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『ホテルで、して!、文芸・小説、ボイジャー』の電子書籍一覧

1 ~24件目/全24件

  • シリーズ2冊
    275(税込)
    著:
    片岡義男
    レーベル: ――

    時には、朝にホテルにたどり着く一日を。

    日本列島は、台風の通り道だ。
    空模様が暗くなり、雨が、風が激しくなり、
    やがて猛烈な勢いを周囲に振りまいて、ある時ふっと抜けてく。
    その奇妙な高揚感を夜通し自動車の中で体感し、台風一過の朝を海辺で迎え、
    そのあと、ホテルでたっぷり眠る、というのは
    この島に生きる生活者にとっては最高の過ごし方かもしれない。
    その時間を共に過ごした男女には、明日からまた別々の日々が始まる。
    【著者】
    片岡義男
    1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
  • 姉という無限のバリエーション

    女は大学教授。男は小説家。二人はホテルで会い、そこで男女の営みをふんだんに行い、ある時は日本の経済や社会構造について長く突っ込んだ会話を交したりもする。いささか奔放な、とはいえそれなりによくあるインテリ同士のカップルといえそうだがしかし、小説の冒頭からこの二人が姉と弟であると知らされる読者としてはやはり戸惑いと共に読み進めることになるかもしれない。弟が書く小説の女性はすべて、この姉なのだという。姉は無限の色彩を持つクレヨンであり、弟は真っ白な紙だ。
    【著者】
    片岡義男
    1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
  • 暗い場所なら、脱出がよく見える

    地上21階。ホテルではない。私的な寝室だが、生活感はまるでない。外は雨。そしてここは、かなり暗い空間である。ほぼ初対面の男女が、お互いに裸で、会話を交わす。趣味について話し出すと、女の語る趣味は嘘か本当かわからないような(たぶん本当なのだ)荒唐無稽なものだ。いつかはやってみたいこと、として彼女が語る「夢」はいささか常軌を逸しているようでもあり、同時になにかしら人間という生き物の根源に触れるようなものでもある。この暗がりの中で、二人は生活から、日常から「脱出」している。
    【著者】
    片岡義男
    1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
  • ごく内輪だけの写真展

    一人の女性と一人の男性が会うのはいつもホテルの部屋だ。
    そして男は「見てほしいものがある」と言いつつ
    躊躇もあり、もったいぶって、しかしとうとう「それ」、つまり
    写真を見てもらうことになる。
    被写体はすべて同じ。明瞭で、かなりの枚数がある。
    すべて自分で自分を撮ったものだ。
    だが果たして「それ」は自分か?
    嫌悪よりも笑いを表す女性だからこそ、こうして見せることもできる。
    とても公共の場に晒すことはできないが
    やがてホテルの部屋が、ごく内輪だけの展覧会場と化すかもしれない。
    【著者】
    片岡義男
    1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
  • 男は、バカばかり。彼女を癒すのは、ドライジンと心優しきゲイ・ボーイ

    あからさまだったり、まわりくどかったり。
    ホステス、という職業をやっている女性の許には
    様々な男たちが寄ってくる。
    律儀に対応していると、車で連れ出されたり、
    ホテルに連れ込まれたり。
    やけになって雨の中、放り出されたり。
    五月の連休でさえ、つぶそうとしてくる男たちから彼女を解放してくれるのは、
    ドライジンと心優しきゲイ・ボーイだけだ。
  • 275(税込)
    著:
    片岡義男
    レーベル: ――

    ふられる時には、共に移動してみる、というやり方もある。

    女と男がいて、別れが生じようとしている。
    よくある話だ。別れは時に、唐突に訪れる。
    別れ話、とは言うけれど、どちらかが決めてしまったら
    決意はなかなか覆らない。
    2人にとっての最後の時間を、日常ではなく、
    列車や、ホテルや、自動車の中で過ごすことで
    時間ばかりでなく、互いの中を流れていく何かがあるだろう。
    もう二度と会わないのだとしても、
    その「流れ」を2人はその時、確かに共有している。
  • 275(税込)
    著:
    片岡義男
    レーベル: ――

