『エロティカ・アモーレ、リサ・レネー・ジョーンズ(文芸・小説)』の電子書籍一覧
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どんな欲求も満たせる、官能の館。
ここで起きたことは、他言無用。
豊かな漆黒の髪。知性を感じさせる瞳。高級スーツの下の鍛え抜かれた肉体。
セックスと金に不自由したことなど一度もない、ファッション帝国の若き後継者、ダンテ・リッチ。
その彼に顧問弁護士に指名されたソニアは、彼が買収予定のリゾート・ホテルへ誘われた。
VIP専用の螺旋階段を上ると、バニラとシナモンの香り漂う、薄暗いダイニングスペースが現れた。
そこは、カードに綴った官能的な夢想を“デザート”として提供するレストランなのだという。
「ここで休暇を過ごす客は、快楽に溺れ、あらゆる欲望を満たせる」
なまめかしい個室でのディナー。その間中、彼との甘美な妄想に体を火照らせていたソニアは、酔いも手伝いカードに書いた。
〈ダンテと狂おしくアブノーマルなセックスをしたい〉
ダンテの顔に、熱く飢えた欲望が垣間見えた。導かれたカーテンの奥には巨大なマホガニーのベッドが、
そして壁の飾り棚には、様々なアダルトグッズが並べられていて―― -
「靴以外、全部脱いで。脚を広げて」
「怖い。でも…お願い」
ライアンとケイトは親同士が敵対する企業の社長同士という、ロミオとジュリエットだった。
学生時代、お堅い優等生だったケイトが遊び人の友達に連れていかれた秘密の乱交クラブで、まるで王のように君臨していたライアンを盗み見たときから、彼への欲望はケイトの脚の間で疼き続けた。
10年後、ケイトの父親が病に倒れ、彼女は倒産寸前の会社を立て直すべく社長職を引き継ぐことになる。
だが、同じく父親の会社を継いでいたライアンが、死にかけた獲物に襲いかかるハイエナのように買収に乗り出してくるのは時間の問題だった。
不思議なことに、ケイトは秘かに安堵していた。
会社だけじゃない、身も心も彼に服従する、絶好の機会が訪れのだ。
あのクラブで盗み見た行為のすべてを、今度はわたしにしてほしい……。
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