『文芸・小説、中央公論新社』の電子書籍一覧
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夏の芝生、雨の午後。その手触りは決して褪せることがない――
〈これが記念すべき、安西水丸さんとの初仕事〉
村上春樹の最初の短編小説集を当時の装幀のまま単行本で復刻。
復刊に寄せて、著者による序文を新たに収録。 -
泥臭い野心と権威への追従――。残念に生きたその人は、いかにして巨大かつ精緻な交響曲を生んだのか? 21世紀の今、多くの聴衆に支持され、時代と響き合うに至った作曲家の実像。その生涯から場面(エピソード)を小説化、事実記録(伝記)と組み合わせたハイブリッド評伝。【ブルックナー生誕200年記念企画】
*目次より
序
第一章 出生から教師時代まで(1824-1855)
第二章 リンツでの修業時代(1856-1868)
第三章 ヴィーンでの苦難の日々(1868-1878)
第四章 遅れに遅れた名声(1879-1889)
第五章 晩年(1890-1896)
エピローグ 死後の名声
後記 -
星子は40代のシングルマザー。職業は(あまり売れていない)小説家。
大学受験を控えた娘を見守る日々、娯楽好きの親友と楽しむカラオケやスーパー銭湯、忘れた頃に姿を見せる元夫、
そして20代の男との間には恋が芽生えて!
誰もが知っているあの歌や、たくさんの笑いをちりばめて
大人のふつうの毎日が、幸せに一歩近づく物語 -
「私の生理ってきれいだったんだ」
『おばちゃんたちのいるところ』が世界中で大反響の松田青子が贈る、はりつめた毎日に魔法をかける最新短編集。
コロナ禍で子どもを連れて逃げた母親、つねに真っ赤なアイシャドウをつけて働く中年女性、いつまでも“身を固めない” 娘の隠れた才能……あなたを救う“非常口”はここ。
〈収録作〉
天使と電子
ゼリーのエース(feat.「細雪」&「台所太平記」)
クレペリン検査はクレペリン検査の夢を見る
桑原さんの赤色
この世で一番退屈な赤
許さない日
向かい合わせの二つの部屋
誰のものでもない帽子
「物語」
斧語り
男の子になりたかった女の子になりたかった女の子
〈解説〉小林エリカ -
「戦艦などは、遠からず無用の長物になるはずだ」
昭和一六年。満州国を巡る日米間交渉は、互いの主張が平行線をたどったまま打ち切られる。
米国はダニエルズ・プランのもと、四〇センチ砲装備の戦艦一〇隻、巡洋戦艦六隻をハワイとフィリピンに配備。アジア艦隊を増強して軍事的圧力をかけ続けた結果、西太平洋の緊張は極限に達していた。
この強大な国力に比するべくもなく、日本は戦艦の建造を断念する。海軍の主力を空母と航空機とすることで活路を見出そうとするが、航空機で戦艦に勝てるものなのかは確証が得られていなかった。
日米戦争が勃発すれば、敵の大艦隊が一気に日本本土へ迫り来るであろう。
連合艦隊は、この事態を食い止めることができるのか!? -
武田泰淳没後まもなく行われた深沢七郎との長い対談。互いの若いころの思い出を語りあう吉行淳之介との対談、独り暮らしの日常を語る金井久美子・美恵子との対談、岸田今日子による『富士日記』についてのインタビューなど、生前行われた武田百合子のすべての対談を収める。金井姉妹の語りおろし対談「百合子さんのこと」を増補する。
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この物語には、二人の「私」と、二つの「真実」がある。
結城真一郎氏絶賛!
読み始めて思った。「王道の辻堂作品だ」と。
読み終えて思った。「まんまと騙された」と。
昼と夜で、一つの身体を共有する茜と咲子。
しかし「昼」が終わりを告げたとき、予想だにしなかった「夜」の真相が明かされる――。 -
歴史小説家たちが紡ぐ時代の違う5つの物語が、あるひとつの「怪異」で繋がる。
読後に訪れるこの震えは、恐怖か、驚愕か――?
