『岩井志麻子、0~10冊(文芸・小説、マンガ(漫画))』の電子書籍一覧
1 ~54件目/全54件
-
現代ホラー小説30年の至宝を一挙収録。新世紀ホラーシーンへ!
『影牢 現代ホラー小説傑作集』に続く2010年代を中心に発表された傑作ホラー短編7選。小野不由美の“営繕かるかや怪異譚”シリーズからは死霊に魅入られた主人公の心理に慄然とさせられる「芙蓉忌」。土俗的作品で知られる岩井志麻子による怨霊の圧倒的恐怖を描いた海の怪談「あまぞわい」。怪談の存在意義を問う辻村深月の「七つのカップ」など。作家たちの巧みな想像力により紡がれた悪夢の数々がここに。解説・朝宮運河
【収録作】
小野不由美「芙蓉忌」(『営繕かるかや怪異譚 その弐』角川文庫
山白朝子「子どもを沈める」(『私の頭が正常であったなら』角川文庫
恒川光太郎「死神と旅する女」(『無貌の神』角川文庫
小林泰三「お祖父ちゃんの絵(『家に棲むもの』)角川ホラー文庫
澤村伊智「シュマシラ」(『ひとんち』光文社文庫
岩井志麻子「あまぞわい」(『ぼっけえ、きょうてえ』角川ホラー文庫
辻村深月「七つのカップ」(『きのうの影踏み』角川文庫 -
忌まわしき蝶が乱れ舞う、灼熱無惨浪漫紀行。
明治三十八年、岡山。名家・大鹿家に拾われた一人の赤子。保和と名付けられた彼は、大鹿の養子として乳母の春に育てられることに。春の語る残酷な怪異譚を聞きながら、愛憎渦巻く名家で青年となった彼は、この世ならざるものを感じることができた。昭和四年、失踪していた文学の師で放蕩者の作家・金光から保和に帳面が届く。そこには、自ら殺し、そして蘇らせた妻とのおぞましくも妖しい旅行記がつづられていた。金光の記録に魅せられ、読みこんでいくうちに精神を浸食される保和。日常さえも次第に歪められていく中、彼はことの真相を確かめるべく、金光夫妻が逗留しているという新嘉坡へ向かう。 -
角川ホラー文庫約30年の遺産!90年代から現在までの最恐セレクション。
1993年4月の創刊以来、わが国のホラー・エンターテインメントとともに歩んできた無二の文庫レーベル、角川ホラー文庫。その膨大な遺産の中から、時代を超えて読み継がれる名作を厳選収録したベストセレクションが登場。大学助教授の〈私〉が病院で知り合った美しい女性、由尹。ミステリアスな雰囲気をたたえた彼女は、自分の体は呪われていると告げる。ともに暮らし始めた二人だが、やがて悲劇的な事件に見舞われて……。ミステリとホラーの巨匠・綾辻行人90年代初頭に執筆した傑作「再生」をはじめ、『リング』の鈴木光司が東京湾のクルーズ船を舞台に戦慄の一夜を描いた「夢の島クルーズ」、故・今邑彩が角川ホラー文庫のために書き下ろした不穏な物件ホラー「鳥の巣」、の第72回日本推理作家協会賞に輝いた澤村伊智の学園ホラー「学校は死の匂い」など、バラエティ豊かに、ホラージャンルの面白さと可能性を示す全8編。最高にして最恐、これが日本のホラー小説だ。ホラー評論家・ライターの朝宮運河セレクション。
収録作は以下の通り。
綾辻行人 「再生」(『亀裂』、『眼球綺譚』)
鈴木光司 「夢の島クルーズ」(『仄暗い水の底から』)
井上雅彦 「よけいなものが」(『怪奇幻想短編集 異形博覧会』)
福澤徹三 「五月の陥穽」(『怪談歳時記 12か月の悪夢』)
今邑彩 「鳥の巣」(『惨劇で祝う五つの記念日 かなわぬ想い』)
岩井志麻子「依って件の如し」(『ぼっけえ、きょうてえ』)
小池真理子 「ゾフィーの手袋」(『異形のものたち』)
澤村伊智 「学校は死の匂い」(『などらきの首』) -
この地獄に、魅せられる。『ぼっけえ、きょうてえ』待ち望まれた正統後継作
コレラが大流行する明治の岡山で、家族を喪った少女・ノリ。
ある日、日清戦争に出征しているはずの恋人と再会し、契りを交わすが、それは恋人の姿をした別の何かだった。
そしてノリが生んだ異形の赤子は、やがて周囲に人知を超える怪異をもたらしはじめ……(「でえれえ、やっちもねえ」)。
江戸、明治、大正、昭和。異なる時代を舞台に繰り広げられる妖しく陰惨な4つの怪異譚。
あの『ぼっけえ、きょうてえ』の恐怖が蘇る。 -
危険度MAXの最恐実話ホラー
怪奇と狂気が交差する最凶の二重奏!
