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『ライトノベル(ラノベ)、ファンタジー、小学館文庫キャラブン!、1円~、配信予定を除く』の電子書籍一覧

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  • 廃妃と皇帝の恋は禁忌にして悪徳。

     花街・戯蝶巷で陰の気が高まっているらしい。凶后が潜伏しているのではないかと疑う皇帝・天凱に代わり、美凰は調査に行く。
     戯蝶巷では名妓たちが美貌や技芸を競う行事「花案」が開催されていた。華やかな喧騒の中に陰の気の出どころは見つけられない。後日、美凰は芝居小屋の階段から妓女が転落死するという悲惨な現場に遭遇する。不幸な事故かと思われたが、実は怪異による殺人だった。妓女の死の真相を追う美凰は奇妙な絵を入手し……。
     一方、天凱は野心家の叔父からからくり仕掛けの美しい箱を受け取っていた。取っ手を回すと音楽が流れるその箱は、音が聞こえている間に“面白いもの”を見せるという。天凱は箱から流れる音楽によって幻を見るが、それは袖をひるがえして美しく舞う美凰の姿だった。叔母であり、皇太后である美凰への恋情は禁忌であり、悪徳とされる。許されない想いに苦しむ天凱は……。
     絢爛たる後宮史、シリーズ第三弾!
  • 神さまの溺愛花嫁が過去に飛ばされた!?

     生家を乗っ取られ、異界の猩々に売られた小夜は、火の神・鬼灯と出会い、掃除人兼契約花嫁となる。呪いのせいで醜く恐ろしい神と呼ばれ忌み嫌われる鬼灯だったが、清めの力を持つ小夜には鬼灯の本当の姿が見えていた。
     そして、契約上の婚姻関係から、鬼灯と小夜が本当の夫婦となって半年。宵町での宴の帰り道、枯れかけた藤の木のそばで、二人は禍々しさを放つ何かの気配を感じとった。正体のわからない相手を警戒する鬼灯は小夜に外出禁止を言い渡すが、小夜は火蔵御殿の掃除中に仕舞い込まれていた鬼灯の恋文を見つけ、ショックのあまり外に駆け出してしまう。それを待ち構えていたのは、不吉な黒い影。影は水干をまとった不気味な男に姿を変じ、小夜は奈落の底へ落ちるような感覚とともに意識を失ってしまう……。気づくと小夜は見慣れたはずの、だがどこか違和感をおぼえる火蔵御殿の中。そして目の前に、鬼灯によく似た人物が現れて!?
     謎の力により時を遡ってしまった小夜は、元の場所への戻り方もわからないまま神々の思惑に巻き込まれていく――。話題の大正溺愛ファンタジー、第二弾登場!
  • 追放されて醜い神の溺愛花嫁に!?

    物が発する言葉にならない声。小夜は、その声を聞くことができる〈蝶の耳〉という繊細な能力を持っているが、そんなちっぽけな力など、異能を用いて神々を喜ばせ、神々を繋ぎとめる巫の役目を代々果たしてきた石戸家にあっては、何の意味もない。母が亡くなり義母がやってきてからは、小夜は使用人のような扱いを受け、虐げられるようになる。やがて義姉の企みによって石戸家を追放された小夜は、異界に棲む猩々に売り飛ばされてしまう。
     猩々の屋敷で裁定を受けていた小夜は、そこで火の神・鬼灯が作った勾玉の声を聞いたことが縁となり、鬼灯の屋敷の掃除を任されることに。
     それにしても、小夜には不思議に思うことがあった。醜く恐ろしい神と呼ばれ、呪われた存在として忌み嫌われ、過去六人の花嫁に逃げられたという鬼灯は、「普通の人間であれば、この醜さに目を背けるのに、お前はそうしなかった」と小夜に感謝の言葉を告げる。しかし小夜の目には、鬼灯が強く美しい男神にしか見えないのだ――。
     呪われた屋敷に入るための条件として契約花嫁になった掃除人・小夜と、あくまでも花嫁として小夜を扱いたい火の神・鬼灯の、大正溺愛ファンタジー!
  • 呪いの桜から生まれた娘が世界を変える!

     はるか昔、異能が栄える三大国があった。上河、貴陽、玉兎――これら三つは歴史ある国で、陰陽師や方術士の一族が住む土地だった。
     あるとき、上河の森の奥に、黒い花弁をもつ桜の樹「咒桜」と呼ばれる個体が現れた。桜は玉兎の高名な女方術士・有翠が作り出したものだったが、そこに或る呪いがふりかかり、さらにその咒桜が子どもを生むようになったことで、世界の近郊は崩れてしまった。
     陽桜李(ひおり)は、桜から生まれた娘だ。気づいたときには黒い桜の樹下にいて、自分か何か普通の人とは違う存在だと、うっすらと気づいていた。父の美春(みはる)は陽桜李を桜の森で拾ってくれた人で、血が繋がっているわけではない。美春には陽桜李のほかに息子がふたりいて、陽桜李は彼らを兄と慕うが、それぞれ誰一人として美春とは血が繋がっていないのだった。じつは美春は貴陽の陰陽師一族の次期当主と目されるほどの人物だが、陽桜李にはただ不器用で優しく美しい、誰よりも大切な父としか思えなくて――。
     人よりも高い身体能力と生命力をそなえた陽桜李は、得意の武術をきわめ、家族とともに咒桜の呪いを解く旅に出かけるが……。新感覚・和風ファンタジー!!
  • 旦那様は九尾狐に取り憑かれた大神官!?

     魑魅魍魎退治に勤しむ貧乏神社の娘・莇原四衣子。神社の収入だけでは暮らせない莇原家では、魑魅魍魎退治で日銭を稼がないとご飯にありつけないのだ。
     ある晩、帝都を見回る四衣子は不思議な男とすれ違う。銀色の長髪、真っ赤な瞳、絶世の美貌、それから……九本の尻尾!? 人々を襲うという噂の九尾狐だと気づいた四衣子は、護符を使って九尾狐を捕える。これで国の偉い人から褒美が貰える!と喜ぶ四衣子だが、なぜか黒衣の者たちに体を拘束され、どこかに運ばれてしまう。
     気づくとそこは名家らしき屋敷。目の前に現れた男によると、四衣子が捕えたのは九尾狐に取り憑かれた天満月家の当主・鳥海らしい。帝都を守護する大神官にして公爵でもある天満月家の当主が取り憑かれている!? 重大な秘密を知った四衣子に、このまま家に帰すわけにはいかないと男が告げる。そして――
    「あなた様には、天満月家の当主である鳥海様と結婚していただきます」
     花嫁になればご飯が食べ放題という言葉に、つい鳥海との結婚を承諾してしまう四衣子。ところが人間の姿に戻った鳥海は頑固で怒りっぽい性格。しかも莇原家は天満月家と犬猿の仲だったらしく……!?
  • かつて育てた愛し子が、今世では婚約者に!

     大国・芳には華佗という女帝がいた。彼女は人間よりも草花を愛し、「百花の魔女」と呼ばれていた。だが、華佗は謂れのない罪を問われ斬首されてしまう。しかし彼女は国の皇女・璃珠の中に生まれ変わった。気がつけば死後八年が経っていて、かつて三年ほど共に過ごした愛し子・九垓はすっかり大人の男に成長し、驍国の若き皇帝として君臨していた。一方、璃珠は九垓の婚約者となるが、当の九垓が想う相手はかつての「百花の魔女」ただひとり。
    (でもそれ、わたしの前世なのだけど……)
     九垓のために何かしたいと願う璃珠。しかし璃珠をまるで相手にしない九垓。そんな中、璃珠が華佗の生まれ変わりだと知った九垓は、一転して態度が激甘に。 
     いよいよ婚儀まで、あと数日に迫ったある日、
    「婚儀なんてただの儀式じゃないの。おまえのその『結婚したい』という欲求が理解し難いわ」
    「……こんなに愛してるのに……」
     かみ合わない二人の前に昊国皇帝・榮舜が現れ、横から璃珠に求婚する。昊の稀少な植物に興味を持つ璃珠はそれを受け入れ、高らかに九垓との婚約破棄を宣言するが!?
  • オトコマエ侍女の麗霞、再び皇帝に……!

    朝陽国では通例として敬称『天帝』と呼ばれる皇帝。当代の皇帝・陽暁明の後宮には、最強の皇后と美しい幾人もの妃がいる。ど田舎豪族の娘である白麗霞は、その妃の一人――游静蘭と幼なじみだったことから、乞われて彼女の侍女となり後宮に入ったものの、その本性は男勝りの性格イケメン。ある日、池に落ちそうになった暁明を救おうとした際に、どんな天の悪戯か、二人の中身が入れ替わってしまった。しばらく皇帝の中の人を演じたところ、その頼もしくもりりしい言動から皇帝株が急上昇。しばらく身代わり皇帝として過ごした麗霞だったがやがて元に戻って一件落着……したはずだったが。さて、元どおり侍女の仕事に戻った麗霞は、国一番の占い師が「天帝がひと月後の七夕の夜に死ぬ」と告げた現場に居合わせてしまう。直後、皇后・秀雅に呼び出され「お前が暁明を守れ。できなければ、私がお前を殺す」と命じ(脅さ)れた麗霞は、暁明と共にまたしても池に落ち、再び中身が入れ替わってしまった。ひと月後に死ぬ運命なのは、果たして暁明の体なのか、それとも現在の中身(麗霞)なのか。いや、そもそも死ぬ理由はなんなのか。オトコマエ皇帝となった麗霞の捜査が始まる!?
  • 押し掛け使用人になった没落華族令嬢!