異端にして傑作の歴史小説集、ここに誕生。
5つの「畏怖」が、この国の歴史を塗り替える
矢野 隆 有我 ――鎌倉時代、壱岐。元寇に抗う男に訪れたある異常。
天野純希 死霊の山 ――室町時代、近江比叡山。霊峰に現れた狐憑きの正体は。
西條奈加 土筆の指 ――江戸時代初期 中部地方。墓の土饅頭から土筆が生え……。
蝉谷めぐ実 肉当て京伝 ――江戸時代後期、江戸市中。山東京伝の妻は、自らを「人魚」だという。
澤田瞳子 ねむり猫 ――江戸時代末期、大奥。城内に現れる不可思議な病。 -
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落語家立川吉笑が雑誌『中央公論』に連載中の人気コラムをまとめた電子書籍。各回タイトル:(1)芸名変更ニモマケズ(2)明日は昨日の風が吹く(3)SMAPこわい(4)疑わしきは、我にあり?(5)散り際は、潔くなく(6)“ベタ”力(7)コンプライアンスの功名(8)アラ出汁はいつでも美味い(9)応援してしまう夏(10)不倫よりも抜きたいスクープ(11)お金の重み(12)人気稼業は大変だ。 -
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【書店員が選ぶ絵本新人賞2023特別賞】
ぼくは「たかいたかい」が大好き。お父さんはわが子のリクエストに応えて、腕を目一杯鍛えます。どんどん“たかく”なるお父さんの腕。ビルを越え、山を越え、ついには宇宙に飛び出す「たかいたかい」に立ち塞がるのは――巨大な隕石! -
襲いくる加齢現象を嘆き、世の不条理に物申し、女友達と笑って泣いて、時には深ーく自己反省。アガワの真実は女の本音。笑いジワ必至の痛快エッセイ。
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文政六年、いじめに耐えかねた西丸書院番二番組の新参・松平外記が三名の古参を城中で斬り殺す大事件、いわゆる「千代田の刃傷」が起きた。幕閣が混乱する中、二百二十五石の小旗本で無役の小普請組・北条志真佑は、番士を一新し再編成された二番組に抜擢され、妹の幸や叔父の相模八左衛門とともに喜んでいた。上泉新陰流を使い、十一代将軍徳川家斉の世子・家慶の力にならんと腕を撫す志真佑だったが……。待望の新シリーズ始動!
【目次】
第一章 騒動の後始末
第二章 役付の誉れ
第三章 城中規律
第四章 恨の根
第五章 盾の意味 -
元式部丞・藤原為時の娘で二十歳の小姫(のちの紫式部)は、創作の腕を評価され、左大臣源雅信の娘・倫子に「物語の女房」として仕えていた。小姫の書いた「光る君」を主人公とする短編は、貴族社会の一部で評判を取り、回し読みされている。倫子の要望に従い次々と執筆しているうちに創作の「種」に詰まってしまった小姫は、ある日、隣家の中流貴族の娘で幼馴染みの月乃に「取材」へ誘われる。女房たちの間で噂になっている七の宮の恋の真相を知るため、宮が女と逢瀬を重ねているという廃院に行ってみようというのだ。月乃の父の荘園を治める荘官の子・鶴丸を供に、廃院に向かった三人だったが……。
若き日の紫式部が、相棒とともに都大路の「謎」に迫る!
【目次】
第一話 六条の廃院
第二話 尋ねゆく幻術士
第三話 あこがれの草子
第四話 車争い
第五話 鳴滝参り -
「辻堂ミステリの最高傑作であり真骨頂。
本書で秘密を解くのは探偵ではない。読者である」
先生、聞いて。私は人殺しになります。お願いだから、じゃましないでね?(「教師と児童」)
わたしだって本当の気持ちを書くからね。ずっと前から、ムカついてた。(「姉と妹」)
嘘、殺人予告、そしてとある告白……。
大切な人のために綴られた七冊の交換日記。そこに秘められた、驚きの真実と感動とは?
――この緻密な仕掛けを、是非読み解いてください。 -
ムカゴにシメジに……カックイまで!