ホラー界の女豹・岩井志麻子と怪の追究者・徳光正行によるふたり怪談!
某国で出会った男の凄惨な末路「腰痛」
おかしな隣人に隠された奇妙な過去「安アパートで」
彼氏のスマホにあった身の毛がよだつ動画とは「三つめのスマホ」など岩井志麻子が綴る人の業と因縁話の数々。
とある一族が担う恐ろしくも哀しい宿命「代々」
肉親が次々におかしくなっていく部屋「離婚部屋」など日常に仕掛けられた罠のような恐怖譚を披露する徳光正行。
巻末おまけとして岩井×徳光の最恐対談も収録!
怪異に魅入られたふたりの共鳴が禍々しく幕を開ける。 -
オバサンは波乱万丈な物語ではなく、日常のロマンスを求めている…。
これまできちんと語られることのなかった中年女性の「セックス」や「性欲」について、
人気女流作家が初めて挑んだ意欲作! -
地方都市の地味な繁華街でヒッソリと営業している店舗型風俗店『ショコラ・サイダー変態オタク倶楽部』。建前上、本番行為なしとされるが、なんでもありの変態向けの店だ。お客に首輪をつけられ、犬になってドッグフードをむさぼりながら肉棒で突かれる陶子は、そのままリードをつけられ、お散歩に連れだしてもらっている。異様に足の指が長く、まるで手のように動かすことができる沙織は、整形しすぎでマネキンのような顔をしているが、足コキだけで指名客を集めている。変態客向けの風俗嬢が揃うが、一番の変態は経営者のショコラ・サイダーだった。スレンダー美女のアイコン画像を使っているが、実は薄毛で脂ぎった小太りのオッサン。いつも変態プレイを覗き見しては勃起している。自分自身を変態オタクと呼ぶ彼がこうなったのは、両親との壮絶な過去に理由があって……。
-
新シリーズ! 岩井志麻子×今昔物語
炎に飛び込み自らの身を焼いた兎。盗みに失敗して親を殺した国王。図らずも三人を斬り殺してしまった男。「今は昔」で始まり、「となん語り伝えたるや」で終わる「今昔物語」。この日本最大の説話集を下敷きに、人間に巣食う欲望の闇を実際の事件・出来事を題材に語り直した、岩井志麻子版〈怪談実話〉新今昔物語が誕生。時代が変わっても、人間の愚かさは変わらない――。平安の世から令和の今に、遠く忌まわしき話の数々が甦る! -
株式会社秋田書店と株式会社誠文堂新光社による新たな文芸エンタテインメントを生み出す新レーベル【APeS Novels】の第二弾!!
『ブラック・ジャック』『恐怖新聞』に続き、本年7月に創刊50周年を迎える大人気コミック誌『週刊少年チャンピオン』の、輝かしい歴史を彩った名作コミック『エコエコアザラク』のノベライズです!!
「エコエコアザラク、エコエコザメラク……」どこからともなく聞こえてくる妖しい呪文と共に黒井ミサが帰って来た!!
70年代のオカルトブームの中でも、「黒魔術」を操る美少女主人公が異彩を放ったホラーコミック『エコエコアザラク』が、自身も作品の大ファンだったと語る岩井志麻子氏により小説として現代に蘇ります!!
あるときは災いの象徴として、またあるときは自分に害を為した者への復讐劇として描かれることの多かった黒井ミサとその物語。
悪霊の力を借りて執行される呪術という神秘的なイメージと相まって、昏い魅力に溢れた『エコエコアザラク』のイメージはそのままに、情念を描いた作品で人気を集める岩井氏の筆によって、人々を惑わせる「運命の女」黒井ミサへと昇華され、あたかも幻想文学をも想起させる作品となっています。
黒井ミサの存在に翻弄され、愚かな者たちがさまよい続ける出口のない迷宮へ、あなたも足を踏み入れて見ませんか……?
