セーフサーチ設定を変更しました
ページの先頭です
日経の本コイン50%還元フェア

『実用、歴史、哲学、講談社、雑誌を除く』の電子書籍一覧

1 ~60件目/全62件

  • 1,540(税込)
    訳・解説:
    秋本吉徳
    解説・その他:
    鉄野昌弘
    レーベル: 講談社学術文庫
    出版社: 講談社

    ◇土地の名前、不思議な説話。そのすべては、古代びとの生きた確かな証◇

    奈良時代の初期、『古事記』や『日本書紀』とほぼ同時期に編述された、官撰の地誌『風土記』。
    地方に律令政治による統治を行きわたらせようとした朝廷が、令制国の国庁にそれぞれの地理、産物、文化、歴史についての調査を命じ、その記録を献上させたものである。
    各国ごとに編纂された『風土記』だが、その多くは散逸してしまい、現在まで遺されているのは、ごく数ヵ国のものに限られる。
    『播磨国風土記』はその一つであり、本書は兵庫県南西部の地名の由来、大国主の伝説や景行天皇求婚譚などの説話、古代人の生活・習俗などを生き生きと伝える最重要史料である。

    本書は漢文で書かれた原文からの訓下し文に、詳細な訳註つき。
    さらに懇切な解説も加えた、「風土記」の世界を味わいつくす全訳注!

    【本書「まえがき」より】
    〈国家神話〉として再構成されたものではなく、在地に生きる古代の人々の、生きた神話や伝説、また習俗・社会などのありさまが、断片的ながらも窺える……本書は日本古代の人々の、生きた姿を、少しでも明らかにしようと努めたものである。

    【本書の内容】
     まえがき
     凡例
    一 賀古郡(一)
    二 賀古郡(二)
    三 印南郡
     補説「印南郡」の存否
    四 餝磨郡(一)
    五 餝磨郡(二)
    六 餝磨郡(三)
    七 餝磨郡(四)
    八 揖保郡(一)
    九 揖保郡(二)
    十 揖保郡(三)
    十一 揖保郡(四)
    十二 揖保郡(五)
     補説「言挙げ」について
    十三 揖保郡(六)
     補説『万葉集』と播磨
    十四 揖保郡(七)
     補説 天日槍 付、粒丘銅牙石
    十五 讃容郡(一)
     補説 鹿の話
    十六 讃容郡(二)
     補説「異剣」伝説について
    十七 宍禾郡(一)
     補説「大神」「伊和大神」について
    十八 宍禾郡(二)
     補説 葦原志許乎神について
    十九 神前郡(一)
     補説 大汝神少比古尼神
    二十 神前郡(二)
     補説 百済人
    二十一 託賀郡(一)
     補説 盟酒
    二十二 託賀郡(二)
     補説 女性神
    二十三 賀毛郡(一)
     補説 地名起源記事の種類と性格
    二十四 賀毛郡(二)
     補説 根日女の話
    二十五 賀毛郡(三)
     補説 延喜式と風土記
    二十六 美なぎ郡
     補説 於奚袁奚天皇と「詠辞」
     解説 鉄野昌弘
     播磨国風土記地図

    *本書は訳し下ろしです。訳者の遺稿に補遺を施しました。
  • シリーズ4冊
    1,6722,398(税込)
    著:
    大澤真幸
    レーベル: 講談社文芸文庫
    出版社: 講談社

    シリーズの最初の巻「古代篇」では、〈世界史〉の中のミステリー中のミステリー、イエス・ キリストの殺害が、中心的な主題となる。もし、〈世界史〉の中で、われわれの現在に最も大きな影響を残した、たった一つの出来事を選ぶことが求められれば、誰もが、迷うことなく、イエス・キリストの十字架上の死を挙げることになるだろう。
     どうして、イエス・キリストは殺されたのか? どうして、たった一人の男の死が、これほどまでに深く、広い帰結をもたらすことになったのか? われわれの現在を、社会学的な基礎において捉えるならば、それは「近代社会」として規定されることになる。近代化とは、細部を削ぎ落として言ってしまえば、西洋出自の概念や制度がグローバル・スタンダードになった時代である。その「西洋」の文明的なアイデンティティは、キリスト教にこそある。とすれば、キリストの死の残響は、二千年後の現在でも、まったく衰えることなく届いていることになる。キリストの死は、どうして、これほどの衝撃力をもったのだろうか?
     イエス・キリストは、わけのわからない罪状によって処刑された。その死は、今日のわれわれのあり方を深く規定している。必ずしもクリスチャンではないものも含めて、その死の影響の下にある。どうしてこんなことになったのか?……
    (「まえがき」より)
  • 本書は、前著『クリティック再建のために』(講談社選書メチエ)の「姉妹篇」であるとともに「日本篇」と言えるものです。
    「クリティック」とは何か?――その問いに答える前著は、他方で現代日本におけるクリティックの不在という事実を突きつけてきました。本書は、その点にフォーカスを定め、「現代の日本において何故クリティックが定着しないのか」という問題を集中的に扱います。取り上げられるのは1900年前後からの日本の「知的状況」です。ただし、現実との関わりを抜きには不可能な「クリティック」の不在をテーマとする以上、日本がたどってきたここ100年余の歴史を無視することはできません。それゆえ、著者の言葉を借りれば、「本書の内容は「思想史」でもインテレクチュアル・ヒストリーでもない。知的階層ないし擬似知的階層の知的活動のうちのクリティックのみを追跡する」ことになります。
    ここで分析される対象は、「知的階層の言語行為」すべてです。それを分析することは、必然的に「知的階層の(欠落を含めた)あり方」をも扱うことになります。つまり、「知的階層を構成すべき人々の言語行為全体」が問題とされ、その結果、「狭い意味の学術」の世界の外で形成された言論も取り上げられることになります。
    本書の「結」で、著者はこう言います。「戦後期に課題として発見された地中深くの問題を解明しそのメカニズムを解体する方途を探るためのクリティックの構築が挫折し、そしてその結果今ではこの課題に立ち向かうための条件、つまり立ち向かう資質を潜在的に有する階層ないしこれを育てる環境それ自体、もまた失われてしまった」。
    この「失敗」は著者自身も当事者の一人にほかなりません。それゆえ、著者はこう言うのです。「なるほど私はバトンを受け取り先へ渡すことには失敗した。ブレイク・スルーを担う極小の一点へ、私の仕事が結び付くものではない。しかし、責任の中には必ず、失敗について報告し申し送る、とりわけ、何故失敗に終わったか、失敗の結果どういう状況が後へ残っているのか、について考察を遺しておく、ということがある」。
    本書は、まさにこの言葉を実践したものです。これは「失敗」の研究であるとともに、この国がたどってきた道程の記録でもあります。好むと好まざるとにかかわらず、未来はここから歩まなければならない。しかし、著者が言うように「本書が最も悲観的に見る部分にこそ希望があることも事実である」ことを、ぜひ多くのかたに感じていただきたい。その願いとともに、本書をお届けいたします。

    [本書の内容]
    第I章 与次郎
    第II章 戦前期(一八九五―一九四五年)
    第III章 戦後期(一九四五―七〇年)
    第IV章 ポスト戦後期I(一九七〇―九五年)
    第V章 ポスト戦後期II(一九九五―二〇二〇年)
  • 3,135(税込)
    著:
    鷲田清一
    レーベル: ――
    出版社: 講談社

    主体と存在、そして所有。著者の重ねる省察は、われわれを西欧近代的思惟が形成してきた「鉄のトライアングル」の拘束から解き放つ!

    「ほかならぬこのわたし」がその身体を労して獲得したものなのだから「これはわたしのものだ」。まことにもっともな話に思われる。しかし、そこには眼には見えない飛躍があるのではないか……? ロックほか西欧近代の哲学者らによる《所有》の基礎づけの試みから始め、譲渡の可能性が譲渡不可能なものを生みだすというヘーゲルのアクロバティックな議論までを著者は綿密に検討する。そこで少なくともあきらかにできたのは、「所有権(プロパティ)」が市民一人ひとりの自由を擁護し、防禦する最終的な概念として機能しつつも、しかしその概念を過剰適用すれば逆にそうした個人の自由を損ない、破壊しもするということ。そのかぎりで「所有権」はわたしたちにとって「危うい防具」だという根源的な事実である。主体と存在、そして所有。著者の重ねる省察は、われわれを西欧近代的思惟が形成してきた「鉄のトライアングル」の拘束から解き放ち、未来における「手放す自由、分ける責任」を展望する。
  • 復讐に取り憑かれた伍子胥、人心を操り権力に固執した王莽、女のために国を売った呉三桂……。極め付きの裏切り者たちが行き着く先は? 『史記』『戦国策』『三国志』『世説新語』等の史料から、歴史を動かした個性溢れる悪漢たちを描き切る。春秋時代から明末清初まで、二五〇〇年にわたって興亡の絶えない中国をかき回した反逆者たちの数奇な人生。

    中国古典の第一人者・井波律子氏による評伝集にして、中国史・中国文学のファン必携の一冊。

    【主な登場人物】
    ・母国の君主に父兄を殺され、敵国の呉に奔った伍子胥(ごししょ)
    ・品行方正を装い、世論を操作して王朝を簒奪した王莽(おうもう)
    ・三世代かけて国を滅亡させた諸葛亮のライバル司馬懿(しばい)
    ・貴族に出し抜かれ、皇帝になりそこなった繊細な桓温(かんおん)
    ・反乱を引き起こすも、夢半ばで息子に殺された安禄山(あんろくざん)
    ・英雄を処刑したため、中国史上最も忌み嫌われた秦檜(しんかい)
    ・恋人を奪われて激怒し、身を売り国をも売った呉三桂(ごさんけい)
    ほか、呉起、始皇帝、商鞅、張儀、蘇秦、趙高、則天武后、楊貴妃、項羽、劉邦、諸葛亮、永楽帝、朱元璋、李自成など多数。


    【目次】
    はじめに
    第1章 復讐の鬼――伍子胥
    第2章 自立するコスモポリタン――戦国時代のパフォーマー
    第3章 頭でっかちの偽善者――王莽
    第4章 持続する裏切り――司馬懿
    第5章 気のいい反逆者――王敦と桓温
    第6章 危険な道化――安禄山
    第7章 極め付きの「裏切り者」――秦檜
    第8章 恋に狂った猛将――呉三桂
    年表
    参考文献
    あとがき
  • シリーズ2冊
    1,9252,035(税込)
    著:
    長谷川宏
    レーベル: 講談社学術文庫
    出版社: 講談社

    長くヨーロッパの文化と思想を研究対象としてきた著者は、ここ20年ほど、日本の文化と思想の研究にとりくみ、その流れを歴史的に追跡してきました。その成果がついに一書にまとまったのが、本書です。題して、『日本精神史』。
    「精神」とはなにか。
    ヘーゲル研究者としてスタートした著者は言う。「あえて定義づければ、人間が自然とともに生き、社会のなかに生きていく、その生きる力と生きるすがたが精神だ」。
    テキストとして残された思想はもとより、土器や銅鐸、仏像、建築、絵巻、庭園など、あらゆる文化を渉猟し、縄文時代から江戸時代の終わりまでを、一望のもとに描く、まさに畢生の大作です。
    ただし、著者は、難解であることを潔しとしません。ヘーゲルのわかりやすい翻訳で脚光をあびたように、あくまでも流麗な文体で、明解に描いていきます。
    思想も絵画も仏像も、ひとしく日本の精神の歴史としてとらえ、あらためて、日本とはなにかを問いかける清新な傑作と言えます。
    待望の文庫化!

