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GWコイン大還元祭

『文芸・小説、彩流社、1円~』の電子書籍一覧

1 ~60件目/全84件

  • 5,390(税込)
    編著:
    田所清克
    編著:
    伊藤奈希砂
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    ブラジル発見500年、記念出版! 世界的名声を博するマシャード・デ・アシス、ジョルジュ・デ・アマードを始め、多彩な顔を持つブラジル文学の魅力を紹介する本邦初の書。500年にわたる文学事象を文化、社会、政治等の視座から通観。

    【目次】
    ブラジル文学への誘い──序にかえて──
    1.ブラジルの文学的風土
    2.ブラジル文学と社会・哲学思想
    3.ブラジル文学の時代区分をめぐって
    4.本書の構成

    第1章 ブラジル文学の起源(1500~1601)
    1.時代の概観
    2.1500年代のブラジル
    3.1500年代のブラジルを代表するイエズス会の作者
    4.植民地文学の概要

    第2章 バロック主義(1601~1768)
    1.時代の概観
    2.ブラジルのバロック主義
    3.ブラジル・バロック主義の作家
    4.バロック主義文学の概要

    第3章 アルカデイズム(1768~1836)
    1.時代の概観
    2.ブラジルのアルヵディズム
    3.ブラジル・アルカディズムの作家
    4.アルカディズム文学の概要

    第4章 ロマン主義(1836~1881)
    1.時代の概観
    2.ブラジル・ロマン主義
    3.ブラジル・ロマン主義作家
    4.ロマン主義文学の概要

    第5章 写実主義・自然主義・高踏主義(1881~1902)
    1.時代の概観
    2.ブラジルの写実主義・自然主義・高踏主義
    3.ブラジル写実主義・自然主義の作家
    4.写実主義・自然主義・高踏主義文学の概要

    第6章 象徴主義(1893~1902)
    1.時代の概観
    2.ブラジルの象徴主義
    3.ブラジルの象徴主義の作家
    4.象徴主義文学の概要

    第7章 前近代主義(1902~1922)
    1.時代の概観
    2.ブラジルの前近代主義
    3.ブラジルの前近代主義作家
    4.前近代主義文学の概要

    第8章 近代主義(1922~現在)
    1.時代の概観
    2.ブラジルの近代主義
    3.ブラジル近代主義の作家
    4.50年/60年代のブラジル文学
    5.70年/80年代のブラジル文学
    6.近代主義文学の概要
    7.ブラジルの日系コロニア文学──歴史を通して観たその存在意義──

    ブラジル文学史年表
    ブラジル文学の主要作品概要と登場人物
    ブラジル文学主要邦訳作品案内
    ブラジル文学史に関する主要文献
    【主要書名索引】
    【主要人名索引】
    編著者あとがき
    奥付
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    同性愛者として知られ、フランス象徴派詩人のマドンナともいうべきルネ・ヴィヴィアン(1877-1909)の遺稿詩集本邦初訳!「ボードレールの娘」の異名を持ち、32歳の若さで夭折した、「菫の詩女神」の死と孤独を見つめた格調高く、耽美的な世界。

    【目次】
    緒言     
    はじめに
    菫の加護のもとに 
    恋 
    霊感 
    マリアの七つの百合 
    わが楽園 
    追憶 
    月への祈り 
    妖精たちの約束 
    存在 
    よみがえり 
    夜の中の鳥 
    私たちの時間 
    陽の光に驚いて 
    慰めの月 
    不在 
    愛すべき敵に 
    本質的なこと 
    嘘の恐ろしさ 
    アジアの神殿 
    折れた翼 
    病める額におかれた手 
    わが心のために 
    かの百合のために 
    驚嘆 
    とるに足らぬ恋 
    恋よ、お前は盗人 
    幸せな宵のまどい 
    菫への祈り 
    訳者あとがき
    ルネ・ヴィヴィアン年譜
  • 「戦争」に向かっている国家に歯止めをかけることができるのは農民しかいないとジオノは考えた。

    ジオノは暮らしていたマノスクという町の周辺で暮らしている農民のことをよく知っていた。自分で判断して行動するようにと何度も念入りにジオノは注意している。あるラーメン屋が美味しいとマスコミが騒げば、たちまち自称「食通」たちが押しかけ長蛇の列を作る。高級と言われているブランド品をみんなが競ってあさる。大型娯楽商業施設に無数の人々が参集する。軽井沢や嵐山近辺が見どころだと観光業界が宣伝すると、すぐそれに乗せられる人々が後を絶たない。政府の高官が、さあ今こそ反撃を開始しようとタイミングよく声をかければ、まるで羊の群れのように人々は「さあ、戦争だ!」と叫ぶかもしれない。私たちは自分が旨いと思うものを食べ、自分の楽しみは自力で発見したいものだ。桜が美しいのは桜の名所だけではない。道端に枝ぶりのいい桜が咲いていたりするのである。ジオノが指摘しているように、「戦争」に反対することは大変な勇気を必要とする。政府やマスコミに簡単に操られることだけは何としても避けたい。どうしたらいいのか、ジオノの著作は貴重なヒントを与えてくれるはずである。
  • 2,200(税込)
    著:
    チョ・ヘジン
    訳:
    金敬淑
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    疎外された者の絶望と孤独を優しく照らし、現代社会に問いかける小品集

    私たちは生きるのに精一杯で、誰かの痛みに関心を持つことは難しい。でもその痛みはいつか自分に降りかかるかも知れない。困難な時代に痛みが弱者に集中せずに、分散して和らぎ健やかな社会へと向かうには、「他者」の痛みに寄り添う営みが必要だ。無関心は残酷さにも気付けないが、誰かに救われた記憶は、また誰かを救う。傷ついた記憶すべき人々を忘却から引き戻し共感へと引き寄せる、優しくも力強いこの短編たちが誰かの希望となり、強者に押し込められた孤独から、救う者と救われる者を護り照らす一筋の光になることだろう。

    【目次】
    光の護衛
    翻訳のはじまり
    モノとの別れ
    東の伯の林
    散策者の幸福
    じゃあね、お姉ちゃん
    時間の拒絶
    ムンジュ
    小さき者たちの歌

    解説 彷徨う存在の記憶と光(文学評論家・韓基煜)
    作家のことば
    訳者あとがき
  • 3,300(税込)

    この記憶は いつまで わたしに残るのだろうか
    天皇の庭師だったアリトモと、日本軍の強制収容所のトラウマを抱えるユンリン。
    1950年代、英国統治時代のマラヤ連邦(現マレーシア)。日本庭園「夕霧」を介して、ふたりの人生が交錯する──

    同名映画『夕霧花園』【トム・リン監督/リー・シンジエ(李心潔)、阿部寛出演】原作(2019年映画化、2021年7月24日~日本公開/DVD発売元:マクザム+太秦)。
    マン・ブッカー賞最終候補に選ばれ、現代アジア文学で最も優れた小説に贈られるマン・アジア文学賞等を受賞。17ヵ国語に翻訳され、高い評価を受けている。

    【あらすじ】
    封印していた数々の記憶が、「夕霧」でふたたび流れ出す──
    1980年代のマレーシア。
    連邦裁判所判事の職を離れたテオ・ユンリンは、キャメロン高原の日本庭園「夕霧」を再訪する。
    そこは、30数年前、日本庭園を愛する姉の慰霊のために、日本人庭師ナカムラ・アリトモに弟子入りした場所だった。
    日本軍のマレー半島侵攻、戦後マラヤの「非常事態」を背景に、戦争で傷ついた人びとの思いが錯綜する。

    【目次】
    夕霧花園
    著者による注釈
    訳注
    訳者解説
    訳者あとがき
  • 2,090(税込)
    編著:
    広瀬佳司
    編著:
    伊達雅彦
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    ユダヤ系文学の原点「父と息子の関係」に光を当てる論集!