----------------------------------------
●第一話 逃げる女
「私はいつでも逃げている女なの」――平凡な街の平凡な家庭に生まれ、なんの才覚にも恵まれず、唯一の取り柄である容姿も十人並みをちょっと上回る程度。高校受験の失敗からお決まりの転落を辿った女・有里が目を背け続けてきた真実とは……。
●第二話 さまよう夫婦
有名画家の息子と美人女優の娘。親からの才能を受け継げなかった残念な二人が運命のような出会いを果たす。二人の子供時代に共通する謎の女性「黒井さん」「ミサちゃん」の記憶が、互いの結びつきをより強固なものにしていく。そして…。
●第三話 居すわる母
留利子の高校時代からの恋人・俊博には、二人の母がいる。一人は生みの母、そしてもう一人は、俊博の家庭を壊した「父親の愛人」。父が亡くなったいまでもその女を「義母」と呼び続ける俊博の気持ちがわからず、今日も留利子は行きつけの喫茶店で、ウェイトレスの少女に愚痴をこぼす。
●第四話 追いかけてくる愛人
裕福な家に生まれ容姿にも恵まれ、周囲にはちやほやされて育った須美香だったが、その過去にはひとつの暗い影があった。失踪とも誘拐ともつかぬままいなくなった母。最後の電話で母の口から語られた「黒井ミサ」の名前が、それからずっと須美香の心を縛りつけている。
---------------------------------------- -
レイラこと岡崎留美子は、18歳の頃から風俗以外の仕事をしたことがなかった。決して裕福とは言えない家庭に嫌気がさし、高校を中退して家を出ると、ハンパなヤクザものに騙されてソープへ売られてしまう。容姿はさほどパッとしない留美子だったが、若さのおかげで人気は出た。稼いだ金で整形手術を受け、胸にもシリコンを入れ、たちまち店のナンバー1に。しかし栄光はそこまでだった。バブルが弾け次第に落ちぶれていく留美子。その時、彼女が取った行動は……。
-
官能エッセイストとして暮らしている私の元へ、ある日、レイラと名乗る風俗嬢から手紙が届いた。「ぜひ先生に、私の半生を書いてほしいんです」。とりあえず会い、話を聞いてみると、彼女は全身全霊で虚構を演じている女、つまり強烈なホラ吹き娘だった。嘘なのは話だけでなく、顔はほとんど整形されていて、肌は毛穴が目立ち、体毛も濃いのでまるで男のようであった。家にレイラを連れていった私は、同居している自分の彼にも会わせる。その夜、彼は「俺、あの女を知っているよ」と話し始めたのだった……。
-
浮気症の父のおかげで、私にはいろいろな母がいたが、本当の母はシンガポールに居るらしい。そう父から聞いて、シンガポールへと向かう私であった。思えば、金持ちのお嬢様として育てられたが、大学生の頃にひと周り年上の男に騙され破滅の道へ。SM嬢として働くも客にヒドイ目に遭わされて親バレしてしまう。どんな時でも母のことを思って生きてきた私。母に会えるかどうか分からない。実際には生きていないのかもしれない。それでも私は旅立つのであった……。
-
庭山由紀は幼い頃からアイドルに憧れていた。しかし、家庭も容姿も頭も身体能力も、何もかも平凡。クラスのアイドルにすらなれず、かといって派手な男性経験を誇るようなこともなかった。実際にアイドルになろうと行動したこともない。性的なことには極端に厳しい母の影響もあり、下着はもっぱら地味なものだった。それでも高校時代には初体験を経験。短大に入ると、家庭教師のような男と問題を起こさないようなバイトは許され、派手な下着も買えるようになる。そして、家庭教師先の父親と関係を持つようになった。親にも見せたことのない場所をくまなく見てくれる。バツイチで連れ子持ちとはいえ、彼だけのアイドルになれた由紀だったが、妊娠が発覚し……。