    【目次より】
    第一章 三内丸山の巨大建造物
    第二章 火炎土器と土偶
    第三章 銅鐸
    第四章 古墳
    第五章 仏教の受容
    第六章 『古事記』
    第七章 写経
    第八章 『万葉集』
    第九章 阿修羅像と鑑真和上像
    第十章 最澄と空海と『日本霊異記』
    第十一章 『古今和歌集』と『伊勢物語』
    第十二章 浄土思想の形成
    第十三章 『枕草子』と『源氏物語』
    第十四章 『今昔物語』と絵巻物
    第十五章 東大寺の焼失と再建
    第十六章 運慶の新しい造形意識
    第十七章 法然と親鸞
    第十八章 『正法眼蔵』
  • 縄文時代の巨大建造物から江戸末期の『東海道四谷怪談』まで、日本の美術・思想・文学の精神のありさまを、長大かつ深遠な歴史として一望のもとにとらえた傑作『日本精神史(上・下)』は、その年(2015年)の人文界の最大の収穫として話題をさらいました。

    本書は、読者諸氏が待ち焦がれたこの本の続篇です。題して、『日本精神史 近代篇』!

    この本が扱う時代は、その名のとおり江戸の終わりから20世紀の終わりにいたるまで。
    日本の歴史上、最大のインパクトのひとつである幕末の大転換期から、21世紀のいまを生き、わたしたちの生活に多様な彩りをあたえ、生きる源となるゆたかな精神のその発露までを追っていきます。
    日本近代の美術・思想・文学の三領域にわたる文物や文献を手がかりに、そこに陰に陽に示された精神のありようを、ときに冷静に、ときに客観的に言葉にした、前作『日本精神史』と双璧をなす大作です。
    著者は、前著同様、本書についても難解であることを決していさぎよしとしません。読みやすさに細心の注意をはらい、あくまでも流麗に、そして明解に描ききります。
    幕末から20世紀の終わりにいたるまでの150年にわたる時代の精神とはいったいどのようなものなのか? 近代における壮大かつ激しい精神の大河を、ここにご覧ください。
    上巻は、近代の始まりから、啓蒙思想の転変や近代文学者の苦闘などを経て、岸田劉生や村上華岳らによる美の探究まで。
    きな臭い時代へと突入するその精神のさまがじょじょに浮き彫りにされていきます。

    【目次より】
    はじめに
    第一章 近代の始まり
    1高橋由一/2『米欧回覧実記』
    第二章 啓蒙思想の転変
    1福沢諭吉/2加藤弘之/3中江兆民
    第三章 近代文学者の苦闘
    1坪内逍遥と二葉亭四迷/2北村透谷/3樋口一葉/4島崎藤村――抒情
    第四章 美術表現の近代性
    1青木繁/2菱田春草/3荻原守衛と朝倉文夫
    第五章 日清・日露戦争――ナショナリズムの嵐
    1日清戦争とその前後/2戦後経営/3日露戦争
    第六章 森鴎外と夏目漱石――近代的知性の面目
    1森鴎外(その一)/2森鴎外(その二)/3夏目漱石(その一)/4夏目漱石(その二)
    第七章 韓国併合と大逆事件
    1韓国併合/2大逆事件
    第八章 民俗への視線、民芸への視線――柳田国男と柳宗悦
    1民俗学の創成/2民芸を慈しむ思想
    第九章 言語表現への熱情
    1斎藤茂吉/2萩原朔太郎3宮沢賢治――修羅の苛立ちと彷徨
    第十章 絵における美の探究
    1岸田劉生/2村上華岳
  • 1,320(税込)
    その他:
    曹操
    訳:
    渡邉義浩
    レーベル: 講談社学術文庫
    出版社: 講談社

    ■英雄たちが読み継いできた『孫子』は、曹操が定めたものだった!■
    □1800年受け継がれた”スタンダード”□

    「三国志」の激戦を戦い抜いた「魏武」曹操が、自らの軍事思想を込めて全篇にわたって付した注とともに校勘したその全文が、いまここに明らかに!
    読みやすい現代語訳に、懇切な語釈を付した全訳注。

    曹操が実践の応用に足るように定本をつくったからこそ『孫子』は現代まで兵法の根本として重んじられてきたことが、よくわかる!
    さらに、曹操や諸葛亮ら英傑たちが、戦場において孫子の説く兵法をいかに具体化させたかを分析する「実戦事例」も掲載。
    『孫子』の真髄がより具体的にわかるようになり、さらには「三国志」の世界もより深く理解することができる画期的全訳。

    *本書は講談社学術文庫のための訳し下ろしです。

    【本書より】
    曹操は、『孫子』の本文が持つ意味を深め、自身の解釈に合うような校勘をしながら、そこに自己の軍事思想を込めたのである。『孫子』は、これ以降、曹操が定めた本文を基本とした。……曹操の存在無くして、現行の『孫子』を考えることはできない(本書「解題」)

    【本書の内容】
    始計篇 第一
    【実戦事例一 白馬の戦い1】
    【実戦事例二 烏桓遠征】
    作戦篇 第二
    【実戦事例三 官渡の戦い1】
    謀攻篇 第三
    【実戦事例四 赤壁の戦い1】
    【実戦事例五 下ヒの戦い】
    軍形篇 第四
    【実戦事例六 官渡の戦い2】
    兵勢篇 第五
    【実戦事例七 白馬の戦い2】
    【実戦事例八 合肥の戦い】
    【実戦事例九 呉の平定】
    虚実篇 第六
    【実戦事例十 蜀漢滅亡】
    軍争篇 第七
    【実戦事例十一 諸葛亮の外交】
    【実戦事例十二 夷陵の戦い】
    【実戦事例十三 博望坡の戦い】
    【実戦事例十四 穣城の戦い・ギョウ城の戦い】
    九変篇 第八
    【実戦事例十五 五丈原の戦い】
    行軍篇 第九
    【実戦事例十六 諸葛亮の信】
    地形篇 第十
    【実戦事例十七 泣いて馬謖を斬る】
    九地篇 第十一
    【実戦事例十八 第一次北伐】
    火攻篇 第十二
    【実戦事例十九 赤壁の戦い2】
    用間篇 第十三
    【実戦事例二十 孟達を誘う】

    原文
    解題
    曹操の生涯
    年表
  • 1,100(税込)
    著:
    金谷治
    レーベル: 講談社学術文庫
    出版社: 講談社

    『老子』は、『論語』とならぶ中国の代表的な古典である。その思想は、人間はその背後に広がる自然世界の万物のなかの一つであるという自然思想の立場をつらぬくことにある。したがって老子は、人間の知識と欲望が作りあげた文化や文明にたいして懐疑をいだき、鋭く批判する。無知無欲であれ、無為であれ、そして自然に帰って本来の自己を発見せよ、という。中国思想研究の第一人者が説く老子の精髄。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    1642ー1649年に絶対王政を打倒すべく起こったのが、清教徒(ピューリタン)革命である。その当時の政治的主張は、国王派、議会派、中立派、盟約派、カトリック同盟など、さまざまな主張が入り乱れていた。本書では、革命に思想的バックボーンを与えた思想を明らかにする。
    【目次より】
    目次
    はしがき
    凡例
    序説 ピューリタン革命の経済的背景
    I 反独占運動の発展
    [1] 王室独占の解体
    [2] 自由貿易論の展開
    [3] ギルド民主化運動
    II 農業・土地問題
    [1] 土地所有関係の変革
    [2] 囲込みと農業改良思想
    第一章 左翼民主主意義の成立 ジョン・リルバーンとレヴェラー運動
    I 分析の視角
    II リルバーンの思想的発展とその背景
    III レヴェラー運動の展開とリルバーン
    IV 『人民協約』の成立
    V 『人民協約』の発展
    VI レヴェラー運動の性格
    第二章 社会主義ユートウピアの構想 ジェラード・ウィンスタンリとディガー運動
    I 研究史的展望
    II ウィンスタンリの神学的歴史・社会観の成立
    III ディガー運動の実践へ
    IV ユートウピアの構想とその特質
    第三章 革命的無政府主義の先駆 第五王国思想の発展
    I 問題の所在
    II 「第五王国」思想の展開
    III 第五王国派の成立
    IV ジョン・ロジャーズの社会思想
    V プロテクター政権と第五王国派
    VI 第五王国派の性格
    第四章 不服従運動とその思想 初期クェーカーの社会思想
    I 問題の提起
    II クェーカー主義の成立
    III プロテクター政権とクェーカー運動
    IV 「内なる光」と社会批判
    V 初期クェーカーの社会思想
    第五章 エピローグ 総括と展望
    ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    西田幾多郎に師事した哲学者だったが、戦後マルクス主義唯物論者に転向した著者の著作集。全8巻。第一巻は、「自叙伝」である。
    【目次より】
    目次

    わが思想の遍歴
    まえがき
    ロシア語版序文
    ロシア語版あとがき   エリ・シャフナザロワ
    わが思想の遍歴
    唯物論十年 続わが思想の遍歴
    まえがき
    ロシア語版序文
    ロシア語版あとがき   ペー・フェドセーエフ
    唯物論十年
    私の人間変革
    まえがき
    前編 天空にあこがれて
    後編 大地に立つ 
    入党のことば
    わが入党の動機
    奇跡の友情 モスクワの女性からの手紙
    日本のみなさんへ   エリ・シャフナザロワ
    まえがき
    奇跡の友情
    柳田謙十郎略歴年譜
    ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    自由の謳歌と敗北の屈辱と……ふたつの相反する感情があざなって「戦後」の時空間は形成された。ふとしたことから噴出するわれわれの無意識とナショナリズムの関係に光をあてる。――「歴史認識」のぶつかりあいが必至なこれからの時代にあって、日本人はなにを思考の土台に据え、言葉を発していけるのか。

    【本文から】
    国家がもっている記憶の集積としての歴史について、それに一定の敬意を払うことは当然ですが、それに服従しなければいけない、それと一致しなければならないという歴史教育はおかしい。みずからが、国家がもっている記憶の集積にたいして、地域や家族の記憶を突き合わせて「どこがどうちがうんだろうか」と自律しながら見ていく目は必要ですね。(保阪正康)

    地益を地域のなかに生きている人びとがしっかりと自覚し、その地益に基づいて、地域と地域とが広域的に結びつく可能性に開かれていくならば、われわれは歴史の轍を踏まないで、これからの未来に、若い世代に、新しい日本、新しい朝鮮半島の可能性を用意してあげられるのではないかと思います。(姜尚中)

    このところの憲法を変えろという議論に象徴される、威勢のいい、勇ましい傾向は、ある種の葛藤、集合的な無意識だと私は思っているんです。みんながほんとうに本質的にこれが正しいと思って論理的に選択しているのではなく、「見たくないもの」を回避するための症状ですね。(香山リカ)

    ※北海道新聞社は、2009年から毎年さまざまなゲストを招いて道新フォーラム「現代への視点~歴史から学び、伝えるもの」を札幌で開催、基調講演と討論、参加した若い人たちとの質疑を通して昭和史の教訓を今後にどう生かしていくかを考えてきました。今回は2012年11月25日に保阪正康、姜尚中、香山リカの三氏を招いて札幌の道新ホールでおこなわれたフォーラムの詳報です。

    ≪道新フォーラム≫活字化 第4弾
    ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【内容紹介・目次・著者略歴】
    本書はルネサンス市民社会に新しい「人間教養」として生まれたヒューマニズム思想を歴史的に究明し、当時の活動生活と瞑想生活をめぐる市民の会話を通して、人間思想の生きた姿を伝えようとする名著である。著者ガレンはこの人間中心の思想を、豊富な資料を通してみごとに浮き彫りにし、現代のメカニズムによって喪失されつつある人間性への反省を強くうながすとともに、従来、美術や文学を介してのみ知らされたルネサンスの人々の人生観、人間思想を明らかにする。