     陰陽師一族の本家令嬢ながら、両親が事故死したことで家を乗っ取られた滝沢瑠璃。あやかしを視ることができないという秘密を抱える呪術医・土志田泉と出会った瑠璃は、その秘密を守る代わりに泉の屋敷で使用人として働かせてもらうことに。ようやく辛い環境から抜け出すことができ安堵する瑠璃だったが、いつもそばにいる式神の勾仁と泉の相性は最悪で、口喧嘩をしてばかり。ところがその勾仁の存在が、泉の視えなかった"目”を取り戻すきっかけになるのだった。
     呪術医としてますます順調に仕事を続ける泉。泉を支えるため使用人として真面目に働く瑠璃。屋敷での生活に幸せを感じていたある日、瑠璃は〈巫女〉の力によって、またしても未来を予知する夢を見てしまう。夢で見た大火事が実際に起これば、多くが命が失われる、何とかしなくては……と焦る瑠璃は、泉とともに手がかりを見つけようと、夢の中で見た場所に向かうが――!?
     帝都一の呪術医と押し掛け使用人になった没落華族令嬢が、陰陽師を襲うあやかしと対峙!? 明治陰陽ファンタジー第二弾!
  • 無能の令嬢はあやかしを魅了する。

     遥か昔、恐ろしいあやかしである天狗が現れて帝都を荒らし、人々を殺戮したという。陰陽師により天狗は山に封じられたが、その結界は五百年後に効果を失うとされていた。
     その五百年後である今日、陰陽師のたくらみにより、天狗を殺すための「生きた毒餌」にされた中村紫乃は、天狗が現れるという山に瀕死の状態で置き去りとなっていた。貧しい村で暮らす家族を助けるために自らの身を売り、姉と帝都にやってきた紫乃。だが、姉妹は騙されて毒漬けにされ、姉は紫乃をかばいながら死んでしまった。ひとり残され絶望する紫乃の命もまた尽きようとしていたが、目の前に現れた白天狗の左京はなぜか紫乃を襲うことはせず、逆に紫乃を助けるという。
    「お前には他の人間とは違う何かがある」と左京に告げられる紫乃。あやかしを魅了する斎賀家の末裔ではないかと左京に問われるものの、紫乃に心当たりはまったくない。そんな左京もまた、黒天狗一族の中で唯一、白い羽を持つ特異な存在であった……。
     無能と言われ毒餌にされた娘・紫乃。一族を離れひっそりと生きてきた左京。辛い過去を持つふたりの出会いが、人とあやかしの関係を変えていく――!? 帝都あやかし婚姻譚!
  • 最凶の「即死魔法」を得た聖女の冒険譚!

     貴重な蘇生魔法の使い手であるアリス・ロザリオは、美しい外見に反して性格は男前。ただし冒険者として前線に出ない聖女の立場ゆえに、能力はあってもレベルは最弱。辺境の地で人々を癒やす職務に真面目に向き合っていたが、ある日、卑劣な盗賊団に襲われ、善良な住民たちや大切な仲間ともども命を落としてしまう。
    「貴様は死んだ。そして私は、死神だ」
     生と死の狭間で死神と名乗る謎の人物と邂逅したアリスは、理不尽に奪われる無辜の命を守りたい気持ちとともに、「即死魔法」を行使する能力を与えられる。こうして自らも「死神」の代行者となったアリスは、盗賊団の襲撃直前の時間軸に巻き戻された。
    「貴様らは、私が処すッ!!」
     漆黒の大鎌を携え悪を粛清するその姿は、まさに「死神」。
     ここに最弱聖女にして最凶の死神アリスが誕生した。
     悪をくじくため、仲間とともに旅に出たアリスは、ある町でユーロンという名の謎めいた男と出会う。彼はアリスに「魔女狩り」を依頼するが……。
     相手を即死させるがゆえに戦闘が経験値としてカウントされず、いつまでたってもレベル1のままの「最弱聖女」の冒険譚!!
  • 転生×中華後宮物語、奇跡のフィナーレ!

     前帝の子でありながら名を変えて育てられた哉鳴は、帝位簒奪を企み皇城を攻め落とした。玉座を追われた天明は城を脱出。自分の身と引き替えに人々の安全を守ろうとした蓮華は、後宮に残り捕らえられてしまう。蓮華はあやうく処刑されそうになるが、機転を利かせた侍女が「蓮華は天明の子を身籠もっている」と嘘をついたことで、幽閉の身となった。蓮華の前に現れた哉鳴は、天明を捕らえて殺し蓮華を自分の妃とする、と告げるが、蓮華は天明が戻ってくることをかたく信じている。
     帝位の証である宝剣だけを手に西の果てへと向かい、都を奪還して蓮華を救うために鍛錬に励んでいた天明は、山の民である浪速族と出会う。彼らのまとう『白地に黒い縞模様の布地と、そこに刺繍された虎の模様』を見て不思議な感覚を抱く天明。これは蓮華が率いる球団と同じ意匠……? 天明は、浪速族の、そしてこの国と蓮華の秘密を知ることに!?
     道頓堀に落ち凰朔に転生した蓮華が、大阪魂で運命を切り拓く! 転生×中華後宮物語、奇跡のフィナーレ!!
  • 亡国の皇子と古き龍が隼夫(ホスト)に!?

     華国の首都にある伽藍街。そこは夢と快楽を与え、男と女の欲と金を吸い上げる華やかな色街――。
     この街で暮らす怜景は、有名妓楼・紫燕楼の稼ぎ頭で最上級の売れっ子隼夫(ホスト)。街をぶらついていたある日の午後、人々の視線を集めている一人の青年と出会う。細身の体のどこに入るのかという量の饅頭を食べていたその青年は、怜景を見るなり「ずいぶん重たいものをつけている」と謎の言葉を告げた。
     その晩、怜景に女を奪われたと激怒する男によって、危うく刃傷沙汰になりかけた怜景だが、昼間出会った青年に助けられる。蒼薇と名のる青年は、吃驚するような美貌ながら古くさい服を着て、老人のような言葉遣いをする。おまけに持ち金もないらしく、怜景は隼夫として働かないかと蒼薇をスカウトした。だが、どこか浮き世離れした蒼薇は頓珍漢な言動で騒動を起こしてばかり。隼夫を断念した怜景は、人には見えないものが見えるらしい蒼薇を祓霊師に仕立て、妓楼にやってくる女性客を相手に商売を始めるが……。
     凄絶な過去を抱え隼夫となった怜景。三百年の眠りから覚めたばかりだという謎の男・蒼薇。艶めく街を舞台に二人が繰り広げる、華風花街ファンタジー!
  • 魔女ナユラは王子達のよき母を目指すが!?

     ――北の森には恐ろしい魔女が住んでいる。
     リンデンツ王国にはそんな言い伝えがある。森の奥に棲みつき、幾度も王国に災いをもたらしてきた「北の森の魔女」は、十年前、先代王妃が亡くなったあと王宮にやってきて、まんまと新たな王妃に座におさまってしまった……らしい。
     魔女の名はナユラ。見た目は十八歳ほどにしか見えない美女だが、実年齢は三百歳になる立派な化け物だ。口さがない連中は「魔女が国王や息子たちを洗脳したため、五人の王子は適齢期を迎えてもいっこうに結婚しない」などと囁くが、本当のところ、この王子たちは継母であるナユラにベタ惚れで、誰ひとりとして貴族の令嬢に目を向けないのだった。
     しかし、息子たちの熱烈過ぎる愛情にまったく気づかないナユラは「引きこもりの不気味な魔女(私)に育てられた王子だから、きっと普通の令嬢は怖がるのね……」と見当違いの懸念に心を痛めつつ、結婚から十年間こんこんと眠りつづける病床の国王の唯一の願い――「息子たちを守ってくれ」という言葉を胸に、全力の代理婚活を始めるのだった。
     「むしめづ」の宮野美嘉が送る《家族全員ヤバい!?》痛快ファンタジー誕生!
  • 熱烈求婚してくる皇太子をかわし事件解決!

    「君には僕の妃になるって以外に選択肢はないんだし」
    「勝手に他人の人生を決めないでくださいー」
     いにしえの時代、神や死者とも通じる不思議な能力を持った巫女は、その力をもって王の治世を補佐したと言われる。しかしそんな巫女も今では禁忌の存在とみなされ、国内に巫女の血を継ぐ者はごくわずかになってしまった。
     祖母のスパルタ巫女教育で、その「禁忌の巫女」となった螢那(ただし本人は「ただちょっと死霊が見えるだけの普通の人」だと主張)は、ある日、皇太子・侑彗にさらわれ、強引に後宮に入れられてしまう。
    「王朝にかけられた呪いを解き、世継ぎ問題を解決できるのは巫女だけ」という予言を信じる侑彗は、螢那こそがすべてを解決する女神とばかりに熱心に口説いてくるが、妃になんかなれたくない螢那は常にスルー。そんな中、また後宮内で事件が勃発。なんと薪小屋で桂花という宮女が死んでいたというのだ。小屋には中からつっかい棒がされていて、外から侵入するのは難しい。しかし遺体は傷だらけで、しかも全裸だったというのだ。果たしてこれは自殺か殺人か? 後宮に動揺が広がる中、今回もなぜか飄々と螢那が事件解決にのりだすことに!? シリーズ第2弾!
  • 天羽一族が隠すおぞましい秘密とは!?

     後宮女官の和可久沙が、王殺害未遂の嫌疑で捕縛された。だが和可久沙は利用されただけであり、そこにはかつての王、三実の謀略が隠されていた。淡雪が后になった当初から淡雪を敵視し、冷たい態度をとり続けていた和可久沙だったが、淡雪は和可久沙を守るために奔走。天眼天耳の力を使って三実の真意を探ろうとする。
     そんな中、同じ天羽の一族で、ずっと行方知れずになっていた本家の娘が、理古と名前を変えて都で暮らしていることを淡雪は知る。理古の辛い過去に心を痛めていた淡雪は、現在の姿に安堵。その話を聞いた鳴矢は身分を隠して理古に会いにいくが、理古は鳴矢に気になる言葉を告げた。やがて淡雪は、天羽の里に隠された恐ろしい秘密を知ることに!?
     七十年前に起きた天羽家の離反の真相。かつての王たちによる策謀。そして古来より千和の国を守ってきた『術』にかかわる真実。数々の謎を巡り、鳴矢たちは真相を探り始めるが……。
     神話に由来する八家と禁断の恋。和風王宮ファンタジー第四弾登場!
  • 史上最強に奇妙な夫婦の、珠玉の外伝集!

