『文芸・小説、ミステリー・推理・サスペンス、夏樹静子』の電子書籍一覧
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一瞬のうちに立場が逆転し、意外な結末へ。ショートサスペンスの妙を横溢させた珠玉の10編――そこは、男の仕事場であった。「こんなときに」とあらがう女を、男は「こんなときだからこそ君が欲しい」とばかり押し倒す。情事の直後、ドアのノブがまわる音がし……。男女は動転した。予定の来訪者にしては、早すぎる、それとも、予期せざる事態が起きたのか……。推理の名手が腕をふるった、ショート・サスペンスの傑作10篇。
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敏腕女性弁護士が見た、男と女の悲哀――血塗れ死体で資産家の画家が発見された。疑惑は、画家と男女の仲だった家政婦に……。老人の死の謎に迫る表題作のほか、叔父の死後、一人の女性に債務の山が降ってきた「財産放棄の謎」、恋人と分けた青酸カリが意外な事件を引き起こす「十五年の真実」など、弁護士・朝吹里矢子が解き明かす傑作推理短編集。
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殺人者を裁けぬ法とは何かを問う。心優しい少女が無残に殺され、壮大な復讐の装置は動き出した! 社会派推理の傑作長編――バイオリニストをめざしていた無垢な少女が、拉致され、暴行を受けて惨殺された。親たちを襲う激しい悲傷と、私的制裁への衝動。慟哭の中で崩壊する家庭。逮捕された冷酷な犯人はしかし……。相応の刑罰を免れた殺人者は、許されてよいのか? 社会派推理小説の第一人者が、法と人間に鋭く迫る、衝撃の長編。
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新幹線に乗り遅れたと、東京駅から新潟までタクシーを飛ばした女は、好物のはずの夕食の蕎麦をなぜ残したのか?──「乗り遅れた女」。深夜タバコを買いに出、交通事故に遭った男の妻とその犯人は、なぜ監察医に会いに行ったのか?──「三分のドラマ」。もしかしたら犯人は私だったかもしれない……。身近で緻密なミステリー6編。快いミスリードをお楽しみください。
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高知県の鉱山で起こった爆発事故で家族を亡くした北村恵は、東京・赤坂にある高級サウナで働くことになった。そこで知り合った巨額の資産をもつ相庭宇吉郎に気に入られ、養女にという話が浮上したのだ!その本当の狙いは何か…?〈シンデレラの夢〉の背後にうごめく黒い影。得体の知れない恐怖をスリリングに描いた会心の長編サスペンス!
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ゴルフ場経営者が殺された。出入りの造園会社社長・大北耕介が容疑者として浮上するが、失踪。やがて留守宅に、死後切断したと思われる大北の小指が届けられたのだ!?二転三転の展開と鮮やかなトリックで魅了し、日本推理史に輝く名作。
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ゴルフ場で倒れ、そのまま植物状態となった会社社長の病室に何者かが忍び込み殺害を図るが、発見されて逃亡。警察の執拗な捜査にもかかわらず、“死なれては困る”者はいても、“死んでもらいたい”者は皆無なのだ!意表をつく結末の傑作集。
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雑誌業界の競争の陰でうごめく、男女の野望と愛。捨てられた女の決心とは? ――女性雑誌で活躍中のスタイリスト・北山麻生が失踪? 彼女は、恋人のカメラマンと沖縄へ撮影に行ったはずだった。ところが、妹・リツ子が調べると、姉は初めから撮影に参加していないし、恋人ともうまく行っていなかった。そして、事態は意外な展開を見せ……。雑誌業界の激烈な競争と愛の表裏をからませたサスペンス秀作。
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エリ-ト商社員の死が招く戦慄の長編ミステリー――エリート商社員の明月達夫が、赴任先のサンディエゴで刺殺され、国境を挟んだメキシコの町でも、商社に関係していた若い女が死体で発見された。東京から飛んだ妻・奈緒子は、西海岸の美しい街に夫の足どりを探し歩くが……。海外駐在員の焦躁と激しい愛憎の渦に巻きこまれた、哀切の恋心を描く傑作推理長編。
