『文春文庫、あさのあつこ、501円~800円(文芸・小説)』の電子書籍一覧
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小学生からの殺害予告に引きこもり人間からの告発――。
文通会社に届くワケありの手紙には、手紙で立ち向かえ!
「ねぇ、まめに手紙をくれてた人と急に音信不通になるって、どんな場合だと思う?」
叔母さんが突然切り出した質問にたじろぐ、17歳の岳彦。
叔母さんのむぅちゃんは秘密裏に、ILL(I love letter)という会員制の文通会社をやっている。
年会費を納めると、会員は自分のペースでILLの社員宛てに手紙を書いて出す。
毎日でも、ひと月に一度でも構わないが、姓と住所は本物を明記しなくてはならない。
子供の頃、せっせと叔母さんに手紙を書いていた岳彦はその腕を見込まれ、ILLの臨時スタッフとして雇われることに。
二年間、ずっとILLと文通していた水元さんに何があったのか。
岳彦は叔母さんに変わり、水元さんに手紙を書き始めるが……。
「ぼくはママをころそうと思います」――八歳の少年からの殺害予告や、「どうしても、あの恋文を見つけたい」――大女優からの無茶な依頼などなどの難問に、自分自身の言葉を便箋に書き連ねて向き合う岳彦。
メールや電話では伝わらない想いがある――。
温かくて切なくて、ちょっと怖い六つの物語。
※この電子書籍は2016年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
おれはなんで、こんなに空っぽなんじゃ――野球部を引退し受験勉強に邁進するはずだった高校3年生の渓哉。だが自分の将来を思い描けず、焦燥感に苛まれている。ある日、道に迷っていた美しい女性・里香を案内することになるが……あさのあつこが故郷・美作を舞台に描く“直球”青春小説。書き下ろし短篇「もう一つの風」を収録。
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「寂しい大人になりたくない」吉谷美鈴。
「馬鹿な大人になりたくない」雨宮達彦。
「ぼくは一体、どんな大人になりたいんだろう」と、本書の主人公・秋庭樹。
中学2年の4月、進路指導調査書を白紙で提出したことを、担任からとがめられ、樹は自分の将来について、否応なしに考え始める。
実業家である父親は、小さな建設会社を足場に、高利の貸付、土地の売買、レストラン・スナックの経営などで成功をおさめていたが、地元の人からはよく思われてない。
父が経営する店の一つ、トップレスバー〈フラワーヘブン〉の踊り子・ナンシーさんの踊りを見て以来、彼女のことが気になって仕方がない――。
幼なじみである、成績抜群なのにどこか冷めている達彦・病弱な母に変わって家庭をやりくりする美鈴。地方都市の小さな町を舞台に、中学2年生の幼馴染み3人組が、迷い、悩み、成長していく姿を瑞々しく描く。
文庫化を機に、19年ぶりに大幅改稿。5年後の3人を描いた中篇「フラワーヘブン」を特別収録。あさのあつこの原点ともいえる、傑作青春小説。 -
「けどさ、あたし、夢とかないし。特になりたいものとかないし、就職とか言われても困るよね。あたし、ずっと稲野原の生徒でいたいなあ」落ちこぼれ高校に通う理穂、美咲、如月。17歳の誕生日を目前に、理穂は失恋。身体が弱く入院を繰り返す美咲は、同情されるのが大嫌い。授業中も寝てばかりの如月は、天才野球選手の兄・睦月と何かと比較される。それでもお構いなしに、夏は輝いていた。『バッテリー』のあさのあつこによる、切なくて透明な青春群像小説!
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すれ違う子供が泣き出すほどの醜男の、愚直な恋のゆくえ(「甚三郎始末記」)。騙されていると知りながら待ち続ける遊女の哀しき運命(「風を待つ」)。自ら始末をつけるべく散り急ぐ男に、残された妻の覚悟を描く表題作など、心に染み通る5篇。四季の彩り溢れる情景と、男女の一途な愛を細やかに綴る傑作時代小説。解説・大矢博子
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