『文芸・小説、吉村昭、401円~500円』の電子書籍一覧
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40年におよぶ刑務官生活にピリオドを打った鶴岡に、再就職の話が舞い込んだ。それは、巣鴨プリズン跡地に建つ高層ビル建設の警備を指揮するというものだった。鶴岡の脳裏に、かつて自らが刑務官として勤務したプリズンの情景がよみがえった――。敗戦国民が同国人の戦犯の刑の執行を行うという史上類のない異様な空間に懊悩する人々の生きざま。綿密な取材が結実した吉村文学の新境地。
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著者の文学主題が巧みに象徴的に表された傑作4篇
兄の顔から血の気がひいていた。次郎は、無言で差し出された覗き桶を手にし、舟べりに膝をついてガラス板の中をのぞいた。水底の岩礁のくぼみに、海草のようにゆらいでいるのは、たしかに、白いスカートの裾だった……。女の水死体発見にまつわる、一漁村の異常な体験を描く表題作ほか、「鷺」「貝の音」「野犬狩り」の3作品を併録。野心的題材を扱って、著者の文学的力量を示す秀作集。 -
作家の決意を窺わせる処女作品集。瑞々しい傑作6篇
胸を病んだ久光は英一の家に下宿している。火事のあったある夜半、英一は隣屋で寝ているはずの母の姿が寝室の中にないのを知る。翌朝、母が溺愛していたハツカネズミは飢えてカチカチに乾燥して死んでいた――。表題作のほか、鉄道事故で死んだ男の死体と夜を明かす女の話「死体」、結核治療で若い日に肋骨を5本切除したという吉村昭自身をモデルにした「白衣」、兄弟と少女の使用人との生活を書いた佳篇「さよと僕たち」と「白い虹」「墓地の賑わい」の6篇。みずみずしい新鮮な情感の中に現代の病根を鋭く抉り出した吉村昭の処女作品集! -
歴史小説第一人者の端然たる名随筆集。小説家の静かなる日常。幼い頃の下町・日暮里での暮らしから病気の事、締め切りよりも早すぎて編集者が戸惑う原稿の話。卯年生まれは口がうまいと言われ憤慨するかと思えば浅草の小料理屋で、罪のない嘘をつく。「エッセイは、小説を書く私の素顔である」という歴史小説の第一人者が、日常から掬い上げた事柄をまとめた上質の随筆集。(講談社文庫)
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