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『文芸・小説、キャシー・ウィリアムズ』の電子書籍一覧

61 ~92件目/全92件

  • 彼はアシュダウンの人気者。でも、わたしはだまされない。■ソフィの住むアシュダウンにグレゴリー・ウォレスが越してきた。彼は村の新興住宅地の開発業者で、経済の活性化に貢献したと、みんな諸手を上げての歓迎ムードだ。だが、ソフィは知っている。やりての実業家の真の姿を。もとの夫アランのように、うわべだけ魅力的で冷たく、田舎の人々を見下す人間に違いないのだ。アランの望まない妊娠をしたことで捨てられたソフィは、難聴の娘を抱え、ひとりで必死に生きてきた。もう男性とかかわりを持つつもりはいっさいない。ところが、アシュダウンにやってきたグレゴリーは、ソフィに興味を示し、なにかと会う機会を作ろうとする。狭い村では避け続けるわけにもいかず、顔を合わせているうちに、彼の開くパーティーのケータリングを頼まれた。そしてその夜、ソフィは彼の家に泊まらざるを得なくなり……。
  • 妹を救いたいなら言うなりになるんだ──
    その脅迫めいた要求からすべてが始まった。

    両親亡きあと、ヴァイオレットは美術教師として堅実に働き、どんな仕事も長続きしない妹の保護者代わりになってきた。その妹に今度は勤務先の機密情報を盗んだ疑いがかけられた。妹の無実を直訴しようと社長ダミアンのもとを訪れた彼女は、魅惑的な容貌とは裏腹の冷酷さで彼から一蹴され、言葉を失う。しかもダミアンは妹を無罪放免にする代償として、自分の恋人役を演じるよう、理不尽な取り引きを持ちかけてきた。余命僅かな彼の母親を安心させるためだとはいえ、横暴すぎるわ!でも、最愛の妹を救うためには選択の余地などない。嫌悪とときめきに揺れながら、ヴァイオレットは条件をのんだ。
  • 彼は32歳、独身、非情な銀行家。
    そして14歳の隠し子がひとり……。

    フィットネスクラブに勤めるメリッサは、ネット検索したエリオット・ジェイの略歴に目を凝らした。経済界の大物。32歳にして投資銀行の経営者……。でも家族や私生活についての情報はない。つまりお金儲けにしか興味のない、非情な銀行家ということだ。そんな彼が娘の体調管理の仕事を依頼してきた。その娘というのが14歳! 隠し子がいたことすら驚きなのに、いったいいくつのときにできた子供なの?面接で会ったエリオットは予想どおり仕事一筋の傲慢な冷血漢だった。いくら高額の報酬を提示されても、頭では断るべきだとわかっている。なのに、メリッサは危険と知りつつ好奇心を抑えられなくなっていた。■愛を知らずに生きてきた非情で傲慢な銀行家エリオットと、
    純真無垢で不器用なメリッサの、ロマンティックなストーリーをぜひお楽しみください!