    【目次より】
    序論
    ヒューマニズムと哲学と歴史とプラトニズム 新しい言語文献学の必要 ヒューマニズムの起源 ヒューマニズムと古典的古代
    第一章 ヒューマニズムの起源 フランチェスコ・ペトラルカからコルッチオ・サルターティへ
    内面生活の分析 自然科学にたいする攻撃 コルッチオ・サルターティ コルッチオ・サルターティにおける意志の優位
    第二章 市民生活
    サルターティ学派とベルナルディーノ・ダ・シエナ レオナルド・ブルーニ ポッジオ・ブラッチョリーニと地上の富の価値   ヴァッラと道徳科学 ジャンノッツオ・マネッティと人間の尊厳性の問題の始めての提出 レオン・バッティスタ・アルベルティ マッテオ・パルミエーリとプラトニズムへの移行 ポリツィアーノとバルバロの言語文献学 ガラテオとポンターノ 教育学に関する補足
    第三章 プラトニズムと人間の価値
    「自由」の危機とリヌッチーニの「自由論」対話  クリストフォロ・ランディーノにおける活動生活 マルスィリオ・フィチーノと「博識なる敬虔」の観念 プラトン神学 ピコ・デッラ・ミランドラと反修辞学論争 反占星学論争 プラトン的護教論の補足
    第四章 プラトニズムと愛の哲学
    フランチェスコ・カッターニ・ダ・ディアッチェートとフィチーノの正統 愛の形而上学 プラトンとアリストテレスの融合 ジャン・フランチェスコ・ピコの懐疑主義
    第五章 アリストテリスムと霊魂の問題
    ピエトロ・ポムポナッツィ ヤコポ・ザバレッラ アリストテリスムにおける宗教の問題
    第六章 論理学、修辞学、詩学
    論理学と方法論の問題 ザバレッラとパドヴァ論争 マリオ・ニゾリオ ジロラモ・フラカストロの「ナウゲリウス」
    第七章 道徳の探求
    アリストテレスの影響と「ニコマコス倫理学」への註解
    第八章 自然探究
    レオナルド・ダ・ヴィンチ ジロラモ・カルダーノ ジロラモ・フラカストロとデッラ・ポルタ アンドレア・チェザルピーノ ベルナルディーノ・テレジオ
    第九章 ジョルダーノ・ブルーノからトマーゾ・カムパネッラへ
    宗教改革 ブルーノにおける宗教と哲学 ブルーノの宇宙概念 トマーゾ・カムパネッラにおける新しい問題

    ガレン、エウジェニオ
    1909~2004年。。イタリアの哲学者、ルネサンス期の歴史研究家。フィレンツェ大学に学ぶ。専門は、ルネッサンス文化史。

    ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【内容紹介・目次・著者略歴】
    19世紀末から20世紀前半にかけて、西洋近代について考察したドイツの法学者・経済学者・社会学者マックス・ウェーバーへの、格好の入門書。ウェーバーは代表作として『仕事としての学問』『仕事としての政治』『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』などを残し、現代においても重要な社会学者として参照される。

    【目次】
    編者まえがき
    略記法および訳者補遺
    序章
    第一章 合理的資本主義、資本主義的精神およびその宗教的前提についての比較構造分析
    第一節 禁欲的プロテスタンティズムと資本主義的精神
    余論:マックス・ウェーバーのプロテスタンティズム=資本主義=命題の批判に関連して
    第二節 アジアの諸宗教とアジアの伝統主義
    第三節 西洋の合理化過程にたいするイスラエルの予言の意義
    第四節 後期ユダヤ教とイスラエル教の経済倫理
    第二章 ヨーロッパの都市とヨーロッパの市民層の歴史についての比較構造分析
    第一節 西洋の都市とアジアの都市
    第二節 古代の都市と中世の都市
    第三章 合理的国家の比較構造理論 官僚制化の普遍的傾向
    第一節 カリスマ的支配のその「日常化」
    第二節 伝統的な型の支配――家産制と封建制――
    第三節 合法的官僚制的支配の類型の代表としての近代国家
    第四節 政党の官僚制化
    第四章 マックス・ウェーバーの世界史的研究に有する現代的な展望と倫理的な動機
    第一節 合理的装置の「外殻」のうちにおける人格的自由の問題
    第二節 「魔術から解放された」世界における意味ある生き方の問題 合理的科学と責任倫理的行為
    文献目録
    訳者あとがき

    アブラモフスキー、G
    著書に、『マックス・ウェーバー入門』など。

    ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【内容紹介・目次・著者略歴】
    ロシアの哲学者ベルジャエフは、反共に転向した後、神秘主義的哲学者として活躍したパリで、ロシヤの思想の特徴と歴史を纏め上げた。

    【目次】
    訳者序文
    第一章 近代ロシヤ思想の淵源
    ロシヤ国民類型の規定。東洋と西洋。第三ローマ・モスクワ。十七世紀の教会分裂。ピョートル大帝の改革。ロシヤ・インテリゲンチャの興隆。
    第二章 スラヴ派と西欧派
    歴史哲学の問題の決定的重要性。東と西。ロシヤとヨーロッパ。スラヴ派と西欧派。ロシヤ思想の二面性。ロシヤの普遍主義。国家と人民。ロシヤの歴史哲学。など
    第三章 人格と社会
    人格と世界調和との衝突の問題。ロシヤ思想史におけるヘーゲルの意義。その「現実」との関係。ドストエーフスキイの予言者的熱狂。など
    第四章 ロシヤ人間主義
    ロシヤには文芸復興的人間主義はなかった。ロシヤ文学の人間味。人間主義の危機。ドストエーフスキイにおける人間主義の弁証法。など
    第五章 ロシヤ社会思潮
    "ロシヤ思想の社会的色彩。ロシヤには資本主義的発達段階はない。サン・シモンとフーリエの主な影響。「何をなすべきか」。など
    第六章 ロシヤ虚無主義
    文化の正当性の擁護問題。完全な文化と完全な生活との矛盾。単純化。ロシヤ虚無主義。ラヴロフ。L・トルストイ。文明の不正と神的自然の正しさ。トルストイとルソー。無抵抗の意味。など
    第七章 ロシヤ無政府主義
    権威と国家。権威に対するロシヤ人の態度。。K・アクサーコフの無政府主義。スラヴ・メシヤ主義。クロポトキン。L・トルストイの宗教的無政府主義。無抵抗主義。ドストエーフスキイにおける無政府主義的要素。など
    第八章 ロシヤ思想の宗教的性格
    宗教的主題の決定的意義。思惟の全体主義的性格。理解力は精神諸力の調整であり、単に理性ではない。弁神論の問題。西欧合理主義批判。I・キレエーフスキイとホミャコフの哲学思想。ヘーゲル批判。ソフィア論。形而上学者としてのドストエーフスキイ。L・トルストイの宗教哲学。インノケント大主教。ブハレフ。ネスメロフの宗教的人間論。など
    第九章 ロシヤ思想の終末論的要素
    ロシヤ思想の終末論的予言者的性格。ドストエーフスキイにおける終末論とメシア主義。終末論的予言の条件付の性質に関するフョードロフの天才的観念。ソロヴィヨーフ、ロザノフとフョードロフにおける誕生と死の問題。正教における三つの流れ。など
    第十章 二十世紀文化ルネサンス
    二十世紀初頭の文化的文芸復興。インテリゲンチャの思想の変化。美意識の変化。哲学的関心。批判的マルクス主義と観念論。メレジュコーフスキイ。ロシヤ象徴主義とロシヤ詩の開花。神秘的なもの心霊学的なものへの関心。など

    ベルジャエフ
    1874~1948年。ロシアの哲学者。専門は、神秘主義的な文化・歴史研究。
    著書に、『ドストイェフスキイの世界観』『歴史の意味』
    『近代世界に於ける人間の運命』『マルクス主義と宗教』『ドストイェーフスキイの世界観』『マルクス主義と宗教』『現代の終末』『愛と実存 霊の国とカイザルの国』『孤独と愛と社会』『現代の終末』『キリスト教と階級闘争』『ドストイェフスキイの世界観』『新しい時代の転機に立ちて 現代世界の危機とロシアの使命』『現代における人間の運命』『現代の終末』『真理とは何か 真理と啓示』『ドストエフスキーの世界観』『ロシヤ思想史』『ドストエフスキーの世界観』『ロシヤ思想史』『孤独と愛と社会』『霊的終末論』『ドストイェフスキイの世界観』『歴史の意味』『ドストエフスキーの世界観』などがある。


    ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【内容紹介・目次・著者略歴】
    前漢の前期に主導的な政治思想であった黄老道は長く実態が不明だったが、新たな出土資料を駆使して初めてその軌跡を詳細に分析する。

    【目次より】
    目次
    序説
    第一部 黄老道の形成
    第一章 巻前古佚書と黄帝書
    第二章 『国語』越語下篇の思想
    第三章 范蠡型思想と『老子』
    第四章 『経法』の思想的特色
    第五章 『十六経』の思想的特色
    第六章 『称』の思想的特色
    第七章 『道原』の思想的特色
    第八章 『管子』勢篇の性格
    第九章 『国語』の資料的性格
    第十章 范蠡型思想の淵源(一) 『尚書』との開係
    第十一章 范蠡型思想の淵源(二) 『国語』との比較
    第十二章 瞽史の官と古代天道思想
    第十三章 古代天道思想と范蠡型思想
    第十四章 『老子』の成立状況
    第十五章 范蠡型思想と稷下の学
    第十六章 黄帝への仮託
    第十七章 黄老道学派の成立
    第二部 黄老道の隆盛

    第一章 『経法』の道法思想
    第二章 『管子』心術上篇の道法思想
    第三章 『韓非子』の道法思想
    第四章 申不害の法思想
    第五章 慎到の法思想
    第六章 道法思想の展開
    第七章 法術思想の形成(一) 商鞅の法術思想
    第八章 法術思想の形成(二) 韓非の法術思想
    第九章 秦帝国と法術思想
    第十章 秦帝国の皇帝概念
    第十一章 皇帝と法術
    第十二章 黄老道の政治思想 法術思想との対比
    第十三章 漢帝国の皇帝概念(一) 高祖の皇帝観
    第十四章 漢帝国の皇帝概念(二) 恵帝・文帝・景帝の皇帝観
    第十五章 「秦漢帝国論」批判
    第十六章 漢の皇帝権力と諸侯王
    第十七章 漢の帝国運営と黄老道
    第十八章 漢の重臣と黄老道(一) 曹参の場合
    第十九章 漢の重臣と黄老道(二) 陳平の場合
    第三部 黄老道の衰退

    第一章 『伊尹九主』の道法思想
    第二章 『六韜』の兵学思想 天人相関と天人分離
    第三章 鄒衍の思想
    第四章 『五行篇』について
    第五章 『五行篇』の内容
    第六章 『五行篇』の思想的特色
    第七章 『五行篇』と子思・孟子学派
    第八章 『五行篇』の文献的性格
    第九章 『五行篇』の思想史的位置 儒家による天への接近
    第十章 董仲舒・天人対策の再検討 儒学の国教化をめぐって
    第十一章 武帝の統治と黄老道の衰退
    あとがき

    浅野 裕一
    1946年生まれ。東北大学文学部卒業、同大学大学院文学研究科博士課程修了。専攻は中国哲学。文学博士。東北大学大学院環境科学研究科教授などを経て、現在、東北大学名誉教授。おもな著書に、『孔子神話』『古代中国の言語哲学』『「孫子」を読む』『古代中国の宇宙論』『老子と上天』『孫子』『墨子』『諸子百家』などがある。

    ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 「西遊記」の世界をもっと語りたくなる名著! 快訳&紀行の名コラボーー東勝神州傲来国花果山の石から生まれた孫悟空は、天の玉帝をも恐れぬ暴れ猿。東海竜王からまきあげた如意棒を振り回し、妖怪退治。猪八戒、沙悟浄を連れた三蔵法師と西へ……。中国四大奇書の一つ『西遊記』。三蔵法師のモデル玄奘の足取りを辿った著者自身の西域紀行とのコラボレイトも愉しい好著! 
    『新装版 新西遊記(上)』『新装版 新西遊記(下)』上下巻合本版
  • 切々と愛弟子に訴える最後の訓戒
    炎の教師、松蔭の遺書
    読みやすい大文字版

    身はたとひ武蔵の野辺に朽ちぬとも 留置まし大和魂
    志高く維新を先駆した炎の思想家吉田松陰が安政の大獄に連座し、牢獄で執筆した『留魂録』。
    愛弟子へ切々と訴えかける最後の訓戒で、死に直面した人間が悟り得た死生観を書き記した格調高い遺書文学の傑作を味読・精読する。
  • 「あるはある あらぬはあらぬ」――遺された断片を読み解き、哲学史上最大の謎に迫る、大家による哲学ミステリー!