どうりで山のいい香りっこがすっと思ってました。
青森県南に座す葵岳。その登山口にあるレストランでは春夏秋冬、様々な事情を抱えるお客様が訪れる。彼らを迎えるのは都会で修業したイケメンオーナー・登磨と、おっちょこちょいで、すっとこどっこいな店員の美玖。彼女の接客は時に奇跡を起こすのだが、美玖自身にもこの山と店の料理にこだわる理由があって……。
青森のご当地食材がじゅわっと染み入る、絶品&感動お料理小説。
『山の上のランチタイム』改題 -
都内の住宅地で人質籠城事件が発生。所轄署や捜査一課をはじめ、門倉美咲、伊崎基子両巡査が所属する警視庁捜査一課特殊犯捜査係も出動した。人質解放への進展がない中、美咲は差し入れ役として、犯人と人質のもとへ向かうが……!? 籠城事件と未解決児童誘拐事件を結ぶ謎の少年、その背後に蠢く巨大な闇とは? 〈ジウ〉サーガ、ここに開幕!!
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大統領選挙後、共和党過激派が各州で起こした“大陪審”が、アメリカ分断をもたらそうとしていた。大陪審の判決を目前に控えたある日、テキサスの田舎町を襲った巨大竜巻の爪痕から、半分ミイラ化した古い死体が発見される。
同じ頃、北米全土では一部放火が疑われる山火事が多発していた。大陪審後の混乱に備え、州軍の活動が制限される中、ワシントン州のヤキマ演習場にいた陸上自衛隊水陸機動連隊の部隊に対し、消防活動への援助要請が下るが……。
超大国アメリカの未来を占う迫真の新シリーズ、堂々開幕!
【目次】
プロローグ
第一章 トルネード
第二章 ヤキマ演習場
第三章 怪しい影
第四章 ヤキマ作戦
第五章 大陪審
第六章 ダラスの熱い夜
第七章 父と娘
第八章 崩壊へのカウントダウン
エピローグ -
「情けない人生でした」――器用に生きていた後輩の死、海で溺死した父……
岸本佐知子さん、能町みね子さん推薦!忘れられない喪失の記憶を炙り出すエッセイ集。岩井秀人さんとの特別対談収録。
「面白くて途中で読むのをやめられない。前田さんの文章には、読む人を前へ前へと駆り立てる不思議なエンジンがある。」
(岸本佐知子)
「死なれちゃった時は、まえさんみたいにたくさん話したほうがいい、って思う。マヌケなことや、細かいことまで、なにもかも。」
(能町みね子) -
【目次】
Ⅰ お金のこと
●奨学金は人生に重くのしかかる。
●〈経験〉はお金で買える最たるものだ。
●〈人に迷惑をかけてはいけない〉社会の圧力と自助の呪い。
●勇気を出して有給休暇を取ってみた。
●〈栄養バランス〉なんて余裕がないとできない。
●孤独を埋めるのにもお金がかかる。
●奨学金返済を苦に亡くなる人がいる国で。
Ⅱ 心と身体
●殴られていなくても、〈虐待被害者〉だと気づく
●〈1日24時間〉は同じでも、動ける時間は人それぞれだ。
●優先席の権利を誰が決められるのか。
●マイノリティは常に説明を求められ続ける。
●人づき合いに必要な〈食べる〉ということ。
Ⅲ 愛について
●「稀代のおしゃべりすと」柚木麻子さんとついに対面。
●人生ただ1冊の〈デビュー作〉ができた!
●肩書きや経歴で人を判断しない人たちに生かされてきた。
●知識や情報、文化。無形のものを与えられて生きる意欲を得た。
●ちゃんみなの『美人』に胸を射抜かれた。
●羽生結弦、ついに訪れた推しのプロ転向。
●平手友梨奈、強烈な光ゆえにアンチも多いが、彼女らしく輝いてほしい。
●推しは〈生きる意味〉を教えてくれる。
●ちゃんみなライブ初体験、豊かさについて悟る。
●ついに羽生結弦くんを見た!
Ⅳ 未来へ
●貧困者に世間が向ける目は厳しい。
●たくさんの取材を受けて感じた〈リアル〉
●私が取材にド派手な服で武装する理由。
●内面化したルッキズムは人を殺す。
●ある日、記事がバズって世界が変わった。
●〈死〉を考える。
●〈自分は幸せになってはいけない〉の呪いを超えて
●中川家のこと。 -
離婚して一年。荒んだ生活を送っていた幸彦は、ある「学校」を紹介される。そこには様々な事情を抱える生徒たちが通っていた――。忙しすぎて“生活”が後回しになっている、大人たちへの応援歌!