    「あら、葉歌。何を書いているの?」
    「ぎゃ、覗かないでくださいまし。これは彩蘭様にあてた機密文書なんですからね。お妃様は存在自体が重大重要危険機密。私の命が続く限り、何十年でも観察して記録してあげますから、覚悟してくださいね」
    「蟲愛づる姫君」こと李玲琳が傾倒する最愛の姉――斎国女帝・李彩蘭の要請を受け、嫁ぎ先での妹姫の行状を長年にわたってひそかに書簡にしたため、こまめに密告する玲琳付きの侍女・葉歌。歯に衣着せない彼女が四季おりおりに女帝へ書き送った機密文書の内容――「むしめづ」メンバーの上にふりかかる大小さまざまな「事件」の顛末とは? 玲琳の双子の娘と息子――十五歳に成長した火琳と炎玲――それぞれの恋のゆくえを描く「春ノ恋文」、双子がまだ赤ちゃんだった頃の、鍠牙パパの子育て奮闘記(!?)ともいえる「夏ノ見舞状」、双子六歳のときに発生したドタバタ誘拐劇「秋ノ怪文書」、そしてこれまで明かされてこなかった、玲琳が魁国に嫁ぐに至った(玲琳自身も知らなかった)前日譚を描く「冬ノ密書」、ほか複数のSS「寸書」をまじえた、「むしめづ」シリーズ待望の、究極にして珠玉の外伝集!
  • ダークファンタジー第6弾、ついに佳境に!

     人の道を外れて罪を犯した者は「咎人」と呼ばれ、その罪の深さに呼応するような「異能」という特殊能力を得る。彼らは闇にまぎれて戦い続ける宿命を負うが……。
     咎人である殺人鬼の神無(カンナ)が、同じく咎人として生きる吸血鬼の御影(ミカゲ)とバディを組んで動くようになって、しばらくの時が過ぎた。彼らは「異能」にまつわる事件を秘密裏に解決する仕事をしているが、そんなふたりの事務所に最近、なぜか一般人の客が頻繁に訪れるようになっていた。その中でも特に目立つのが「行方不明者の捜索」。それも「咎人」がらみのきな臭い案件ではなく、いなくなった人間は、皆一様に「善人」で「失踪する理由が思い当たらない」ような人物ばかりであるようなのだ。
     依頼者と接触すべく、ある大学に潜入したふたりは、そこで失踪者の共通点に、謎の新薬の治験モニターの斡旋が関係しているらしいことを突き止める。だが、その先には『禁断の果実』と呼ばれる危険な薬物と、すでに解体されたはずの咎人がらみの秘密組織である『方舟機関』の姿が見えてきて……?
     めくるめくダークファンタジー、咎人シリーズ第6弾!
  • もしかして皇帝と私、入れ替わってる!?

     田舎貴族の娘・白麗霞は、朝陽国の妃候補・静蘭に仕える後宮の侍女。仲春の満月の夜、後宮の池に落ちかけた皇帝・天陽を助けようとして一緒に池に落ち、ふたたび目覚めたとき、ふたりの中身が入れ替わっていたのだった。これでは大変なことになってしまう……と事情を知る関係者一同は頭を抱えたが、解決方法として提示された「次の満月の夜にもう一度ふたりで池に落ちてみる」を実行するまでの間、実際に中身が入れ替わった状態で生活してみたところ……元々、女子にしてはオトコマエな性格だった麗霞は、実際に男になってみるとカッコいいことこの上なく、のんびりした性格の天陽もまた、侍女役がしっくりハマってしまったのだった。
     元々は貰い事故で皇帝(中身)になった麗霞だったが、いざその最上位ポジションで見回してみると、後宮においては皇后である秀雅が強すぎるせいで、天陽自身は妃候補たちにナメられていることがわかった。これを改善すべく乗りだした麗霞は「皇后ぎゃふん計画」を立案。すなわち「自分が皇帝の中身でいるうちに妃候補たちを天陽に惚れさせ、皇后しか眼中にない妃たちをこちら側へ引き込もう作戦」がスタートさせるが……?
  • 死神と生贄花嫁の愛、クライマックス!

     死神・八雲の子を身に宿した千鶴。いよいよ出産の時が迫る中、八雲はいままで以上の気づかいで千鶴を優しく見守っていた。
     やがて誕生した小さな命は、屋敷の生活に新しい風を吹き込み、一之助や浅彦ら八雲とともに暮らしてきた者たちの気持ちを変えていく。千鶴は妻として母として、ここで八雲を支え、皆と生きていこうと決意を新たにするのだった。
     そんな中、死神としての儀式のために神社に向かった浅彦は、熱心に祈る女性の姿を見かける。「死神さま、どうか仲間をこれ以上つれていかないでください」――。彼女が働く三条紡績で不死の病が流行しているようなのだ。必死に祈る彼女を、どこかで見たことがあるような気がしてならない浅彦。そして彼女が、かつて人間だった頃に愛し、そしてひとりで逝かせてしまった女性と同じ「すず」という名前を持つと知り、浅彦は激しく動揺する。そんな浅彦に千鶴と八雲がかけた言葉は……。
     生贄として死神に嫁いだ花嫁と、愛することを知らなかった死神。永遠の愛を誓ったふたりの物語、ついに感動の最終巻!
  • 昔むかし、京の都には鬼のような姫がいた。

     慶長4(1599)年、京の都には鬼のような姫がいた。あやかしとの間に生まれた娘であるという噂や、そもそも女性らしからぬ……どころか人間離れした強さから「あやかし姫」とささやかれた、悪名高い姫君である。
     さて、この国には陰陽師というものが存在する。朝廷に仕え、暦を作り、吉凶を占い、怪異を退ける術者だ。
    「あやかし姫」こと幸徳井桜子は、陰陽師家として高名な安倍家と加茂家の流れをくむ幸徳井家の跡継ぎ娘。婿とりの必要があるが、その条件は「自分がいじり倒しても死なない男」。もはや誰とも結ばれないのでは……と思われていたところ、このたびようやく婿が決まった。
     名は柳生友景、柳生一族の剣士の青年だった。
     桜子のお眼鏡にかなったのだから強いことは強いのだが、友景はびっくりするほど地味な男でおまけにぐうたら。
    「陰陽師の仕事は面倒だから嫌いなんだ。剣術も疲れるから嫌いなんだ」
    「呆れた。じゃあ何が好きなのよ」
    「お前が好きだよ」
     そこに愛はあるが、友景は「桜子が妖怪だから好き」らしい。複雑な気持ちを抱えたまま、祝言の日が近づいて……!?
  • 薙刀女子と堅物軍人の明治お見合い物語!?

     女学校に通う巴は侍より侍らしいと言われる、薙刀好きな変わり者。苦手な音楽の試験で失敗し、落第の危機に直面した巴は、母に命じられて洋琴(ピアノ)の稽古に通うことに。洋琴の長尾先生が住む立派な洋館で四苦八苦しながらの稽古の後、ひとり部屋に残された巴の前に現れたのは、陸軍の軍服を纏った見知らぬ青年将校。長尾先生の親戚だという彼、葛目三郎とともに、なぜかふたりきりでお茶を飲むことになった巴だが、葛目ときたらたいそう無愛想で口数も少ない。しかも、五年前に起きた陸軍兵士と警察官の乱闘事件以来、大阪の陸軍第四師団と大阪府警察本部は犬猿の仲で、巴の父親は警察官なのだ。気まずい時間だと思いながらも、甘いものが苦手らしい葛目の分の饅頭も頬張ってしまう食いしん坊の巴だった…。
     そんな頃、巴は女学校で洋館に幽霊が出るという噂を耳にする。しかも長尾家を悪く言う尾鰭も付き、さらには洋館に出入りする巴に関わると祟られるらしい、という話まで広まってしまう。憤慨する巴は噂の出所を探ろうとするが――。
     明治の大阪を舞台に繰り広げられる怪しい幽霊騒動。薙刀女子と堅物な青年将校がたどり着く真相とは!?
  • 皇女になった最強魔女の嫁入り先は……?

    「光栄に思いなさい、九垓。このわたしが結婚してあげるわ」
     今や驍国の皇帝となった九垓に、そう高飛車に求婚したのは芳国の皇女・璃珠。しかし九垓は冷たくこう応えた。
    「誰があなたなど娶るか。俺が愛するのは百花の魔女ただひとり」
    この返事に愕然としたのは璃珠だ。九垓が件の「魔女」のことをそんなふうに思っているなんて知らなかった。
    なにより、この状況ではとても言えない。自分がその「百花の魔女」――かつて芳国最強の魔女とされ、いわれのない罪で斬首された「華陀」本人だということは。
     そもそも九垓は魔女の「愛し子」だ。華陀が幼い彼を拾い、長く育てた。いわば息子のような存在だった。だから奇跡が起きて自分がこの璃珠の身体に転生したとわかったときから、百花の魔女は心に決めていたのだ。彼の
    夢も未来も自分が守ってやると。そこで手始めに世界を奪い、九垓に与えてやること――それが愛し子を幸せにする方法だと分かっているのだ。
    すれ違う「魔女」と「愛し子」の想いの結末は? 風味絶佳の中華風ファンタジー!!
  • 陰陽師、鬼の花嫁になる!