  • 悲しい生い立ちがもとで、男性に心を開くことができなくなったメリッサ。冷めた態度は、興味を示す相手をことごとく引き下がらせてきた―ただ一人、ロバートを除いて。実業家である彼は、たびたびメリッサの鎧にひびを入れようとし、ついには仕事にかこつけて彼女をカリブの島へと連れていく。そこは彼女にとって、忘れたい過去が眠る場所だった。
  • 地味で平凡だから秘書として雇われたのだろうか。■グレイシーは妹の手紙を読んで深いため息をついた。トラブルメーカーのジェニーが、また助けを求めている。今度は、勤め先の社長の甥とドライブ中に事故を起こし、病院に運ばれてしまったらしい。仕方なくニューヨークに出向き、社長のモーガンに会ったところ、グレイシーは容赦ない要求を突きつけられた。妹のかわりに自分の秘書として働き、罪を償えというのだ。なんて冷酷な人! でも彼は私をひどく落ち着かない気分にさせる。強烈な魅力を放つ彼のそばで働いたりしたら、私が払う代償はさらに高くつくことになるかもしれない。グレイシーは大きな不安を覚えたが、妹を見捨てるわけにいかず、理不尽な要求をしぶしぶ受け入れた。
  • 身代わりを演じた私が
    彼への愛を口にすることは許されない。

    ベスは双子の妹の頼みに驚愕した。妹は実業家マーコスの秘書として
    高給を得ているが、社内不倫のあげく妊娠したうえ、
    出産が終わるまでベスに身代わりを務めてほしいというのだ。
    話を聞くかぎり、マーコスは社内恋愛すら許さないワンマンな社長だ。
    とはいえ、ただ一人の妹のためにできるだけのことはしてあげたい。
    妹になりすましたベスは、緊張しながら出勤した。
    そして初めてボスであるマーコスと対面し、息が止まりそうになった。
    傲慢さをにじませながらも、荒削りさがセクシーな男性。
    ぼうっと立ちつくすベスは、そのときは想像すらしなかった――
    マーコスと恋に落ち、運命の皮肉さを思い知らされることになるとは。■双子とはいえまったく性格の違うふたりは、いつも姉ベスが妹ローラのお守りをすることになるのですが、今回の難問にはさすがのベスもお手上げです。相手はとうていたちうちできないほど傲慢なボス。その上、彼はありえないほど魅力的で…。
  • フランセスカが秘書として仕える社長オリバー・ケンプは、
    恵まれない環境から一代で地位と財産を築いた野心家だった。
    そのせいか、横柄で威圧的で……でもぞくっとするほどハンサム。
    フランセスカの裕福な父親に見込まれて頭角を現した彼は、
    いつもフランセスカを甘やかされた子ども扱いしたけれど、
    彼女はいつしかオリバーを愛していた。
    ある夜、一度だけ情熱が交差する。
    だがそのあとに待っていたのは、冷たい男の拒絶だった。
    “ぼくはなんの約束もできない、これは体だけの関係だ”と。
    そんな情事の代償は、思いがけない妊娠だった。

    ■追い打ちをかけるように、オリバーの元婚約者の身代わりに抱かれ
    たと知って、フランセスカは絶望の淵へつき落とされてしまいます。
    伝えられない想いが切ない、C・ウィリアムズのめくるめく愛の迷宮。
  • “恋愛と戦争は手段を選ばないのよ”かつての親友アマンダは、ロージーにそう言った。そして彼女は言葉どおりロージーの恋人アンジェロを奪い、結婚した。ロージーはアンジェロの金だけが目当ての強欲な女だ、と嘘をついて。3年後、ロージーはアマンダの突然の死を知らされる。やりきれない思いでいる彼女に、アマンダの遺言が伝えられた。アンジェロの屋敷の隣に立つコテージを、ロージーに遺したというのだ。もしそこへ越せば、ふたたびアンジェロと顔を合わせることになる。葬儀で彼はいまだくすぶるロージーへの敵意を露わにしていたが、熱く飛び散る火花が憎悪だけではないことを、二人は感じていた。
  • ヨークシャーの荒野で車の事故を起こしたルイスを助けて1年半、ホリーは週末ごとにロンドンから通ってくる彼との愛を深めていた。だが、いつまでたってもルイスが結婚の話をしないことを不安に思い、二人の将来について、彼の思いを問いただした。するとルイスはそのとき初めて、これまで語らなかった素性を明かした。彼は地方まわりのセールスマンなどではなく、なんと、世界を股にかける巨大企業の経営者だったのだ!知れば彼女の態度が豹変するとわかっていたので黙っていたという。私は財産狙いの女なんかじゃない――ホリーは傷つき、ルイスと別れた。数カ月後、彼女は思いがけない身体の変調に気づく。
  • エリザベスは亡き母の遺品の手紙から、実の父親の存在を知った。ただひと目会いたい一心で所在を調べ、父のもとを訪れた彼女は、手違いから病身の父の世話係として雇われてしまう。たとえ娘だと名乗れなくても、そばにいられるのなら……。献身的な仕事ぶりを見せるエリザベスだったが、ただ一人、彼女に疑いの眼を向ける男がいた。冷酷な実業家アンドリアス──彼はエリザベスを財産狙いの悪女と決めつけ、正体を暴こうと策略を巡らせていた。ある日彼に呼び出された彼女は、耳を疑うようなむごい要求に絶句する。今後は秘書として、昼夜を問わず彼のあらゆる要求に応えろというのだ!