    ユダヤ民族の族長アブラハムが、神の命に従い一人息子イサクを生贄として捧げる絶対神への信仰心(アケダー)、また疑うことなく父アブラハムの言葉に従うイサクに見られる「父と息子」の揺らぐことのない信頼関係からユダヤ民族の宗教は始まる。本書を手にした読者は、今まで目にしたことのないようなユダヤ系の親子関係の普遍性と特殊性を味わうことになるだろう。

    【目次】
    第1章 〈怒りの神(父)─息子〉と〈慈愛の母─息子〉(広瀬佳司)
    第2章 父と息子を結ぶ光──スタンリー・クニッツの描く父、母、息子(風早由佳)
    第3章 アンジア・イージアスカの描く「親子の継承」──『パンをくれる人』から『白馬の赤リボン』への変遷(江原雅江)
    第4章 不在の父を求める息子──アイザック・バシェヴィス・シンガー『モスカット一族』を中心に(大﨑ふみ子)
    第5章 アイザック・バシェヴィス・シンガー『父の法廷』における父親像──ノア、あるいはモーセ(アダム・ブロッド)
    第6章 アイザック・バシェヴィス・シンガーの作品に見る母と息子の絆(今井真樹子)
    第7章 父親はラビ、息子は作家──アイザック・バシェヴィス・シンガーの小説(佐川和茂)
    第8章 マラマッドの「ある殺人の告白」──そのタイトルの重層的な意味について(鈴木久博)
    第9章 「ジ・エンド」をめぐる父と娘──グレイス・ペイリーの「父との会話」(大場昌子)
    第10章 父の怒り、息子の涙──『男としての我が人生』における苦悩と失意(岩橋浩幸)
    第11章 ポール・オースターの「父と息子」の物語──『孤独の発明』における語りの作法(内山加奈枝)
    第12章 父子をめぐる〈虚─実〉のトポス──スピルバーグの『未知との遭遇』から『フェイブルマンズ』まで(中村善雄)
    第13章 アーサー・ミラー『セールスマンの死』に見るユダヤ系の父と息子──レヴィンソンとシュレンドルフの解釈を基点に(伊達雅彦)
  • シリーズ2冊
    1,6502,090(税込)
    著:
    鈴木邦男
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

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    「国家が暴走する時代をどう生きるか!」

    反体制運動の常識を変えた鈴木邦男の原点の書!
    〈 同時進行の貴重な運動史〉手に取りやすいソフトカバーになって再登場!

    「…恥多き、運動の歴史でもある。楽しかったし、誇らしくもあった。と同時に、恥ずかしくて思い出したくない過去もある。何であんなことをしたんだろうと思うことも多い。でも、それら全てを抱きしめて、愛しいと思う。これは愛国心と似ている。失敗も反省も含めて、その全てを抱きしめ、愛しいと思う。その気持が愛国心で、同じように運動に対する「愛」が、この本だ。」(「『右翼』との決別」より)
  • 2021年2月の国軍によるクーデター以降、多くの市民に甚大な被害が出ているビルマ(ミャンマー)。国軍と闘い続ける市民による新しい民主的ビルマは実現するのか。ビルマ近現代史研究者として40年以上この国を見つめ関わってきた著者が、素朴で豊かな人々の日常や文化を心温まるエッセイで描きながら(第Ⅰ部)、現在に至るまでビルマが抱え続けている負の歴史と現実を伝え、日本をはじめとする国際社会の役割を問う(第Ⅱ部)。

    【目次】
    第Ⅰ部 ヤンゴン大学教員寮にて
    第Ⅱ部 ビルマの民主化とわたしたち
    ・アウンサンスーチーの生き方
    ・ビルマ 民主化への道のり
    ・ビルマ民主化の行方
    ・熾烈な持久戦が続くミャンマー
    ・危機のなかのミャンマー
    ・クーデター後のミャンマー
    ・「絶望」的状況の中の「希望」
    ・ミャンマーと香港の民主化運動
    ・隣人としての在日ビルマ難民
    エピローグ……学生・市民へのメッセージ
  • 2,310(税込)
    著:
    東出誓一
    編:
    小山起功
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

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    昭和5年、ペルーに新天地を求め成功をおさめるが、第二次大戦の勃発で不法にも米国強制収容所に拉致され、戦後、米国へ帰化した一庶民の“三つの祖国”を生きた貴重な回想録。「米国における日系中南米人の戦後補償」を大幅増補。

    【目次】
    口絵
    再版への序
    まえがき
    目次
    I 北海道移民の子──わたしの家族と生い立ち──
    Ⅱ 海外雄飛の夢を追って──東京における苦学の日々──
    Ⅲ 新天地ペルー──荒木商会の「居候」──
    Ⅳ 一本立ちを求めて「転進」また「転進」──カニエテの四年間──
    Ⅴ 忍び寄る暗雲──イーカでの成功と時代の流れ──
    Ⅵ 吹きすさぶ弾圧の嵐──戦時下の「敵性外人」──
    Ⅶ あわれな「日本国民軍」──ペルーからパナマの仮収容所へ──
    Ⅷ 「ユートピア」の試練──アメリカ合衆国、強制収容所の日々──
    Ⅸ 鉄条網の町から金網の町・シーブルックへ──仮釈放でアメリカ社会の現実ヘ──
    Ⅹ コンクリートのフロンティア──シカゴでのどん底生活と明日への希望──
    ⅩI アメリカ化する「不法入国者」──安定したシカゴでの日々──
    ⅩII 海と太陽の楽園・ハワイ──わたしが求めたもの──
    あとがき
    編者の追記
    増補 再版への緬者の追記 アメリカにおける日系中南米人の戦後補償
  • 2,420(税込)
    編著:
    坪井幸生
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    熊野から吉野へ通じる、全長180㌔におよぶ大峰奥駈道。明治の禁制以来ながらく閉ざされていたその南部奥駈道が、地元の山岳愛好会「新宮山彦ぐるーぷ」の努力によって開鑿された1988年、那智青岸渡寺副住職の高木亮英導師率いる精鋭からなる熊野修験団が再興された。以来25年、春・秋二度にわけておこなわれる峯入り(奥駈け)行の参加者は年々増加し、昨年度は200人規模にのぼっている。2002~2003年にはユネスコの世界遺産登録に向けて、和歌山・奈良・三重の自治体と協力し「紀伊山地の霊場と参詣道」の認定評価を得た。参詣道整備事業の中心的役割を担った新宮山彦ぐるーぷには、2004年度「シチズン・オブ・ザ・イヤー」が授与されている。熊野修験団の再生と機をおなじくして、高木氏一行は那智山中の幻と化していた滝行場「那智四十八滝」を綿密なる調査を経て探策する。
    本書は、高木氏と長らく行動をともにした坪井幸生氏による「奥駈け」の同行記録を中心に、地元新聞記者・中嶋市郎氏の詳細な滝探査の記録、新宮山彦ぐるーぷを主宰する玉岡憲明氏による山小屋建設レポート「千日刈峰行とその展開」、そして高木氏インタヴュー「熊野修験再興をめぐって」を加えた四部からなる、「熊野の浮上」を願う人々の熱意に満ちた活動の記録である。熊野古道の名解説者としても知られる作家・宇江敏勝氏の序文を添える。
  • 1,430(税込)
    著:
    原田國夫
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    「こだわり」は人の数ほど広範でかつ多様である。

    『もの言える老人のための条件』『新・老年書生の境地』に続く第3弾。

    著者が習慣化していること、関心が高いものを中心に、科学的根拠は必ずしも明確とはいえないが、これらのこだわりの成果によって、73歳の著者は心身ともに健康であるという。多くの同年輩の方に読んで、参考にしていただければ幸いである。[第1章]は「老年書生のこだわり」として著者の体験談を披露。(1)健康へのこだわり、(2)書くことへのこだわり、(3)学ぶことへのこだわり、(4)興ずることへのこだわり、とした。[第2章]は「こだわりを捨てて現実と向き合う」として、現在の自己中心的な風潮を改め少し肯定的に見てはどうかという提言。(1)格差社会の現実と向か合う、(2)多様性社会の現実と向き合う、(3)欲に対するこだわりを捨てる、とした。[第3章]は「再びのこだわり」として人間の生き方の基本を改めて問い直し、残された人生の「終活」を想定。(1)期待される人間像―品性、(2)最後のミッション、である。「こだわり」から入り、「こだわり」を捨て、再び「こだわり」に回帰する。それが著者の希求する生き方である。その過程において著者は、自己の価値を再認し、評価される社会的自己を見出すことができればいいと考える。本書は実践的倫理および処世に関する提言の書である。
  • 2,420(税込)
    著:
    渡辺康蔵
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    至急、魂を解放せよ!

