『ゴマブックス、海外作品研究会(文芸・小説)』の電子書籍一覧
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1922年、F・スコット・フィッツジェラルドは、「何か新しいもの、斬新で美しくて質素なもの、手のこんだ構成のもの」を書くと宣言した。それが、彼の代表作にして最高傑作である、『The Great Gatsby』(邦題『グレート・ギャッツビー』、または『華麗なるギャツビー』)だ。「ジャズ・エイジ」の光と影を描いた本書は、狂欄の1920年代の雰囲気をとらえた小説で、「アメリカの神話」の中で不動の地位を占めている。
貧しさの中から身を起こし、裕福になったジェイ・ギャッツビーは、フィッツジェラルド、あるいはアメリカそのものにつきまとう、金や野心、貪欲さ、進歩主義信仰などの強迫観念を象徴する。
「ギャッツビーは、緑の灯火を信じていた。お祭り騒ぎは、年々かげりを見せはじめているというのに、未来は明るいと信じていた。いざ、その時が来て、明るいはずの未来が素通りしていっても、たいした問題ではない。明日になれば今日より速く走ることができるし、大きく手を広げることもできるから…そしてすがすがしい朝が――」
夢の実現と崩壊を描いたこの小説は、「アメリカンドリーム」に一種の警鐘を鳴らす作品なのだ。
この小説は、デイジー・ブキャナンに対する、ギャッツビーのかなわぬ思いを描いたラブストーリーでもある。2人の出会いは、物語の始まる5年前。若きデイジーはケンタッキー州ルーイヴィルの伝説の美女、ギャッツビーは貧乏な将校だった。2人は恋に落ちるが、ギャッツビーが海外出征している間に、デイジーは、粗暴だが非常に裕福なトム・ブキャナンと結婚してしまう。
戦争から帰ってきたギャッツビーは、なりふりかまわず、富とデイジーを追い求めることに没頭する。やがて、当初は目的にすぎなかった富が、デイジーを手に入れるための手段になっていく。
「彼女の声は金でいっぱいだ」
これは、ギャッツビーが、この小説の中でも特に有名なシーンで発する賛辞の言葉である。
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