  • ルーシーの父の上司であるガブリエル・ガルシア・ディアスは、美女との噂が常に絶えない大物実業家だった。その罪深いほど整った顔とよく響くセクシーな声に怖じ気づき、“きみが欲しい”というあからさまな誘惑を拒んだのは2年前のこと。ガブリエルのカリスマ的な魅力は今でもルーシーの胸を震わせるが、まさか、彼にすがらなければならない日が来るなんて!父が病気の母のため、会社の金を使い込んでしまったのだ。必ず返済するつもりだったとはいえ、ガブリエルは許さないだろう。なんとか父を助けたいと懇願するルーシーに、彼は冷たく言った。「ベッドを共にすれば、お父さんの横領の罪は見逃してやろう」■家族のために自らを犠牲にし、傲慢な大富豪の愛人に身をやつす――キャシー・ウィリアムズによる、人気の愛人契約ロマンスをお贈りします。“バージンであるわたしに愛人の役目など務まるはずがない”そう打ち明けたルーシーに、ガブリエルが下した決断とは?
  • 貧しい小学校教師のアギーにとって、弟の交際相手が資産家の娘なのが不運の始まりだった。彼女の伯父だというルイスが現れ、弟を金目当て呼ばわりされたあげく、駆け落ちした二人を追うため強引に車で連れ出されたのだ。外は大雪、車の中は二人きり……空気はいやでも濃密になっていく。さえない古着姿で気おくれするアギーとは対照的に、ルイスは高級スーツに身を包み、セクシーな魅力をみなぎらせている。でも、仕事しか頭にない冷徹な実業家なんて、興味はないわ。ルイスの考えは違っていた。“天使の顔に悪魔の体”――アギーのことをそんなふうに呼び、道中の楽しみをほのめかしたのだ!■欲しいものはすべて手に入れる億万長者のプレイボーイ、ルイス。彼の傲慢で如才ない誘惑に絡めとられたアギーは、我が身に残されたルイスの刻印が、キスの跡だけではなかったことを知ります。愛が見えない億万長者に、事実を伝えるべきか迷いますが……。
  • 広大な敷地に使用人夫婦と暮らす富豪の老人に雇われ、カリーナが専属看護師として移り住んでから九カ月がたった。気難しいシルバー翁に辛抱できず、何人も看護師が替わったらしい。でもカリーナはすぐに孤独な老人の強がりを理解し、持ち前の同情心とユーモア感覚のおかげで、互いに会話を楽しみながら打ち解けた関係を築きあげていた。シルバー翁には息子が一人いるが、何年も前に家を出たという。どうやら仲違いしたようで、屋敷の中には息子の写真が一枚もない。ところが十二年ぶりに帰郷すると便りがあり、老人は気が高ぶっていた。親をこんなに心配させるなんて、どんな人かしら?みんなが寝静まった夜、カリーナはその当人を迎えることになった。グレーの目をした傲慢な男――アントニオは彼女の予想を超えていた。
  • 挿絵画家としてロンドン郊外で暮らすヘザーの家には、母親のいない近所の少年がときどき遊びに来ていた。そんなある日、少年の父親だという人物が玄関先に現れた。華々しい成功を収めている実業家レオナルド・ウェストだ。勝手に上がりこんでいる息子を迎えに来たという。烏の羽のように真っ黒な髪と彫りの深い顔のレオナルドにはクールで荒々しい雰囲気があり、なんとも魅力的だ。ヘザーの全身に震えが走ったが、すぐに反感でかき消された。彼は敵意をむき出しにして、批判的な言葉をヘザーに投げつけてきたのだ。
  • 大企業で働くアンドレアは、ある日突然の呼び出しを受けた。若くしてこの企業帝国を率いる伝説的人物、ガブリエル・クルスに。そして、彼と初対面を果たしたとたんに気を失いかけた。五年前、恋に落ちたスペイン人ルシオに瓜二つだったのだ。でも、名前が違う。それに当時、彼は貧しい放浪生活を送っていた。ただ、もしも彼がルシオ本人なら、こうしてはいられない。私には彼に隠しておくべき重大な秘密があるのだから……。ところが、そんなアンドレアの混乱と不安をよそに、ガブリエルは不敵な笑みを浮かべて言った。「驚いたな、僕を見てだれだかわからないとは」 圧倒的なパワーで周囲を翻弄するスペイン人大富豪が魅力的!C・ウィリアムズのラテンヒーローがお好きなら、『イタリア式縁結び』もお楽しみに。