    音楽は人間の喜怒哀楽とは切っても切れない関係にある。楽しい時、哀しい時、人は気持ちを歌に託す。ジャズももちろんそうである。ジャズは特に黒人から発生したもので、死によって奴隷の苦しみから逃れていく自由への讃歌が「黒人霊歌」にこめられている。つまり、魂の解放だ。ジャズがニューオリンズで誕生してから多くのミュージシャンが「魂の解放」の音楽を時代ごとにつくりあげてきたのだ。本書では「魂の解放」「魂の叫び」をテーマに、人生をジャズに捧げたミュージシャンたちをモデルにした12篇の短編推理小説「ジャズメガネの事件簿」を掲載。ジャズ史に隠されたエピソードと謎をジャズ探偵、成瀬涼子が解き明かす。そして、モデルのミュージシャンたちに捧げられたエッセイが各小説ごとに付随されている。それらのテーマはまさにスピノザの名著「エチカ」に通じるものがある。本書で取り上げたミュージシャンは、C・パーカー、O・コールマン、E・ドルフィー、T・モンク、M・デイヴィス、C・テイラー、A・アイラー、守安祥太郎、C・ヘイデン、K・ジャレットなど(順不同)
  • 2,530(税込)
    著:
    真木由紹
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    日本台湾落語競演
    往来始末、東西東西!

    台湾と日本を行きつ戻りつ、足とスケボーを興じ分けつ、そんなササキの日常に浮かび上がる落語家志望のかつての台湾人学生。病み上がりの師匠が「台湾語落語」を完成させれば、消えた学生求めて物語が動き始める。学生は何故に消え、何故そこにいるのか。聞こえてきたのは台湾地方選挙の盛り上がり。さあ、師弟の二人会は実現するのか?ドタバタでもありながら歴史を汲んで大まじめ。台湾(語も)、落語、スケボー、これら全部、日本文学にブチ込む!
  • 農園主とその労働者たちの生きる姿を圧倒的な筆致で描き出す名作!
    舞台は1960年代スペイン。荘園制の残り香かおるスペイン南西エストレマドゥーラの大農園で、還暦を過ぎ、認知症を患ったアサリアスは暇を出され、義弟の家へやっかいになる。
    義弟はすぐれた嗅覚をもち、主人の狩りのお供にと重宝されていたが、ある日、事故で足を骨折してしまう。義弟のかわりにアサリアスがお供をするも、いつもどおりとはいかない。
    狩りの調子は振るわず、苛立った主人が怒りをぶつけた先は……
  • 1,430(税込)
    著:
    瀬田裕平
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    咲いてこそ花、枯れてこそ命
              これぞ生きた証

    この小説は、大学病院を舞台に、ひとりの老人が入退院を繰り返すなかで、命を全うするまでの医療現場を描いた渾身のドラマである。

    著者が専門とする「摂食機能療法科」は、全国29の大学歯学部のなかで唯一、日本大学にある学科。
    一般に歯科といえば虫歯治療、矯正歯科、口腔外科、インプラント科等が知られるが、
    この摂食機能療法科とは、「口から食べる」ことに特化した治療やリハビリをするところである。
    病気や事故で口から食べることが困難になった患者は、点滴や胃瘻で命をつなぐ。
    たんに生きながらえれば良いのではなく、生きることの「質」が問われる時代では、
    手足のリハビリがあるように、食べる機能にもリハビリの原理を応用することで、
    ふたたび口から食べることができるようにする摂食機能療法は、
    生きることの意味を満ちたものにしうる療法であり、それが「命のワンスプーン」といわれる所以である。
    脳神経外科、消化器系内科の患者であろうとも、最後の砦は結局は「摂食」なのである。
  • 「ずっとそんなふうに自分を苦しめたままでいることはできないよ──」
    生きることへの深い洞察とリアリズムの融合した英国小説の真髄、新訳で登場。

    【作品のあらすじ】
    19世紀、大英帝国として栄華を極める前夜のイギリス田園地帯。製粉と酒造を生業とするタリヴァー家で、個性豊かな少女マギーは父と母、そして誰よりも愛する兄トムと暮らしていた。しかし穏やかで牧歌的な生活は、裁判敗訴をきっかけにした父の死により一変してしまう。父の怨敵に激烈な復讐心を燃やす兄。マギーは宿敵の息子フィリップから激しく純粋な恋情を向けられ、その心に応えたいと願いながらも、しかし兄との絆を断ち切ることはできない。追い打ちをかけるようにマギーの心は、いとこルーシーと婚約寸前の恋人スティーヴンとの狂おしい愛に揺れ動く。人として生きるのなら過去の絆を断ち切るわけにはいかない──少女マギーの葛藤が英国社会の日常を背景に辿られ、当時の知性と現実を描き出す英国小説の傑作。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    「原発は、ほんとうにとんでもない怪物だ。あの複雑怪奇な原発の構造を理解しているエンジニアは世界に一人もいない……」。
    35 年間、現場で原発開発に携わり続けた小倉さんは福島第一原発の四号機を除くすべての号機の安全系ポンプの技術とりまとめ役をし、原発を肌身で知っている。
    この本は「遺言」のつもりで書いた。「原子力ムラ」の利権にたかる輩や、原発を推進する権力側にとっては、都合の悪いことも書き連ねた。読者のみなさんのなかには、「原発をつくった人間が何を今さら善人ぶりやがって!」と思われる方もいるだろう。原発をエネルギー資源の少ない日本にとってまるで「救世主」であるかのような夢を見て疑わなかった私自身、痛切に責任を感じている。
    いや、感じるだけでなく、責任の一端を担っていることは確かである。しかし、長年、原発の建設や保守・点検に携わった人間だからこそわかることを書き留めることで、「贖罪」の思いもこめた。(「はじめに」より)
  • 沖縄在住の訳者が新訳で贈る沖縄の戦後復興を描いた「社会派」作品!
    上陸作戦に参加した軍政チームの米軍将校が、ユーモアを交えて描く占領初期の民衆の姿を描く。
    1957年、グレン・フォード、マーロン・ブランド、京マチ子主演の映画で有名になったアメリカ映画の原作本。
    「ゴトゴトと音を立てて進む帆船(ジャンク)……そのすべてが友好的に、通商だけを目的として渡って来たとは限るまい。時には、侵略者(インベイダー)を乗せて来ることもあったのではないか? 沖縄の人々は、侵略者によく対抗できたのだろうか? それとも、強要されたことをすべて受け入れる道しかなかったのか?……自分もまた沖縄の人々に差し向けられた侵略者であることに思い当たり、険しい表情になった。」(本書「侵略者」より)
  • パンデミックの2020年、意を決して出かけたキューバでロックダウンを経験。ホテル巣籠もり 6か月間の驚きの生活……、そして医療先進国キューバのコロナからの夜明け。1998年からキューバに通う著者の斬新なキューバ・リポート!