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離婚した男女の、愛と憎しみの果てを描く長編――離婚した青山は、8歳の息子・昇との不安定な生活で、女手に窮していたが、手伝いに来た愛人・加代子は、不審な死を遂げた。父親に去られた昇の同級生・ミドリも、淋しい二つの家庭を結びつけようと、幼い知恵を働かせていたが……。結婚と離婚をめぐる様々な問題を考えて、愛と勇気に溢れた結末に導く、傑作長編。
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宝石会社の社長・龍門寺は、中国大陸からの引揚者である。佐賀の唐津に住む中谷遼子は、母親から、本当の父が龍門寺だと聞かされ、龍門寺をさがして上京する。その頃、宝石会社では、合成宝石への進出をめぐって、内紛の火が噴こうとしていた。そして殺人が……。雄大な構図と鮮やかな展開で描かれる、本格推理長編。
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冷酷な現実に立ち向う、必死な愛の犯罪――石巻市で中年の男が殺され、若い塾教師が逮捕されたが、その男は起訴後自供を翻し、被害者の妻が殺される第2の殺人事件が発生した。被疑者に関わる地元代議士の妻の動き、やり手刑事のある秘密、そして恐るべき証拠品が……。人間の愛と罪を抉る表題作のほか、孤独な愛の激しさを描く、傑作推理小説集。
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29歳の桐子は、求婚してきた吉森と萩の温泉に来ていた。だがその夜、桐子は宿を抜け出し別の温泉宿へと向かう。そこで待っていたのは過去5年間、秘密の関係を続けてきた妻帯者の湖島だった。桐子の胸に秘められた、ある決意とは……。(表題作) 秘密の愛に彷徨う女たちが最後にとった驚愕の行動――ミステリー界に大きな足跡を残した著者の魅力溢れる傑作短編集。
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晩秋のパリ郊外。時ならぬ嵐で雷鳴が轟き、バルビゾン村の古びた小さなホテルが停電となった。冥暗の中で、偶然出会った日本人の男女が過ごした夢のような時間。そして、誰にも明かすことのできない黙契が因で起きる動機なき連続殺人事件が福岡につづき、箱根で。容疑者には完璧なアリバイが……。美しくも哀しい愛の行方。フランス犯罪小説大賞受賞作!
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最愛の娘が行方不明の末、惨殺死体で発見された!母親の朔子は、携帯メールから娘の孤独を知り、愕然とする。そこで彼女は、娘の携帯に残された「メル友に会いに行く」という言葉から、ある男に辿り着くが……。思いもかけぬ、第2の事件が起きる。わが子を思う究極の愛とは!?――著者が綿密な取材と法廷小説の手法を駆使して、読者を驚愕の真相へと導く推理巨編。
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名古屋の建設会社社長・時津逸人は、すい臓ガンの疑いを告げられたとき、これまでの人生を振り返り、若き日の苦い恋の記憶が蘇った。出世のために捨ててしまったかつての恋人に会って償いたい……。女との意外な再会。彼女は時津の記憶をすべて失って、一人で生きていたのだ。二十年の時を経て始まった二人の二重生活。そして、男の人生が裁かれていく……。傑作長篇サスペンス。
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バツイチのOL・山口美幸は39回目の誕生日を迎えるその日、たった一人で孤独をかみしめながら過ごしていた。次の日、彼女は後頭部を鈍器で殴打されて、自分の部屋で死亡していた。部屋には色彩豊かな花瓶に5本の紅いバラと3本のクリーム色のバラが挿されていた。いったい誰が彼女を殺したのか。お多福顔でおっとり口調の検事、霞夕子が鋭く解決する「夜更けの祝電」をはじめ、「橋の下の凶器」「早朝の手紙」「知らなかった」の4篇を収録する人気シリーズ。
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成田発ニューヨーク行の旅客機が、飛行中に突然炎上した。二カ月後、次々と殺人事件が起こる。日光・中禅寺湖、ニューヨーク、そして第三の事件…。一見無関係に見える事件に共通点が浮かびあがる時!? 表題作ほか四篇を収録した傑作推理集。
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君と、死にたいな―大学生の立夏子は、不倫相手の朝永にそう言われ、思わずうなずいた。伊豆の山奥で二人は睡眠薬を飲み、永遠の眠りにつくはずだった。だが立夏子が目を覚ました時、隣にはナイフを突き立てられた朝永の姿が! 長篇推理。