-
庭山由紀は子供の頃からアイドルに憧れていた。しかし、地味で平凡な由紀は普通の主婦になるのもいいかなと考えるようになったが、親に認めてもらえず。地元を出てやり直そうと上京。実際にアイドルを目指してみたが、結局は全て持ち出しのいわゆる地下アイドルにしなれなかった。芸名は萌野夢乃。整形もしたが人気は出ず、ファン相手に風俗まがいの個室撮影をするようになる。自称プロデューサーには騙され肉体関係も持った。誕生日会を開催してもみじめな思いをしただけ。ただ、そこに参加してくれた熱心なファンだと思っていた男にAVへスカウトされた。由紀は初めて事務所に所属することになり……。
-
庭山由紀は子供の頃からアイドルに憧れていた。しかし、地味で平凡な由紀は主婦を夢見るが、結婚は親に認めてもらえず。地元を出てやり直そうと上京。実際にアイドルを目指してみたが、結局は全て持ち出しの、いわゆる地下アイドルにしかなれなかった。そして、企画物のAV女優、さらにSMデリヘル嬢へと転落してしまう。源氏名はレイラ。これまで自分を弄んできた芸能界の底辺にいる男たちへの怒りを客たちにぶつけていく。それでもアイドルの夢は諦められなかったが、30歳になると活動を休止した。そして、魅理亜というアカウント名で、SNSに偽りのセレブ生活をアップしていく。芸能人でもないのに、ゴージャスな生活をしている美女は注目を集めるが、破綻は唐突にやってきて……。
-
「主婦という存在の暗黒のファンタジーを描きたい!」 作家・岩井志麻子が「書いていて楽しくてしょうがない」と自ら語った小説「おんなキラキラ おんなギラギラ」を長崎さゆりが漫画化! 女の中でも、主婦というカテゴリーほど幅広いものはない。お嬢様育ちでエリートと結婚し、タイ・バンコクで駐在妻の中でも女王的な存在である春奈、巨デブなのに自分は俳優とも交際できると信じて疑わない椿、地方のヤンキーとして育ちアイドルを目指して整形を繰り返し風俗でその日暮らしを送るユキ、タイの男娼・ゴーゴーボーイにハマって抜け出せない祐子、そして普通の主婦だった江梨子。この5人の女たちが、欲望に満ちたバンコクで複雑に絡み合い向かう先は――地獄? それとも――!? 全女性必見! 女のマウンティング&「あるあるエピソード」に満ちたオンナが喜ぶエンターテイメントをお届けします。
-
東京に嫌気がさして、タイのバンコクに流れ着いたあたしは、日本人のオヤジ若槻に騙され、現地のエロマッサージの店に売り飛ばされた。日本へ帰ることを諦めたあたしにとっての唯一の楽しみは、人体標本や遺体写真が飾られている死体博物館という場所に足を運ぶことだけ。特に、気に入ったのはシーウィーと呼ばれるサイコキラーの遺体。彼は、中国から出稼ぎに来たが、逆に借金で故郷に帰ることが難しくなったらしい。そんなシーウィーと自分の境遇が、なんとなく似ている気がして、のめり込んでいったあたしの目の前に現れたのは…。
-
「なんて気持ちがいいんじゃろう…!」 身寄りもなく誰からも愛されなかった娘・トヨ。年頃になり、男たちに抱かれたあとだけ人の温もりで満たされる。愛に飢えた女が暴走しだした瞬間、忌まわしき出来事が起こり出す!(淫売監獄) 天真爛漫で無神経な女、明子。賢いが地味な女清子。明子の夫を中心に、ふたりの女がひとりの男を奪い合い憎しみ合う! 女のドロドロ人生物語の決定版!(自由戀愛) コレラが蔓延する田舎村では、互いを監視しあい密告する箱があった。役人の弘三はその密告箱を管理していた。妖しい女、お咲との情事にのめり込む弘三は、徐々に妻の素顔に気づいていく……!(密告函) 日本ホラー小説の名手、岩井志麻子が織りなすほの暗く淫蕩な世界を完全コミカライズ!