  • 秘書のローズはこの四年間ボスへの想いを必死に隠し続けてきた。ボスのガブリエルが、つき合う女性を次々に替えようとも、有能な秘書らしく平然と彼女たちに贈る花や宝石を手配したものだ。でも、そんな苦しい日々も今日でおしまい。三カ月の休暇で人生を考え直したローズは今、退職願を握りしめ、ボスのデスクの前に立っていた。どういうわけかガブリエルは熱いまなざしで私を眺めまわしている。スカートが短すぎたかしら?ローズは落ち着かなくなった。そして、とどめが退職願に目を通したあとの彼の言葉だった。「だめだ。僕には君が必要なんだ。君が欲しいんだよ……」
  • アイルランドの小さな村で生まれたベサニーは、自立を夢見ながらロンドンの学校に通っていた。今年の夏休み、ベサニーはローマにいる友人から、高級アパートメントの留守番役を頼まれた。持ち主の女性は豪華な船旅に出かけているという。ローマに無料で滞在できるうえ、手間賃までもらえるとあって、ベサニーは喜んでその役目を引き受けた。目を奪うほどハンサムなイタリア人男性――クリスティアーノ・デ・アンジェリスと奔放な情熱の時を過ごし、彼の子供を身ごもることになるとは思いもせずに。
  • 自ら営む花屋のオフィスにいたクリスティーナは、不意に聞こえてきた話し声にどきっとした。昨日、ちょっとした窮地を救ってくれた男性に違いない。途方もなくセクシーな彼にクリスティーナは心を奪われた。彼はラファエルと名乗り、大企業の経営者だとわかったが、再会を約す言葉もなく、行ってしまったのだった。「僕がいないほうが君は幸せだろう……」どうやら花束に添えるカードを店員に書かせているらしい。花を贈って一方的に恋人との関係を絶つ魂胆ね。非情な男!クリスティーナは怒りに駆られ、彼の前に進み出た。
  • ヘザーは、昼は補助教員、夜は海運会社で派遣社員として働いていた。ある晩、仕事先で空腹のあまり倒れてしまったところを、ずっと憧れていた社長のテオ・ミケルに助けおこされる。思わぬ幸運を噛みしめていたのもつかの間、彼のお節介のせいで派遣の仕事を首になってしまう。数週間後、責任を感じていたテオが、住みこみで家政婦の仕事をしないかと持ちかけてきた。ヘザーは大喜びで引き受けたが、息子の結婚を望むテオの母に恋人だと勘違いされたことから、彼と同じ寝室を使うはめに……。
  • この1年、イギリス出身のフランチェスカは実業家アンジェロ・ファルコーネの愛人を務めてきた。金と地位があるうえにハンサムな彼は結婚相手として垂涎の的だが、フランチェスカは束の間の逢瀬を重ねるだけで満たされていた。しかし、突然アンジェロから一緒に暮らそうと言われ、フランチェスカは激しく動揺した。彼女には、アンジェロを愛しているからこそ、二人の関係をこれ以上深められない理由があったのだ。だからフランチェスカはアンジェロの前から姿を消した。3年後、信じられない形で彼と再会することになるとは思わずに。
  • ロンドンで教師をしているメガンは、学校のパーティに現れた男性を見て驚愕した。教え子の母親の婚約者として紹介されたアレッサンドロは、七年前にメガンを捨てた、かつての恋人だった。ヘッドハンティングされた彼は、“きみとぼくとでは住む世界が違う”と言って、すがる彼女を振り切り、新しい人生を歩み出したのだ。アレッサンドロは今や経済界の寵児となり、彼女を見ても素知らぬふりを装った。だが、動転して家路を急ぐメガンの前に再び彼が現れた。