    目次
    Ⅰ 追憶のキューバ――ハバナ”ヨルバ”の世界 1998年

    Ⅱ コロナ禍キューバ――2020年2月~8月のハバナ体験

    Ⅲ キューバ最先端医療とコロナ対策、そして帰国

    Ⅳ 「SOSキューバ」は仕掛けられた!! 2021年7月~

    Ⅴ そして、その後の事 今

    とても大切なあとがき
  • 2,530(税込)
    著・写真:
    船尾修
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    世界を放浪しクライミングに命をかけてきた著者が、山を越え国境を越え紛争下を歩き通い続けた大河インダス流域の魅力を、迫力ある写真と味わい深い文章で紹介。

    ラダック、ザンスカール、カシミール、カラコルムなど、源流から河口までの大自然と民俗・文化を探訪する。素朴で不思議な人びとの暮らしと思いに迫る。カラー写真多数!

    【目次】
    1章  チベット人の聖山カン・リンポチェを巡礼する
    2章  ラダックの仮面舞儀礼
    3章  ザンスカール 幻の「氷の回廊」をゆく
    4章  国境未確定の「観光地」カシミールの現実
    5章  大地震があぶりだしたカシミールの本当の問題
    6章  もうひとつの「世界の屋根」カラコルム山脈
    7章  三蔵法師もかつて目指した桃源郷スワート渓谷
    8章  混迷のアフガニスタンにバーミヤン大仏を見に行く
    9章  神々との饗宴に彩られたカラーシャの暮らす谷
    10章 肥沃な大地に根付くパンジャーブの歴史と文化
    11章 シンド州でインダス文明の残り香を嗅ぐ
  • 200年の時を経ても、読者の想像力を刺激し続ける
    『フランケンシュタイン』。

    現代の視点から分析・批評する第一部と、
    演劇・小説・映画・マンガ等、この神話的テクストが
    生み出してきた多種多様な
    「翻案・改作(アダプテーション)」をめぐる
    第二部で構成。

    なぜ、『フランケンシュタイン』は多くの解釈を
    生み出し、甦り続けるのか、
    「ですます調」でわかりやすく迫ります!

    2017年はドラマやミュージカル等、
    『フランケンシュタイン』を
    翻案した作品が続きます!
    フランケンシュタインが話題になること、
    間違いナシ、です!
  • 『白鯨』の仏語訳者ジオノによる評伝的小説

    『メルヴィルに挨拶するために Pour saluer Melville』と
    『逃亡者 Le Déserteur』の舞台は外国である。
    『白鯨』の作者が生まれた米国という外国、『逃亡者』ではフランス人の主人公が
    スイスという外国へ亡命し、そこで画家としての生涯を過ごす物語である。

    『メルヴィルに挨拶するために』は『白鯨』の仏語訳をリュシアン・ジャックとともに
    完成したジオノが、その序文として書いた作品である。自著の出版交渉のために訪れたロンドンの出版社はメルヴィルの条件すべてを了承した。旅の道中、二週間、メルヴィルは行き当たりばったりに歩き回るのだか、途中、偶然にもアデリーナ・ホワイトという女性と出会い、両者は互いに相手に対し、不可思議とも形容できる精神的な友情を覚える。その精神感応に満ちた神秘的な時を過ごすも、またすぐに別れることとなったメルヴィルは『白鯨』を、彼女のために全身全霊を込めて書くのだった。しかしアデリーナがその作品を読むことはついになかったのである。
    作品中の作家メルヴィルのなかに、人見知りの激しい人間でありながら、機が熟すると文学に没入するというジオノ自身の性格が投入されているのである。この作品はジオノの最高傑作の一つでもある。
    『逃亡者』では、主人公の画家が、それまで所属していた社会から、経緯は一切不明ではあるものの逃亡することとなり、祖国フランスからも脱出しスイスに潜入することとなる。逃亡者としての主人公を、ある地方長官が保護することとなり、生活の場と食糧が提供される。主人公は絵の才能を持ち合わせていた。彼は長官の奥さんを描くことによって感謝の気持を表現するのだった。
    小説家にしても画家にしても、芸術家は世俗の富や名声とはほぼ無関係であると考えていたジオノにして作り出されたであろう作品である。事実を単になぞることが体質的にできなかったジオノは、実在の芸術家の伝記を書こうとしても、自分自身の姿をほぼ必然に作家や芸術家に投入してしまうことになるのである。
  • 2,640(税込)
    著:
    安田亘宏
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    「命のビザ」を繋いだ、名も無き者たちの物語。第二次世界大戦期、アドルフ・ヒトラー率いるナチス・ドイツの迫害を受けたユダヤ人の多くは、リトアニア日本領事館駐在、杉原千畝(すぎはらちうね)領事の発給したビザに命を救われた。その大量のユダヤ難民たちがナチスの魔手から逃れ祖国を脱出し、遠く日本までたどり着くことのできた背景には、若きジャパン・ツーリスト・ビューロー(現JTB)職員たちの尽力があった。歴史の表舞台には上らなかった、しかし確かにそこにあった、ユダヤ難民救出のもう一方の真実を描く。
  • 1,870(税込)
    著:
    永峯清成
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    著名な人の死は多くの場合、劇的であり、葬られた場所は
    厳粛な処だ。
    たとえその人物が、世に悪人だと言われたとしてもである。
    その厳粛さに惹かれた著者が、
    若い頃から訪ねた墓地に眠る人の生き様に思いを馳せ、
    もし問いかけがあるならば、その答えを思索する異色の紀行書。

    目 次

    はじめに
      〔日本の部〕
    一 正成(まさしげ)の首塚
    二 六波羅探題北条一族の墓
    三 北条高時の墓
       日野俊基の墓
       護良(もりよし)親王の墓
    四 菅原道真の墓
    五 支倉常長の墓
    六 渡辺崋山の墓
    七 江藤新平の墓
    八 西郷隆盛の墓
    九 平民宰相 原敬の墓

     〔ヨーロッパの部〕
    一 カタコンベ
    二 山賊ホセマリアの墓
    三 「スペイン戦争」犠牲者の墓
    四 カルメンと椿姫の墓
    五 哲学者ニーチェの墓
    六 ウィーンの中央墓地 ベートーヴェンの墓
    七 ヒットラーの両親の墓
    八 ナチス親衛隊員の墓
    九 ユダヤ人墓地
  • 人を喰うことは、常に神を喰うこと

     私たちは神への深き愛ゆえに、神との融合を求めて聖餐を催し、その血肉に見立てたパンと葡萄酒を体内に取り込んで恍惚とする。だとすれば、兄弟たる人間へのフィリアゆえにその肉体を貪る行為も、貴き愛と呼べるだろう......
     なぜ男は「美しいひと」を食べたのか。全篇にちりばめられた、古今東西の食人にまつわる膨大な逸話の引用から浮かび上がる、「真実の愛の行為」としての食人の姿とは。この、妖しい輝きを発する告白体の小説こそ、カニバリズム文学のイデアへの最接近を果たした奇書と呼んでも過言ではない。
  • 2,530(税込)
    著:
    梅宮創造
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    ……会津地方の或る旧家の壊滅……
    たまたま地方の一旧家に生れて、年ふるままに人となり、しまいには天の定め、その命を召しあげ、遺された者ら、只ひたぶるに祈る。さて、祈る者びとも、かわるがわる、とき到りて同じ定めに就き、今度は逆に祈られる。一人また一人と、生れては死ぬ。死ぬとわかっていながら、生れてみれば嬉しいことも、辛いこともあろう。それもこれもが、いずれ等しく、ひとときの光芒放つ間もはかなく、果ては闇に消えゆくものの。かつてさんざめいた日々の生活、古い家屋敷、周囲をとり巻く山に川に、野に畑に、昔の俤すでに無く、ただ言葉だけがむなしく宙へ舞う。祈るべし、命あるかぎり祈るべし。神々の、この世に在りし証を温めながら祈る。

    【目次】
    【第1部・夏の奥津城】
    (序)兄弟/籠る日々/雷( いかづち) /病を得て/大寒の朝/奥津城/渦/天壌無窮/
     招魂/神々の集い/(跋)祈り
    【第2部・譚草拾遺】
     愚神祭/蘇生/独身/ジェイムズ・ジョイスへの旅路/イタリア叙事喜劇
  • 1,430(税込)