-
エッセイと呼ぶにはあまりに怖い物語。ホラー大賞を受賞して上京間もないイワイに、ぶんぶん寄って来るヤバイ人々。「ぼっけえ」「きょうてえ」「やっちもねえ」など岡山弁のニュアンスを存分に盛り込んだ、人気ホラー作家とっておきの14話。ここまで書いたら、もう岡山には帰れんかも。
-
麻紀子は自分のことが普通だと思っている。今の彼氏は5歳年上で、合コンで知り合った。実は高校生の頃から結構遊んでいるけど、セックスを心から気持ちいいと思ったことはない。そんなある日、麻紀子は彼氏にストリップ劇場に連れていってもらう。その美しさに感動して……。伊井満喜子はその名前ゆえに、子供の頃は「まんきこ」とからからかわれていた。それでも真面目に過ごしてきて、中学から女子大付属に通い、彼氏もできなかった。親に言われるがまま見合い結婚するが、すぐに破綻し……。原真輝子は高校を2年で辞めて家出し、水商売を転々としてきた。今は「マッキー」の名前でギャル系AV女優をしている。NGはあるにせよ、ハードな撮影もこなし、仕事でセックスをする日々を過ごしていた。そんなある日、ファンからのプレゼントの中に思わぬものを発見し……。3人のマキコによる物語。
-
綾花は女子大生の年齢ではあるけれど、すでに子供を産んでいる。身体もしっかり熟していて、柔らかみと丸みがあり、尻の形もいい。保育園から子供が帰ってくるのを気にしながらも、彼女はあまりの興奮からか、母乳を垂らしていた。美恵子は30代半ばでだらしない身体をしているが、妙に生々しさを感じさせる。見た目は金髪でギャル風の化粧をしていても、ベッドではとことん従順で、Mっ気に溢れていた。手錠やバイブまで使ってサービスすると、可愛らしいロリ声であえぎ始める。信恵はきつい顔立ちで男並みの体格だが、実は元風俗嬢。10代から風俗一筋で、淫靡な暗い雰囲気があった。夫は刑務所に入っていた期間が長く、夜の営みも機械的。そのため、優しく愛撫すると、本気で泣き始めた。同じ団地に住む3人の主婦には人に言えない秘密がある。それを調べるために、ライターのぼくは3人と身体を重ねるが……。
-
私は3ヵ月前から芸能プロダクションでマネージャーをしている。所属しているのは、アダルト寄りの女の子ばかりだ。マネジメントするというより、実際は付き人のような感じ。身の回りの雑用をして、きつい仕事を嫌がったり泣いたりする子を慰める役目もある。女の私が側にいると、彼女たちも安心できるらしい。最初のうちは、大勢のスタッフの前で実際にセックスをしているのを目の当たりにして、めまいを覚えたものだ。今日は取材現場に初めて1人で立ち合うことになった。付くのは新人女優の石原ふみよ。本人の指名を受けて、私は彼女を担当するようになった。昨晩、ふみよのAVを見て、私は興奮して自慰をしてしまった。彼女は同世代の女から見てもイヤらしい裸をしていて、本人を目の前にすると、こっちが照れてしまう。彼女はなぜか私に興味津々。仕事が終わった後にお酒を飲むと、そのままマンションまで一緒に行くことになり……。
-
OL京雨子が慕うビーズデザイナー沙羅。その内縁の夫が自殺したのは桜吹雪のときだった。そして「モウ、ホネダケ」、京雨子に奇怪な声が聞こえはじめた。沙羅が京雨子に言う、「死後結婚に立ち会って」と。在日韓国女性沙羅の故郷に今なお残る死者との婚姻の儀式、サーフキョロン。頷いた京雨子は、何が待ち受けているかを知らなかった……。
-
渋谷で雑貨店を経営しているさやかは今年で35歳。細身でショートカット、化粧っ気はなくて、若く見えるボーイッシュなタイプ。昔から「女として生まれてきたけど、なんか違う」と感じていて、好きになる相手は決まって同性だったが、レズビアンという言い方はしっくりこなかった。ノンケのさやかに久しぶりにできた恋人が稟子だった。30歳を過ぎても若作りしている彼女は風俗嬢。単純なくせに自分で面倒臭い女になろうと頑張るような人だった。その面倒臭さに惹かれたさやかは、時に体をナメ合い、充血したあそこをコスリ合って淫靡な時間を過ごした。わがままな稟子に翻弄されながらも、いつしかさやかは彼女のために男になりたいと思うようになる。しかし、そんな気持ちをよそに稟子は姿を消した。これが暗い影を落とし、さやかの人生は転落していくのだが……。
-
このままじゃあ、殺される!幼い頃からの凄絶ないじめ。でも脳内の「私」は醜く太った引きこもりではなく、みんなの憧れの美少女――。嘘にまみれた狂気の果て、想像を絶する残酷な結末!
