣」。殺人事件に関わり、夫の秘密を知ってしまう妻。夫婦の破滅をミステリアスに描いた「煮えた欲情」。鋭く深い人間凝視で、欲望の魔力に蝕ばまれる悲劇を描出した、佳編2作。
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大阪の施療院で、殺害未遂事件が起こった。被害者は、憑かれたように女をあさる、背徳産婦人科医だった。彼を憎み、うらむ者は多い。犯人追及の過程で浮び上がる、彼や容疑者たちの暗い過去……。戦争で青春を失い、宿命ともいえる業を背負って、吹き溜りにうごめく、人間の生きざまを描いた、社会派ミステリー。直木賞受賞作。
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社会の落伍者が集まるアパート「飛田ホテル」。刑期を終えたヤクザ者の有池が戻ると待っているはずの妻がいない。有池は妻の足取りを追うが、思いもよらなかった彼女の姿を知ることになる(表題作)。昭和の大阪、光の当たらない暗がりで悲しく交わる男女の情と性。自身も大阪のどん底を経験した直木賞作家が「人間の性」を抉り出す、傑作ミステリ短篇集。
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政財界の黒幕・有田川と関係のあるというみどりを追う有川は、正体不明の三人の男に襲われる。
雪の降る夜、有川恭が経営するクラブに、矢川みどりと名乗る女がやってきた。彼女は、自殺した有川の恋人・大峯八重の友人らしい。有川は謎めいた彼女の美貌に惹かれはじめる。政財界の黒幕・有田川と関係のあるというみどりを追う有川は、正体不明の三人の男に襲われる。男女の交錯した愛をミステリアスに描く長編傑作。 -
激動の四世紀末、数奇な宿命を背負い、ヤマトタケルの青春は幕を開けた――。日本最古の英雄を描く壮大な歴史ロマン
大和王朝の王子でありながら、権力よりも自由を求めて生きようとする若き英雄、倭男具那。重臣たちの人望を集めながらも、その勇猛さゆえに、父王、兄王子から疎まれ、王権を奪取しようとする士族たちに命を狙われる。台頭した大和王朝と、それに反発する士族たちの争いが繰り広げられる激動の四世紀末、数奇な宿命を背負い、ヤマトタケルの青春は幕を開けた――。血を分けた兄との確執と兄弟愛、刺客との壮絶な闘い、日本最古の英雄を描く壮大な歴史ロマン。 -
天智天皇、天武天皇の時代を通じ、物部連麻呂は最下級役人だった。壬申の乱では大友皇子の側に立ったこともあり出世は望めなかった。しかし天武の没後、石上の氏族名に変わり、持統天皇、元明天皇の時代には徐々に位は上がっていった。和銅元年(西暦七〇八年)には、臣下の最高位である正二位左大臣にまで上りつめた。なぜ麻呂はそこまで出世できたのか。闇の部分に迫る古代史長編小説。著者絶筆。
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現代社会は、人間らしく生きていけないのか!? 過酷な販売競争に生命を削ってきた製薬会社のプロパー・隅高志は、妻を亡くし息子とも断絶してしまった。定年前に退職をし、自由の身になった後、パリを訪れる。そこで一夜を共にした南本恵。交通事故で意識不明になり、そのまま帰国をしたことを聞いた隅高志は、異国に来ても心を癒せなかった恵と自らをダブらせ、探し始めるのだが――。生身の人間の葛藤を、正面から描く長編サスペンスの傑作。
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裕福で美しい姉妹を通して語られる現代の愛の物語
今は亡き虚栄的な母の下で育った芦屋の美しい姉妹――妹の梨江は、父の会社と家を継ぐことを前提に結婚を考える堅実な娘。逆に、姉・須磨子は、青年実業家の長い求愛を受けながらもフリー・カメラマンとの交際に深く惹かれていた。そんなある日、突然知らされた継母・京子の妊娠。それは、家と会社に新しい後継者が加わることを意味していた。突然押し寄せてきた運命の波の中で梨江は、自分の青春を賭けてある計画を練り、須磨子は、外国から帰国したかつての恋人に遭遇する。黒岩重吾が、芦屋姉妹の哀愁を華麗に描く長編ロマン。 -
人間の宿業の深淵を悽愴な筆致で描いた、傑作6篇
夜の墓地に雪が降り始めた。積った雪を手にすくうと、それは妻の浪江が流す涙のように溶けていった。飛田ホテルの貧しい部屋で、刑期を終える有池の帰りを心待ちにしながら、ただ一度の誤ちを犯し、自ら死を選んだ妻…。有池の頬を熱い涙が濡らし続けた。大阪飛田を舞台に哀しい男女の宿業を描いた名作「飛田ホテル」他5篇収録。 -
産学癒着と陥穽、醜悪な人間たち。傑作社会派推理
3月初めの土曜日深夜、堺南方の国道13号線路上に男の死体が発見された。警察は轢き逃げ犯人として大京大学工学部助教授・雨森を逮捕したが、旧友の弁護士・萩原によって明かされる、そのアリバイと謎の行動。企業競争の渦中に巻き込まれ、色と欲の誘惑に象牙の塔の地位を失墜する一学者の悲劇を描く社会派推理の力作。
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