    紀元前五世紀前半に活躍したパルメニデスの詩的断片をめぐって後世になされた数多の解釈は、どれも道を踏み誤っている。遺されたテクストを丹念に読み直し、「あるもの」をめぐるすべての論証を「帰謬論法」として捉えてみれば、「あらぬものはあらぬ」と、否定に否定を重ねる道の彼方で、「あるもの」の本性に肉迫することができるだろう――。最新の考古学的発見をも参照しつつ、政治家・立法者でもあった哲学者の全貌を復元せんとする独創的な試みは、やがて誰も予想しなかった意外な結末へと辿り着く。古代哲学最大の難問を解き明かす、著者畢生の書!

    [目次]
    プロロゴス
    第一章 海上を放浪する国
    第二章 序歌
    第三章 真理の道
    第四章 思惑の道
    第五章 二つのヘーローオン
    エピロゴス
    パルメニデス断片テクストならびに翻訳

    参考文献
    事項索引
    人名索引
  • 鋭い人間洞察が時を超えて突き刺さる、不滅の君主論!

    人間は利のために動く。君臣の間に愛はない。
    徹底した現実主義的人間観に基づく実践的君主論にして、春秋戦国の乱世下に法家が磨き上げた統治思想の極致。
    「矛盾」「守株」など秀逸な譬えを交える軽妙さ、
    理想的統治を語る峻厳さ、
    儒家への鋭い批判、
    そして不合理な現実政治への悲憤―
    抑揚に富んだ語り口を生き生きと伝える碩学の名訳で、全文を読む。


    【本書「解説」より】
    人間性一般についての洞察の鋭さ、権力の場における人間関係の分析の綿密さ、独裁国家という枠内でではあるが、君主の心術探究の深刻さ、という点ではいずれも韓非のほうがマキャベリより一段と精彩があり、ルネサンス期のマキャベリと比べても、不思議に古くないのである。韓非の眼がその時の瑣々たる政治現象をつきぬけて、人間の本質に迫っている故であろう。


    【本書の内容】
    [第一巻] 初見秦/存韓/難言/愛臣/主道
    [第二巻] 有度/二柄/揚権/八姦
    [第三巻] 十過
    [第四巻] 孤憤/説難/和氏/姦劫弑臣
    [第五巻] 亡徴/三守/備内/南面/飾邪
    [第六巻] 解老
    [第七巻] 喩老/説林上
    [第八巻] 説林下/観行/安危/守道/用人/功名/大体
    [第九巻] 内儲説上七術
    [第十巻] 内儲説下六微
    [第十一巻] 外儲説左上
    [第十二巻] 外儲説左下
    [第十三巻] 外儲説右上
    [第十四巻] 外儲説右下
    [第十五巻] 難一/難二
    [第十六巻] 難三/難四
    [第十七巻] 難勢/問弁/問田/定法/説疑/詭使
    [第十八巻] 六反/八説/八経
    [第十九巻] 五蠹/顕学
    [第二十巻] 忠孝/人主/飭令/心度/制分
    解説・年表・地図

    *本書は1969年に筑摩選書として、1996年にちくま学芸文庫より刊行された『韓非子』(上下巻)を原本とするものです。
  • シリーズ5冊
    2,0903,344(税込)
    著:
    大澤真幸
    レーベル: ――
    出版社: 講談社

    神自身が信仰を投資に例えるイスラ-ム教のもと、なぜ逸早く資本主義が発達しなかったのか?クリスチャンの息子達を集め皇帝の忠実な親衛隊に育て上げたオスマン帝国の「デヴシルメ」はなぜ実現可能だったのか?法を重視したイスラーム圏で「法の支配」がなぜ崩壊したのか。など、イスラーム帝国社会の本質に迫る。世界史の謎を新たに読み解く壮大なシリーズ、「古代篇」「中世篇」「東洋篇」に続く第四弾、待望のイスラーム篇。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【内容紹介・目次・著者略歴】
    人間は、他者の強制によらず、自己の自由な選択により行為する。この自由意志論はアリストテレスに現われ、中世アウグスティヌスとトマスにおいて確立されて以降、形を変えながらも近代の思想家に引き継がれ今日までヨーロッパ思想史を貫流してきた。そこでは、自由はすべての人と社会が守るべき絶対的規範として“倫理的力”を持ち、外的行為のみならず個人の内面にまで及んで“政治と非政治の緊張”をもたらす―著者はこの仮説の上に、テクストの歴史的解釈を一つずつ積み重ねることで自由の観念の形成、成熟、変容を具体的に追う。近代が人間を自由にしたとの既成観念を批判し、自由論における中世思想の決定的意味を指摘、その継承と変容として近代思想を探究するとともに現代自由主義の行方をも展望する。従来とは異なるパースペクティヴでヨーロッパ政治思想史を再構成、やわらかな文体で書下ろされた思想史物語。
    【目次】
    「長崎純心レクチャーズ」について 片岡千鶴子
    第一章「自由」の倫理的力──歴史的出自の理論的考察
    はじめに
    第一節 問題の理由と意図
    第二節 仮説と分析枠組
    第二章 古代ギリシア・ローマの自由論
    第一節 プラトンの「自由」批判
    第二節 アリストテレスの政治的自由論と選択意志論
    I 政治的自由論 II 選択意志論
    第三節 キケロの自由論
    第三章 自由意志説の形成と展開
    第一節 アウグスティヌス『自由意志について』
    [間奏曲1] 自由意志論VS必然論
    第二節 トマス『神学大全』の自由意志説と政治論
    I 自由意志説 II 政治論
    第三節 カリタスと友情(友愛)
    I カリタスの作用カ II 政治への対抗原理としての友情(友愛)
    第四章 自由意志説の継承と変容
    序節 〈政治〉の時代としての近代
    第一節 倫理説としての自由意志説の継承と変容
    I デカルト II ロック
    [間奏曲2] 「近代自然法」
    第二節 自由意志論的基礎の上に立つ契約説政治理論
    I スアレス『諸法および立法者としての神について』 II 自由意志論によるロック『統治二論』の読解
    第三節 モンテスキューにおける自由意志説と自然法論
    第四節 〈能力としての自由〉と〈状態としての自由〉の乖離
    I ヒュームの自由論──『道徳・政治・文芸論集』を中心に II ルソーの自由論──「社会契約論」まで
    第五節 十九世紀以後の自由論
    I ヘーゲル「歴史哲学」──「精神」による自由意志の空洞化 II 〈自由主義〉における自由と国家
    あとがき

    半澤 孝麿
    1933年生まれ。政治学者。東京都立大学名誉教授。東京大学法学部卒業。
    著書に、『近代日本のカトリシズム』『ヨーロッパ思想史における「政治」の位相』『ヨーロッパ思想史のなかの自由』『回想のケンブリッジ』
    『保守と伝統の政治思想』(共著)など、
    訳書に、シェルドン S・ウォーリン『西欧政治思想史(1-5)』ジョン・リース『平等』エドマンド・バーク『バーク著作集 3 フランス革命の省察』ジョン・ダン『政治思想の未来』クェンティン・スキナー『思想史とはなにか――意味とコンテクスト』などがある。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【内容紹介・目次・著者略歴】
    15世紀、イタリアで花開いたルネサンスを、「近代」と「ヒューマニズム」のはじまりとして捉え、その人間観、哲学を再考する。
    【目次より』
    まえがき
    ルネサンス思想再考のために
    一 ルネサンス思想研究の意義
    二 ルネサンス思想再考のために
    三 「開かれた学」の理念
    四 「対話」としての探究
    五 「市民的対話」
    六 「観想的生活」と「行動的生活」
    七 ―つの視点
    ルネサンス思想史の試み
    一 「最初の近代人」
    二 中世的世界観と価値秩序
    三 視線の逆転
    四 〈融和〉の試み
    五 フマニタス研究の理念
    六 〈融和〉の達成
    七 〈融和〉の破綻
    八 ニヒリズム
    ルネサンス思想論の試み
    I ヒューマニズムの原点──ペトラルカ断想
    一 ルネサンス的作家像の一典型
    二 哲学的探究
    II 文献学的精神
    一 ヒューマニズムと文献学
    二 ことばへの愛──文献学
    三 「雄弁」への愛──修辞学
    四 人間存在と「ことば」
    五 対話への愛
    六 作品観
    七 歴史意識
    八 権威主義からの解放
    九 文献学と修辞学との統一
    十 修辞学的対話としての探究
    III 市民的ヒューマニズムの一典型
    一 パルミニーリとフィレンツェ文化
    二 『市民生活論』とフィレンツェ・ヒューマニズム
    三 「良き市民」とその教育
    四 「普遍人」の理想
    五 教育方法と教育目的
    六 自己自身の本性に従え
    七 結論
    IV ルネサンス的人間像
    一 ルネサンス的人問
    二 フマニタスの人
    三 フマニタスの意味
    四 「普遍人」の理想
    五 市民的「普遍人」から制作的「普遍人」へ
    V ルネサンスにおける「自我」
    一 「自我」の発見
    二 近代的「自我」
    三 ルネサンスの人間観
    四 ルネサンスの「自我」
    イタリア哲学史の試み
    I 予備的考察
    一 イタリア哲学研究の意義
    二 イタリア哲学の伝統と特質
    三 イタリア哲学の歴史的概観
    II ルネサンスの哲学
    一 ヒューマニズム
    二 プラトン主義
    三 アリストテレス主義
    四 自然哲学
    III 一八世紀の哲学
    一 ヴィーコ
    二 啓蒙主義
    IV 一九世紀の哲学
    一 リソルジメントの哲学
    二 実証主義とヘーゲル主義
    1 実証主義 2 ヘーゲル主義
    V 二〇世紀の哲学
    一 新理想主義
    二 その他の哲学

    近藤 恒一
    1930年生まれ。イタリア文学者。東京学芸大学名誉教授。専門はルネサンス思想史・文芸史。広島大学大学院文学研究科(西洋哲学専攻)博士課程単位修得退学。文学博士。
    著書に、『ペトラルカ研究』(マルコ・ポーロ賞)『ルネサンス論の試み』『ペトラルカと対話体文学』『ペトラルカ 生涯と文学』など、
    訳書に、ペトラルカ『ルネサンス書簡集』エウジェーニオ・ガレン編『ルネサンス人』カンパネッラ『太陽の都』ペトラルカ『わが秘密』『ペトラルカ=ボッカッチョ往復書簡』ペトラルカ『無知について』ロレンツォ・ヴァッラ『快楽について』などがある。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【内容紹介・目次・著者略歴】
    中国明清時代の科挙体制の中での体制教学というイメージが強い「朱子学」。歴史的認識に立ち、この学問が「ない」状態から「ある」状態に至った理由と経緯を、朱子の交遊者や門人との思想交渉の現場に戻って探究する試み。
    【目次】
    凡例
    序説
    第一篇 朱熹思想形成の場 北宋末南宋初の〓北程学
    第一章 北宋末における程学の展開
    第一節 程門初伝と二程語録資料
    第二節 陳淵の思想 北宋末南宋初における道学継承の一様態
    第二章 南宋初の程学と〓北における朱熹
    第一節 〓北における朱松と朱熹 程氏語録資料の収集をめぐって
    第二節 朱熹の「雑学弁」とその周辺
    第二篇 朱熹門人・交遊者の朱熹思想理解
    第一章 四十代までの朱熹とその交遊者達
    第一節 福建における朱熹の初期交遊者達
    第二節 何鎬と朱熹 福建初期交遊者の朱熹説理解
    第三節 廖徳明 福建朱熹門人従学の一様態
    第二章 乾道・淳煕の学 地域講学と広域講学
    第一節 乾道・淳煕における士大夫思想交流
    第二節 朱熹・呂祖謙講学論
    第三節 浙東陸門袁燮と朱熹
    第三章 五、六十代の朱熹とその門人、交遊者達
    第一節 朱熹五、六十代の門人、交遊者達
    第二節 呂祖倹と朱熹 朱熹広域講学の展開
    第三節 陳文蔚における朱熹学説の受容
    第四節 朱熹祭祀感格説における「理」 朱門における朱熹思想理解の一様態
    第五節 朱熹晩年の朱門における正統意識の萌芽 呂祖倹と朱熹・朱門の講学を事例として
    結びに
    あとがき