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湘南・葉山マリーナから沖縄を目指す豪華クルーザーのインディアナ0号が出港した。船のオーナーから招待を受けたのは、会社役員秘書、エッセイスト、医者、弁護士、プロゴルファーの五人。オーナーは御前崎から乗船するという……。翌朝、一人の死体が発見され、彼の干支である猿の置物が消えていたのだ! 騙される快感に酔える傑作長篇。
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大手建設会社部長・曽根寛の足どりは、帰宅途中の東京駅で見かけられたのを最後に、消えた。無断外泊などしたこともない曽根の行方を、妻と部下は必死に捜すが、やがて駅の霊安室で、死体となって発見された。続いて構内のステーションホテルの非常階段に、若い女性の死体が……。二人の死に共通点はあるか? 犯人は東京駅に詳しい人物なのか? 連続殺人の裏に潜む意外な背景。
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子供をベビーホテルに預け、デリカテッセンで夕食の献立をそろえ、ジャズダンス、小説教室へと通う。そんな新しいライフ・スタイルを楽しむ34歳の主婦が殺された。捜査が進むにつれて、主婦たちの秘められた想いが明らかにされて行く……。欲望渦巻く都会の片隅で、翔ぼうとしても翔べない女たちの怨嗟が、陽炎のように燃え上がる。日常に潜む狂気を描き出す、異色のミステリー。
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ホステス殺人事件の容疑者として浮かんだのは、捜査を担当する刑事の元同級生。男らしい堂々とした人生を歩む彼に対し嫉妬を抱く刑事は、アリバイを崩すために執念を燃やす……表題作「アリバイの彼方に」、自分を捨てた男と偶然再会した女が甘い言葉で殺人事件のアリバイ作りの協力を求められる「滑走路灯」、子宮外妊娠で死んだ亡き親友の姪が実は殺されたのではないかと疑った男の推理「彼女の死を待つ」など、事件と関わってしまった人々の揺れ動く心を描いたミステリー短篇集。
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箱根のロープウェイで美貌の未亡人が殺害された。目撃者の証言と殺された当時の状況がときあかされるにつれ、捜査線上にうかびあがった容疑者は、なんと愛する夫だった──アリバイなき夫の無実を晴らそうとする人妻の執念とその隠された過去。空中のロープウェイで展開される戦慄のラストシーンが圧巻の表題作など、現代社会で一見平凡に安住するかに見える女性たちが、人知れずほのかに抱く野心と愛との葛藤を描いた女性心理サスペンスの傑作五篇。
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染織工芸界の巨匠が破門中の弟子の恨みを買い、メッタ突きにされて殺された! しかし事件はいっこうに報じられない──そして弟子は生きている巨匠を目撃する。一方、ボーイフレンドを交通事故で亡くした娘は、彼の死体に奇妙な違和感を感じる。癌に苦しむ病床のホテル会社社長、脳死状態に陥った初老の男、見ず知らずの4人の運命が交錯するとき……医学の未知の世界に挑み、時代を先取りして従来の推理小説の枠を大胆に打ち破った、衝撃的な医学長篇ミステリー。
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坪坂教授夫妻が行方不明に。その後坪坂の首吊り死体が発見されるが、夫人は…。死体移動の謎と愛憎の揺れを描く巨編。
「クローズの晩に泊まると誰かが行方不明になる」という奇怪な噂が伝わるホテル精進湖。赤司行彦の恩師・坪坂教授と夫人が、その日に宿泊し、行方不明になった。行彦は、婚約者の畑野テオリとともに、閉鎖中のホテルへ忍び込むが収穫はない。その後、坪坂の首吊り死体が山中で発見されるが、夫人は……? 死体移動の謎と愛憎の揺れ動きを描く、恐怖サスペンス巨編!(『人をよぶホテル』改題) -
平穏な日々に戦慄の罠が! 夫の不審な行動に続いて、隣りに一人の男が越してきて……。
もうすぐ結婚十年目を迎える芦田和賢と千巻。閑静な一戸建てに住み、和賢はコンピュータのシステム・エンジニアで在宅勤務。子供のいない千巻は、テニスのコーチをしながら、優雅な夫婦生活を送っていた。だが、平穏な日々に戦慄の罠が! 夫の不審な行動に続いて、隣りに一人の男が越してきて……。名作『Wの悲劇』『Mの悲劇』に続く傑作サスペンス長編! -
重症心臓疾患児の母親が自殺? 死因を探る女性記者が辿り着いた真相とは!?