    「死刑囚」をテーマにした上質なサスペンス・ストーリー

     政府高官を殺害した容疑で死刑宣告を受けた、死刑囚の「男」。
    死を約束されたにもかかわらず、不気味なほど穏やかに日々を
    過ごす「男」に、好奇心を押し殺しながら接する
    担当刑務官のユン。
     殺害動機も自身の出自さえも明かさない「男」のもとへ、
    姉と名乗る女が面会に現れる。沈黙していた「男」の感情は、
    それを機に少しずつ、静かに動き始める。
  • 4,290(税込)
    著:
    野上勝彦
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    あらゆる歴史は現代史である(ベネデット・クローチェ)

    コンバウン朝ビルマでは、第六代ボードーパヤー王(在1782 ~ 1819)が
    1784年末、アラカン王国を制圧、当時上座部仏教の崇拝の的だった青銅製の
    大牟尼仏を略奪し、同時に緩衝地帯はなくなり英領インドと対峙した。
    ついで北部のマニプール王国、アッサム王国をも支配下におき、版図を最大に
    広げ、列強国と角突き合わせた。
    ベンガル州の平原プラッシーにおいては1756年6月23日、東インド会社が、
    仏ベンガル太守の連合軍を撃破する。1764年10月には、ブクサールの戦いで
    ムガル帝国・アワド太守・前ベンガル太守の連合軍を破り、1765年8月、
    アラーハーバード条約が締結される。これにより東インド会社は、
    ムガル帝国からベンガル、オリッサ、ビハール三州での租税徴収権を獲得する
    こととなり、徴税官を介して財政基盤を固め、民間商社から政治機構へと転身する
    こととなった。財源を失ったムガル皇帝とベンガル太守は、単なる年金受領者に
    落魄し、同じように度重なる戦争と飢饉により東インド会社も財政難に陥っていった。
    1774年、140万ポンドの政府貸付金と引換えにしたノース法により、本国からの
    規制をも受けることとなる。1784年8月13日、ピット政権はインド法を議会通過
    させ印度庁を政府内に設けた。東インド会社は多額の国費を本国に支払いながらも
    政府との二重権力の下、インドの植民地化を推進。ナポレオンの時代になる1806年、
    弟ルイはオランダに王政を布いたものの、兄の指示に従わなったため1810年、
    オランダはナポレオンの直轄領とされることとなった。
    これを契機に、1810年~11年にかけては、ベンガル総督ミントーがオランダ支配下
    のジャワ島を侵略しラッフルズを知事代理に任命、4年間統治させた。ラッフルズは
    1819年、シンガポールをも開く。間もなく王は第七代バジドー王に代替わりし、
    そして、西欧列強による東南アジア進出はいよいよ拍車がかかることとなった。
    本書は、こうした当時のミャンマー(ビルマ)情勢を背景として、
    日本人の漂流民と、アワド藩王国出身のセポイ(インド兵)を主人公にすえて、
    血湧き肉躍る冒険活劇的に、小説として創りあげたものである。
  • 2,860(税込)
    著:
    立野正裕
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    コロナ禍により移動できなくなった旅人は
    故郷へ日本国内へ「思索」の旅をする。
    第1部では故郷・遠野を軸に「語り」の世界を追究し、
    第2部では日本全国を舞台とした文学作品、映画作品を辿ることで
    思考をめぐらした。

    【目次】

    第1部

    第1章・花冷えの道 吉里吉里四十八坂
    第2章・沖縄と遠野 三つの手紙
    第3章・遠野物語の土俗的想像力
    第4章・河童と羅漢 旱魃の記憶
    第5章・語り部礼讃 遠野物語と千夜一夜物語
    第6章・語り部の墓 佐々木喜善
    第七章・忘却を恐れよ 大津波の跡

    第2部

    第1章・北海道への旅 朱鞠内湖
    第2章・津軽への旅 龍飛崎
    第3章・若狭への旅 水上勉・古河力作・徳富蘆花
    第4章・土佐への旅 物部川渓谷
    第5章・奄美大島への旅 田中一村
    第6章・秋田への旅 戸嶋靖昌
    第7章・精神の旅 宮本武蔵と独行道
  • これほど刺激的な学問の領域があったのだろうか…?
    個性豊かな書き手により、文学を中心に、歴史、宗教、音楽、演劇等を
    縦横無尽に論じる新しい試み。

    本書の白眉となるものは、ケンブリッジ大学のモウズリー博士の夏期講座の
    講義録、シェイクスピアの「恋人たちの死」の論考である。
    また、古典的名作といわれるシドニーの『アーケイディア』の成立、構造、
    語りを精緻に論じた論考も含まれよう。

    そして、今論集で注目にあたいするといえるものは、新進気鋭の
    中堅・若手研究者たちによる詩論である。
    ハーバートの詩におけるシンボルのメカニズムを
    論証した詩論、トマスの詩とイェイツとの関係を探求した論文や
    キャロル・アン・ダフィの五番目の詩集についての詩論。さらには1960年代の
    リヴァプール詩における代表的な詩人の音楽活動との関係に論及したもの、
    現代詩人のR・S・トマスの詩を「否定神学」の観点から論じたもの等である。

    それらに加え、コンラッドの「勝利」論、マードック『ブルーの夢』、
    H・D・ソローの「住まい」、トウェインの実像をめぐる論考ほか、
    J・D・パソスにおけるスペイン内戦、シェパードのアイルランドと演劇、
    アトウッド『またの名をグレイス』を論じたものまで、様々な論点をさらに
    切り開こうとする意欲的な論考に溢れた論集が本書ということになる。

    【収録内容】
     Ⅰ イギリス文学編
    第1章  講義:世界を変えるシェイクスピアの二組の恋人たちの死
                   チャールズ・モウズリー(伊澤東一訳)
    第2章  子供の反逆・『恋の骨折り損』と『御意のままに』
                                 杉浦裕子
    第3章  シドニーの『アーケイディア』
                                 村里好俊
    第4章  ジョージ・ハーバートと聖なる贈物のパラドックス
                                 山根正弘
    第5章  コンラッドの『勝利』論
                                 吉岡栄一
    第6章  アイリス・マードックの『ブルーノの夢』論
                                 山本長一
    第7章  ディラン・トマスの「言葉に彩り」とW・B・イェイツ
                                 太田直也
    第8章  キャロル・アン・ダフィの『ザ・ワールズ・ワイフ』における
                        女性の詩人たち  石田由希
    第9章  リヴァプール詩、音楽、そしてリリー・ザ・ピンク
                                 木村聡雄
    第10章 R・S・トマスの主題の変遷と神の存在証明
                                 永田喜文
     Ⅱ アメリカ・カナダ文学編
    第1章  H・D・ソローの小屋あるいは住まい
                                 奥田穣一
    第2章  『マーク・トウェイン 完全なる自伝』に探るトウェインの実像
                                 有馬容子      
    第3章  ジョン・ドス・パソスの一九三〇年代の戦い・スペイン内戦体験
                                 川成洋
    第4章  サム・シェパードのアイルランドでの再生
                                 古山みゆき
    第5章  アトウッド『またの名をグレイス』における知の体得の意味
                                 塚田英博
  • 2,860(税込)
    著:
    ジャン・ジオノ
    訳:
    山本省
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    ジオノ最大の関心事であった、羊と羊飼いを扱う
    『蛇座 Le serpent d'étoiles』、
    そして彼が生まれ育った町について愛着をこめて書いた
    『高原の町マノスク Manosque-des-Plateaux』を収める。

    見習いの羊飼い、そして羊飼いたちを率いた親方。
    羊飼いたちは年に一度、マルフガス高原に集まり、演劇のようなものを
    上演する。海や山や河や風などに扮した羊飼いが壮大なドラマを演じる
    のである。題名『蛇座』は松明で煌々と照らされた広場で行われる夜を
    上空から見守っている星座「美しくねじれた蛇座」から取られている。

    モンドールの丘、デュランス河、ヴァランソル高原、アッス渓谷、
    地元の人々…。ラルグ川で溺れそうになった娘との会話や村の公証人宅
    での食事風景など、自然や人間についての描写がせまる。
    その想像力を奔放に発揮したジオノが、空想の「マノスク」を語る
    のである。創作の準備倉庫とでも形容できる地元マノスクの内と外が
    入念に紹介されるのが『高原の町マノスク』だ。
    作家ジオノの懐をうかがうように読み進めることができる作品である。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    リウマチという難病を抱えながら、チベット(中国)国境に近い
    ヒマラヤの最奥の地ドルポで約100日におよぶ越冬を単独実現させ、
    今年「植村直己冒険賞」を受賞した、40代女性登山家の初の本。

    厳しくも美しすぎる世界の屋根の山々。そこで繰り広げられる動物
    や人々の伝統的なくらし。神々しい秘境の景色に、圧倒される……
    優れたカラー写真多数掲載!!
  • 医療と教育事業に挑んだ「在日」医師の自伝!