    市來 津由彦
    1951年生まれ。中国思想研究者。二松学舎大学教授。東北大学文学部卒業、同大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学(中国学専攻)。文学博士(大阪市立大学)。
    著書に、『朱熹門人集団形成の研究』などがある。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【内容紹介・目次・著者略歴】
    歴史主義とは、人間にまつわるあらゆることを歴史的な産物と捉える見方で、20世紀に、トレルチとマイネッケによって、広く知られるようになった考え方である。しかしその前史は長く、イギリスにおける兆しがあり、ロマン主義とも関係して、ヘーゲルやニーチェの哲学も踏まえて、発展した。本書は、「歴史主義」の全貌がわかる格好の入門書である。
    【目次】
    凡例
    緒言
    一 その言葉の意味と歴史
    二 イギリスにおける歴史主義の先ぶれ
    三 自由主義的歴史主義
    四 人文主義的歴史主義
    五 国民の神話
    六 ロマン主義的歴史主義
    七 弁証法的歴史主義
    八 十九世紀の歴史叙述
    九 唯物論的歴史主義
    十 絶対的歴史主義
    人名解説
    文献目録
    訳注
    訳者あとがき


    アントーニ、C
    1896~1959年。イタリアの哲学者。ローマ大学教授。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【内容紹介・目次・著者略歴】
    中国の経学は漢唐訓詁学から宋明性理学、清朝考証学へと変容しつつ展開してきた。考証学は漢代の許慎や鄭玄に結実した「古文学」の方法を再生させ、本来は音記号であった古代言語の音韻体系を明らかにして、古代文献の文字面を生きて震える「声」の世界へと透かすことを可能にした革新的な学術運動であった。強力な異民族支配の下、知識人たちは何を感じ考えて経書と向き合い、古の生身の聖人の心に共振したのか張り詰めた時代の空気のなかで、中国の近代学問を生み出した学者たちの自由な息づかいを同時代史料により再現、考証学の核心に迫る。


    【目次より】
    はしがき
    目次
    はじめに
    I 北京の春に集う
    II 経学と小学
    III 北京と江南で
    IV 旅の空に
    おわりに
    文献
    ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

    木下 鉄矢
    1950年、兵庫県に生まれる。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得。岡山大学教授、総合地球環境学研究所教授を歴任。
    専攻は、中国思想史。
    著書に、『朱子 “はたらき”と“つとめ”の哲学』『「清朝考証学」とその時代』『朱熹哲学の視軸』『朱子学の位置』『朱熹再読』などがある。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【内容紹介・目次・著者略歴】
    『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』の三批判書を著した18世紀のドイツ哲学の巨人の思想を、実践哲学の視点から読む。

    【目次より】
    まえがき
    凡例
    第一章 カントの人格性とエートス
    第一節 カントの人格性とエートスの形成
    一 生い立ち
    二 幼少・大学時代
    三 家庭教師時代
    四 私講師時代
    五 ピエティスムスと啓蒙思想
    第二節 人格とエートスの表現
    一 生活と人格
    二 責務の原則
    三 人間本性の美と尊厳の感情
    第二章 批判的倫理学への道
    第一節 道徳性の原理の探求
    一 先人の道徳体系
    二 道徳性の原理
    第二節 責務と帰責
    一 責務と自由
    二 帰責
    第三節 義務論
    一 自己自身に対する義務
    二 他人に対する義務
    第三章 批判哲学の諸問題
    第一節 超越論的哲学の構造
    一 『批判』における超越論的哲学
    二 『遺稿』における超越論的哲学
    三 知恵の学としての超越論的哲学
    第二節 物自体の諸相
    一 われわれの感性を触発するもの
    二 超越論的対象
    三 可想的存在
    四 超越論的理念
    第四章 自由と道徳法則
    第一節 超越論的自由
    一 第三二律背反とその解決
    二 超越論的自由と必然性
    第二節 超越論的自由と実践的自由
    一 純粋理性の自由
    二 帰責可能性の根拠としての自由
    第三節 自我と自由
    一 自我と実体
    二 自我と自由
    三 超越論的統覚としての自我
    第四節 道徳法則
    一 定言命法の根拠
    二 定言命法の構造
    第五節 技術的命法と定言命法
    一 仮言命法の特性
    二 技術的命法と定言命法
    第五章 人間性尊重の道徳
    第一節 人間的義務
    一 責務と義務
    二 法義務と倫理的義務
    三 徳と徳義務
    四 自己自身に対する義務と他人に対する義務
    第二節 人間性の発展
    一 人間観
    二 人間本性における根源的素質
    三 人間性の理想とその展開
    第六章 倫理的価値思想
    第一節 善意志の価値
    第二節 行為の倫理的価値
    第三節 人格的価値
    あとがき
    参考文献

    ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

    小西 國夫
    著書に、『西洋の哲学思想』、『カントの実践哲学』、訳書に『カントの倫理学講義』(共訳)などがある。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【内容紹介・目次・著者略歴】
    3つの批判の書『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』が書かれる前に、大哲学者はどのような問いにどう答えていたのか?

    【目次より】

    目次
    近世哲学におけるIntellectusについて
    カント批判期前の哲学
    序論
    一 合理論的形而上学、処女作(一七四七年)、及び一七五〇年代(独断論期)
    二 経験論的形而上学(一七六〇年代経験論期)
    三 批判的形而上学(一七七〇年)
    結論
    カントの先験的統覚
    カントの弁証論
    カントの歴史哲学
    ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

    高橋 昭二
    1927-1984年。ドイツ哲学研究者。京都大学文学部哲学科卒業。
    著書『カントの弁証論』『若きヘーゲルにおける媒介の思想(上)』『カントとヘーゲル』『哲学の諸問題』など、訳書に、エルンスト・カッシーラー『カントの生涯と学説』(共監修)などがある。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【内容紹介・目次・著者略歴】
    政治的・宗教的内乱期にあった17世紀イングランド、ローマとジュネーヴの狭間で、霊権と俗権、信仰と社会性、宗教と科学との間の中庸を探り、君主制と国教会を近代社会に適応させていく、大陸とは異なる独自の近代の姿を示した思想家たちがいた。本書はそうしたケンブリッジ・プラトン主義者――ベンジャミン・ウィチカット、ヘンリー・モア、ラルフ・カドワース、ジョン・スミス――の思想世界とその政治的含意を、神学と政治の連関という視座から、内在的に理解し再構成する政治思想史研究。ケンブリッジ・プラトニストを非活動的な観想主義者とする古典的イメージを排して、各思想家の思想的・政治的プロフィールを概観、中心的テーゼと議論の枠組を示した上で、彼らの枢要概念である「神的理性」と「参与」、「自由意志」、「神愛」、「自然法」という神学的・哲学的主題を順次分析する。次いで、それら理論的考察において示唆された社会的・政治的実践性を踏まえ、彼らの「教会理念」、「黙示録解釈」、「政治世界像」について検討。全体を通じ、理論から実践にいたる架橋が図られていく思惟を再構成し、ケンブリッジ・プラトン主義において神学がいかに来世を導く道徳的準備としての現世統治を要求するのかを解明する。従来の政治思想史研究におけるケンブリッジ・プラトニズムの決定的不在を突き、今ここにある近代の再考を促す。わが国のイギリス政治思想史研究に着実な一歩をもたらす画期作。

    【目次より】
    凡例
    序論 本研究の背景
    第一部 神学から道徳ヘ
    第一章 思想的来歴 理論と実践におけるヴィア・メディア(中道)
    第二章 神的理性と「神への参与」 哲学的神学の基礎
    第三章 自由意志と倫理 神への自由と完成
    第四章 神愛の概念 善・参与・愛の法
    第二部 道徳から国家・教会へ
    第五章 神学的主知主義の自然法道徳
    第六章 包容教会理念
    第七章 黙示録解釈と千年王国論 アングリカン国制の擁護と革新
    第八章 政治世界像 善・参与・主知的システム
    結論
    あとがき

    参考文献
    ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

    原田 健二朗
    南山大学准教授。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(法学)。専門は、イギリス研究、政治思想史。著書に、『ケンブリッジ・プラトン主義』など、訳書にジョナサン・ウルフ『「正しい選択」がないならどうすべきか』(共訳)などがある。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【内容紹介・目次・著者略歴】
    イタリア・ルネサンス期の自然哲学者ブルーノを思想的発展と体系的解明の両側面からとらえ、全体像の把握を目指し、更にブルーノという個人像の思想史的位置づけ、時代への定着を試みることによって、わが国で比較的立ち遅れているルネサンス時代ないしルネサンス思想解明への通路を開き、東西文化交流の隠れた一実相を明らかにした書。

    第一章 ルネサンスの時代思想
    一 イタリア・ルネサンスの発祥と背景
    二 十五世紀の思潮(1)ヒュマニズムを中心として
    三 十五世紀の思潮(2)プラトニズムを中心として
    四 十六世紀の思潮(1)アリストテリズムを中心として
    五 十六世紀の思潮(2)異端思想を中心として
    第二章 ブルーノの生涯
    一 死
    二 修道院からの脱出
    三 遍歴(1) ジュネーヴからパリへ
    四 遍歴(2) ロンドン時代
    五 遍歴(3) ドイツ彷徨
    六 帰国と入獄

    第三章 喜劇から哲学へ ブルーノ思想の形成
    一 喜劇
    二 イデアの影
    三 宇宙論哲学の確立
    第四章 世界観 ブルーノ思想の体系的解明
    一 神の世界
    二 自然の世界
    三 人間の世界
    第五章 ブルーノ思想の諸源泉
    一 アヴェロイズム
    二 魔術・錬金術
    補説 ブルーノ研究文献について
    一 原典
    二 全集(著作集)
    三 翻訳
    四 研究書

    あとがき
    ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

    清水 純一
    1924-1988年。イタリア文学者。京都大学名誉教授。京都大学文学部哲学科卒、同大学院修了。専攻はイタリア・ルネサンス期文化(ルネサンス文学・哲学史)。
    著書に、『ジョルダーノ・ブルーノの研究』『ルネサンスの偉大と頽廃 ブルーノの生涯と思想』など、訳書に、エウジェニオ・ガレン『イタリアのヒューマニズム』『改訂版 無限、宇宙および諸世界について』フェデリコ・シャボー『ヨーロッパの意味 西欧世界像の歴史的探究』エウジェニオ・ガレン『イタリア・ルネサンスにおける市民生活と科学・魔術』(共訳)『世界の名著 続6 ヴィーコ「新しい学」』(共訳)『レオナルド・ダ・ヴィンチの解剖図』ケネス・キール、カルロ・ペドレッティ編(共訳)『カスティリオーネ 宮廷人』(共訳)などがある。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【内容紹介・目次・著者略歴】
    古代のレトリック、弁論の伝統を受け継ぐ中世では、弁論術が書簡作成に応用された。ところが、キケロや小プリニウスの書簡発見は、新思想・新感情を織り込む自由な自己表現をルネサンス書簡に与えることになる。フィチーノはヒューマニズムの先達、ぺトラルカ以来の書簡文学の系譜に属しながら、プラトン主義を基盤に形而上学的内容に富む、夥しい数の書簡を認めた。人間関係を教えるこれらの書簡から、ルネサンスの思想的特質を読み解く。他方で、彼の同時代人リヌッチーニのなかに共和政的自由の喪失を嘆く声を聴き、改めて前著『フィレンツェ共和国のヒューマニスト』で扱った主題に立ち返る。そこではメディチ家中心の政治が進展し、誇り高い市民が従属を強いられ始めていた。権力者ロレンツォ・イル・マニフィコの死後、同国が国際関係に翻弄されるなか、独立不羈のルチェッライは政治と文化の調和を図ろうとする。