     長谷川係長と出会って一年が経った。会社員兼陰陽師として多忙で苛酷な日々を送っていた遥香だが、長谷川係長が上司になってからは無理な残業もなくなり、浅草の見回りもサポートしてもらい、以前とは比べものにならないほど穏やかな時を過ごせるようになっている。九尾神や白綿神も加わった長谷川係長との賑やかな同居生活も順風満帆だ。
     そんなある日、二人で花見に出掛けることになった遥香と長谷川係長。遥香はそこで長谷川係長から夢のような言葉を告げられる。結婚してください――。陰陽師と鬼が結婚するなんて不可能だと思っていたが、長谷川係長がそばにいるとたいした問題ではないかもと思えてしまうから不思議だ……と幸せな気持ちに満たされる遥香だったが、またしても新たな災難に見舞われることに!? 永野家の本家に引き取られた九尾神が遥香を攫ってしまったのだ! たまたま居合わせた長谷川係長の母親とともに、異空間に囲まれた建物の中に閉じ込められた遥香。なんとか脱出方法を探そうとして、さまざまな策を試みようとするのだが……。
     大人気シリーズ、ついにクライマックス!の第8弾。遥香と長谷川係長、運命の恋の行方は!?
  • あやかし退治の公務員お仕事もの第3弾!

     少し前までフリーターだった西渕真澄は、ひょんなことからある事件に巻き込まれ、その際に瀕死の重傷を負った。消えかかる真澄の命をつないでくれたのは、東京幽世(かくりよ)公安局に所属する狐のあやかしの「こがね」。彼女の本名は「天狐神黄金(てんこのかみこがね)」というが、死にかけの真澄はそのこがねと契約を交わし、血を半分受けて半妖となり命をながらえる代わりに、彼女を受け入れることになった。強制的なバディ契約である。結果、人間ともあやかしとも言い切れない特殊な存在になり、国の「監視対象」となってしまった真澄は、身元の保証と管理を兼ねて、公安局の特務課に所属することになった。ただし、命も就職先も得てラッキー……とまではいかず、海千山千の人間の上司や、強キャラのあやかし同僚に囲まれながら、日々、幽世やあやかし関係のトラブル処理をこなしつつ、真澄も半人前から一人前の公安局員となっていくのだった。
     そんなある日、真澄は生々しい悪夢を見た。血まみれの女が「あの子を救って」と懇願する夢だ。真澄と意識が繋がっているこがねによれば、それはこがねの能力でもある「未来視」のようなのだが……。シリーズ第3弾!
  • 726(税込)
    著:
    柊一葉
    イラスト:
    出版社: 小学館

    没落華族令嬢、式神付き。

     歴史ある陰陽師の一族、滝沢家直系の娘として特殊な能力を持って生まれた瑠璃。だが、両親の事故死によって家を乗っ取られ、瑠璃は本家令嬢という立場ながら母屋を追い出され、使用人のようにこき使われる日々を送っている。
     政略結婚の道具でもいい、今の境遇から抜け出したい…と思う瑠璃は、現当主に言われるがまま金銭と引き替えのようなお見合いを続けるが、そのお見合いも、なぜか瑠璃のそばに居続ける亡き父の式神・匂仁のせいで失敗続きだ。
     そんなある日、呪術医だという青年・土志田泉が滝沢家にやってくる。家に古くから伝わる道具や術具を鑑定する泉だが、その様子がおかしい。瑠璃の目には古道具の付喪神がはっきり視えているのだが、泉はまるで視えていないような態度なのだ。呪術医を名乗っておいて、あやかしを視る能力がないなんてあり得ない。なんとも怪しい泉だが、家を出る絶好の機会到来!? 瑠璃は彼の秘密を守る代わりに、押し掛け使用人として同居生活を始めることに――!
     呪術医として帝都一の腕を持ちながら、あやかしを視ることができない泉と、押し掛け使用人になった没落華族令嬢の瑠璃。不思議な縁が紡ぐ、明治陰陽ファンタジー!
  • 嫌われ巫女、なぜか皇子に溺愛されてます!

    いにしえの時代、神鬼の意を占う巫女あり。神に通じ、鬼(死者)に通じる彼の者たちは、その力を以て王の治世を補佐したもう。よってその存在、あまねく国の行く末を占うものなり――。
     かつては王権のそばにあり、大変貴重とされた巫女。だがこの国ではいつからか、巫女は忌まわしい存在として迫害されるようになってしまった。今は 新しい王朝が立ち、それに従いようやく禁巫の令は取り消されたが、巫女の血を引く者は、長い迫害の期間を経て激減していた。そんな中、巫女の血を誇る祖母に地獄の英才教育をほどこされた螢那は、実はがっつり巫女の力を持っていた。……が、本人の感覚は「ちょっと霊が見えるだけの平凡な女の子」という程度。祖母亡き後、なさぬ仲の義母にいじめられつつも毎日やり過ごしていた螢那だったが、ある日、火事騒ぎに巻き込まれ、そこで出会った男にさらわれて後宮に入れられてしまう。
     人さらいはの正体はこの国の皇子・侑彗。いわく「王朝にかけられた呪いを解き、世継ぎ問題を解決できるのは巫女のみ」で、螢那を妻にしたいらしいのだが……!?
     後宮を舞台にした、中華風なぞときファンタジー!
  • 八家の謎と禁忌。和風ファンタジー第三弾!

     王と后は触れあってはならない――
     神話に由来する八つの家が統治してきた千和の国では、新しく王になった者は、遠い地で暮らす天羽家の巫女から后を迎えることが慣例だ。だが、その実情は人質とも言えるもの。后となった天羽の巫女は後宮に軟禁され、王と后は月に一度、神事の際に顔を合わせるだけであった。
     ところが、このたびの新王・鳴矢は、后となった淡雪と本当の夫婦になりたいと願い、密かに淡雪のもとへ通いはじめる。孤独を覚悟して后となった淡雪は鳴矢の優しさに戸惑うが、やがて鳴矢を心から信頼するように。しかし王と后の恋は禁忌。二人は夜の間だけの逢瀬を密かに重ねるしかなかった。
     そんなある日、鳴矢は側近から不穏な報告を受ける。鳴矢が典侍の烏丸から受け取った水差しに、毒が塗られていた可能性が高いというのだ。烏丸はとりわけ、淡雪を毛嫌いして、淡雪に辛く当たっている典侍。その彼女が王を暗殺しようとした――? 連絡を受けた淡雪は、秘密の術「天眼天耳」を使って烏丸の真意を調べようとするが、鳴矢を害さなければならない理由をどうしても探しだせずにいて……。
     禁じられた恋と八家の謎を描く和風王宮ファンタジー!
  • 最凶の女帝、不幸を呼ぶ少年の養母になる!

    「跪いて私の靴を舐めなさい」
     大陸に君臨する大帝国・斎の女帝、李紅蘭。彼女は先帝の跡継ぎだった兄を次々と弑し、政敵の首を刎ね、利用した臣下を粛清し、己の立場を盤石のものとして玉座に就いた。さて、その極悪女帝は、ふた月ほど前に結婚した。相手は斎の属国・脩国の王子、王龍淵。大陸一の美貌を誇るこの男は、誰よりも紅蘭を憎み、彼女を殺したい一念で生きている。それを承知の上で紅蘭は龍淵をそばに置き、愛でているという謎の夫婦関係なのだった。
     そんな奇妙なふたりが、十歳の少年の父母になることになった。紅蘭の兄の息子――つまり甥っ子の白悠を、このたび正式に養子にすることにしたのだ。しかし、噂によれば白悠は「不幸を呼ぶ少年」らしい。曰く、周囲の人間が不可解な死を遂げたり、怪我を負ったりという不幸が続いた。もしその「不幸」が怨霊の仕業なら、紅蘭のもとには「そういうもの」が見えて対処可能な龍淵がいるので、あえて養子に迎え、不幸の連鎖を断ち切ろうというのだが……。関係が複雑すぎる最強ステップファミリーは、果たして問題を解決し、幸せを掴むことができるのか? 破天荒な中華ファンタジー、第2弾!
  • 京の都に最強《能力》持ちのセンセイあり!

     京都・烏丸大学で民俗学を教える凛子さんの姓は、漢字の「一」と書いて「ニノマエ」と読む。女子大生にしか見えない姿だが、実はアラフィフだ。そして彼女の大切な家族はビション・フリーゼの「にぬき」。ふわふわまんまるなので関西の言葉で「ゆで卵」をさす名前がついた。凛子さんは教授だが、それ以上にひそかに重要なお仕事がある。それは強すぎる霊能力を駆使して、京の町の(霊的な)平和を守ること。そしてこのたび、このひとりと1ワンに新たに加わったのは、凛子さんと同い年の有能アシスタント・富士宮咲子さん。こちらは元々東京在住だったが、ダメな年下ボンボン旦那に給料も財産も搾取され続け、おまけに旦那の亡き愛人さんたちにまで憑かれてズタボロ、いよいよ最期の旅路と覚悟して出かけた京都鴨川のほとりで死にかけていたところを、凛子さんに救われたキャリア・ウーマンだ。汚部屋の住人かつ生活態度最悪の凛子さんと、お片付けの天才……どころか事務作業全般大得意の有能助手であるところの咲子さんは、姿も性格も正反対だけど、いつしか最強の相棒に。
     インチキ占い師がいればアトリエに行って対峙し、はぐれたお稲荷さまがいれば自家用車で拾い上げて保護し、暴れるファラオがいればギャラリーに乗り込んでお世話する……。読むだけで運気爆上げの物語、第2弾!
  • 蘭方医と妖狐が大奥の怪異に挑む!

     武家の蘭方医・武居多聞が出会った不思議な薬売り。その正体は、九尾の狐の九本目の尾……千年を生きる妖狐であった。かつて愛し、そして同胞に殺された人間の娘のために、長い時をずっと妖怪を狩りつづけながら生きているという妖狐――青から、あやかしを斬ることができる銀の小太刀を預かった多聞は、ともに江戸を騒がせる事件にかかわっていくことに。そして、事件の裏に隠された“綾”を追うなかで、多聞は人の心の闇の深さを知っていく。
     ある日、以前解決した事件で知り合った歌舞伎役者の鹿の輔が、多聞の診療所にやってきた。鹿の輔と繋がりのある大奥の中年寄を紹介され、大奥で自害した女の幽霊が祟りを起こし、被害を受けた者が続出しているという話を聞く多聞。中年寄の依頼を受けた多聞は、事態を調べるために青の幻術を使って大奥に潜入することになるが――!?
     人の恨みや悲しみが生みだすあやかし事件と、妖狐が抱く千年の想い。綾解き和風ファンタジー、第二弾!
  • 693(税込)
    著:
    遠藤遼
    イラスト:
    由羅カイリ
    出版社: 小学館

    現代日本の警察官、江戸時代へ跳ぶ……!?