    朝鮮人韓国人と日本人に問いかける著者の生き方とは?
    両親からの教えを胸に、在日として日本でいかに生きるかを自問し、
    苦闘しながら、医療、福祉、教育の各事業で成功した著者が、
    民族の矜持を持ち、二つの国、二つの文化を生きた実体験を赤裸々に語る。

    「差別は、差別される人に耐えがたい苦痛を与えるし、差別する側に
    人格の荒廃をもたらす」「自分のルーツや祖先、親のことを誇りに
    思わないで、社会的に立派な仕事をした人を私は見たことがない」

    本書は、在日の人びとが日本に「帰化」することで民族性の風化が進む
    時代に、互いに民族性を尊重する生き方を訴える書である。
    著者は、医療だけでなく、学校経営にも注力し「日本の社会の一角に
    韓国人と日本人が共生し、新しいタイプの韓日の架け橋になる人材が
    たくさん生まれれば、大きな意義がある」と語っている。
    混迷する昨今の日韓関係のずっと先を見据えた展望が、
    本書において語られるのである。
    増補として、初版読者の感想、新しいあとがきを付した。

    【目 次】
    はじめに
    第一章 青森に生まれ育って
    第二章 医師への道──開業と介護福祉事業の展開
    第三章 保育園、人権問題、そして韓国語学校設立
    第四章 青丘学院つくば中学校・高等学校創立
              ──韓日の文化を学ぶ一条校
    第五章 民族の新たなコミュニティをつくりたい
                ──ハングルを拠り所に
    第六章 家族と医者の私
    第七章 ゴルフに魅せられて
    第八章 すべての事業には始まりがあって終わりがある、
                  独自の経営メソッド
    第九章 何が悲しくて日本人になるのか、
                 克日思想をもって発展しよう
    金 正出 略年譜
    想い出の写真
    おわりに
    読者からの反響より
    増補版 あとがき
  • 「チャリティ(慈悲)」と名付けられた、複雑な出自をもつ若い娘のひと夏の恋──

    ニューヨークの上流社会を描いた『歓楽の家』(1905)、『無垢の時代』(1920)で
    知られ、女性初のピューリッツァー賞を受賞したイーディス・ウォートン(1862–1937)。
    同じくニューイングランド地方の寂れた村を舞台に、閉塞的な社会に生きる人々を描いた『イーサン・フローム』(1911)と並ぶウォートン中期の名作、待望の翻訳出版。本邦初訳!
  • 1,430(税込)
    著:
    原田國夫
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    出会いと運命

    本書は、昨年(2021年)に刊行された
    『もの言える老人のための条件 老年書生の境地』の続編である。
    前著とは構成を変え1項目あたりの内容を増やしたことから
    『新・老年書生の境地』というタイトルとなっている。
    著者が団塊世代である特性もあり、「教条的」「べき論」という感は
    やはり否めないが、市井に生きる一老生のシニカルな「声」として
    受け止めてほしい。
    本書は、同世代への、そして若き世代へのエールともなっている!

    【目次】
    「ふるさと墓参」「階層社会」「障害者雇用の現実と労働環境の変化」
    「視点の違い」「舌禍」「内部告発」「栄光と挫折」
    「ニュースの公平性」「フェイクニュース」「落書き」「情報源」
    「景況と会社成長と酒のある人生」「遊びの風景」「出会いと運命」
    「外国への憧れ」「小さな覚悟」「死生観と退き際」
  • 2,530(税込)
    著:
    谷﨑龍彦
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    澁澤の「書く=読む」という行為には、「(仏語の)純粋言語を日本語に
    よって救い出す」(ベンヤミン「翻訳者の使命」)という運動が働いている。
    そのとき、澁澤という「私(わたくし)」性はどこにあるのだろうか。
    澁澤の「書く=読む」という行為は「純粋言語」を救出するとともに、
    澁澤という「私」性が消滅するのではないかというのが、
    筆者が考える澁澤におけるエクリチュール化した「私」の意味である。

    このエクリチュール化した「私」は、消滅するとともに
    翻訳行為と同様、他者の「純粋言語」にまとわりつく「純粋思考」をも
    かぎりなくとりこんでいく。

    そして最後には、澁澤の博覧強記の「書く=読む」という行為は、
    澁澤の「私」性が消滅して、エクリチュールに他者、評者(筆者)まで
    をもまきこんでいく。
    究極的にそこに浮上する澁澤の「思考」とはなにか……それを逐語訳的に
    翻訳・抽出していくのが本書の眼目なのである。

    【目次】
    (第1章)サドの自然
    (第2章)『夢の宇宙誌』玩具・天使・アンドロギュノス・世界の終り
    (第3章)『エロスの解剖』
    (第4章)『胡桃の中の世界』
  • 2,420(税込)
    著:
    金成陽一
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    創作童話の世界への誘い!
    グリム童話研究者によるユニークな「賢治論」。

    今頃、なぜ「宮沢賢治」なのか?
    それは、かつて思いがけなくも雑誌「国文学」に掲載された
    文章「セロ弾きのゴーシュ」論を読み返したからだった。
    もう一つの理由はといえば、かつて、年配の同僚だった日本文学研究者が
    「賢治童話はたぶん日本文学だけしかやってない者には手ごわい。
    『注文の多い料理店』は良いコメントを書こうとしてもなかなか
    うまく料理できないんだよ。」とよく話していたことを想い起こしたからだ。
    賢治の作品は、文学のみならず、植物、生物、化学、鉱物、天文学、農学、
    音楽、宗教等多岐にわたる。
    日本の「創作童話」という狭い檻の中に、それはとても入り切るはずもない。
    様々な助言をもらったこの先輩教授が亡くなってはや十年近くが過ぎ去った。
    もう一度、賢治童話について考えるきっかけを与えてくれた教授に感謝だ。
    本書で取り上げた賢治作品は以前から気になっていた小品だ。
    賢治のよく知られた大作に関する評論はごまんとあるから、あまり取り上げら
    れずにいる作品にスポットを当てたかたちである。

    独文学者による比較文学論的「賢治童話」読解の試み。

    【目次】
    「ワラシとボッコと奥州と欧州と」(ざしき童子のはなし/
                         ドイツの視点から)
    「夜の川のほとりのゴーシュ」(セロ弾きのゴーシュ)
    「クンとフウとツェ」(ねずみ物語)
    「虚栄と韜晦と邪教・三つ巴の果て」(洞熊学校を卒業した三人)
    「わかっちゃいるけどやめられね~の美学」
    (毒もみのすきな署長さん)
    「のんのんのんのんの仮面」(ほんたうの神さま/オツベルと象)
  • 1990年代半ば、英国オックスフォード大学へユダヤ文学研究のため留学した著者の記録。40代目前の「中年男」として異国の地へ学びに行く不安と期待。そして、行く先々で出会うユダヤ人とユダヤにかかわる人びととの交流を描く。