台風が九州を縦断した夜、ホテル玄海で宿泊客の男が絞殺された! その後、ホテルの経営者も青酸カリの入った牛乳を飲み、不審な死を遂げる。さらに、容疑者として浮かんだ重症心臓疾患児ゆみ子の母・神崎志保の凄惨な死。ゆみ子をいとおしむ婦人誌の記者・砂見亜紀子は、志保の死因を探り、真相に迫る。限りない愛と献身をテーマに描いた、感動の長編サスペンス。 -
さまざまな男女の愛のありようを鋭く描く、本格推理傑作集!
野末総子はバンクーバーへの独り旅の折り、ホテルで素敵なカップルを見かけた。その男に東京で再会したが、何故か男は迷惑そうに足早に立ち去った。その夜遅く、麻布署の警部補が総子を訪問。まさにその男と出会った時間に、バンクーバーでの連れの女性がガス中毒死したことを知った。(表題作)さまざまな男女の愛のありようを鋭く描く、本格推理傑作集! -
朝吹里矢子は藪原法律事務所のイソベンとして5年、いよいよ独立して自分の事務所を構えた。
朝吹里矢子は藪原法律事務所のイソベンとして5年、いよいよ独立して自分の事務所を構えた。最初の依頼人(クライアント)は、高校時代の同級生・藤巻朗だった。彼はゴルフの賭け金をとりたててくれと彼女に頼むが、法的には無理。数日後、相手の男が殺され、彼に嫌疑が……。女性弁護士の推理の冴えを鋭く描いた珠玉のミステリー会心作! -
名作『Wの悲劇』に続く殺意と愛憎(サスペンス・ミステリー)の傑作!
北海道・釧路よりさらに東の厚岸町。東京からこちらへ移って七回目の海霧(ガス)の季節をむかえた真淵早奈美は、この海霧を見るたびに、夫・洋造との平穏な生活の崩壊を懼れとともに期待していた。そんなある日、突然一人の青年が夫のもとに弟子入りし、彼女の予感は現実のものとなった。名作『Wの悲劇』に続く殺意と愛憎(サスペンス・ミステリー)の傑作! -
死刑か無期か。裁判員制度が開始され、もう誰もが人ごとではすまされない量刑の判断。人命の重さを世に問う衝撃作!
アートフラワーに隠された濃紺の風呂敷包みを届ける途中、上村岬(うえむらみさき)は母娘を車ではねた。「たとえどんな事態になっても、必ず俺が助けてやる」愛人・守藤秀人(もりふじひでと)の言葉で岬のためらいは消えた。殺人と死体遺棄容疑、自首目前の逮捕、示談の決裂、死因鑑定の揺れ。法壇と傍聴席の背後には不穏なさざ波が。量刑に厳しいと評判の神谷(かみや)裁判長は審理の帰趨(きすう)をどう判断するのか。 -
男女の愛を、叙情豊かに描いた〈日本推理作家協会賞〉に輝く名著!
満席で飛び立ったジェット機内から、一人の女が消えた!? 新聞記者の冬木悟郎は、人妻・朝岡美那子失踪の謎を追って、彼女の郷里・福岡へ。そこで彼は、美那子をかつて愛していた男の失跡、そして殺人事件に出遭う。愛しい女に対して深まりゆく疑惑。蒸発の真相は……。男女の愛を叙情豊かに活写したミステリーの名著。〈日本推理作家協会賞〉受賞作! -
結婚十三年目。珠子の許に夫の秘書・薫が訪れ、夫の子を身籠り、産みたいと告げる――。男女の愛と裏切りを描く力作。
結婚13年目。平穏な日々をおくる野々村珠子のもとに、突然、夫・康平の秘書の薫が訪れた。康平の子を身籠もり、産みたいと告げる。半年後、皮肉にも珠子自身も妊娠していることを知る。同時に2人の後継者を得て驚喜する夫。だが、5年余りの奇妙な共存生活の中で、夫はある疑惑を抱く。戦慄を覚える珠子が守り抜いた愛とは……。 -
新雪に包まれた山中湖畔。正月を過ごす一族団欒の場で、悲劇の幕は開いた!