     山口北斗は交番勤務の警察官。ある日「不審者が暴れている」という通報を受け、北斗が文京区の小石川植物園に駆けつけると、そこには袴姿で日本刀を振り回す謎の男がいた。時代錯誤もはなはだしいコスプレ不審者を確保しようとした北斗は、そのまま男と共に植物園の池に落ち――ハッと気づくと、そこは見知らぬ場所だった。謎の地にたどりついた北斗が一番最初に知り合ったのは、若武者姿の初音という女性。彼女は言う。
    「ここは小石川養生所。つい最近、八代将軍徳川吉宗さまによって作られた、誰でも受け入れる診療所さ」
     そう。どういう運命のいたずらか、北斗は吉宗のいる時代へとタイムスリップしてしまったのだ。
     元いた現代へ戻る方法もわからぬまま、江戸の町へ飛ばされて途方に暮れる北斗だが、わずかに救いもあった。それは現役警察官ゆえに剣道のたしなみがあり、父や兄が医者なので、ケガの応急処置や病気に対する知識が一般人より豊富なこと。それを活かして、小石川養生所の手伝いをすることになったが、ここでさらに問題がひとつ。なんと北斗の顔は、ときの将軍・吉宗とうりふたつだというのだ……。時をかける警察官の運命や如何に!?
  • 愛する者を守ると誓った死神は!?

    かつて死神と契りを結び、死神との子を生んだという女性・竹子の話を聞いた千鶴。だが竹子の子は、死神の頂点に立つ“大主さま”と呼ばれる存在に奪われ、夫である死神は幽閉されてしまったという。それ以来、ひとりきりで生きてきた竹子の苦しみを知った千鶴は、竹子の子を取り戻そうと大主を呼び出すが、その正体は千鶴が友と思っていた者であった。
     衝撃を受ける千鶴に、大主は「千鶴の腹にはすでに八雲の子が宿っている」と言い、竹子の時と同様に自分がその子を奪うと告げて消える。
     残酷な大主の言葉に不安をおぼえつつも、腹の子のためにも、八雲とともに試練を乗り越えていこうとする千鶴。
     一方、自分に幸せというものを教えてくれた千鶴を、そしてふたりの間にできた子を、この手で守り抜くと心に誓う八雲は、幽閉されるかもしれない危険をかえりみず、大主と決着をつけるために行動を起こすことに――。
     愛する者を守ると誓った死神。妻として母として強くありたいと願う人間の花嫁。不器用なふたりの愛の物語、第四弾登場!
  • 「アニバーサリー賞」受賞作、第2弾!

    四月。つい先日までフリーターだった西渕真澄は、なぜか警察庁内にいた。そこで警察庁の内包機関である東京幽世公安局の入局式が行われるためだ。
     この日本には、あまり知られていないが厳然と存在する異界がいくつかある。そこは基本的に、人外の者が住まう地だ。当然、東京の下にもそれらは広がっているのだが……。この幽世公安局は、いわゆる普通の人間が暮らす「現世(うつしよ)」と、あやかしが暮らす地下異界「幽世(かくりよ)」の秩序を守るために存在する国家秘密結社だ。中でも「特務課」は、妖魔と呼ばれる悪いあやかしを討伐するために作られた、人とあやかしの混成部隊から成るワケありの専門部署。数ヶ月前に天狐のこがねとイレギュラーな契約を結んで「普通の人間」の枠から少し外れた真澄は、期待の新人として有無をいわさずこの課に配属されたのだった。クセの強い先輩たちに囲まれて正職員として働き始めた真澄の前には、今回も次々と予想もつかない難敵が現れて……!?
     2021年に行われた第1回・小学館文庫キャラブン!「アニバーサリー賞」を満場一致で受賞した傑作ファンタジーに、待望の第2弾が登場!
  • 主上と偽寵妃、絶体絶命!?

    蓮華が凰朔国の後宮に入り皇帝・天明の(偽)寵妃になってから、もうすぐ三年。前世の知識を生かしながら次々と事業を手がける蓮華の影響を受けて、今や後宮は大きく様変わりし、新しい文化が広まっている。
     このたび開催される、凰朔における秋祭りである天翔祭でも、これまでにない演物として神輿の行進を提案した蓮華。妃たちも盛り上がって一致団結、神輿計画は着々と進められていた。祭りの準備に忙しい蓮華だが、ずっと気になっていることがある。「正妃になってほしい」と天明に告げられてから、天明のことを考えるとどうにも頭が混乱してしまうのだ。
    一方、重大な告白を蓮華にあっさりと受け流された天明も、気持ちの整理がつかず蓮華を避けるように…。
     そんなふたりのもとに、不穏な知らせがもたらされる。皇城に侵入者があったというのだ。そして――凰朔という国が、天明や蓮華の立場が、大きく揺らぎはじめる…!?
     大阪に生まれ道頓堀で死んだ記憶を持つ蓮華、最悪の事態にどう立ち向かう!? 転生×中華後宮物語、第五弾!
  • 斎帝国の李紅蘭は冷徹非道の極悪女帝で……。

    「その男の首をお刎ね」
     大陸に君臨する大帝国・斎には絶世の美女がいた。その名は李紅蘭。いくつもの敵国を打ち倒し、内政においては邪魔者となった相手を容赦なく切り捨てる、極悪非道の女帝として畏れられていた。その紅蘭も即位して二年ほどが経ち、そろそろ世継ぎの心配をされるようになった。いっこうに誰とも結ばれる気がなさそうな紅蘭を案じて重臣たちが用意した婿がねは、属国・脩の第五王子、王龍淵。この男、大国一の美貌を誇る人物だったが……。
    「言っておくけど、私の夫になれる男はそういないわよ」
     戦闘態勢万全で強気の構えの紅蘭の前に現れたのは、白い髪に白い肌、瞳だけが血のように赤い、神仙のごとく浮き世離れした……ただし、紅蘭付きの女官を片っ端からタラしまくる不遜かつ魔性の美男だった。
    「俺が自分の意志であんたにひれ伏すことはない」
    「私はね、弱い者には優しいのよ。いい子にしなさい」
     獣と飼い主のような関係から始まった紅蘭と龍淵の関係は、なかなか夫婦という形にはおさまらない。が、どこか不思議な信頼のようなものは生まれつつあり……?
     ワケアリで反抗心旺盛な歳上の夫を掌で転がしつつ、国内外を容赦なく仕切る極悪女帝・紅蘭の明日はどっちだ!?
  • 大罪を負った「トガビト」の物語第5弾!

    許されざる罪を犯し、罰とともに「異能」を得る「咎人(トガビト)」。人の姿を保ちながら、人ならざる者として闇に生きる彼らは、罪の証でもある異能を駆使し、ときに命がけで戦うのだ。ちなみに現在、東京のダークサイドにおいて最強のコンビと囁かれるトガビトは、《令和の切り裂きジャック》こと殺人鬼の神無と、《弟殺しのカイン》て呼ばれる吸血鬼の御影。彼らは互いを唯一無二の相手として、特別な関係を築いていた。
     ある日のこと、神無と御影のもとに百花と名乗る美少女が現れる。彼女は有名な製薬会社社長の隠し子で、表に出せないある重要な取引きの証拠を握っていた。しかしそのせいで「始末屋」を自称する者たちの襲撃を受けるようになり、ほとほと困り果てて神無たちにボディガードを依頼してきたのだった。新たなる勢力の台頭で、首都の闇に激震が走る……のか?
     同一世界のスピンオフ作品『東京ファントムペイン』からも、特殊機関「アリギエーリ」の名コンビ、カイネとマツリカが参戦! 強き者たちがしのぎを削る、血湧き肉躍るダークファンタジー、ついに待望の第5弾!【コミカライズ、舞台化作品】
  • 禁断の恋の行方は。王宮ファンタジー第二弾!

     神々から与えられた力を拠りどころとする八家に治められてきた、千和の国。七十年前、八家の一つである天羽家の一族が突然都を去り、遠い地へと移り住んだ。以来、王の代替わりごとに、后兼巫女となる娘が天羽家から送られてくることが慣例となる。しかし、天羽家と七家の隔絶は続き、送られた娘は人質同然で後宮に閉じ込められるのが実情であった。
     このたびの新王・鳴矢の后となった淡雪も、今までの后同様、孤独な軟禁生活を覚悟して後宮に入る。だが、鳴矢は淡雪をお飾りの后としては見ていなかった。
     婚儀の数日後、ある事件により鳴矢の髪の色が変化するという事態が起こる。強い力を持つ次代の王が成長するまでの「中継ぎ」と軽んじられていた鳴矢だが、髪の変化によって、鳴矢に次代の王に匹敵する力があることがわかり、七家に波紋が広がる。
     一方、鳴矢のおおらかで優しい人柄に惹かれはじめていた淡雪は、諦めたはずの幸せの予感に心を躍らせる。しかし淡雪には、天眼天耳の力を持つという秘密があった。誰より、鳴矢にはこの力を知られたくないと思う淡雪だったが…!?
     禁じられた恋と八家の謎を描く和風王宮ファンタジー、第二弾!
  • この世ならざるものがみえる一凛子教授は…。

    時は9月。ねっとりとからみつくような厳しい暑さが続く盆地の京都には、新学期初日を迎えたにもかかわらず朝起きられずにベッドでくだをまく女子大生……のように見えるが実際にはその倍以上生きている年齢不詳女子・一凛子がいた。「一」と書いて「にのまえ」、おともは白くてまんまるな綿飴みたいなわんこ、ビション・フリーゼの「にぬき」。そう、一風変わった凛子さんは京都の大学で民俗学を教えるれっきとした教授なのだ。基本的にズボラでダメ寄りな人間ではあるのだが、彼女にはなんと「この世ならざるものがみえる」という、他の追随を許さぬ特殊能力があるのだった。
     さて、その日のろのろとベッドから起きだして、愛犬にぬきの朝の散歩に出かけた凛子さんは、道端でひとりの女性に出会った。いろいろマズイものに憑かれて半死状態の彼女の名は富士宮咲子。あまりに悲惨な状態を見るに見かねて(霊的に)助けて以来、咲子さんは凛子さんの秘書的相棒となるのだが……。
    年相応にオトナでしっかり者の咲子さんと、全般的に浮き世離れした凛子さん。両極端ながら、なぜだか気の合う同年代凸凹コンビのもとに、次々と舞い込むオカルトなトラブルとは!?
  • ふわふわ付喪神と鬼上司が浅草で鬼退治!?