    【目次より】
    第一章 フィチーノとプラトン・アカデミーの社会
    1 ジェンティーレの古写本研究 2 家庭教師から「アカデミー」の頭首ヘ 発見された新史料 3 アカデミーの有無をめぐる問題 4 アカデミーと信心会 5 ロレンツォ・ピサーノとフィレンツェ文化
    第二章 市民社会におけるフマニタス概念 フィチーノ書簡に見る愛と美と倫理思想
    1 フマニタスとフマニタス研究 2 書簡「フマニタスについて」 3 書簡「幸運は運命に、真の幸福は徳に」 4 書簡「結婚礼賛」
    第三章 フィチーノとロレンツォの幸福論 メチェナティズモに見られる哲学的関係
    1 イタリア・ルネサンスという時代 2 フォルトゥーナの意味と対策 3 内面的精神と真の歓喜 4 ロレンツォの詩『論争』とフィチーノの幸福論 5 知と愛 6 個と時代の不幸
    第四章 メディチ体制とリヌッチーニの『自由をめぐる対話』
    1 メディチ体制と自由 2 フィレンツェ史の展開とアラマンノ・リヌッチーニ 3 アラマンノ・リヌッチーニの自由観 4 自由の喪失感
    第五章 プラトン・アカデミーからオルティ・オリチェッラーリへ メディチ家=指導者像の形成過程と文化
    1 アカデミーと転換期の政治一族 2 コスモスの反映としての自然と社会 3 オルティ・オリチェッラーリの文化的・政治的世界 4 ロレンツォとその時代の回顧
    結語
    付論 フィチーノ書簡「歴史礼賛」と近代的思惟 プラトン主義的伝統と歴史主義
    あとがき

    研究文献(イタリア・ルネサンス研究)

    ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

    根占 献一
    1949年生まれ。西洋史家。学習院女子大学名誉教授。専門はルネサンス文化史、思想史。
    早稲田大学第一文学部(西洋史)、同大学院文学研究科修士課程、同大学院同研究科博士課程満期退学。文学博士。
    著書に、『イタリア・ルネサンスの霊魂論』(編著・編訳) 『ロレンツォ・デ・メディチ』(マルコ・ポーロ賞)『東西ルネサンスの邂逅』『フィレンツェ共和国のヒューマニスト イタリア・ルネサンス研究 [正]』『共和国のプラトン的世界 イタリア・ルネサンス研究 続』『ルネサンス精神への旅』『イタリア・ルネサンスとアジア日本』『ルネサンス文化人の世界』など、
    訳書に、クリステラー『イタリア・ルネサンスの哲学者』(共訳)『原典イタリア・ルネサンス人文主義』(共訳)『原典ルネサンス自然学』(共訳)ハービソン『キリスト教的学識者』(共訳)などがある。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【内容紹介・目次・著者略歴】
    前著『古代ギリシアにおける自由と正義』の続編をなし、二著合せて著者の持つ雄大な古代ギリシア史像を提示する。前著が古代ギリシア研究の中心的テーマ、古典期アテナイ民主政の解明に焦点をおいたのに対し、本書はその背景である古代ギリシア世界の源泉ともいうべき「ホメロス社会」やアルカイック期に遡り、寡頭政的ポリス類型を発展させたスパルタをも考察する。制度や構造のみでなく意識・思想の面からも全体的・立体的に捉えた一大成果。

    【目次より】
    凡例
    まえがき
    第I部 「ホメロス社会」における個人主義と自由
    第一章 トロイ遠征軍の構成 ヘタイロス関係の歴史的意義
    補章一 個人主義と自由の起源 第一章への補足 その一
    補章二 オデュッセウスとテルシテス 第一章への補足 その二
    補章三 「ホメロス社会」と重装歩兵 第一章への補足 その三
    第II部 スパルタと寡頭政
    第二章 大レトラの成立
    第三章 スパルタの「ホモイオイ」
    第四章 寡頭政の歴史的意義
    第III部 ソロン
    第五章 ソロンの思想の発展
    第六章 ソロンの「スタシス法」
    第七章 ソロンとオイコス中心思想の超克 ポリスとオイコスとの間で
    補章四 近年のソロン研究について 『ムーサイヘの祈り』と『エウノミア』を中心として
    第IV部 ポリス的生の諸基底
    第八章 閑暇の歴史的意義
    補章五 ブリオ、ルセルによるゲノス批判
    補章六 徳・自由・正義
    第V部 史学思想についての若干の考察
    第九章 ブルクハルトとギリシア史
    補章七 書評:Werner Kaegi, Jacob Burckhardt. Eine Biographie. Bd. 1-VII, Basel/Stuttgart, 1947-1982
    補章八 書評:下村寅太郎著『ブルクハルトの世界』
    付論 司馬遷とトゥキュディデス
    第十章 方法と比較
    その一 西洋学の国際化ということ 国際雑誌への寄稿の要件
    その二 比較史の可能性
    あとがき
    引用文献一覧
    ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

    仲手川 良雄
    1929年生まれ。西洋史・思想史学者。早稲田大学名誉教授。早稲田大学第一文学部卒業。同大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。
    専門は古代ギリシア史・西洋思想史。
    著書に、『ブルクハルト史学と現代』『歴史のなかの自由 ホメロスとホッブズのあいだ』『古代ギリシアにおける自由と正義』『テミストクレス 古代ギリシア天才政治家の発想と行動』『古代ギリシアにおける自由と社会』『ヨーロッパ的自由の歴史』(編著)
    訳書に、ロマーノ・グァルディーニ『近代の終末 方向づけへの試み』などがある。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【内容紹介・目次・著者略歴】
    南宋から清に至る思想史を四書学の継承とその批判克服を意図する新四書学の形成過程と捉え、新資料をも駆使して新生面を開いた力作。

    【目次より】

    序章
    一 四書学史の概況
    二 明代人と経書
    一 朱子学的学習法の確立
    二 明人の読書記誦
    三 読書記誦による人格の陶冶
    四 晩明における記誦
    第一章 四書学の成立 朱子における経書学の構造
    一 表裏精粗至らざるは無し
    二 朱子学の論理
    三 経書註繹の方法
    四 四書学の構想
    第二章 宋元代の四書学をめぐる政治的思想的状況
    一 党禁から従祀に至る朱子学の黜陟
    二 宋元思想界における四書学の位置
    第三章 朱子以降における『大学』観の変遷
    一 朱子の『大学』観
    二 朱子以後の『大学』改訂
    三 王陽明の『大学』観
    四 明代末期の『大学』論議における二三の問題
    五 清代の『大学』評価
    第四章 四書註釈書の歴史
    一 章句集注のテキストについて
    二 註釈書の続成 集成書について
    第五章 『四書評』の歴史
    一 『四書評』について
    二 『青雲堂四書評』について
    三 『四書評』の余韻
    第六章 晩明の四書学
    一 周汝登の四書学
    二 晩明の四書学
    三 四書学の展開と方向性
    第七章 科畢と四書学
    一 講章の四書学 沿溟四書説をめぐって
    二 八股文の四書学
    附録 『四書正新録』姓氏・書目 『四書増補微言』新増姓氏・書目 『刪補微言』・『皇明百方家問答』引用書目
    ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

    佐野 公治
    1936年生まれ。中国哲学研究者。名古屋大学名誉教授。名古屋大学文学部卒業。文学博士。
    著書に、『四書学史の研究』『王心斎』など、
    訳書に、『西湖夢尋』などがある。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【内容紹介・目次・著者略歴】
    唐宋八大家の一人で宋代中期に活躍した欧陽脩の、栄光と挫折の波乱に富んだ生涯の全体像を提示した本格的業績。さまざまな政治的課題と格闘し、国家や士大夫のあるべき姿を追求して多くの政治的著作や歴史的叙述を残した欧陽脩が、時代と切り結びながらしだいに自己の生きてある理由を宗族に見出していく六十数年に亙る軌跡を考察する。彼の編纂した族譜『欧陽氏譜図』は、族譜編纂のうえで後世に多大な影響を与えたが、彼の多彩な活動を日常性や宗族との関わりをとおして描いて、人間欧陽脩の姿を浮き彫りにする。

    【目次より】
    はしがき
    序章 問題の所在
    第一章 欧陽脩小伝
    第二章 宋代吉州の欧陽氏一族
    第三章 慶暦の新政の源流 「原弊」を手掛かりに
    第四章 欧陽脩における歴史叙述と慶暦の新政
    第五章 欧陽脩における諫諍と輿論
    第六章 濮議論争 あるべき国家像を求めて
    第七章 欧陽脩の生平と疾病
    第八章 壮年期の蹉跌と宗族
    第九章 欧陽脩における族譜編纂の意義
    第十章 北宋中期における宗族の再認識について
    終章
    附篇
    第一章 欧陽修か欧陽脩か
    第二章 馮道論 欧陽脩と司馬光
    第三章 「桑懌伝」と『五代史記』士人論
    あとがき


    ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

    小林 義廣
    1950年生まれ。名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程修了。歴史学博士。専門は、宋代史。
    著書に、『欧陽脩 その生涯と宗族』『王安石』『欧陽脩 11世紀のユマニスト』『宋代地方官の民衆善導論』『南宋江西吉州の士大夫と宗族・地域社会』などがある。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【内容紹介・目次・著者略歴】
    この世界とは何か、を説明しようとする時、意識するとしないとにかかわらず、思い浮かべ、考えざるを得ない問いがある。それは、「人間とは何か」「国家とは何か」「国際関係とは何か」という3つの問いである。これらの問いが織りなす「世界のできあがり方」の構造を、本書は<自我・国家・国際関係>と呼ぶ。現在も世界の人々を拘束し続ける、この認識論的機制の近代日本における形成過程を、明治末から昭和前半期に活躍した哲学史家、朝永三十郎の「文脈設定者」としての思想的苦闘から描き出す。「国際関係とは何か」という、国際関係研究の根源への問いを問うには、世界国家の可能性を封じ込めた瞬間を把捉しなければならない。カントの『永遠平和のために』の単なる解説書とされてきた朝永の『カントの平和論』における、「国際」と「国家」の矛盾、という議論に、その瞬間は埋蔵されていたのである。学問領域を横断し、理論と歴史、思想と実証を交錯させて根源への問いへ挑み、21世紀の世界の見方、考え方を広く問いかける。

    【目次より】
    はじめに
    第一部 背景と枠組
    第一章 国際関係認識とはなにか
    第二章 国際関係認識の研究枠組
    第三章 カントと近代国際関係認識
    第二部 朝永三十郎と『カントの平和論』
    第一章 近代日本と朝永三十郎
    第二章 『カントの平和論』の成立過程
    第三章 自己申告上の契機
    第四章 初期の朝氷 一九〇二~〇九年
    第五章 留学とその後一九〇九~一六年
    第六章「カントの平和論』前後及び晩年 一九一七~五一年
    第三部 近代国際関係認識の原的形成
    第一章 朝永三十郎の意味
    第二章 カント解釈の系譜学 朝永以後
    第三章 自我・国家・国際関係
    あとがき

    参考文献

    ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

    芝崎 厚士
    1970年生まれ。国際関係研究者、国際政治学者。駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部教授。東京大学教養学部教養学科卒業、同大学院総合文化研究科国際社会科学専攻、学術博士。専門は、国際文化論、国際関係思想。
    著書に、『近代日本と国際文化交流 国際文化振興会の創設と展開 1934-45年』『近代日本の国際関係認識』『国際関係の思想史』などがある。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【内容紹介・目次・著者略歴】
    アウグスティヌス以来の自由意志論の発展を原典により跡づけ、近代的自由の原型を見事に解明した画期作。