    秋時雨の中を走って、4人の男女の組み合わせが順番にめぐってくる

    吹き付けるような秋時雨の中を
    2台のクルマが走っていく。夜もかなり深い時間だ。
    2台には男女が2組ずつ。合計4人。
    互いに恋人同士と呼んで差し支えない関係で
    それは女と女においても変わりはない。
    やがてホテルにチェックイン。部屋は2つ。今度はクルマでなく部屋だ。
    さて、組み合わせはどうなる?
    4人いれば組み合わせの数は自ずと決まっている。
    が、しかし。実は実現していない組み合わせもあるのだが・・・
    【著者】
    片岡義男
    1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
  • バカな男2人を、しかし女は責めてはいない。

    学生の夏休み。東京からオートバイでやってきて、あまりの暑さに、シャワー浴びたさに、
    分不相応なホテルに部屋を取ってしまう。
    部屋があり、スナックがあり、ビールがあり、そこに彼女がやってきて、思いがけないことになった。友人を呼び出したら、また思いがけないことになった。
    2つの思いがけないことのあいだに、彼女はいる。
    2人の男たちの目の前に、彼女はいる。
    彼女は責めてはいない、静かな悲しみが男たちをうちのめす。
    【著者】
    片岡義男
    1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
  • 部屋とはなんだろうか? そして、部屋の中で風を受けることとは?

    この短編の主人公は、1人の女性と、もう一つは部屋だ。
    部屋に帰りたくない、という思いがあればホテルに泊まるし、部屋探しをしている女性がいれば、同居したりもする。
    部屋とはいったい何なのか。
    住む人と部屋の関係とは何なのか。
    同居生活がなじんできた頃、狙いすましたように魅力的な物件にめぐり合う。
    そこで彼女自身に他ならない風を受けたら、あとは誰にも止めることはできない。
    【著者】
    片岡義男
    1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
  • 自分と、自分に良く似たもう一人の女性。小説による定点観測の試み。

    相当に実験的な作品、と言っていいだろうか。
    彼女は終始、1人であり、この小説に会話は一切無い。
    しかし彼女は会話の代わりに想像する、もう1人の自分を。
    あるいは自分によく似た女性を。あるいは自分のかつての思い出を。
    それら、現在の彼女にとっての「周辺」とともに彼女は生きている。
    場所はホテルの一室、という極めて匿名性の高い空間であり、
    鏡がそこでは大きな役割を果たす。
    小説による定点観測の試みであり、
    片岡義男による徹底したミニマリズムの試みである。
    【著者】
    片岡義男
    1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
  • だめ、だめ、その日もだめ

    これもまた「再会」の物語である。
    片岡義男の小説世界にあっては1台に2人が同乗することももちろんあるが、
    1台に女が、別の1台に男が乗り、前後して道を走るシーンの美しさが際立つ。
    2台が1台になるのはどちらかの自動車ではなくホテルのベッド、という成り行きになっていく。
    問題は「再会」のその次だ。
    次に会う機会をわざと延ばしてみるのもいいかもしれない。
    例えば次がまた新たな「再会」になるくらい遠くまで。
    【著者】
    片岡義男
    1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
  • 275(税込)
    著:
    片岡義男
    レーベル: ――

    「私たち三人」と「私たち」二人が言う

    比喩ではなく、文字通りの挟み撃ちである。
    なにしろホテルのバーカウンターだ。
    撃たれる立場の人間を真ん中に置き、全部で三人ならそういうことになる。
    しかし面白いのは、右側からも左側からも攻撃はない、ということだ。
    なのに真ん中は中座する。だから三人は二人になる。
    まだまだ続きがありそうだ。
    「私たち三人」と言い放つのは右と左の二人だ。
    さて、真ん中はどうするだろうか。
    【著者】
    片岡義男
    1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
  • その複数の声を、一人で聞くということ

    ホテルに一人の女性が滞在している。彼女は朝食を取るために下まで降りていくがウォークマンを携帯させている。そこにはテープが挿入されており、いま、彼女は、その音声をイアフォンごしに聞きながら朝食の時間を楽しんでいる。そのテープには、2週間前に女性3人でさんざんに語り合ったことが録音してあるのだ。その時の熱気。口調。辛らつさとあけすけな内容。それらが朝の彼女の頭蓋の中に響き渡る。そしてその会話のあとの行為についても思い出している……
    【著者】
    片岡義男
    1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
  • 生きることは、見ることのレッスンだ