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この一冊で見渡す作品世界――。
若くして洞察に富むデビュー期の輝き、早すぎる晩年の作ににじむ哀切。
二十年でついえた作家としてのキャリアの中で、フィッツジェラルドが生み出した幾多の小説から、思い入れ深く訳してきた短篇を村上春樹が厳選。「エッセイ三部作」を加えたベスト十作を収録。 -
捜査一課の刑事・朝倉は、陸自の空挺団出身の変わり種。都内で自衛官の首が切断される猟奇殺人事件が起こり、自衛隊の警務官が捜査本部に乗り込んできた。互いの矜恃をかけて捜査を進める男達だが、朝倉は警務官が抱える機密――基地で首を切られて死んだ別の自衛官の存在を知る。さらに米国海軍犯罪捜査局も絡み、事件はより複雑な様相に……「傭兵代理店」の渡辺裕之が描く、新時代の警察小説。シリーズ開幕。
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おちゃめな孫娘と頑固なばあさん
2019年と1963年をまたぐ
二人の冒険の行く先は?
高校入学を目前に、ふとした異変で
昭和にタイムスリップしてしまった菜緒。
時はオリンピック前年。
口が悪く愛想なしの祖母を相棒に
東京タワーから始まる物語は
思わぬ出会いと発見にあふれて――
やがて明らかになる、ばあさんの封印された過去。
取り返しのつかない出来事を、菜緒は覆すことができるのか!?
「ひょお、こりゃ面白くなってきた」「まったく、バカまごといると疲れるよ」
愉快爽快、ラストに涙。阿川佐和子の長編小説。
挿絵 石川えりこ -
「冥途の土産に遺しておくか。俺たちの歴史を。なあ、竜司」楢山は、紗由美と節子、そして警察学校に通う安里真昌を前に、自身の過去を語り始めた。高校時代のある事件をきっかけに、警察学校に入学した楢山は、入学初日に二人の男と出会う。彼らの名は、影野竜司と宇田桐善康――。
影野竜司はいかにして「もぐら」になったか。戦友の楢山や宿敵・宇田桐と出会う警察学校時代を描く、大人気シリーズのエピソード0! -
感受性を全開にして読んでもらえば、おのずから分かる――。ブラックユーモア、思いがけない結末、現実を溶かしていく夢の世界。短篇の名手による、研ぎ澄まされたミクロコスモス。一九六一年の「肥った客」から八二年の「夢の車輪」連作まで、掌篇五十篇を年代順に初集成。文庫オリジナル。〈解説〉荒川洋治
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横須賀で行われた海上自衛隊の観艦式。警備についた朝倉は、NCISのハインズから捜査協力の依頼を受ける。式に参加している米海軍空母内で殺人事件が起こったというのだ。急遽空母に乗り込んだ朝倉だが、事件への関与が疑われるロシア人スパイを追う矢先、艦内で第二の殺人が――。米国、ロシア、そして中国。各国の思惑が渦巻くなか、「特別強行捜査局」は真実に辿り着けるのか。25万部突破の人気シリーズ第10弾!
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大雪の日、大人気作家の御津島磨朱李が細部までこだわった新邸のお披露目会が行われた。招かれたのは作家と編集者、文芸評論家と……。最初は和やかな雰囲気だったが、次第に雲行きが怪しくなっていく。奇想天外、どんでん返しの魔術師による衝撃のミステリー!
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<あげるよろこび もらうしあわせ>
ゆらん ゆらん。
ふたごパンダがしあわせもとめて行ったのは?
子どもから大人までプレゼントにも最適な1冊。
【大好評癒やし絵本シリーズ第3弾】 -
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私はハンガリーの小さな町の、水道のない家で育ちました。そんな暮らしから、私はどのようにして、自分の科学的発見でこれほど多くの人々に影響を与えるようになったのでしょうか?
その疑問に、私は一言で答えることができます。それは、「好奇心」です!
私はずっと好奇心いっぱいの女の子でした。
もし、これを読んでいるあなたが科学者になりたい女の子なら、私からあなただけに特別なメッセージを送ります。
全力でがんばれ! そして、どんなものにもあなたの進む道のじゃまをさせないこと。夢は大きく!
