『文芸・小説、ふらんす堂、1円~、半年以内』の電子書籍一覧
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◆ふらんす堂電子書籍1000円シリーズ
◆第二句集
濤音のどすんとありし雛かな
『家族』は私の第二句集である。
本句集には、『郊外』以後、ほぼ平成末年までの作品を収めた。
◆自選十七句
敲いてはのし歩いては畳替
外套の中なる者は佇ちにけり
青空の端に出されし福寿草
幼子の遊びくらせる二月かな
ひとつこと済みたるものの芽なりけり
みづうみにみづあつまれる紫雲英かな
菜の花を挿す亡き者に近々と
櫻貝夜深き風は聞くばかり
濤音のどすんとありし雛かな
明易き森の中なる灯がともり
遠国の石を配せる牡丹かな
萍のうごかぬ水の減りにけり
いづこへか下る石段夜の秋
白波に乗る何もなしきりぎりす
はなびらの間のひろき野菊かな
コスモスを大人数の去りしなり
青空の光つてゐたる秋の暮 -
◆ふらんす堂電子書籍1000円シリーズ
◆第一句集
どぶろくの瓶の吹雪を飲み干しぬ
『氷湖いま』は異彩を放つだろう。すなわち、地方に立脚するのみの風土詠ではなく、かといってのっぺりとした都市風景でもなく――誤解をおそれずにいえば、「洗練された風土詠」ということになる。
序より・櫂未知子
跋・佐藤郁良
栞・橋本喜夫
◆自選十句
立子忌の咲いて名前も知らぬ花
生きるにはふるさとを欲り夏蜜柑
血の記憶ありさうな孑孑ばかり
メロン食ふたちまち湖を作りつつ
わたつみの光なら欲し葡萄棚
林檎狩脚立にすこし海の香
虫籠を湖の暗さの物置より
さざなみは船に届かずカーディガン
灯を点けて塔の全貌夜鳴蕎麦
ためらはず踏め樏の一歩目は -
◆第十四回田中裕明賞
候補作品、選考経過報告の他に、電子書籍版限定で受賞記念ネット句会や授賞式の様子も収録。
2004年に45歳で夭折した田中裕明を顕彰するとともに、これからの俳句の未来をになう若い俳人を育てるための一助となればと願いつつ創設した「田中裕明賞」の第14回の選考経過報告が出来上がりました!
俳句史における貴重な資料とするべく、毎回冊子にして田中裕明賞の記録を残していきます。
選考経過を録音しそれをもとに構成された読み応えのある一冊になっています。
◆受賞作は 岩田奎句集『膚』(はだえ) -
◆ふらんす堂電子書籍1000円シリーズ
◆第一句集
白魚の唇につかへて落ちにけり
ものをよく見て、言葉を選んでいること。季語の奥行きを摑み取ることが出来ていること。特に前述した一物仕立ての俳句が際立ってきたことに目を瞠りました。
(序より・山口昭男)
◆作品紹介
短日やじつと見つめる垣の猫
人肌の触れて離るる虫の闇
伸びてゐる木賊と折れてゐる木賊
初湯出て壮年の身になりにけり
糊あまくにほへる障子洗ひかな
神の旅耳にあかるき風過ぎて
掌に貼りついてゐる種を蒔く
風吹いて肩の繪日傘まはりけり
蘭鋳の鼻にあぶくのついてをり
うすずみの萬といふ文字秋の霜 -
◆必読入門書
俳句はこうして生まれる。
欲しかった一冊。
初句索引に加え、「私を育ててくれた人々」を書きおろしています。
入門書としては必須アイテムのシリーズです。
◆001
晩夏光もの言ふごとに言葉褪せ
昭和四十一年、大学入学と同時に「慶大俳句」に入会した。クラブ活動は短歌か俳句と心に決めていたが、当時短歌研究会はなかったので、おのずから俳句研究会へ導かれた。新入生歓迎会は明治神宮吟行。近くの喫茶店で生まれて初めて句会というものに参加した。現役よりOBの方が多い句会だったが、何句か先輩達の選に入った。それでやみつきになったが、やがて自分の言葉の貧しさにも気づかされた。
(『夏帽子』昭和四一年) -
私がHaiku Column を運営して4 年目になる。
毎日365 日休まずに運営してきた。その結果最近になって結論らしきものが見えてきた。
まず、最初に、Haiku Column は国際俳句交流の「一つ」のグループである。
初めは切れ、取り合わせに拘って、二行詩を提唱してきた。
そして、永田氏が七つのルールを提案した。
その結果、メンバーの間に、俳句は二つの部分からできている、と言うことが浸透し、そして七つのルールによって省略が効いてきた。
説明的な句がなくなってきた。具体的な物に語らせる、瞬間を切り取って詠むと言うことが浸透してきた。
次に大きな発見であるが、季語を紹介し始めてから、季語の欄が勢いづいてきた。
今現在、一つの季節に70 位季語を紹介しているが、季語の欄はどんどん秀句が貯まっていく。今回は歳時記、「春」 を出版したが、それぞれの季節に70 個季語を載せているので 今後、夏、秋、冬、新年を出す予定である。現在10000 以上の句が貯まっている。
一行目に季語、二行目に季語と良い距離感を持った季語とは別の言葉、また反対に、二行目に季語、一行目に季語と程よい距離を持った言葉というパターンを示してから、メンバーの俳句が日本の俳句に近くなってきた。シラブルも10 から15 の間で、そのまま日本の17 音俳句に訳すことが可能になってきた。
日本の俳人と交流するためにも、17 音に訳されたHAIKU は貴重なものだと思う。
今後できる限り、この方法でいきたいと思う。
私たちはここで有季定型グループとして進めていきたいと思う。
同じものを見て、同じように感動し、同じ気候の中で同じ感覚を持つことは、素晴らしいと思う。これこそ国際俳句交流の姿だと確信する。
(巻頭言より) -
◆世界21カ国の俳人による冬・新年の歳時記
21カ国から集結した俳人たちが織りなす季語の世界
ここ二年近いコロナ禍の日々にもめげず、この歳時記を世に問うことを決めた向瀬美音に対し、感嘆の念を禁じ得ない。皆が疲弊した、行く先が見えず、心がささくれた。しかしながら、彼女は俳句を、そして季語を通して、たしかなる一冊をもってわれわれに十七音の存在を知らしめようとしている。
(序より・櫂未知子)
◆収録季語126語 -
◆第二句集
香水を一滴をんな取り戻す
美音さんの句はかなり大胆な試みのもとにあることがわかる。
いままでの美音さんの句全体を見渡してみると必ずしも試みが成功しているとは言えないものもあるのだが、そうした不成功を怖れないところが美音さんの特徴とも言える。
むしろ、ここからまた何か新しいものが生まれるのではないかという期待が生じてくるのである。
序より・大輪靖宏
◆自選十二句
連山を統べ大阿蘇の野火走る
この先は獣道かや山桜
荷風忌やソーヌゆつくり蛇行して
ときめきは晩年に来よ桃の花
国境は青き海なりつばくらめ
もう少しで星を摑めるハンモック
美しき刻を重ねて滴りぬ
あるがまま溺れてみたき芒かな
十六夜のしづかに潮の引きにけり
アサギマダラ色なき風に抗はず
家系図に一人加ふる春隣
初夢や手には届かぬ北極星
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