    徹底して「見る」ということを主題にした長篇である。
    刻々と変化する時間と風景の中で何をどう見るのか。見て記憶するのか。
    見ることを精密にするためにこの小説で導入されるのが写真。
    男は写真を撮ることを通じて「見る=思う」ことを学ぶ。
    そして女はいつも見られる存在でありつつ、「なににもならないままでいる」ことを続ける。
    場所が変化する。ホテル、という中立の場所がある。
    オートバイもある。それらはすべて「見る」ことのための好ましい環境だ。
    「見る」「見られる」ことができている時間が幸福の時間である。
    【著者】
    片岡義男
    1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
  • 二つでは終わらない、まだ三つ目の夏がある

    自由恋愛。あるいは嫉妬。
    そのように呼んでしまうといかにも陳腐に聞こえるが、この短編が少女向け小説のレーベルからリリースされたことには驚いてもいいだろう。
    夏があり、高原のホテルという小世界があり、女性が2人、男性が2人。
    4人のあいだには2組のカップルがあり、その組み合わせがふと変化する。
    まるで日差しを受けたプールの水面のように。
    変化する前と後で2つの夏がある。
    変化に身を委ねることができない1人を置き去りにして、早くも3つ目の夏が始まろうとしている。
    【著者】
    片岡義男
    1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
  • 275(税込)
    著:
    片岡義男
    レーベル: ――

    縛る、とはどういうことか

    二人の女性がいる。その姿、身長、着ている服に共通したものがあり、そして年齢も共に28歳。非常によく似た二人だ。春の夕暮れ、世間ではまだ多くの人が働いている時間に彼女たちはホテルの11階の部屋に入る。ここからが自分たちだけの時間だ。自分たちだけ、でありつつ同時にそこに、二つの道具が挿入される。カメラとロープ。カメラは三脚で固定され、身体はロープで固定される。縛る、ということ、縛られる、ということの果ての無い快感がそこにある。縛ること、縛られることは彼女たちの生き方だ。
    【著者】
    片岡義男
    1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
  • なつかしい過去にアクセスし、彼らは新たな「現在」を手に入れる

    2人仲良く出張するサラリーマン。
    偶然、新幹線に置いてあった雑誌で
    これから仕事で訪ねる先の街で
    かつて熱心に通ったナイトクラブが今も盛業中であることを知る。
    しかも、2人はちょうど同じ頃、互いにそうとは知らず、同じ時期に常連だったのだ。
    これはもう、10年ぶりに訪ねてみるしかない。
    行ってみると、かつてなかった新しさもあり、
    同時になつかしさもいっぱいで、2人は満足してホテルに落ち着く。
    そこで今後のことを考える。2人の心中は瓜二つであり
    いかにも通俗的なものだが、それでもやはり真実なのだ。
    【著者】
    片岡義男
    1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
  • 275(税込)
    著:
    片岡義男
    レーベル: ――

    どんなふうに幸せか、わからないことは謎である

    極めて端正な、見たところ破綻もないような女性が無味乾燥な、装飾の無いホテルの一室に落ち着いたかと思うとやおら電話をかけ、あるサーヴィスを依頼する。一人の女性が部屋まで派遣されてくる。迎えたほうも、やってきたほうも、相手の魅力を素直に認め二人だけのひとときを過ごす。それは世間的に見ればやや通常から逸脱した行為かもしれないが、そんなことはどうでもいい。大切なのは、二人が幸福であること。そして、それがどんな種類の幸福かわからず、謎のままであることだ。
    【著者】
    片岡義男
    1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
  • 彼女が部屋の花に気づく時

    登場人物は二人だけ。片岡作品にはめずらしく、中年の男女だ。彼らの様子はあられもない。セックスの後にセックスを語り、語りが一呼吸すると、またセックス。そのあいだに、なぜだろう、仕事のことや、母親(女性のほうの)のこと、その母親の葬儀のことなどが話題にのぼってくる。どうやら二人は女優と映画監督であるらしい。行為の前と後、ふと思い出したように彼女はしきりに「部屋が暗い」という。高層階のホテルの部屋だ。やがて彼女は、青いガーディニアが活けてあるのを見る。
    【著者】
    片岡義男
    1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
  • 彼は賢明な子だ、それにベーゴマがある