新雪に包まれた山中湖畔。日本有数の製薬会社・和辻薬品会長の別荘で、突然、悲劇の幕は開いた! 和辻家のだれからも愛されている女子大生の摩子が、大伯父に当たる当主の与兵衛を刺殺したのだ。一族は外部からの犯行に見せかけるため、摩子の家庭教師・一条春生に協力を要請し、偽装工作を……。名作『Yの悲劇』に挑戦する、著者会心の本格長編推理傑作! -
牛乳配達の少年が谷川に落ちそうなところを、青年に助けられた。近くで見ていた桂木朝子は密会からの朝帰りだった。
牛乳配達の少年が谷川に落ちそうなところを、青年に助けられた。それを近くで見ていた人妻の桂木朝子は、密会からの朝帰りだった。彼女は翌日の新聞で、そのときの青年が殺人犯人らしいと思いあたる。だが、自分は出頭するわけにはいかない。一方、犯人は口ふさぎのためか少年を襲った!? 表題作をはじめ、抒情性と謎が見事に融合した傑作集! -
崖から転落しかけた少年を救った男は、殺人犯か!?
東京・杉並区の善福寺公園で、崖から落ちそうな少年を助けた中年の男は、その朝発生した金融業者殺しの犯人なのか? 夫の出張中、愛する男と密会の帰途、偶然二人を目撃した桂木麻子は、その後、少年の身が狙われていることを知るが、名乗り出ることもできない。思い余った末、匿名の投書を警察に送ったことから、麻子は新たな殺人事件の罠に……。 -
ふとした行きちがいで出会い、身をまかせてしまった男には、渓子が理想の男性像として描く、亡兄の面影があった。
九州テレビ放送でディレクターを勤める杉原渓子、二十九歳。そろそろ婚期を過ぎようとする彼女は、ふとした行きちがいで出会った男に、身をまかせてしまう。男には、渓子が理想の男性像として描く、亡兄の面影があった。それきり消息を絶った男に、想いをつのらせる渓子は、ゆくえを捜しはじめるが……。旅情豊かな九州を舞台に、ひとりの女性が抱く幻影を活写。 -
表題作ほか、乗りものを舞台に描いた、異色の交通ミステリー傑作集!
東京発福岡行きの太平洋航空77便が、空中爆破された! 乗客の手荷物に時限爆弾が仕掛けられていたらしい。一方、爆死した乗客51名の中に、わずか人口5万のT住民が4人も含まれ、搭乗を取り止めた者の中にも1人、T市住民がいた。だが、5人の間には何の繋がりも見いだせなかった……? ――表題作ほか、乗りものを舞台に描いた、異色の交通ミステリー傑作集! -
車のトランクから焼死体が発見された。自殺か他殺か?「焼きつくす」。女性刑事・遠山怜子の活躍を描く傑作集。
老朽化した自動車や家電製品を解体する場所で、車のトランクの中から焼死体が発見された! 他殺か? それとも焼身自殺? 死体は多量の灯油で、徹底的に焼かれていた(「焼きつくす」)。警視庁特殊犯捜査係の女性刑事・遠山怜子は、嘱託医・北坂満平の検屍による他殺説に賭けて捜査を開始、犯人に迫るが……。複雑な現代社会が生み出す難事件をテーマに描いた推理傑作。 -
女性検事・千鳥朱子が女子高生の乱れた実態に迫る!
名古屋地検の検事・千鳥朱子は、秘めた関係にある服飾MD・郷原の誘いを断れず、飛騨へ旅に出かけた。旅行後、名古屋市内で傷害致死事件が発生。朱子の前に現れた参考人は、旅先で知り合った女性・北沢昌代だった。事件を調べ進めると、背後に女子高生売春グループの存在が浮かび上がってきた。――初めて女性検事を主人公に配した「記念碑的作品」! -
突然、わが子が瓜二つの別人にすり替えられた! だれが、なんの目的で?