    【目次より】
    序章 近代的自由の理念
    1 中世末期と近代初期との連続性と非連続性 2 近代的人間の特質 3 自由の消極性と積極性 4 近代自由論の問題点
    第一章 中世自由意志学説の発展
    1 アウグスティヌス 2 ボエティウス 3 アンセルムス 4 ベルナール、ロンバルドゥス、ボナヴェントゥラ
    5 トマス・アクィナス6 ドゥンス・スコトゥス 7 エックハルトとタウラー
    第二章 オッカム主義の自由意志学説
    1 オッカムの自由論 2 ガプリエル・ビールの自由意志学説
    第三章 ルターとオッカム主義の伝統
    1 オッカム主義の影響 2 オッカム主義の契約神学の受容と超克 3 自由の消極性と積極性
    第四章 ルターのスコラ神学批判の視点
    1 アウグスティヌス『霊と文字』の受容過程 2 新しい神学とスコラ神学批判
    第五章 イタリア・ヒューマニズムの自由意志論
    1 ペトラルカとルネサンスヒューマニズム 2 ヴァッラ 3 フィチーノ 4 ビコ・デラ・ミランドーラ 5 ルフェーヴルとコレット
    第六章 初期エラスムスの思想形成
    1 ヒューマニズムの神学 2 『ニンキリディオン』の人間学 3 情念論および神学的方法論 4 意志の無記性と自由
    5 philosophia Christiの確立 6 哲学的神学の根本命題 7 キリスト論の特質
    第七章 エラスムスの自由意志学説
    1 『ロマ書注解』から『評論・自由意志』へ 2 自由意志の定義 3 人間の創造と堕罪 4 自由意志を排除しない必然性
    5 契約神学の問題 6 恩恵と自由意志の共働説 7 キリスト教ヒューマニズムの特質
    第八章 ルターと神学的決定論
    1 神学的決定論についての疑義 2 隠れたる神と絶対的必然性 3 神の全能と自由意志との矛盾的対立
    4 恩恵を受容する能力としての自由意志 5 不変の必然性と強制的必然性 6 人問学的比較考察
    第九章 エラスムスによる再批判
    1 『ヒペラスピステス』第一巻 2 自由意志の定義に対する弁護 3 モアヘの手紙 4 『ヒペラスピステス』第二巻 5 恩恵の受容力としての自由意志
    第十章 近代自由意志学説の発展
    1 ツヴィングリ 2 メランヒトン 3 カルヴァン 4 トリエントの公会議 5 パスカルとデカルト 6 ライプニッツ 7 カントと近代的自由思想の完成
    あとがき
    索引(人名・事項)
    資料と参考文献
    ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

    金子 晴勇
    1932年生まれ。倫理学者。聖学院大学客員教授。京都大学文学部卒。同大学院博士課程中退。文学博士。専攻は、キリスト教思想史専攻。
    著書に、『ルターの人間学』(学士院賞)『対話的思考』『宗教改革の精神 ルターとエラスムスとの対決』『アウグスティヌスの人間学』『恥と良心』『ルターとその時代』『対話の構造』『近代自由思想の源流』『キリスト教倫理入門』『倫理学講義』『愛の秩序』『聖なるものの現象学 宗教現象学入門』『マックス・シェーラーの人間学』『ヨーロッパの思想文化』『人間学から見た霊性』『宗教改革者たちの信仰』『霊性の証言 ヨーロッパのプネウマ物語』『ヨーロッパ思想史 理性と信仰のダイナミズム』など、
    訳書に、C.F.v.ヴァイツゼカー『科学の射程』(共訳マルティン・ルター『生と死について 詩篇90篇講解』C.N. コックレン『キリスト教と古典文化 アウグストゥスからアウグスティヌスに至る思想と活動の研究』エラスムス『対話集』など多数。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【内容紹介・目次・著者略歴】
    帝制期中国に支配的であった法思想を礼法秩序論であったと定めて、そこに至った要因を、主として先秦期の礼思想及び法思想の考察を通じて明らかにする。また、礼及び法思想の根底にある思考の構造又は論理の特色を探る。
    儒家の社会規範「礼」と法家の「法」とは相容れない規範として先秦期に理論化されていたが、漢代より礼の法化と法の礼化が進み、礼法一体の礼法秩序論が帝政期中国の支配的法理論となった。両者のダイナミックな相互交渉を通して確立してゆく中国古代法思想の諸相を再構成し、礼法秩序論に至る理論的要因とその構造を明らかにする。荀子の礼思想を自然法論として捉えるとともに、韓非子の法思想から法至上主義が君主至上主義への傾向を本質的に内包することを導出、そのことが儒家と法家を融合させる重要な接着剤であったと指摘して、法治主義という近現代の観念の陥穽を解明する手がかりと、比較法思想研究に道を開く素材を提供する新しい試み。

    【目次より】
    序章
    第一章 中国法思想研究の視角
    はじめに
    第一節 アンガーの中国礼法論
    第二節 アルフォードの中国礼法論
    第三節 中国法思想研究の視角
    第二章 中国礼法思想の基礎的考察
    はじめに
    第一節 先秦期の法思想の史的展開
    第二節 中国法思想の基層
    第三節 儒家及び法家の社会秩序論
    第三章 孔子の礼思想
    はじめに
    第一節 孔子の「礼」の具体像
    第二節 孔子の「礼」論の立脚点
    第三節 孔子の「礼」の概念的特質
    第四節 「礼」の正当化根拠
    第五節 「礼」の倫理化の背景
    第六節 「礼」の秩序付け機能の特質
    第四章 荀子の礼思想
    はじめに
    第一節 荀子の礼思想の基礎
    第二節 荀子の「礼」論
    第三節 荀子の「礼」論の構造
    第四節 荀子の礼思想の構造
    第五章 韓非子の社会規範論
    はじめに
    第一節 韓非子の法思想の理論的前提
    第二節 韓非子の法理論
    第六章 韓非子の社会統治論
    はじめに
    第一節 韓非子の「術」論
    第二節 韓非子の「勢」論
    第七章 董仲舒の礼法思想
    はじめに
    第一節 董仲舒の礼法思想
    第二節 董仲舒思想の意義
    第三節 礼法秩序論の諸問題
    終わりに
    第八章 中国法思想研究の課題
    あとがき
    ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

    石川 英昭
    1949年生まれ。東北大学法学部卒業、同大学大学院法学研究科博士課程後期課程単位取得退学(基礎法学専攻)。元鹿児島大学法文学部法政策学科教授。法学修士、博士(文学)。
    著書に、『中国古代の礼法思想の研究』などがある。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【内容紹介・目次・著者略歴】
    秦に先行する夏殷周の時代(BC.2000頃~.BC220年頃)とは、中国独自の文化が形成された「原中国」であった。本書は、諸子百家の系譜を辿るという従来の手法を排し、最新の考古学的資料と伝来文献を有機的に結びつけ、原中国の社会の全体像と人びとの日常的な心のあり方を、明確なイメージをもって共感的に描き出す。彼らの強固な祖先観念と血族意識は一族や国家の長存、「天地長久」を願う熱い思いの現れであった。当時の支配層の意志決定に参与した史官は文字を独占する最高の知識人であり、天地人についての歴史の知識を蓄積する過程で万物の運行を司る天道を見出した。そして『老子』とは、天地長久の統治と処世を実現する教訓、格言、警句を、天道をも越える「道」の立場から編集整理したものに他ならなかった。豊富な史料と明快な論証により、中国文化の本質解明に一石を投じる画期作。

    【目次より】
    はじめに 本書の目的と立場
    第一節 先秦とはいかなる時代か、いかに理解すべきか
    第二節 史料について
    第一部 血族社会の世界観
    問題の提示
    第一章 古代人と髪
    第一節 髪と刑罰・兵士俑の髪型
    第二節 髪の機能
    第三節 髪の意味
    第四節 原中国における髪の意味
    まとめ
    第二章 人間と植物の類比的認識
    第一節 土毛・不毛
    第二節 文王孫子、本支百世
    第三節 『詩経』と類比的認識
    まとめ 
    第三章 血族の長期的存続
    第一節 世という文字
    第二節 生命の継起的連続
    第三節 舜の子孫
    第四節 血縁の長期存続と祭祀
    第五節 世系・世本
    第六節 世の意識
    第七節 不死鳥の陳国
    第八節 祭祀継続の理由
    まとめ
    小結 戦国時代へ
    第二部 『老子』思想の歴史的研究
    問題の提示
    第一章 『老子』思想の本質とその背景
    第一節 『老子』の本質
    第二節 再読「鄭伯、段に〓に克つ」
    第三節 『老子』的処世の遍在
    第四節 范氏一族の処世
    第五節 支配層の意志決定
    まとめ
    第二章 歴史と『老子』
    第一節 歴史とは
    第二節 他族の歴史の教訓
    第三節 鑑としての歴史・のっとるべき善
    第四節 敬の処世
    第五節 敬と『老子』
    第六節 敬の具体化
    第七節 歴史の事実の抽象化と『老子』思想
    第八節 『老子』的思想の遍在
    まとめ
    第三章 天道と道
    第一節 史官なるもの
    第二節 道と『老子』
    第三節 史官の直筆
    第四節 シャーマンから史官へ 夏后啓とその子孫
    まとめ
    おわりに
    あとがき
    ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

    高木 智見
    1955年生まれ。 中国哲学、中国史学者。山口大学名誉教授。名古屋大学文学部史学科卒業、同大学院文学研究科史学地理学満期退学。博士(歴史学)。専門は中国先秦文化史・中国古代思想。
    著書に、『先秦の社会と思想 』『孔子 我,戦えば則ち克つ』『内藤湖南 近代人文学の原点』など、
    訳書に、楊寛『中国都城の起源と発展』(共訳) 黄石林, 朱乃誠『中国考古の重要発見』鄭振鐸『伝統中国の歴史人類学 王権・民衆・心性』朱淵清『中国出土文献の世界 新発見と学術の歴史』などがある。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【内容紹介・目次・著者略歴】
    「想像力」は理性や知性に比べて低位の能力とされてきたが、今日では逆に基礎能力、それ以上に、動物にはあり得ない人間存在に固有の全体「構想力」とされるようになってきた。今日・今後の技術と情報に溢れかえる時代と文明を、この「想像力・構想力」をより生産的で強靭な「創造力」へと拡充することによって正しく方向づけていくには、どうすべきか。近現代の諸哲学とともに考える。

    【目次より】
    要旨
    序 構想カ・想像カ・創造力
    第一章 基準の創定、世界の賦活 カント
    補章 カントとカッシラー 象徴概念をめぐって
    第二章 世‐開・リヒトゥングへと「構」え「想」う ハイデガー
    第三章 〈exhibitio originaria〉(世界の根源的‐自己形成) 三木清
    第四章 世界の意味を現働化する:〈reel〉と〈irreel〉の弁証法 サルトル
    第五章 〈vivre l'invecu〉(非‐生を生きる)、「語れ、飛べ、創れ!」 バシュラール
    第六章 創造者は現象を救う、〈image a priori〉 の脱‐弁証法 シモンドン
    第七章 知覚と創造、潜勢秩序の現働化 ボーム
    第八章 無意識の魔術、「異」と「同」と新たな「類」の創定 アリエティ
    ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

    中田 光雄
    1939年生まれ。哲学者。筑波大学名誉教授。
    東京大学教養学部教養学科フランス分科卒、同大学院人文科学研究科比較文学比較文化博士課程中退、パリ大学大学院哲学科博士課程。著書に、『抗争と遊戯』『文化・文明』『政治と哲学』『現代を哲学する』『正義、法-権利、脱-構築』『哲学とナショナリズム』『現代思想と<幾何学の起源> 』『差異と協成 』『創造力の論理 -テクノ・プラクシオロジー序論』など、
    訳書に、シモーヌ・ヴェイユ『前キリスト教的直観、人格と聖なるもの(著作集第2巻)』シモーヌ・ヴェーユ『科学について』などがある。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【内容紹介・目次・著者略歴】
    宋詞は中国文学史において韻文文学として重要な地位を占めるが、わが国では唐詩と比べこれまで関心が薄かった。本書は前著『宋詞研究 唐五代北宋篇』に続き、南宋の詞を総合的に考究する。北宋より南宋への詞の変遷を概述し、かつ南宋詞に二つの流れ、すなわち現実派・士大夫の詞と典雅派・文人の詞があり、それぞれが北宋に淵源を持つことを指摘。その上で代表的な四人の詞人を取り上げ、それぞれの出身経歴、詞の特色、後世の評価、詞集の伝来などを考察する。前著と併せ宋詞の全貌を解明する、本邦初の学術的論著。恩賜賞・日本学士院賞受賞。