    34歳の演歌歌手がいる。女性だ。最初の章では主に、彼女のたたずまいが描かれる。37歳になった元プロ野球選手がいる。二つ目の章が、彼の来歴と現在の素描だ。二人は離婚した元夫婦だが、主役は9歳の息子かもしれない。母と父は直接会うことはなく少年は母とホテルに泊まったり、父のほうに預けられる際には親戚にも囲まれたりしている。少年は多くを語らず、大人しいが聞かれたことの回答は明確で聡明だ。それにベーゴマがある。父とその兄から教わったベーゴマを、ほら、もう母親と楽しんでいる。
    【著者】
    片岡義男
    1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
  • 共感から共闘へ、彼女たちは閾を越える

    多くの部分が女性二人の会話で成立した短篇。
    ストーリーを主に引っぱっていくのは写真家の女性で
    彼女は自身を被写体として、写真を撮り続けている。
    撮る人であり、同時に撮られる人でもある彼女の装いは
    水着とハイヒール。
    日常や海岸、プールなどではなく
    ホテルの部屋のような抽象空間であえてその格好で写すところに
    彼女の野心と、視姦されたい願望がある。
    ある時、彼女の前に、ある企みを打ち明けた男性が現れた。
    その男性に驚かされたこと、彼の志向をへし折るために、女性二人は共感からさらに共闘体制に入る。
    【著者】
    片岡義男
    1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
  • 部屋は一つ、ベッドは二つ、女性が3人

    久々に女性4人で会おう、ということになった。しかし、うち一人は若き旅館の女将であり、残りの3人の小旅行を受け入れる立場にある。彼女はこの短篇には登場しない。小旅行の目的地である旅館に行く前にホテルに1泊することになっている。4人ではなく3人という奇数であり、泊まる部屋は一つ。そしてベッドが二つ。つまり、一つのベッドに一人、もう一つのベッドに二人が眠ることになる。そしてその晩、部屋で起きたこと。見たもの。聞いた声。それは「一人」だった側にも、新しい歓びをもたらすものとなった。
    【著者】
    片岡義男
    1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
  • 二度めには道があった

    一組の男女がいるホテルの部屋。この小説は、その部屋から一歩も出ない。いや、正確には出るのだ、彼らの頭の中の思い出として。今日は、二人が出会ってちょうど1年目の日。そして女性の誕生日だ。二人の会話は、あからさまに二人がこれまで交わしてきた行為のこと。互いの身体をほめ合い、自分たちの相性を喜び、論じ、時に発見があって、飽きることがない。男嫌いと言われてきた女性が変わったのだ。彼女の中には男性を受け入れる「道」がなかった。しかし2度めからすぐに道ができ、彼は喜んでそこに挿入する。
    【著者】
    片岡義男
    1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
  • この世界が見える場所で、しかし少し隔離されながら、2人がしたこと

    男女がいる。ホテルの中だったり、
    セダンやクーペに乗っていたり、そうして
    この世界が見えながら、囲みの中に区切られた空間で
    彼女たち、彼らは会話を交し、服を脱ぎ、
    いま自分たちが行なっていることの意味を反芻したり
    あらぬ想像をめぐらしたりする。そんな情景が30。
    せわしない世の流れからやや隔たって、いくらかスローな
    静かな日々の断片がここにある。
    小説による季節のアルバムを聞こう。
    ※作家の敬愛する写真家・佐藤秀明氏撮影の写真を収録
    【目次】
    ベッドが三つある部屋
    これはメロドラマ
    ブルーの選びかた
    理想的な窓
    窓にカーテン
    昼寝
    思い出の夏
    彼女と彼1
    彼女と彼2
    電話をかけるだけ
    コパトーン
    彼と別れた彼女
    ケチャップはあまりかけない
    セーターを脱ぐ
    飽きたら言って
    海の香りと電話ブース
    ふたりでいても淋しい
    切り花
    いつも小道具
    交差点の横断歩道
    桜前線
    雪が降る
    小さな花
    林檎が燃える、あるいは飛ぶ
    来てくれた彼女
    日曜日の白い月
    縛られてみないか
    ベッドに戻れ
    微笑の研究
    雨の夜
    【著者】
    片岡義男
    1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/

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