――カタリン・カリコ -
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レオナルド・ダ・ヴィンチは、歴史上最大の天才の1人と見なされています。画家でありながら学者でもあった彼は、ごくわずかしか絵を描きませんでしたが、それらはすべて美術史上の傑作です! イタリア・ルネサンスの大天才の芸術世界へようこそ。
《モナ・リザ》や《最後の晩餐》など作品説明も充実しています。小学生低学年から。 -
SRO二代目室長に就任した芝原麗子は、これといった成果を上げられず、重圧に苦しんでいた。人員不足を埋めるべく新たに配属された夏目悠太郎が目をつけたのは、未解決の連続殺人事件。かつての銀幕のスター・鳳翔ルリ子の恐るべき欲望が悲劇を巻き起こす。一方、3年前にテロを企てた大宇宙真理の光教団は、教主・美福門太陽が罪を免れたことで力を取り戻しつつある。さらに、最凶シリアルキラー近藤房子の薫陶を受けた石塚麻友が、非情な殺人鬼へと変貌し――。大人気シリーズの新章が幕を開ける!
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「明日死ねたら楽なのにとずっと夢見ていた。
なのに最期の最期になって、もう少し生きてみてもよかったと思っている」
「一ヶ月後、小惑星が衝突し、地球は滅びる」。学校でいじめを受ける友樹、人を殺したヤクザの信士、恋人から逃げ出した静香。そして――荒廃していく世界の中で、人生をうまく生きられなかった人びとは、最期の時までをどう過ごすのか。滅びゆく運命の中で、幸せについて問う傑作。
〈巻末対談〉新井素子×凪良ゆう -
南米コロンビアで凄絶な幼少期を過ごしながらも、マフィアのボスにまで上りつめた日系二世のリキ・コバヤシ・ガルシア。その彼が、幼い娘を伴い来日した。目的はライバル組織に裏切られ、警視庁に勾留されている部下の奪還と復讐、日本での勢力拡大。だが、もうひとつ目的が……。人の心の在処を追い続ける著者の、揺るぎなき原点にして、傑作巨篇。
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南米コロンビアで凄絶な幼少期を過ごしながらも、マフィアのボスにまで上りつめた日系二世のリキ・コバヤシ・ガルシア。その彼が、幼い娘を伴い来日した。目的はライバル組織に裏切られ、警視庁に勾留されている部下の奪還と復讐、日本での勢力拡大。だが、もうひとつ目的が……。人の心の在処を追い続ける著者の、揺るぎなき原点にして、傑作巨篇。
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こうして私はワイヤーにぶらさがって村にたどり着くことができ、結果、生きのこったわけだが、ここで問題になるのは、私がワイヤーをわたりきり、いわば死の瀬戸際から脱出したときに何を思ったのかだ。
私はこんなことを考えた。
もしワイヤーではなく、川を泳いで生きのこったら、そっちのほうが話は面白くなったんじゃないか?
そしてこんなことを考えている自分にゾッとした。(本文より)
生死の瀬戸際で、もう一人の自分が囁く「もっと面白くしよう」という誘い。書くことは不純だと言いながら、それでも書き続ける冒険家・角幡唯介がたどり着いた、行為する表現者の真髄とは。
【目次】
序 論 探検って社会の役に立ちますか?