     甘いはずの長谷川係長との同棲生活に、なぜか九尾の狐改め九尾神も加わることになった。赤ちゃんのように手がかかる九尾神のお世話をしながら、まったく甘くなくなった日々にちょっぴり落胆する遥香だが、会社員兼陰陽師として忙しく働く充実した時間と、いつも完璧で素敵な長谷川係長の優しさに幸せを感じてもいる。
     そんなある日、浅草が突然原因不明の濃い邪気に覆われるという事態が発生! 邪気の影響で体調が悪くなったりトラブルに見舞われたりする人が続出、なかには邪気に支配されて悪行に走る者も現れるという異常な状況となり、遥香は対策を立てようと必死に知恵を絞る。(一応)神様になった九尾神に力を貸してもらえないかと尋ねるものの、まだ未熟な九尾神はまったく頼りにならない。ならば九尾神を助けてくれる付喪神を探せばいいのでは?と長谷川係長に提案された遥香は、長谷川係長とともに九尾神をサポートしてくれる優しい付喪神を探そうと、かっぱ橋道具街に向かうことになるが――。
     ふわふわ付喪神と“鬼”上司が浅草で鬼退治!? 兼業陰陽師とホンモノ鬼上司の物語、大人気シリーズ第七弾登場! コミカライズも「ベツフラ」にて大人気連載中。
    (底本 2022年9月発売作品)
  • 凶事が続く後宮で廃妃が見たものは…。

    夫である皇帝が起こした政変により、皇后の座を奪われ、廃妃として残虐な刑に処された美凰。万民の怨憎を一身に受ける美凰は、恐怖と苦痛の中で己のなかに眠っていた力を目覚めさせて不死となり、幽閉される。月日は流れ、息をひそめるように生きてきた美凰の前に、ある日、幼馴染みでもある新帝・司馬天凱が現れる。都に蔓延する奇病を鎮めるために美凰の奇しき力が必要だと天凱に告げられた美凰は、皇太后として後宮に舞い戻ることに。
     そして二ヶ月後。事態をおさめ、後宮を去っていた美凰のもとに再び天凱がやってきた。懐妊した妃嬪たちが奇妙な石を産むという異常事態が、後宮で続いているというのだ。しかし、地方で蝗害が発生し、天凱は都を離れなければならない。そのため、美凰に事態の収拾を任せたいのだと天凱はいう。
     天凱のいない後宮で怪異の調査を始めた美凰を手助けするのは、天凱の異母兄である白遠。十数年ぶりの再会を喜ぶ美凰と白遠だが、皇宮では白遠にまつわるよくない噂が流れていた。そして都を離れ、駆蝗に奔走する天凱は新たな災厄を目撃する――。
     怨憎と混乱と悲しみの後宮史、第二弾!
  • 2月に現れるうさぎの幽霊が、幸せを運ぶ!

     2月はじめの雪降る朝、二宮茉奈が勤め先のデザイン事務所の自分の席で見つけたのは、白い仔うさぎだった。ところがこの両手にすっぽりおさまるカワイイ毛玉には、なぜか影がない。どうやらこのうさぎは「幽霊」のようなのだ。この幽霊の出現には由来があって、かつてここに出ていたのは男の幽霊だったという。というのも事務所のある土地には明治のころ、学生相手の下宿があり、そこで死んだ男が化けて出るようになったらしい。下宿の主人は男の幽霊に、恐ろしい見た目をどうにかするならずっと居ていいと持ちかけ、晴れて男はキュートなうさぎの幽霊になったとかならないとか……。
     そんな噂を本気にしたわけではないけれど、その後茉奈の席にはうさぎの幽霊が居座りつづける。その理由が実は自分自身にあるのでは、と思い至った茉奈は、改めて自分が抱える悩みを直視することになる。
     2月にだけ現れるふしぎな幽霊うさぎと、2月だけ山をおりて事務所にやって来るお茶づくりの紳士。東京の片隅にあるデザイン会社にひっそり伝わる二大都市伝説は螺旋のように絡み合って、悩める妙齢女子を救う……のか!?
     やさしくてあたたかいお茶の風味の現代おとぎ話!
  • 一度死んで冥府の姫となった宵華の冒険譚!

    「わたしは宵華。人は屍人姫(しびとひめ)と渾名する」
     冥府の都・ほう都に流星の如く現れた、愛と正義の英雄は、鬼神の如き強さを持つ十三歳の少女。数百年前に実在したといわれる伝説の英雄・焔崇(えんすう)の大ファンを自認する暴力系女子だ。しかし実のところ生前の宵華はといえば、穹国の第二皇女でありながら、病弱すぎてあっという間に死んでしまう、かわいそうな姫君だった。さて、前のめり気味に最強屍人(=ゾンビ)となった宵華には「冥府の王に嫁入りする」という大きな目標があった。噂ではその王様はとんでもない美形で、文武両道に優れた完全無欠の英雄らしい。ヒーローが大好物な宵華は意気込んで王城へ向かうが、先代の英雄「東嶽大帝」から理由あって代替わりしたばかりの、新しい冥府の王「ほう都真君」は、職務放棄も甚だしい、すこぶる無気力な《働いたら負けだと思っている》駄目男だった。予想外の人物像にドン引きの宵華だが、この真君、ただのサボりキングではなさそうで? 諸般の事情により互いの利害が一致してしまった冥府の王と屍人姫は、ひとまず形ばかりの夫婦となった。 ノンストップ中華風ファンタジー、ここに開幕!
  • 死神の花嫁は夫に離縁を言い渡され…!?

     死神・八雲の花嫁となり、人の世界とは隔絶された場所にある八雲の屋敷で暮らすことになった没落華族の令嬢、千鶴。死を覚悟しながら生贄の花嫁としてやってきた千鶴だったが、いまや八雲の愛を受けながら、家事にいそしんだり、拾われた人間の子・一之助の世話をしたりと、穏やかで幸せな日々を送っている。
     そんなある日、千鶴の前にひとりの女性の死神が現れる。翡翠と名乗ったその死神は、人間嫌いだった八雲が心を許したのはどんな女性なのか興味があって訪ねてきたと語り、人間同士の友のように千鶴と付き合いたいと言う。同じ死神ながら、出会った当初の八雲とはまるで違う、明るく気さくな様子の翡翠とのおしゃべりに、思わず女学生だった頃の自分を思い出した千鶴は、久しぶりに心が弾んだ。そして、女学校時代を懐かしむ千鶴を見た八雲に、かつての友人に会ってみないかと誘われた千鶴は、昔住んでいた麹町へ八雲とともに向かうことに。だが、乳飲み子を抱いた親友との再会に感動しながらも、もう普通の人間とは違う自分の立場を思い知らされる。やがて千鶴は、見えない未来に思い悩むように――。愛を知らない死神と生贄の花嫁の、不器用な愛の物語。第三弾!
  • 転生×中華後宮物語!主上の寵妃候補、現る。

     凰朔国の後宮に入り、皇帝・天明と秘密の契約で寵妃となってからも、商売に野球に漫才舞台に…と、いくつもの事業を興して奮闘する蓮華。どれも前世の真似事に過ぎないと思いつつ、この国で笑顔になる人が増えるならば頑張ろうと蓮華は心に誓い、忙しく駆け回っている。
     ある日、天明が美しい女官と一緒にいるところに出くわした蓮華。自分は偽の寵妃だから、天明のために本当の皇后候補を見つけるのが自分の務めと考え、天明にもそう宣言していた蓮華だったが、なぜか心は落ち着かない。
     そんな頃、天明によって新たな官吏登用試験が設けられることに。受験者の身分も性別も問わないという画期的なこの試験。第一回に庶民の合格者を出したいと考えた天明のたっての希望で、貧民層出身で蓮華の侍女となった朱燐が挑むことになる。だが勉強に励む朱燐に不穏な気配が忍び寄り――。
     大阪女子だった前世の記憶を持つ蓮華が、凰朔国にもたらした新風。やがてそれは大きなうねりとなってさらなる変化を呼ぶ!? 転生×中華後宮物語、第四弾!
  • 最強の蠱師である玲琳王妃の姿が…!?

     大陸に君臨する大帝国・斎の皇女にして、新興国・魁の王妃。蟲愛づる姫君こと李玲琳はすでに嫁いで八年半、六歳になる男女の双子の母でもあるというのに……現在、大変な問題をひとつ、抱えていた。実年齢はすでに二十四歳なのだが、現在の玲琳の見た目は我が子と変わらないくらいの幼女になってしまった。というのも数か月前、玲琳はある蠱術の呪いを受け、過去の時間を奪われて若返り、未来の時間を奪われて寿命が縮まったのだ。現状玲琳は、自らの体内に巣食う毒蟷螂の蠱毒を抑えるため
    に全力を使いきっている。ゆえに他の蟲へは力を注げず、結論として蠱師としてはほぼ役立たずの状態にあった。一刻も早く元に戻りたいと願う玲琳だったが、事態はそれを許さず、彼女はさらなる試練に晒されることに……。ある夜のこと、玲琳の夢の中に尊敬する祖母・月夜が現れ、蟷螂のほかに三体の特別な蟲を与えて去った。この四体の蟲を同時に使うと、大陸を血の海に沈める究極の毒を生み出せると言われているが、それを実現できた蠱師は、これまでひとりしか存在しないという。果たして玲琳は最大の苦難に打ち勝ち、最強の蠱師になることができるのか? 「むしめづ」シリーズクライマックス!
  • 陰陽師の家を継ぐ「トンデモ」姫に婿現る?