    誰の人生にも岐路というものがある。私の場合は、イディッシュ語作家
    アイザック・バシェヴィス・シンガーの作品との出会いがそれであった。
    ……イディッシュ文学研究が予想もしなかった方向へと私を導いた。
    これも私のバシェールト(イディッシュ語で「運命」の意)であろう。
    人生とは分水嶺に落ちた木の葉のようなのかもしれない。
    イディッシュ語はイディッシュ語を知る前とは全く異なる世界へと私を導き、
    一時は死語になると危ぶまれた言語が、私の人生にパノラマのような視野を
    与えてくれたのである。これから記すオックスフォード大学での
    ユダヤ学研究こそ私の人生の分水嶺であった。(「まえがき」より)
  • 3,850(税込)
    著:
    野上勝彦
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    地下組織から誹謗の真犯人の《自殺》を明かされた。広州支部への期待が膨らむも天候不順を予感する。薩摩の漂流民・謝五郎はいかに身を処するのか…

    1757(乾隆22)年以降、西洋貿易は広州一港に制限された。茶、生糸、絹の輸出は莫大な利益をもたらし、公行は独占の代償として清朝に独占料を支払った。行商たちに大班と呼ばれた「英東インド会社貿易委員会委員長」が貿易窓口。互いに民間の独占組織同士の貿易である。これを「広東貿易体制」と呼ぶ。一方マカオでは鴉片禍が深刻化。英東インド会社が貿易赤字(茶、絹を銀で購入)を埋めるため、インドで鴉片の卸売り(銀との交換)を行い、自由商人らがマカオや広州に密輸入した結果である。米宣教師が月刊誌『チャイニーズ・リポジタリー』を刊行したのは1832年5月。西洋社会に警鐘を鳴らし、中国の革命を叫ぶ論説も掲載。中心にはアメリカン・ボード(会衆派海外宣教師派遣団)のイライジャ・ブリッジマン牧師がいた。独人宣教師カール・ギュツラフや英人牧師ロバート・モリソン等の協力者たちの多くが献身的な活動を展開。ポルトガル領のマカオは雑多な人びとの住む半島。1839年6月20日(貿易閑散期)の発表では清国人が7033人。白人男性2164人、白人女性2350人。加えて男奴隷471名、女奴隷627名。英国は1833年、本国における奴隷制度を正式に廃止。だが植民地においては黙認状態がつづいた。マカオはルソン島(現フィリピン)とおなじく避難民の受け皿ともなった。邦人関係では桃山時代末から徳川時代初期にかけてキリシタンの亡命者が渡り、海難漂流者も居住が許された。マカオに定住した薩摩の漂流民・謝五郎は空腹に苛まれる。6年後の1833年、日系有力者の援助で孤児院を設立。道教の道士に己の立ち位置を悟らされる。風評、疫病、放火未遂等に遭うも、西洋人らとの交流で一部解決に向い、広州に支部設立を思いつく。阿片禍の深刻化で西洋列強の牙を痛感、清国の制度にも違和感を覚える。廃船の払下げをうけ「青龍汗」と命名。女児の批判を凌ぎつつ、孤児らに独立独歩を覚悟させた。脱藩武士も雇用。青龍汗は焼討されたが英人女性の望外な助力が得られ、運営は自分一人でないと再認識したのであった。
  • 終戦っ子の在日二世が自身の育った時代を語り、
    日本と韓国への熱い思いを伝える“語り部の書”

    本書は、植民地時代という苦難と激動の時代に日本に渡ってきた在日一世代の子として、著者の波乱の人生やビジネスでの実体験を通じての独特な視点で、在日二世が育った時代とその生き様や、日本や韓国そして在日の世界を語り、辛口も交えながらも、未来に向かって日本と韓国、そして若い在日世代へ思いを記した異色の書である。〔写真多数収録〕

    【主な目次内容】
    はじめに
    第一編 日韓の狭間で歩んだ人生
    第一章 文、そして岩本
    *岩本の由来 *色々ある私の名前 *私の中学・高校時代 *思い出深い大学生活 *就職の壁そして米国へ *米国での貴重な経験
    第二章 自分史の中で在日を考える
    *不法入国者になってしまった従兄さん達 *朝鮮人という言葉 *当時の在日の世界から思うこと  
    第三章 私にとっての日本と韓国
    *在日にとっての国籍とは何なのか *日本国籍を通して民族、国家とは何かを考える *私が感じる日韓の潜在意識の違い 
    第四章 在日と民族学校
    *在日と民族学校 *戦後の在日を巡る世相 *在日の構造変化と新たな民族学校の動き *在日にとっての変曲点 *新しい視点での在日 *正統性にこだわり過ぎる韓国 
    *歴史事実の確認
    第二編 現代韓国と日本、ビジネス体験から
    第五章 韓国での体験
    *見知らぬ土地から学ぶこと *韓国生活1年間の様々な体験 *4年間に2度の貴重な引っ越し体験 *韓国の地方を旅する *韓国に対する少し辛口の話 *対日フリーになれない韓国
    第六章 韓国企業の発展
    *韓国パワーの原点 *韓国企業の強さを理解する *若年層の雇用不安と少子化問題 *企業活動に悪影響を与える今の日韓関係
    第七章 日本のものづくりとアジア
    *日本のものづくり *アジアから取り残されかねない日本 
    *日本の若い優等生はアジアのエリートに太刀打ち出来るか
    第三編 日韓の歴史と東アジア
    第八章 日本と韓国の古代からの深い絆
    *日韓の古くからの縁 *日本語の中にある韓国語 
    *日本のヤマト言葉は古代の韓国語? *新撰姓氏録と渡来人 
    *白村江の戦い以降、近代までの日本 *新羅以降、近代までの韓国
    *日本、中国、韓国の文化源流比較  
    第九章 近世日中韓の体制構造の違いから学ぶ
    *それぞれの国が持つ元型(DNA)について *日本の東アジア侵略と文明衝突 
    *近世西洋・中国と江戸社会 *近世朝鮮と江戸社会 *これからの東アジアの姿
  • ハルキ・ムラカミの文章はいかにして日本から世界=惑星の隅々まで届くのか。
    村上春樹は、日本を舞台に日本語で描かれた作品を、日本から世界へ向けて発信し続けている。その意味では「日本のローカルな」作家ではなく、かといって「米国発のグローバルな」作家でもない。この「惑星的思考」ともいうべき村上春樹の世界観を、国内外の村上春樹/ハルキ・ムラカミ研究者が共に検証する珠玉の論考の集成。

    【目次】
    はじめに「日本」の村上と「惑星」のムラカミ
    ◉翻訳◉
    第1章  ヨーロッパに浮かぶ二つの月
    第2章  村上春樹『国境の南、太陽の西』の新旧ドイツ語訳
    第3章  一九八五年の「相棒」とは誰だったのか
    ◉歴史/物語(hi/story)◉
    第4章 『海辺のカフカ』における時空
    第5章  村上春樹作品にみる「神話的思考」と物語の構造
    ◉海外作家◉
    第6章 『羊をめぐる冒険』をめぐるゴールド・ラッシュの点と線
    第7章  ここは僕の場所でもない
    ◉紀行◉
    第8章  村上春樹の紀行文と小説における相互影響について
    第9章 『ノルウェイの森』誕生の地 ローマ・トレコリレジデンス探訪記
    第10章 『海辺のカフカ』を歩く
    ◉村上春樹関係年譜◉
    おわりに 加藤典洋「的思考」と村上/ムラカミ批評の未来
  • まだまだ重厚な小説の受けがよかった二十世紀前半において薄っぺらい登場人物たちを活躍させ、軽薄な文体を用い、ちょっぴりグロテスクでコミカルなコメディを描いた異色の作家ロナルド・ファーバンク。
    代表作「足に敷かれた花」(“The Flower Beneath the Foot”)を、同じくファーバンクの世界観が魅力たっぷりに描かれた「見かけ倒しのお姫さま」(“The Artificial Princess”)とともに収録。
    ファーバンクは戦前の日本で西脇順三郎や春山行夫、近藤東らによって初めて紹介され、堀辰雄、伊藤整、瀧口修造、田村泰次郎らの著作集に名前を見出すことが出来、戦後には塚本邦雄、由良君美、生田耕作、柳瀬尚紀らもファーバンクについて記し、中でも由良と柳瀬は短編を訳出するなど、かねてより国内で関心を持たれつづけた作家である。
    その作風は難解でありながらも、本国においてファーバンクを追慕する作家はあとを絶たず、同時代のE・M・フォースター、アーサー・ウェイリーを始め、イヴリン・ウォー、オルダス・ハックスリーなどなど、ファーバンクを賞賛、影響を広言する英国の小説家・文筆家は多い。