  • ソフィーは亡き父の借金の整理を迫られ、住まいのコテージをやむなく貸し別荘にすることに決めた。ほどなくついた借り手は、ギリシア人作家のテオ。およそ作家らしくない精悍でセクシーな男性だった。恋愛経験の乏しいソフィーは妙に心が波立つ。一方テオも、うぶなソフィーに興味を覚えていた。コテージに滞在する二カ月間だけ楽しむのも悪くない。幸い、秘書が気をきかせて肩書きを偽ってくれた。おかげで、財界では有名な実業家だと知られずにすむ――テオにとって、あとくされのない情事の条件は完璧に揃っていた。
  • インテリアデザイナーのジュードは、気弱な友人フレディに頼まれた。ジャズクラブの開店資金に彼名義の信託財産がぜひとも必要なので、財産を管理している兄のセザールを懐柔する手伝いをしてほしいと。弟を訪ねてきたスペイン人大富豪のセザールを見て、ジュードはフレディが兄を恐れるわけがわかったと思った。セザールには、近寄りがたく、人を凍りつかせる雰囲気がある。顔立ちは端整で魅力的だけれど、とても傲慢な人……。話し合いを終えて外に出ると、あたり一帯は雪に埋もれていた。ジュードはセザールの車で家まで送ってもらうことになるが、あとひと息というところで、車は突然動かなくなった。
  • ローズは平凡な容姿がコンプレックスの種だった。一方、モデルをしている義妹はすばらしい美貌の持ち主だ。ある晩、義妹がパーティで意気投合した男性を連れてきた。ニック・パパエリオウ──だれもが知るハンサムな億万長者。あいにく、堅物で世間にうといローズはそれを知らず、下心むき出しの三流俳優だと決めつけて彼を追い返す。驚いたのはニックだった。こんな扱いを受けたことは一度もない。なんとしても彼女に思い知らせてやる。その機会は思ったより早くにやってきた。ローズが経済的に逼迫し、住む場所にも困る状態に陥ったのだ。
  • シャーロットはトスカーナのワイナリーで働いていたとき、リカルドと知り合い、初めての恋に落ちた。すべてを捧げ、二人の甘い将来を夢見ていた。リカルドの実家を訪ねて、彼が名家の御曹子であり、一夏の情事を楽しんでいただけだと知るまでは。あのときのリカルドの冷たさを思い出すと今でも胸がうずく。それから八年。不動産会社で働くシャーロットは、物件を見たいという客に会いに行く。「これは驚いた」待っていたのは、忘れもしないリカルドだった!平然とした彼の声を聞き、シャーロットは気を失った。
  • エイミーは率直さが取り柄の社員食堂の料理係だ。社長宅で開かれた慰労パーティに招かれた彼女は、庭を散歩していて迷ってしまい、庭師とでくわした。およそ庭師らしからぬ傲慢な男で、客であるエイミーにひどく無愛想にふるまう。エイミーは腹を立てながらも、彼に妙に強い印象を受けた。一方、君の会社の会長だと言えずについ庭師だと偽ってしまったラファエルは新鮮な驚きを覚えていた。彼女はふだん財産目当てに寄ってくる女たちとは大違いだ。このまま庭師を装って、短い恋を楽しむのもいいかもしれない。
  • 勤め先のレストランを経営するミハエルの婚約者として、アビーは彼の家族がいるギリシアの島にやってきた。ミハエルが初めて女性を連れてきたことを喜び、家族はみなアビーを歓迎した。ただひとり、彼の兄で海運王国を支配するテオを除いて。「ずいぶんすばやい婚約だな」テオはアビーにささやき、あからさまに疑いの視線を向けてくる。でも、この婚約の事情を明かすことはできない。威圧的なテオの追及はますます厳しくなっていったが、アビーはだまって耐えるしかなかった。