     慶長四(一五九九)年。安土桃山時代も末期、江戸時代が始まる前の京の都に、周囲が手を焼くトンデモ姫がいた。名は幸徳井桜子、年は十五。陰陽師を排出する家のひとつ、幸徳井家のひとり娘だ。名門というわけでもなく、ほどほど貧乏な公家の跡継ぎである桜子は、母を早くに亡くし、父は誰なのかわからないという有様。一部で「あやかしの子だ」と噂されるのは、桜子が生まれ持った神通力と剛力のせいだ。
    「私に触ると怪我するよ」――というのは誇張でもなんでもなく、触れればすぐさま物を壊し、遊べば人を壊す。この世のものはなにもかもヤワすぎて、人も獣も妖怪も桜子の相手にはならないのだ。そのくせなぜか、京に巣くう妖怪たちはこぞって桜子に懐く。ゆえに、花も恥じらうお年頃だというのに、桜子はあやかしの首魁扱いされてしまうのだった。
     そんなある日、桜子はひとりの剣士と出会う。陰陽の術にも長けたその青年は、柳生友景。どうやら彼は、桜子が本気をだして絡んでも「壊れない」理想の相手のようだが…?
     やわらかスピリッツでのコミカライズも大人気、「蟲愛づる姫君」シリーズの著者が贈る、もうひとりの「トンデモ姫」の物語、ここに開幕!
  • 蘭方医と妖狐があやかし事件の謎を解く!

    留学先の長崎から江戸に戻り父親の診療所を継いだ武居多聞は、武家の出の蘭方医。ある日、大怪我の痛みで暴れる男の手当に難儀する多聞の前に、ひとりの薬売りが現れる。薬売りはハッとするほどの美貌の持ち主で、なぜか多聞に謎の薬を差し出し、治療を助けてくれた。
     数日後の往診帰り、暗い夜道を急ぐ多聞は、獣のようなうなり声を聞き足をとめる。そこにいたのは例の薬売り。だが彼は、見たこともないような恐ろしい姿の化け物と対峙していた――! 
     その夜の出来事が信じられず、なにもかも夢だったのではないかと思いはじめた頃、多聞は傷ついた狐を見つけ、屋敷で手当することに。そして同心・厚仁から、人々が何者かに斬りつけられる事件が続いていると聞いた多聞は、厚仁とともに事件を追う中で再び薬売りと出会う。薬売りは化け物退治をしているのだと語り、彼の手助けすることになった多聞は、やがて、人の恨みや苦しみから生まれる恐ろしい事件と、その裏に隠された妖狐の因縁を知ることに……。
     人の心の闇と千年の想いを描く和風ファンタジー!
  • 満場一致の「アニバーサリー賞」受賞作!!

     ある寒い冬の日、新月の真夜中のこと。東京駅を訪れた青年・西渕真澄は、不可解な現象に巻き込まれる。突然スマホの位置情報画面に現れた《東京幽世(かくりよ)壱番街》の文字。現れる謎の地下街。直後、何か強い力に撥ね飛ばされ、真澄は命にかかわる重傷を負った。そのとき彼を救ったのは、金色の狐耳の少女・こがね。高位のあやかし――天狐であるこがねは真澄の体に入り、消えかけた命を繋いだ。しかし同時にこの出会いは、真澄を「人ならざる者」に変化させてしまったのだった。
     不幸な事故からしばらくして、奇跡的に回復した真澄のもとへ「東京幽世公安局」の職員を名乗る戸塚という男が現れた。彼いわく、この世にはふたつの世界が存在していて、ひとつは人間が暮らす「現世」、もうひとつはあやかしが生きる地下異界「幽世」という。戸塚率いる特務課は人と人外の者の混成部隊で、ふたつの世界の均衡を保つため、日々秘密裏に働いているらしい。そして真澄については、きわめてレアな後天的半妖なので監視を兼ねて特務課のメンバーに迎えたい、と戸塚は告げるが……。
     小学館文庫キャラブン!「アニバーサリー賞」を満場一致で受賞した傑作ファンタジー、ここに開幕!
  • 許されざる恋を描く和風王宮ファンタジー!

     神話に由来する八つの家が支配する国「千和」。八家の者は「術」と呼ばれる特別な力を持ち、なかでも特に強い術を持つ男が千和の王位に就くことになっている。
     七十年前、八家の中で最も神に近い家とされていた天羽家が、突然都を去り、政治を放棄した。天羽の強い力を必要とする七家は、新しい王の即位のたびに、天羽家から后と巫女を兼ねた女子を迎えて祭祀に関わらせるようになる。だが天羽と七家の関係は悪化、都に送り込まれる天羽の娘は、いまや人質同然に後宮で軟禁されることが慣例となっていた。
     このたび、新王・一嶺鳴矢の后に選ばれた天羽淡雪も、都での天羽の者である自分の立場はじゅうぶん理解していた。后とは名ばかりで、ここでは異端の者。逃げることもできず、逃げたところで帰る場所もない――。
     そんな淡雪には遠くの物事を見る能力があった。後宮からその術を使って鳴矢を見た淡雪は、彼が想像していたような厳しい王ではないことを知り、次第に興味を抱くようになるが……。
     触れあうことはおろか話すことも許されない王と后。禁じられた恋と八家の謎を描く和風王宮ファンタジー!
  • 癒やしの大聖女はオーバーワーク気味で!?

    永翔帝国には「癒やしの大聖女」がいる。名は蔡蘭華。帝国の公立医療院でも最強の力を誇る唯一無二の聖女だ。
     聖女──男性であれば聖人──と呼ばれる存在は、永翔帝国だけでなく、近隣諸国や亜人の国にも数多くいて、大抵はその能力を活かし、医療従事者となってそれぞれの国家に仕える。高度な術を使いこなす彼らは貴重な癒やし手として大切にされるが、蘭華の力はその誰よりも強いとされているのだった。……とはいえ、いかな大聖女といえど所詮は生身の人間。目の前の病人やけが人を放っておけない性格の蘭華は、治療行為に没頭してオーバーワークを極めた結果、ある日いきなり、仕事の途中で倒れてしまい、そこから何日も目を覚まさなかった。
     大聖女ダウンの報は国中を駆け巡り、このままでは国家の威信を揺らがしかねないと危ぶんだ皇帝の命令で、蘭華は急遽、人生初の完全長期休暇をとって、帝国領地の田舎島で休養という名のバカンスを楽しむことに。
     いよいよあこがれのスローライフ生活……と考えていたのに、現実はなかなか一筋縄ではいかなくて――。
     多忙生活を強制リセットした「癒やしの大聖女」の明るい未来はどっちだ!?
  • 猫又の夫が幽世で行方不明に!?

     奇妙な結婚相談所の紹介で、猫又・燐の花嫁になった弥琴。現世と幽世、二つの世界を隔てる門の管理番である燐との夫婦生活は、ごく普通の会社員だった弥琴にとっては不思議の連続だったが、祝言から半年が過ぎ、そんな生活にもようやく慣れてきた。
     そんな頃、あやかしの街・黄泉路横丁にある燐の屋敷に、一人の女子高生がやってくる。伊千瑠というその少女をひと目見るなり、かつての主人である千鶴の名前をつぶやいた燐。千鶴の子孫だという伊千瑠は、幽世のどこかにいるらしい、千鶴の恋人だった鬼を捜すために、幽世に行きたいと燐に同行を求める。さらに伊千瑠は、「燐はわたしのもの」と弥琴に宣言した。
     一度は拒否するものの、結局、燐は伊千瑠とともに幽世へ行くことを決意。自分よりも伊千瑠を選ぶのだろうかと衝撃を受ける弥琴は、不安のあまり、つい燐を困らせる言葉を口にしてしまう…。
     幽世に向かった燐を想う弥琴。弥琴との“今”のために旅立った燐。離ればなれになった二人に、危険が迫る――!?
     あやかしと人の縁が重なる物語、第三弾!
  • “鬼”上司との同居生活がスタート!?

     社員旅行で長崎に向かった遥香たち。同じ部署の長谷川係長とも観光地を巡ることになった遥香は、いつもと違う場所で長谷川係長との楽しい時間を過ごす。だが、長崎中華街のカフェで魔除けの掛け軸を見た直後、なぜか、長谷川係長の体に異変が起きてしまう。
     最近、原因不明の体調不良が続いているらしい長谷川係長を心配した遥香は、同じ陰陽師である両親に相談することに。すると母親が意外なことを遥香に命じた。体調不良の原因がわかるまで、二人で同居しろというのだ!(ただし、式神による監視付き)
     遥香は突然の展開に激しく動揺するものの、長谷川係長の部屋での同棲生活をスタートさせる。長谷川係長のかわいい一面を見てしまったり、寝起きの抱擁にドキドキしたり…と幸せな日々が続く遥香だったが、しだいに長谷川係長の様子にどこか違和感をおぼえるように…!?
     長谷川係長、またしてもピンチに襲われる!? 兼業陰陽師と、ホンモノ“鬼”上司の物語、コミカライズも決定の大人気シリーズ、第六弾登場!

    (底本 2022年1月発行作品)
  • 蟲愛づる姫君の旦那様、突如……若返る!?