    【表題作「足に敷かれた花」のあらすじ】
    架空の王国ピスエルガに仕えるラウラ・デ・ナジアンジは疲倦宮(つかれうみのみや)ユーセフ親王と恋仲だった。宮中ではさまざまな悪謀が渦巻き、ゴシップが囁かれる。そこにユーセフとエルジー姫の結婚の話が持ち上がってくる。同時にユーセフの女ったらしぶりも明らかとなり、ラウラは遊ばれていただけであることがはっきりする。裏切られたと感じたローラは、宮廷から身を引き、修道院へ向かうことになるが……。
  • 2,090(税込)
    写真・文:
    大西暢夫
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    「現金化したら、何もかもおしまいやな」。日本最大のダムに沈んだ岐阜県徳山村最奥の集落に一人暮らし続けた女性の人生。30年の取材で見えてきた村の歴史とは。血をつなぐため、彼らは驚くべき道のりをたどった。各紙で絶賛!
  • 1,870(税込)
    著:
    大塚公平
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    伝説の少年誌編集長・壁村耐三との日々……

    「ドカベン」「がきデカ」「ブラック・ジャック」等、日本中を沸かせた人気マンガを続々と世に送り出した「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)。のちに編集長(7代目)となった著者が記す波乱に富んだ迫真のドキュメント。
  • 「艦隊シリーズ」や「要塞シリーズ」「空白シリーズ」「伝記推理」など、幅広い作風で知られる日本SF界の巨匠・荒巻義雄が、電子書籍のみで現代の読者に問いかける驚天動地の仕掛けとは?時代を宇宙空間・脳内宇宙から嘉永六年(一八五三年)初頭の江戸に移し、陰参議と呼ばれる海外情報担当の上忍、天之鳩光之進が、次々に起きた殺人事件の真犯人を挙げるのだが……。
  • トウェインを空前のベストセラー作家にしたアメリカの“お上りさん”の旅。豪華蒸気船に乗りジブラルタル海峡を渡り、フランス、イタリア、ギリシア、トルコ、パレスチナ、エジプト、スペインなど地中海沿岸を回遊した紀行文学の傑作。
  • “旅人”トウェインの長編紀行 “A Tramp Abroad” の本邦初訳。1878年、百余年前のドイツを行くトウェイン、ある時には勇者ビスマルクを論じ、ワグナーを語り、ターナーを描く。下巻はスイス、イタリアを旅し、ヨーロッパを語る。
  • 「ハックルベリィ・フィンの冒険」の素地となった作品。前半はマーク・トウェイン自身の4年間の水先案内人時代の生活を描き、後半は、21年ぶりに訪れたミシシッピ川やその流域の変貌を描く。当時の状況を知る優れた風土記でもある。
  • 生物実験で本当は鳥になるはずだったのに、コレラ菌になってしまった主人公は人間の体内に入る。そこには騒然とした細菌国家があった……。当時、世界的に注目を浴びていたダーウィンの『進化論』への痛烈な批判を込めて描く。 本邦初訳。
  • 「まぬけのウィルソン」は、指紋採集を趣味とする弁護士が、黒人と白人の取替え、そして殺人事件に至る悲喜劇を解決するミステリー作品の原点。「かの異形の双生児」は、奇形のイタリア貴族が米国で巻き起す南北戦争時代のコミカル劇。
  • 「トム・ソーヤーの冒険」の続編にあたる本書は、放浪を宿命づけられたハックを主人公に描いたもので、“南部人”としてのトウェインの顔が随所に現れた作品としても論争の的になっている。巻末に新たに発見された原稿を追補。
  • 時代は中世。舞台はオーストリアの古城。超能力を持つ正体不明のストレンジャー44号に「分身」と「本体」に分裂した人間像を与え、その自由奔放な行動を通じて、「無意識」という名の人間の深層心理を浮き彫りにした先駆的作品。
  • “ソクラテスになったマーク・トウェイン”。老人と若者との対話形式で、近代社会を支える人間存在を、自らの欲望で動く「機械」にすぎないと断言するパラドックス的人間論。作者晩年の代表作でペシミズムの影が現れた哲学的な作品。
  • “キリスト教と性”をテーマとした表題作は、「大天使」サタンに擬し、人間のもつ偽善性を赤裸々に描く。「アダムとイヴの日記」は、「創世記」にヒントをえてトウェインの女性観を披露した作品。「クリスチャン・サイエンス」は本邦初訳。
  • 冒険小説の古典として文学史にのこる名作は意外に知られていない? 自由奔放な少年トムとハックを中心に描く本書は、少年少女小説の形式をとりながらも、当時の閉塞したアメリカ社会への批判を根底に秘めた大人のメルヘンであった。
  • ファンタジー流行の影には、未来への不安が潜んでいる……。英国児童文学史上、優れたファンタジーが集中した1860年代、1900年代、1950年代。『不思議の国のアリス』『ピーター・パン』『トムは真夜中の庭で』等が世に出たこれらの時代が、いずれも《歴史的危機》を迎えていたことに着目し、《ファンタジー黄金時代》に書かれた作品と時代背景の関係を読み解く。地図・年表・読書案内付。図版多数。◆取り上げられる作品◆◆チャールズ・キングズリー『水の子』◆ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』◆ジョージ・マクドナルド「黄金の鍵」◆ラドヤード・キプリング『プックの丘のパック』◆ケネス・グレイアム『柳に吹く風』◆J・M・バリー『ピーター・パン』◆メアリー・ノートン『床下の小人たち』◆ルーシー・M・ボストン『グリーン・ノウの子供たち』◆フィリッパ・ピアス『トムは真夜中の庭で』※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、予めご了承ください。試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • 樹木や森林の重要性をいち早く物語で表現したジオノ。世俗的な報酬をいっさい求めることなく黙々と森林再生に努めたブフィエ。読者がそれぞれ自分の状況に応じてこの物語を楽しんで読めばいい。文学は多様な読み方が可能なのである。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、予めご了承ください。試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • 帝から「歌枕さがして参れ」と命ぜられ、清少納言への恋歌「かくとだにえやはいぶきのさしも草……」との歌を残して旅立った実方中将。各地に遺る実方伝承の解読を通して「歌枕」の意味と実方の実像、『枕草子』成立の謎に迫る。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、予めご了承ください。試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • 近代心理小説の最初の傑作とされるラ・ファイエット夫人作「クレーヴの奥方」のモデルを史実の中に探り、宗教戦争と権力闘争に明け暮れる16世紀中葉の宮廷社会に生きる一人の女性の姿を甦らせた、フランス古典文学研究の先駆的研究。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、予めご了承ください。試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • 1,815(税込)
    著:
    竹澤克夫
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    「雨ニモマケズ 風ニモマケズ……」この詩は大トランクの袖ポケットに入った手帳の中から死後、発見された。詩人、童話作家、宗教者、農業技術者……孤高の詩魂と熱情に生き、安住を拒否し、意志に殉じた賢治37年の生涯を描く。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、予めご了承ください。試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。

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