第一部 行為と表現
第一章 書くことの不純
第二章 羽生の純粋と栗城の不純
第三章 冒険芸術論
第二部 三島由紀夫の行為論
第四章 届かないものについて
第五章 世界を変えるのは認識か行為か
第六章 実在の精髄
第七章 年齢と永遠の美
あとがき あらためて書くことについて -
50歳は「人生100年時代」の折り返し地点。大きな節目を迎え、後半戦をどう生きるか考えるとき、ヒントとなり支えにもなる本とは。各界の著名人が50歳以降も読み続け、読み返す座右の書50冊を紹介。絵本から古今東西の古典まで、人生経験に裏打ちされた大人のための読書エッセイ集。
(執筆者一覧)
Ⅰ途上―折り返し地点をこえて見えるもの
藤森照信/関川夏央/北村薫/平田俊子/保阪正康/宮田珠己/養老孟司/俵万智/上野千鶴子/黒井千次
Ⅱ道標―人生の転機にノウハウ本は役立たない
冨山和彦/仲野徹/内田樹/原研哉/佐治晴夫/松田哲夫/末井昭/和嶋慎治/内田洋子/落合恵子
Ⅲ冒険―世界への窓はいつでも開いている
窪美澄/橋爪大三郎/近藤サト/小池昌代/酒井順子/三浦雄一郎/角野栄子/小林聡美/南伸坊/横尾忠則/小川洋子
Ⅳ再読―二度目からが本当の読書である
川本三郎/伊藤比呂美/鈴木保奈美/大竹しのぶ/宇能鴻一郎/松岡和子/竹内薫/中村桂子/小池真理子/里中満智子
Ⅴ再発見―その本は見事な変身をとげた
岡本裕一朗/若島正/ブレイディみかこ/中園ミホ/安田登/楠木新/金井美恵子/平松洋子/四方田犬彦 -
「天から与えられた才能はどこへ消えた?」
舞台はヴィクトリア朝京都。
洛中洛外に名を轟かせた名探偵ホームズが……まさかの大スランプ!?
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この手記は脱出不可能の迷宮と化した舞台裏からの報告書である。
いつの間にか迷いこんだその舞台裏において、私たちはかつて経験したことのない「非探偵小説的な冒険」を強いられることになったわけだが、世の人々がその冒険について知ることはなかった。スランプに陥ってからというもの、シャーロック・ホームズは世間的には死んだも同然であり、それはこの私、ジョン・H・ワトソンにしても同様だったからである。
シャーロック・ホームズの沈黙は、ジョン・H・ワトソンの沈黙でもあった。
-----(本文より)
謎が謎を呼ぶ痛快無比な森見劇場、ついに開幕!
目次
プロローグ
第一章 ジェイムズ・モリアーティの彷徨
第二章 アイリーン・アドラーの挑戦
第三章 レイチェル・マスグレーヴの失踪
第四章 メアリ・モースタンの決意
第五章 シャーロック・ホームズの凱旋
エピローグ -
疫病に荒れた世を建て直す救国の英雄か、
古代社会を破壊する稀代の逆賊か。
謎多き人物の実像に、直木賞作家の筆が迫る。
時は天平。都には天然痘が蔓延し、朝廷にて我が世の春を謳歌していた藤原一族も権勢に陰りを見せていた。その中において、ひとり異彩を放つ男がいた。藤原仲麻呂(恵美押勝)。祖父・不比等や父・武智麻呂の血を色濃く受け継いだこの男は、叔母の光明皇后や次代の天皇である阿倍内親王の寵愛を受け、急激に頭角を現していく。だが仲麻呂は、祖父や父も持ちえなかった、危険な野望を胸に宿していた。北辰の門――この国の皇帝となる道を開こうとした男の、鮮烈なる一生。 -
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【書店員が選ぶ絵本新人賞2023特別賞】
雪が降る前は、いつもと少し違う。日常生活の中で、だんだんと降り積もる雪を待つ人々。少しドキドキ、少しわくわく、そんな静かな高揚を感じる作品。 -
問題を起こし家裁に送られてきた少年を一定期間預かる制度――補導委託の引受を突然申し出た父・孝雄。南部鉄器の職人としては一目置いているが、仕事一筋で決して良い親とは言えなかった父の思いもよらない行動に戸惑う悟。納得いかぬまま迎え入れることになった少年と工房で共に働き、同じ屋根の下で暮らすうちに、悟の心にも少しずつ変化が訪れて……。家族だからこそ、届かない想いと語られない過去がある。岩手・盛岡を舞台に、揺れ動く心の機微を掬いとる、著者会心の新たな代表作!