-
大正初年の岡山。妾稼業をして両親と妹を養っている珠枝は、金回りのいい旦那から与えられた家で気ままに暮らしている。そこに近在の高等遊民たちが集い、優雅なサロンのような様相を呈していた。しかし大晦日の夜、珠枝は惨殺されてしまう。家ごと焼かれ、後ろ頭の髪の毛と右の耳以外は黒焦げの姿で。「近年稀な大事件」として広がる波紋、妹を通して語られる意外な犯人像。仄暗い場所から語りかけてくるものとは……。岡山で実際に起きた猟奇事件に取材した力作長篇。
-
人気のホラー作家が書き下ろす実録・男女論。
かつて「魔性の女」というと妖艶でつかみどころが無く、どこか不思議な魅力を持つ女達のことを指していた。女性にとって「魔性の女」と呼ばれることは一種のステイタスだった。しかし、今はどうか。妻から夫を奪い取る愛人家業に生きる女や、男を狂わせる女、そして世間を賑わせた2つの男性連続不審死事件で犯人とされる被告らは揃いもそろって容姿端麗とは言い難い。
本書は、結婚というものをフックに女の強かさ、計算高さ、愚かさ、怖さ、男の短絡的でだらしなくて、幼く脳天気さ、ずるさなどを描いていこうという趣旨である。
本書で登場する人物は基本的に仮名ながら、名前を聞けば、誰もが分かるであろう著名人・有名人のエピソードが数多く含まれている。社会的なステイタスを持ち、金銭的に恵まれ、端から見たら非の打ち所がないように見える彼らでさえ、「結婚」というものに縛られ、苦しめられ、苦汁をなめているのである。決して幸福とは言い難い日々を過ごしている人たちがいかに多いのか。
端から見ては不幸にしか見えないが、本人にとってはそれが幸せだという不思議な愛の形もある。結婚とは「ホラーと背中合わせ」なのかもしれない。 -
東南アジアの国・タイに魅せられている、30歳半ばのイラストレーター・富田今日子。ひたすら緩くて、いい加減で、優しい感じが、今日子の性に合っていた。毎月のように通い続けているうちに、現地で知り合った日本人とも良い関係になった。自称カメラマン。全般的にだらしないくせに不思議な清潔感があって、そんな彼とは数えきれないほどセックスをした。行為の後は股を広げられ、いつまでも見つめられた。さっきまでさんざん出し入れされたアソコは、まだまだ欲しいといやらしくうごめきながら、変な汁を溢れさせ……。
-
業界No.1官能誌『特選小説』で活躍する女流作家の岩井志麻子・渡辺やよい・南綾子・森奈津子・森下くるみが、自身の血液型に沿って官能ストーリーを描きました。男に騙され風俗嬢として働きつつ本当の母親を探すA型女『シンガポール・スリリング』、地味で平凡な人生から脱皮しようとSMチックな主従関係を求めるA型女『悦楽に溺れて』、おっとりしていながら性欲がたまると急にエッチになるO型女『ミワクの空間』、A型男とのセックスが上手くいかずに悩むB型女『真夜中に血液型相性診断を検証する』、普通では考えられない破天荒なプレイをするAB型女『マダーライト』など、それぞれの血液型にそった話を全5編収録。セックスの相性は血液型で決まる!?
-
爆笑エロ談話にも定評がある岩井志麻子が男と女の“プロ”の世界の奥深さをルポ! 第1弾は「名器手術」について。
山本周五郎賞や婦人公論文芸賞受賞の実力派小説家でありながら、「エロくて変なオバチャン」キャラとして多くのメディアで活躍、その爆笑エロ談話には定評がある岩井志麻子。彼女が、自らの身体を張った体験を赤裸々につづり、男と女の“プロ”の世界の奥深さをルポするエッセイ。
その第1回はまさに「名器」の話。もちろん、ここでいう「名器」はあの「名器」です。しかも一般論ではなく、なんと「名器手術」を受けたという。そしてその成果を試すため、まずは韓国人の夫のもとへ。さらにその二日後に、今度は長年の愛人がいるベトナムはホーチミンに飛ぶのであった。抱腹絶倒の、手術&探究心あふるる実践の記録をどうぞ。
※WEB&メールマガジン・ちょくマガ「オンナのウラガワ ~名器大作戦~」の一部を再編集して構成 -
岡山の遊郭で醜い女郎が客に自分の身の上を語り始めるが……。衝撃の日本ホラー小説大賞受賞作
「教えたら旦那さんほんまに寝られんよになる。……この先ずっとな」時は明治、岡山の遊郭で醜い女郎が寝つかれぬ客にぽつり、ぽつりと語り始めた身の上話。残酷で孤独な彼女の人生には、ある秘密が隠されていた……。岡山地方の方言で「とても、怖い」という意の表題作ほか三篇。文学界に新境地を切り拓き、日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞を受賞した怪奇文学の新古典。 -
どうか、女の子の霊が現れますように。
辻村深月、香月日輪、加門七海、福澤徹三、高野秀行、黒史郎、松村進吉、小島水青、田辺青蛙、岩井志麻子といった人気作家から新進気鋭の作家まで、「愛」をテーマに怪談を書き下ろし。豪華な競作集。人気シリーズ、第10弾。 -
なぜなら私は、好きな男を嗅ぎ分ける女だから――。3人の男たちと、それぞれに続いていく関係。そして生まれた小さな命とその喪失。――たちまち湿る、シマコが開く、私小説。私にはもう、中国の若い男と、ベトナムのセックスが巧い愛人と、韓国のかわいそうな男がいればいい。充分すぎる。それとは違う、永遠の男も欲しい。決して手に入らない、一生逢うことも叶わない、幻の男を。――<本文より>
-
史上最悪の殺人鬼を生んだ、貧しくて冷たい月の光。もう、人間には戻れない――。韓国全土を震撼させた、未曾有の連続殺人事件をモチーフに描く、あらゆる禁忌を犯した男の憎悪と狂気。岩井志麻子、渾身の新・代表作!
