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『文芸・小説、グーテンベルク21、大久保康雄』の電子書籍一覧

1 ~7件目/全7件

  • 砂嵐の猛威と旱魃、大資本の進出に父祖の土地を追われたオクラホマの小作農ジョード一家は、一片の宣伝ビラの文句に誘われて「緑なす、たわわに果実の実る、職のある」カリフォルニアを目指して長い旅路につく。売れるだけの家財を売り払い、二頭の仔豚を屠って塩漬けとし、中古おんぼろ車を急造トラックに仕立て、一族12人に元説教師をくわえた一行13人は国道66号線をひたすら走る。だが、国道は同じように西へ移住しようとするトラックでいっぱいだった。災厄がつぎつぎと降りかかる。次男トムとおっかあは知恵をしぼり、気力をふりしぼって一家の苦難を支える……カリフォルニアは確かに「緑したたる」場所であった。だが、そこは夢にみた楽園ではなかった。俗語や卑語を駆使し、全体状況をさしはさむテンポのよい構成で、力強くうたいあげた社会小説、家族小説。ピューリッツァー賞を受けた、スタインベックの代表作のこの作品は、20世紀アメリカ文学の金字塔である。
  • 探偵劇「鼠と海狸(ビーヴァ)」のクライマックスでは、ガードナーとライヴァルの俳優サーボネイジアが激しく言い争う。ガードナーは台本どおりにアーサーに拳銃を付きつけて発射した。だが、弾が込められていないはずの拳銃からは実弾が発射され、アーサーは即死した…新聞記者のナイゼルとアレン警部はガードナーから招待され、目の前でその事件を見たのだった。「マーシュ女史の作品はどの一場面を取り出しても脚色する必要もなくすぐにそのまま舞台で上演し、映画化することができる」これは有名な評論家ヘイクラフトの言葉だが、演劇通マーシュ女史ならではの機智に富んだ会話でスピーディに展開されていく本格推理長編。マーシュはクリスティ、セイヤーズ、アリンガムと並ぶ黄金期の四大女流作家のひとりである。
  • 倒叙ミステリーの代表的傑作。クロイドン発12時30分の旅客機の乗客アンドルー老人は、パリに到着したとき死んでいた。甥(おい)のチャールズが計画した完全犯罪だった。作者クロフツは犯人の目を通して、犯行の計画と遂行の過程を緻密に再現する。細緻な心理描写には、完全犯罪を妄信する浅はかさ、絶望的なまでの喪失感、次第に変化していく自己弁護が混じり、読者は思わず犯人の心の動きに一体化しているのを感じさせられる。
  • アメリカ南部の大農園主の父と、フランス貴族の血をひく母のあいだに生まれたスカーレット・オハラは16歳、魅惑的な顔だちで、青年たちの心をとらえていたが、火のように激しい気性の持主でもあった。彼女が秘かに思いを寄せていたのは、うぶでけがれを知らぬ青年アシュレだった。その彼が従妹のメラニーと婚約したと知って驚くが、自分が打ち明けさえすればと、たかをくくっていた。野外パーティの日、彼女はアシュレを図書室につれこんで愛を打ち明ける。だが、アシュレは彼女をうけ入れようとはしなかった。スカーレットは彼を罵倒し、半狂乱になって彼の頬をなぐる。ところがこの一幕をレット・バトラーという男に見られてしまう。誇りを傷つけられた彼女はアシュレヘの面当てと復讐じみた気持ちから、彼の妹の恋人でありメラニーの兄であるチャールズと結婚してしまう。折から南北戦争が勃発、スカーレットの怒涛の人生が幕をあける……。刊行と同時にベストセラーとなり、今もなお熱烈に読みつがれる壮大な愛のドラマ。
  • シリーズ2冊
    440(税込)

    1939年、パリ滞在中にミラーが発表したこの作品は、「北回帰線」とならんでミラーの母国アメリカでは30年間も発売禁止となったタブーの書。だが、裁判で決着がつくや、たちまちセンセーショナルな話題を呼んでベストセラーとなった。ニューヨークの電報配達会社に務める主人公の破天荒な性的遍歴と形而上学的な思索を通じて「不毛の現代文明」をあざやかに描き出した記念碑的作品。
  • シリーズ3冊
    770(税込)

    清朝末期から中華民国成立までの動乱の時代を背景に、貧農出の王一家の父子三代にわたる変遷をたどる家族物語。1931年、「大地」は出版と同時にベストセラーとなりピューリッツァー賞を受賞、各国語に訳された。貧しい農夫、王龍(ワンルン)と阿藍(オーラン)一家の暮らしにようやく明るさが訪れようとしたとき、飢饉が襲う。二人はやむなく町へ出、それぞれ車夫と乞食になって糊口をしのぐ。そのうちに二人は、折からの暴動の勃発によって思いがけぬ大金を手にする。一家は再び故郷に帰り、没落した地主から土地を買い入れる。さいわい引き続く豊作にめぐまれて王龍は大地主にまでなるが、余裕ができると女遊びに走り、ついには妾を家に入れる。阿藍はただ黙々と働きつづける。子供たちは大きくなり、一家の暮らしはしだいに変容し、やがて二人にも死が。
  • 物語の前半で真犯人を明かして、犯罪の過程を述べ、後半で完全犯罪のしくみをあばいていく――この「倒叙推理小説」と呼ばれる形式を初めて試みたフリーマンの代表的中編を集めた傑作ミステリー。当時のイギリス推理小説界の二大花形であったドイルとフリーマン。ドイル描く《ホームズとワトスン博士》に対する《法医学者ソーンダイクとジャーヴィス医師》の活躍は、その緻密な推理と科学的立証で、今日のミステリーの先駆的な存在として、新分野を開拓した。

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