(この子は私の娘ではない!)ある夜、仕事から帰ってみると、二歳になる愛娘が瓜二つの別人に入れ替わっていた。いったい、だれが、なんの目的で? 思い悩む私に、夫の愛人だった女から電話が入る。暗い海辺に呼び出された私を待っていたのは、絞殺された夫の死体だった。警察は容疑者として私を……(表題作)。サスペンス要素が溢れる、著者渾身のミステリー傑作集 -
豪華フェリーの特等室を舞台に完全犯罪が行われた……。船、飛行機、SLをモチーフに旅情豊かに描く交通ミステリー。
東京から神戸へ――滑るように太平洋沿岸を航行する豪華フェリー。その特等室で惨事は起きた。会社社長で高知に莫大な資産をもつ萩塚喜一郎が、妻の秀代を締め出した密室で頚部を切って倒れていた。自殺とは断定されたが……!? 女流推理作家の第一人者による、表題作「密室航路」をはじめ、交通ミステリーを揃えた傑作集。 -
育児に疲れ、わが子を殺してしまった母親。凶行の真相は!?
八尋由花は、恵まれた境遇にありながら、育児疲れとストレスから、わが子を窒息死させてしまう。その後、雲仙の雪中を彷徨っているところを、女流陶芸家の乾陶子に救われる。妊娠中の陶子は行方不明の恋人を捜していた。やがて、由花の子殺し事件の公判が進行するなかで、意外な事実が明らかになる。二人の女性の生き方を通して、「子は誰のものか」を問う力作。 -
人が人を裁くとは? 「裁き」の根源に迫る、著者渾身の大作!
裁判員制度が開始され、もう誰もが人ごとではすまされない量刑の判断。殺人と死体遺棄容疑、自首目前の逮捕、示談の決裂、死因鑑定の揺れ。法壇と傍聴席の背後には不穏なさざ波が。量刑に厳しいと評判の神谷(かみや)裁判長は審理の帰趨(きすう)をどう判断するのか。情状の余地とは、人が人を裁くとは、量刑の客観性はどこにあるのか。「正義」とは、「法」とはなにか。一裁判官の職責と人間性を通して描く衝撃作! -
ロンドンでの運命的な恋と、発見される女性の死体――。華麗な愛のミステリー長編、今、開幕!
ロンドンに赴任した貿易会社常務・倉内優二は、取引きを始めた陶磁器メーカーの女性オーナー社長マリアンヌと運命的な出会いをした。優二は、青年時代から憧れていた『嵐が丘』のヒロイン、キャサリンを彼女に投影し、会う度ごとに思いを募らせていった。その頃、彼女の会社のマネージャーの死体が立木に囲まれた静かなホテルで発見された……。北イングランドの荒野に展開する華麗な愛のミステリー。 -
息子の受験、妻のアルバイト、夫の単身赴任。ごく普通の家庭に次第に亀裂が……。社会派推理長編!
大手スーパー〈マイウェイ〉の凍結庫で店長が凍死体になって発見された。東京四部長の逢坂常平は、早朝、警察からの電話で事件を報らされる。捜査は、自殺、他殺、事故死のいずれも決め手のないまま難航した。――逢坂の家庭では、妻千鶴を中心に、ひとり息子剛の東大合格だけを目標に生活を組みたてていた。少しでも入試に有利な条件を得るためのコネや情報、有能な家庭教師。だが、常平の九州への単身赴任、膨らむ教育費を補うための千鶴のアルバイト等により、家庭は大きな亀裂を生じていった……。家族全体を巻きこむ受験地獄と苛烈な流通戦争を描き、学歴社会を鋭く告発する社会派推理の力作長編。 -
複雑な女性の心理が絡み合い憎悪と怒りが深まっていく……。珠玉の傑作短編集!
祝福すべきひとり娘の小学校の入学式の日に起こった悲劇!久子は、一瞬にして最愛の夫と娘を、トラックによる“ひき逃げ”で失ってしまう。怒りと悲しみにふるえる彼女は「私の手で犯人を殺してやりたい」と、憎しみをつのらせていった。一方、絹織物メーカーの社長が自宅で青酸カリにより中毒死した。その妻絹枝は、夫の死んだ日、若い愛人と密会していた――。境遇の全くちがう二人の女性たちの遭遇した事件は、やがて一本の糸につながっていった……。表題作ほか、過去に秘密をもつ人妻がまきこまれた殺人事件の罠などを収めた傑作短編集。 -
陶芸家と不倫を続ける雅子に奇妙な手紙が届く。8編を収録した傑作ミステリー集!