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「これからつぶやくひとふしは とても悲しい物語……」
保険会社のコマーシャル・キャンペーン《幸せな家族》のモデルに選ばれた中道家。しかし撮影はなかなか進まず、やがて不気味な唄の歌詞にあわせたかのように、次々と家族が死んでゆく――
刊行以来、全国各地の少年少女に衝撃を与えてきた伝説のジュヴナイル・ミステリ長篇、奇跡の復刊。
〈解説〉松井和翠 -
「悲しみ(grief)と虚無(nothing)しかないのだとしたら、ぼくは悲しみのほうを取ろう。」
1937年――人妻シャーロットと恋に落ち、二人の世界を求めて彷徨する元医学生ウイルボーン。(「野生の棕櫚」)
1927年――ミシシピイ河の洪水対策のさなか、漂流したボートで妊婦を救助した囚人。(「オールド・マン」)
二組の男女/二つのドラマが強烈なコントラストで照射する、現代の愛と死。
アメリカ南部を舞台に、実験的かつ斬新な小説群を、生涯書き継いだ巨人、ウィリアム・フォークナー。
本作は、「一つの作品の中で異なる二つのストーリーを交互に展開する」という小説構成の先駆となったことで知られる。原著刊行(1939)の直後、ボルヘスによってスペイン語訳され(1940)、その断片的かつ非直線的な時間進行の物語構成により混沌とした現実を表現する手法は、コルタサル、ルルフォ、ガルシア=マルケス、バルガス=リョサなど、その後のラテンアメリカ文学に巨大な霊感を与えた。
他方、現代日本の小説にも、大江健三郎(『「雨の木」を聴く女たち』)や村上春樹(『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』)、叙述トリックを用いたサスペンス小説(連城三紀彦は本作を生涯の10冊に挙げている)など、本作の影響は数多見受けられる。
また、ゴダール(『勝手にしやがれ』)、ジャームッシュ(『ミステリー・トレイン』)における言及で本作を知る映画ファンも多いだろう。
その意味では、文学のみならず20世紀カルチャーにおいて最大級の方法的インパクトを与えた、世界文学史上の重要作にして必読の傑作だといえる。
その本作を、『八月の光』『サンクチュアリ』『兵士の報酬』などの名訳によって定評のある、加島祥造訳にて復刊する。 -
謀略に次ぐ謀略!
有力皇族の誅殺、忍び寄る疫病の影――。
藤原家の四子がこの国にもたらしたのは、栄光か、破滅か?
直木賞作家にしてノワール小説の旗手が、古代史上最大の闇に迫る衝撃作。
藤原武智麻呂、房前、宇合、麻呂の四兄弟は、父・不比等の意志を受け継ぎ、この国を掌中に収めるため力を合わせる。だが政の中枢には、不比等が唯一畏れた男、長屋王が君臨していた。
皇族と藤原家。それぞれの野心がぶつかり合い、謀略が交錯するとき、古代史上最大の闇が浮かび上がる――。
〈解説〉木本好信(元龍谷大学教授、奈良時代政治史) -
「なぜ本書が、(中略)かような一大傑作論考として結実したのかといえば、それは結婚が全部悪いのである。」(あとがきより)
「どうして結婚したんですか?」
この、デリカシーに欠けた、無配慮で苛立たしい“愚問”がもたらしたのは、人はなぜ冒険するのかという「最大の実存上の謎」への偉大な洞察だった!
人生の下り坂に入ったと自覚する著者が、探検家としての思考の遍歴を網羅した傑作エッセイがついに文庫化。
〈解説〉仲野徹(生命科学者)
目次
序 章 結婚の理由を問うのはなぜ愚問なのか
第一章 テクノロジーと世界疎外――関わること その一
第二章 知るとは何か――関わること その二
第三章 本質的な存在であること(二〇一九年冬の報告)――関わること その三
第四章 漂泊という〈思いつき〉――事態について その一
第五章 人はなぜ山に登るのか――事態について その二
終 章 人生の固有度と自由 -
夏川秋代は、夫を亡くして公団住宅にひとり暮らし。ある日、「(長女の巴と)家族になろうとしている」と語る若い男が突然やって来た。戸惑う秋代をよそに家に上がり込む謎めいた男。彼は本当に娘の婚約者なのか、それとも新手の詐欺なのか――。
秋代には実は、長女だけでなく、二人の息子にも男の来訪について相談できない理由があった。アメリカで未婚のまま娘を産んだ長女、男らしさの抑圧に悩み在日韓国人のパートナーとうまくいかない長男、借金を重ねて妻子に出て行かれた次男……こじれた家族の関係は修復できるのか。
現代文学の最前線を走る作家が、家族のあり方や人々のつながり方を問う渾身の長編。
〈解説〉大前粟生
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