    毒蟲たちを溺愛する変わり者の妻をこよなく愛する、魁国の国王・楊鍠牙。根っからの不幸体質のため、大抵の理不尽には耐性のある鍠牙だが、そんな彼は、ある朝目覚めると、十代の少年の姿になっていた。ひと晩で十五歳の若返り、十八歳の姿となった鍠牙は、記憶まで逆行してしまったため、玲琳を見ても自分の妻だとは認識できない。どうやら何者かに蠱術をかけられ、時を奪われてしまったようなのだが……。
    「十八歳の頃、鍠牙様はグレておられました」
     側近の証言どおり、自らの黒歴史ど真ん中の時代に戻ってしまった国王陛下は、人生二度目の反抗期に突入。一方、玲琳はといえば、自分に解蠱できない術はないと言い切り、最強の蠱師のプライドにかけて、夫への呪いを解こうと奔走する。そして……まずは原因を探ろうと調査するうちに、鍠牙にとって十八という年齢は、彼がもっとも尊敬する学問の師・譲玄が亡くなった、まさにその歳であると判明するのだった。果たして玲林は、鍠牙にかけられた術を解くことができるのか? 急転直下の《むしめづ》シリーズ最新刊!

    (底本 2021年12月発行作品)
  • 鬼の妻になった姫君の平安恋物語!

     悪しき物の怪である魔の姫に狙われた、大納言の娘・真珠。助けを求めて呼んだのは、白銀の髪を持つ鬼、瑠璃丸の名だった。瑠璃丸は真珠を守り続けるため、角を切り、人として生きる道を選んだ。そして……ついに瑠璃丸は、魔の姫を斬り祓う。想いあうふたりは正式な夫婦となるが、鬼を夫にしたことに父たちの納得は得られない。また、物の怪の出没も続いていたが、それでも真珠は瑠璃丸との結婚生活に幸せを感じていた。
     そんな頃、人を傷つける質の悪い盗賊が増えているという話を耳にした真珠と瑠璃丸。瑠璃丸の正体が鬼であることを知る検非違使の監督長から、盗賊の中に鬼の子を見たという証言があると聞いた瑠璃丸は、独自に事件を調べることに。
     一方、弟の高俊が美人で有名な典侍に懸想し、追いかけ回していると知った真珠は、高俊の行動を心配するが……。
     白銀の髪を持つ美しい鬼と桃殿の姫君が紡ぐ平安恋綺譚、第二弾!
  • 地獄の大王、新宿最後の事件!?

     現世で四十九日間を過ごし地獄へ戻ったはずの閻魔大王――大央炎真が、思わぬ休暇期間延長で、秘書の小野篁とともに新宿・歌舞伎町に住み始めて約一ヶ月。スイーツ大好きな炎真は、デパ地下巡りを日課にして現世でのひとときを楽しむつもりだったが、街に出ればどうしてもあちこちに漂う霊を見つけてしまう。ついつい、彼岸に送る仕事をしては、自分の職業病を嘆く炎真だった。
     そんな不本意な休暇を過ごしていたある日。借りていたビルで働く少女スピカから、SNSで拡散されている『新宿七不思議』という書き込みを見せられた炎真。そのうちの一つ、七丁目にある個人家が呪われている…という記述に奇妙な違和感をおぼえた炎真は、現世での世話役である地蔵菩薩からも頼まれて、その家を調べることに。ところが、呪いがかかっていると特定された家に向かうと、そこには大勢の見物人が殺到していて…!?
     新宿の街を騒がせる七不思議の顛末、海の夢を見る男の人生、嫁入りの約束が引き起こした出来事など、五つの物語を収録した人気シリーズ第6弾! 地獄の大王、新宿最後の事件解決のために奔走する――!?
  • 罪を犯した咎人たちの異能バトル、第4弾!

     罪を犯して人の道を外れ、その罪ゆえに人智を超えた異能を宿す者たち《咎人(トガビト)》。彼らは自分の罪が昇華する日まで、戦い続けるのだ。
     令和のジャック・ザ・リッパーと呼ばれる殺人鬼・神無と、その相棒である吸血鬼の御影。ともに咎人である彼らに、警視庁異能課の高峰から呼び出しがかかる。それは、御影の双子の弟である刹那を甦らせて大混乱を招いた「狭霧」と名乗る人物の、暴走を止めてほしいというものだった。実は狭霧というのは通称で、件の青年の本名は「獅堂八房」という。彼は自分の異能をもって、反魂や屍体を操る術を使うのだが、これは、禁忌の術として厳格に統制されているものだった。どうやら八房――狭霧は、自分のネクロマンシーの能力を駆使して、何かを甦らせようとしているらしい。ところが、仲間の咎人たちも集結し対策を講じている最中に、隙をつかれた御影が狭霧の手に! 神無は御影を取り戻すべく、狭霧の根城である池袋のサンシャイン60へ向かうが・・・。
     現世の理を歪めてまで、狭霧が甦らせようとした死者はいったい誰なのか。そして、死者復活により発動した膨大なエネルギーが、都心にさらなる災厄を引き起こす!?
  • 連れ去られた死神の花嫁の運命は!?

     奉公先の三条家でこきつかわれていた没落華族の令嬢、正岡千鶴。帝都・小石川で猛威をふるう流行病を鎮めるため、生贄に選ばれた千鶴は、死神が祀られている神社に花嫁姿で向かった。だが、目の前に現れた死神・八雲は、人間など娶らぬと千鶴に言い放つ。しかし、死を覚悟してやってきた千鶴にはすでに帰る場所もなく、八雲の屋敷でともに暮らすこととなった。
     八雲の従者である浅彦や、わけあって八雲のもとで育てられている人間の男の子・一之助とともに屋敷で過ごすうちに、千鶴は八雲の優しさやさりげない気遣いに気づきはじめる。やがて千鶴は八雲に深い信頼を寄せるように……。
     屋敷での穏やかな時間に幸せを感じていたある日。八雲が夜遅くに、額に傷を負って帰ってきた。心配する千鶴に、八雲は冷たい言葉を投げつけ、触れようとした千鶴の手をはね除ける。突然の八雲の拒絶に、わけがわからずうろたえる千鶴。八雲の妻として死神の役割を理解して彼に寄り添いたい……そう考えていたはずが、千鶴の心はかき乱されて――!?
     愛を知らない死神と生贄の花嫁の、不器用な愛の物語。第二弾登場!
  • 寵妃、新喜劇に挑戦!? 中華後宮転生譚!

     凰朔国に転生して後宮に入り、正一品の徳妃となった蓮華。皇帝・天明を巻き込みながら、前世の知識と経験をフルに活かして後宮内で商売を始め、たこ焼き(ただし凰朔国に蛸はいない)の美味しさや、野球のおもしろさを広めつつ、明るく元気にたくましく動きまわっている。
     だが一方で、この世界の強烈な身分差別や階級社会を目の当たりにして、見えない壁を感じてもいる蓮華。ゆくゆくはこの国を変えて、皆が笑顔でいられるようにしたい……。いつしか、蓮華はそんな願いも抱くようになっていた。
     本日から七日間にわたって開催される建国祭での商売を成功させようと、妃としての役目も後回しにして忙しく働いていた蓮華は、後宮の門前で、玉玲と呼ばれる美しい女性が、大貴族である遼博宇に罵られている場面に遭遇する。困っている人を放っておけない蓮華は、つい助けに入ってしまうが、玉玲は目を伏せるばかりだった。
     そして、玉玲の話を聞いた皇帝・天明は、彼女には関わるなと蓮華に告げる。玉玲はかつての事件が原因で、天明の敵となる立場の人物だったらしいが――。
     大阪魂を持つ後宮妃、今度は新喜劇に挑戦!? 転生×中華後宮物語、波乱の第三弾!
  • 世にも奇妙な王様夫妻、突如誘拐される!?

     毒蟲と蠱毒をこよなく愛する変わり者の「蟲愛づる姫君」こと李玲琳。彼女と魁国の国王・楊鍠牙との結婚生活は、八年を経て双子の王子と王女にも恵まれ、意外にも現在進行形で順調かつ円満だ。
     ある日のこと。魁の王宮に故郷・斎帝国から使者がやって来た。飛国と同盟を結ぶために会談の場をもうけるが、そこへ玲琳も同席して欲しいというのだ。飛は斎にも劣らぬ由緒と広大な領地をもつ大国で、第一王子の榮覇はかつて、すでに人妻だった玲琳に熱烈にアプローチを仕掛けてきた因縁深い人物。斎の女帝にして最愛の姉である彩蘭の頼みということもあり、玲琳は会談の立ち会い役を二つ返事で引き受けるが、事前調査のつもりで榮覇のもとへ送った蠱は、何者かによって無残にも引き裂かれてしまう。ことここに至って異変を察した玲琳は、同盟締結劇の裏に不穏な動きがあると知りながら、夫の鍠牙とともに旅立つ。が、その道途で一行は謎の蠱師率いる一団に襲われてしまう。どうやら彼らは飛国側の人間で、今回の同盟に反対する勢力のようなのだが……。
  • “鬼”上司と不思議な宿に逃避行!?

     邪気の高まりによって恐ろしい鬼と化してしまった長谷川係長。千年前の記憶と現在の気持ちの間で揺れていた遥香だったが、自分自身の本当の想いに気づいたことで事態はなんとか落ち着き、ふたりは正式にお付き合いすることとなった。
     だが問題は、陰陽師である自分の両親や親族に、長谷川係長の正体を明かせないこと! 悩ましい状況が続く中、ある日、遥香のもとに母親の式神ハムスターがやってくる。小さな彼が抱えてきたのは、なんと、お見合い写真。父親の企みで、遥香のお見合い話が進行しているというのだ。
     お見合いを阻止するため、長谷川係長は遥香の両親と直接会って話をしようと提案。しかし、その対面が大騒動に発展してしまう! 逃げ出した遥香たちは、なぜか不思議な宿に迷い込むことになって……。
     長谷川係長のジェラシーが炸裂! ふたりの恋に障害発生!? 兼業陰陽師と、ホンモノ“鬼”上司の物語、大人気シリーズ第5弾登場!

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