平和で安定した結婚生活を営む人妻、雅子は、ふとしたことで出会った若き陶芸家、秋山と深く愛しあうようになった。不倫な関係がつづき、彼女の思いは激しくつのっていった。だが、ある日、まいこんだ一通の手紙から、雅子の心に黒い疑惑が広がっていった。手紙には「秋山と付き合うのはやめろ。……恐ろしい不幸が起きるぞ」と書かれていた。そして、いまにも雪の降り出しそうな寒い冬の日に、雅子はある決意を抱いて家を出た……。揺れ動く人妻の心理を描いた表題作を含め全8編を収録した、傑作ミステリー集。 -
満たされない日々を送る厚子の周囲に起こる殺人。多様な愛を描くミステリ集!
パーティの終わった夜、ただ一度、衝動的に夫の友人に身をまかせてしまった人妻、厚子。堅物の夫は疑いもしないように思えた。だが、その一年後、彼女の周囲につぎつぎと起きる殺人事件……。満たされぬ孤独な日々を送る厚子の心のなかに、夫への疑惑が次第に大きくふくれあがってきた――。揺れ動く女性の心理を、さまざまな愛のかたちで描いた傑作ミステリー集。 -
裏口入学、乱診乱療、医療の抱える悪循環――。日常のすぐそこに潜む闇を収めた短編集!
息子を私立医大に裏口入学させるために、数千万円もの多額の寄付金を支払う開業医。金の力で医者になった息子は、投資した金の回収に患者を薬づけにし、やたら注射を打っては保険点数を増やし荒稼ぎする。乱診乱療、そして脱税。その気になれば、開業医はいくらでも儲けることができる――。この暗い、悪循環。愛する人のために犯していく罪と、医大不正入学の実態を描いた表題作ほか、日常の営みのなかで誰もが遭遇しうる事件を収めたミステリー集。 -
パリ郊外で運命的に出会った二人の男女。長編ロマンミステリーの傑作!
雷鳴とどろく、晩秋のパリ郊外。フォンテーヌブローの森を見おろす深い闇のなかの古いホテルで、宿命的に出逢った日本人男女の決定的な恋の啓示。そして、交し合ったある黙契が、ロマンの香気あふれる、ドラマの幕開けだった――。第1の殺人事件は初冬の福岡、つづいて第2の殺人事件は、早春の箱根で起こる。だが、それぞれの事件の最有力容疑者には、完璧なアリバイを有していた……。人生のすべてを賭けた男と女の、美しくも哀しい愛がひき起こす、長編ロマンミステリーの傑作。 -
一大OAメーカーを築いた一族が次々と変死をとげる。“死後の完全犯罪”の謎とは!
世界初の小型電卓の開発で驚異的な成長をとげたOAメーカー〈ルコー〉は白藤三兄弟を中心とする同族によって経営されていたが、今日の繁栄をもたらした最大の功労者である天才的研究家・末弟の起人の不可解な死の後、次々と惨劇に襲われる。社長・隆太の自ら操縦する軽飛行機が墜落、死亡。その葬儀の席で、起人のかつての愛人で最近は隆太と親しかった常務の弥栄子が変死――。不吉な予感のなか、一族につながる女子大生・透子は起人の息子・秋人との出会いに運命的なものを感じ、急速に傾斜してゆく――。“死後の完全犯罪”の謎と悲劇的な愛が交錯する、会心のロマンティック・ミステリー。 -
超ロング&ベストセラーが、新装版でぐっと読みやすく! 秀逸なトリックと納得の心理描写が冴えわたる、珠玉の短編、全8話を収録。「あなたに似た子」「波の告発」「二人の夫をもつ女」「朝靄が死をつつむ」「ガラスの中の痴態」「朝は女の亡骸」「幻の罠」「夜明けまでの恐怖」。解説は、半世紀にわたる「戦友」の森村誠一氏。
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