-
甘美な夢が手招く驚愕の結末。身近な人物の底知れぬ悪意。ねじ曲げられた記憶に潜む、衝撃の過去。夢が現実の恐怖へとつながっていく、全10篇の哀しい物語。
-
例の事件は他人事とは思えない。私も占い師の女に洗脳されていた!
オセロ・中島知子さんのことは他人事とは思えない。私も占い師の女に洗脳されていた! 岩井志麻子自ら「これを書くのが私のライフワーク」と語る、虚言占い師の女との驚愕の実話エピソードの数々。渾身の書き下ろし百枚を追加! 解説はノンフィクション作家の工藤美代子氏。 -
昭和十三年、岡山で起こった伝説の「三十三人殺傷事件」。異形の鬼となって疾駈する男の狂気を描く戦慄の物語
暗黒の森の中で銃声とともにこだまするうめき声。「来た。鬼が来たんじゃ」。昭和十三年、岡山県北部で起こった伝説の「三十三人殺傷事件」。おとなしく、利発でええ子だったはずの辰男は、なぜ、前代未聞の凶行へと至ったのか。狂気か? 憤怒か? 怨恨か? 古い村の因習と閉ざされた家族の歪な様相、人間の業と性の深淵を掘り下げながら、満月の晩に異形の「鬼」となって疾駈する主人公を濃密な文体で描き出した戦慄の長編小説。話題の女流作家が切り拓いた圧倒的迫力の新境地! -
思惑と欲望がうずまく小市民たちの葛藤をユーモアと恐怖のなかに描くホラー大賞作家の傑作短篇集
あなたの周りにもきっといる――。小学校教員、新聞記者、地方小劇団の座長、看守。偏狭な社会でちっぽけな権力をふりまわす木っ端役人、目立たないくせにどこか鬱陶しい地味女、誠実に見えて肝心なところで無神経な好青年……。思惑と欲望がうずまく小市民たちの葛藤を、ユーモアと恐怖のなかに浮き彫りにした、名手による傑作短篇集。「華美粉飾」「合意情死」「自動幻画」「巡行線路」「有情答語」を収録。 -
ベトナムで出会った青年の妖しい魅力に惑わされていく女。享楽的なセックスに溺れる男女が堕ちていく甘美な地獄
灼熱の夏が永遠に続く国ベトナム。ホーチミンを訪れた「私」は夏の国の男に出会う。彼は綺麗な南の地獄そのものだった――。名前も素性も知らぬまま、ただ享楽的なセックスに溺れるふたり。――床惚れ――セックスがよくて惚れてしまうのは男女が堕ちる最も苦しい地獄と天国なのかもしれない。『ぼっけえ、きょうてえ』の著者がベトナムを舞台に狂おしくも甘美な情欲の世界を描いた官能ホラー。
成人向けの内容が含まれる書籍が 5 件あります。
・キャンペーンの内容や期間は予告なく変更する場合があります。
・コインUP表示がある場合、ご購入時に付与されるキャンペーン分のコインは期間限定コインです。詳しくはこちら
・決済時に商品の合計税抜金額に対して課税するため、作品詳細ページの表示価格と差が生じる場合がございます。