  • イザベルは絶望的な思いで鏡の前に立っていた。目の前にウエディング・ドレス姿の自分がいる。数時間後には、幼なじみジェレミーの妻になるのだ。大学を中退して医学の道をあきらめての結婚だった。両親はもちろん親しい友人たちは皆、イザベルの決心をいぶかった。なかでも虚をつかれ傷ついたのはロレンツォだ。豹のような魅力をもつ、ハイスクールの時からの恋人。彼はイザベルの心変わりが信じられず、ジェレミーを愛しているという彼女の言葉をいまだに疑っている。その疑いは的を射ていた。本当はジェレミーを愛してなどいない。彼と結婚する理由は永遠に胸に秘めて、新しい一歩を踏み出すのだ。
  • ソフィーは憂鬱だった。ラファエル・ローロに二週間も同行取材をしなければならないとは。出版社で働く彼女は、実業界の大物の特集記事を担当することになった。その話を聞きつけた母の親友が、息子に取材を受けるよう命じたのだ。ラファエルはソフィーが少女のころからの憧れだった。でも野暮ったい彼女に見つめられたら物笑いの種になると言われ、繊細な乙女心は粉々に砕け散った。それ以来、彼には近寄らないようにしてきたのに。久しぶりに再会したラファエルの態度は相変わらず冷ややかだった。「きみには来てほしくなかった。だがほかに選択肢はないんでね」
  • ★かかわりを避けてきたハンサムな男性と、一つ屋根の下で暮らすことになるなんて。★引退した大学教授ジョゼフの秘書として、ケイティは住みこみで彼の回想録を書く手伝いをしていた。だが、ジョゼフが心臓発作で入院することになり、彼の身を案じた名付け子のブルーノが屋敷に乗りこんでくる。権力と富と知性ばかりか容姿にも恵まれた青年実業家――ブルーノの存在は、これまでもケイティを萎縮させてきた。しかし数日がたつうちに、ケイティは彼のペースにも慣れ、意外にも彼との生活を楽しむようになっていた。そんなある日、ブルーノの恋人のイザベルが屋敷を訪れる。名付け親を安心させるため、ブルーノは彼女との結婚を考えているらしい。優雅であか抜けたイザベルを見て、ケイティはただ引け目を感じた。
  • 活気にあふれるロンドンの金融街。洗練されたスーツにハイヒール姿で働く女性たちの中でロングスカートにだぶだぶのカーディガンを着たアガサは一人、場違いなオフィスの片隅で慣れないパソコンと格闘していた。以前勤めていた園芸用品店を解雇されたあと、若き実業家のルークが経営する金融会社に就職したもののガーデニングの知識しかない彼女は事務の仕事になじめない。金曜の夜、ルークに残業を命じられたアガサは大事なデートがあるから、と急いで家に帰ろうとした。デートだって? 相手は? ルークは初めてアガサに興味を持った。
  • 小学校教師のリジーは心はずませスコットランドに帰郷した。姉に好きな人ができ、ぜひ会ってほしいというのだ。途中、車が故障して立ち往生していたルイスという男性に出会う。困り果てているようすを見て、目的地まで送ると申し出ると、彼はいかにも“気取り屋”といった高慢な態度で応じてきた。リジーは憎らしく思う一方、彼の完璧なまでの美しさに惹かれてしまう。だが、道すがら言葉を交わすうちに、ルイスの正体を知って驚いた。彼は姉の恋人の親友で、どうやらふたりの仲を壊しにきたらしい。「僕の親友は資産家でお人好しだから金目当ての一家にだまされている」その“一家”の次女が相手とも知らず、ルイスは中傷をくりひろげた。彼の偏見に満ちた発言を聞いて、リジーは怒りのあまり……。■英国を代表する小説家、オースティンとブロンテ姉妹の傑作を題材に、4人のハーレクイン作家が現代ロマンスを描く“古典モチーフ”企画第2弾! オースティンの『高慢と偏見』を下敷きに、人気急上昇中のC・ウィリアムズが描く男女の心の力学をご堪能ください。

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