    【目次より】
    第一章 綜論
    第一節 北宋詞と南宋詞
    第二節 現実派、士大夫の詞
    第三節 典雅派、文人の詞
    第二章 辛稼軒詞論
    第一節 官歴について
    第二節 稼軒詞の諸相
    一 稼軒の交遊とその詞
    二 閑居の詞
    三 農村詞
    四 晩年の感懐
    第三節 歴代諸選本における稼軒詞
    第三章 姜白石詞論
    第一節 「営行」と「別派」
    第二節 その生涯と著述
    第三節 周邦彦・呉文英と白石
    第四節 周済『宋四家詞選』における白石詞
    第五節 宋代の詞選における白石詞
    第四章 呉夢窗詞論
    第一節 出身と経歴
    第二節 詞集の諸本
    第三節 交遊と作詞
    第四節 自度曲について
    第五節 周邦彦と夢窗
    第五章 周草窗詞論
    第一節 家系と経歴およひ詞集
    第二節 早期の詞 『蘋洲漁笛譜』
    第三節 晩年の詞
    附論
    附論一 楊柳枝詞考
    一) はじめに
    二) 白居易と「楊柳枝」
    三) 盛唐教坊の「楊柳枝」
    四) 栄府「折楊柳」と「楊柳枝」
    五) 中唐以後の「楊柳枝」
    附論二 陶枕詞考 『全宋詞』補遺
    一) はじめに 雅詞と俗詞
    二) 白鶴美術館所蔵の陶枕
    三) 陶枕詞の繹文
    四) 詞牌「七娘子」について
    五) 詞からみた陶枕の製作時期
    六) もうひとつの陶枕
    附論三 文人之最 万紅友事略
    一) はじめに 文人とは
    二) 万紅友略伝
    三)『詞律』挙例その一 「三台」
    四)『詞律』挙例その二 「醜奴児近」
    五)『〓磯砕錦』について
    六)『詞律』と『欽定詞譜』
    附録
    一の一 日本傅存《漱玉詞》二種
    一の二 闊於《汲古閣未刻詞》知聖道斎本的討論(王水照・村上哲見)
    二 日本収蔵詞籍善本解題叢編類
    三 繹詞二題
    あとがき
    ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

    村上 哲見
    1930年生まれ。中国文学者。東北大学名誉教授。専門は唐代から宋代の詩人研究。
    京都大学文学部中国文学科卒業。
    著書、訳書に、『三体詩 中国古典選』(全4巻)『宋詞の世界 中国近世の抒情歌曲』『宋詞研究 唐五代北宋篇』『科挙の話』『陸游-円熟詩人 中国の詩人12』『中国の名句・名言』『漢詩の名句・名吟』『中国文人論』『漢詩と日本人』『唐詩』『宋詞研究 南宋篇』『中国文学と日本 十二講』などがある。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【内容紹介・目次・著者略歴】
    古代から清朝へ、さらには文芸・史学思想から日本儒学へと及ぶ広範な問題に独自な分析を加え、東洋思想の魅力を描く待望の書。

    【目次より】
    まえがき
    目次
    第一部 総説
    1 中図人の世界観
    一 天 二 道 三 太極 四 陰陽五行 五 理気
    2 聖人
    3 陰隲
    4 『論語』一則
    第二部 中国思想史各論
    第一篇 先秦より両漢に至る
    1 春秋会盟考
    一 会盟の形式 二 会盟の内容 三 会盟総論
    2 『左伝』に現われたる政治思想
    一 政治の階級 二 政治の規範 三 政治の技術 四 政治の経済的基礎 五 政治の目的
    3 『淮南子』の一面
    序言 一 人間 二 階級 三 無為、仁義 四 法 五 天 六 政治技術 七 経済 八 結語
    4 東漢の名節
    一 経学時代 二 支配の倫理 三 人倫道徳 四 欲望論 五 末期的諸現象 六 党錮
    5 趙岐『孟子章句』について
    第二篇 六朝
    1 曹操
    2 曹植とその時代
    3 王弼
    4 魏晋に於ける儒玄の論争
    一 儒 二 玄 三 論争
    5魏晋時代の選挙と法
    一 選挙 二 法
    6 魏晋における封建論
    第三篇 唐栄
    1 読皮子文薮
    2 五代の風気とその文章
    序言 一 奮史と新史 二 選挙 三 規範 四 階級 五 宗教 六 牛希済の散文 七 鄭谷・羅隠・杜荀鶴の詩 八 黄滔の賦 九 馮道の詩、結びに代えて 
    3 王禹〓 宋代思想史の一環として
    4 李覯について
    第四篇 清朝
    1 清朝人と道敦
    2 主情の説 清朝人の湯合
    3 王船山の易学
    4 恵棟と焦循
    5 読『潜研堂文集』
    一 閲歴 二 方法論 三 経学 四 史学 五 社会評論 六 文学論 七 宗教観念
    6 哀随園の哲学
    7 読『雕菰集』
    8 曾国藩の哲学 日記を中心に
    第三部 史学思想
    1 中国の史書について
    一 編年体と紀博体 二 『史記』と『漢書』 三 史家の懼れ 四 実録と志怪 五 歴史とユーモア
    2 范嘩の『後漢書』
    3 陳寿の『三国志』
    4 『三国演義』と『三国志』
    第四部 日本儒学
    1 儒教 日本人のエートスを形成したもの
    2 古学派に於けるヒューマニズム 山鹿素行を中心として
    一 朱子学の本質と我が国儒者の受け取り方 二 山鹿素行 三 仁斎・徂徠
    3 三浦梅園のヒューマニズム
    あとがき
    ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

    本田 濟
    1920-2009年。京都帝国大学文学部支那哲学史科卒業。高槻高等学校教諭、大阪市立大学文学部教授、梅花女子大学教授、同大学年学長を歴任。大阪市立大学名誉教授。文学博士。専攻は、中国哲学。主な著作に、「易経の思想史的研究」『人類の知的遺産 墨子』『易』などがある。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【内容紹介・目次・著者略歴】
    本書は、今日もっとも優れた古典文献学者であるスネルの主著であり、自由な精神の記念碑である。かれは、ギリシアにおける思考の形成過程を人間による精神それ自体の発見過程として捉え、ホメーロスに始まる文学と哲学の歴史に表われるギリシア的人間観・自然観・思考形式が、どのような発展過程のもとでヨーロッパ精神の基盤となりえたかを鮮やかに解明する。膨大な文献、豊富な史料を駆使して豊穣なイメージで描いたギリシア精神史の名著。

    【目次より】
    凡例
    序論
    第一章 ホメーロスにおける人間把握
    第二章 オリュムポスの神々への信仰
    第三章 ヘーシオドスにおける神々の世界
    第四章 初期ギリシア抒情詩における個人の覚醒
    第五章 ピンダロスのゼウス讃歌
    第六章 ギリシア悲劇における神話と現実
    第七章 アリストパネースと美学
    第八章 人間の知識と神の知識
    第九章 歴史意識の発生
    第十章 徳の勧め ギリシア倫理思想よりの短章
    第十一章 譬喩、比較、隠喩、類推 神話的思考から論理的思考へ
    第十二章 ギリシア語における自然科学的概念の形成
    第十三章 象徴としての道
    第十四章 人間性の発見とギリシア人に対するわれわれの立場
    第十五章 カッリマコスにおける遊びについて
    第十六章 アルカディアー ある精神的風土の発見
    第十七章 理論と実践
    第十八章 科学と教義学
    第十九章 科学としての精神史
    訳者あとがき
    第二刷あとがき
    ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

    スネル,B
    1896~1986年。ドイツの哲学者。 ハンブルク大学教授。専門は、古典文献学。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【内容紹介・目次・著者略歴】
    ギリシア哲学の黎明期から説き起こし、20世紀の実存哲学までを総覧する。西洋哲学の大きな流れと個別の論点を網羅。読む哲学事典。
    【目次より】
    序章 ギリシア人の智慧と哲学の誕生
    第一章 ミレトス学派
    第二章 ピタゴラス
    第三章 エレア学派
    第四章 ヘラクレイトス
    第五章 エンペドクレスとアナクサゴラス
    第六章 レウキッポスとデモクリトス
    第七章 ソフィストたち
    第八章 ソクラテス
    第九章 プラトン
    第十章 アリストテレス
    第十一章 ストア学派
    第十二章 エピクロス学派
    第十三章 アカデミー学派とピュロンの懐疑
    第十四章 アレキサンドリアのフィロン
    第十五章 プロチノス
    第十六章 教父哲学
    第十七章 グノーシス派と護教家たち
    第十八章 クレメンスとオリゲネス
    第十九章 アウグスチヌス
    第二十章 アウグスチヌスに先だつ人々と後なる人々
    第二十一章 スコトゥス・エリウゲナ
    第二十二章 ロスケリヌスとアンセルムス
    第二十三章 アベラール
    第二十四章 神秘主義の人々
    第二十五章 ロベルト・グロッセテストとボナヴェントゥラ
    第二十六章 アルベルトゥス・マグヌス
    第二十七章 トマス・アクィナス
    第二十八章 ライムンドス・ルルスとロージャー・ベイコン
    第二十九章 ドゥンス・スコトゥス
    第三十章 オッカム
    第三十一章 マイスター・エックハルト
    第三十二章 ルネッサンス哲学の性格
    第三十三章 ニコラウス・クザーヌス
    第三十四章 ルネッサンスの思想家たち
    第三十五章 ジォルダノ・ブルノー
    第三十六章 フランシス・ベイコン
    第三十七章 ルネ・デカルト
    第三十八章 アーノルド・ゲーリンクス
    第三十九章 ニコラ・マールブランシュ
    第四十章 バルフ・デ・スビノザ
    第四十一章 トマス・ホッブス
    第四十二章 ジョン・ロック
    第四十三章 ジョージ・バークリ
    第四十四章 ライプニッツ
    第四十五章 デーヴィット・ヒューム
    第四十六章 ルソー
    第四十七章 イヌマエル・カント
    第四十八章 ヨハン・ゴットリープ・フィヒテ
    第四十九章 シェリング
    第五十章 ヘーゲル
    第五十一章 ショーペンハウエル
    第五十二章 シュトラウスとフォイエルバッハ
    第五十三章 マルクス
    第五十四章 キェルケゴール
    第五十五章 新理想主義の哲学
    第五十六章 プラグマティズム
    第五十七章 新実在論
    第五十八章 生の哲学
    第五十九章 現象学その他
    第六十章 実存哲学
    ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

    高坂 正顕
    1900~1969。哲学者。文学博士。専門は、カント哲学。京都学派の一人。西谷啓治、高山岩男、鈴木成高と共に「京都学派四天王」と呼ばれる。著書に、『高坂正顕著作集』(全8巻)『西洋哲学史』『哲学は何のために』『西田幾多郎先生の追憶』など多数。
  • シリーズ2冊
    10,45013,035(税込)

    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【内容紹介・目次・著者略歴】
    二世紀末の太平道と五斗米道の運動を分析、民族宗教としての道教の成立過程を見事に解明したライフワーク。

    【目次より】
    自序
    前篇 中國における民族的宗教の成立
    序章 逍教の概念とその始源について
    一 道数とは何か 二 道教の始源をどこに求めるか
    第一章 黄巾の叛乱と漢中政櫂
    A 黄巾の叛乱
    一 黄巾の叛乱の背景 二 黄巾の叛乱
    B 漢中政權
    一 張陵と張衡 二 張脩と張魯 三 張魯と閻圃 四 終焉
    第二章 中國における民族的宗教の成立
    一 緒言 二 張角の教法(上) 三 張角の数法(下) 太平経との開係 四 五斗米道 五 佛数との関係 六 後漢時代の社會と信仰 七 結語にかえて
    第三章 老子想爾注の成立
    一 南北朝隋唐の間の想爾注と葛本 二 想爾注に所謂道誡と想爾戒 三 想爾注・想爾戒と大道家令戒 四 結語
    第四章 績老子想爾注の成立
    一 想爾戒と想爾注と老子五千文 二 九行二十七戒の性質と想爾注の行方 三 注の書写形式について 四 房中術 五 託死復生 六 再論大道家令戒
    第五章 五斗米道の教法について 老子想爾注を中心として
    一 緒言 二 想爾における「道」の性格 三 道誡について 四 神仙説について 五 房中術について 六 祭祀観について 七 政治観・社會観について 八 邪文偽伎について 九 結語
    第六章 後漢末五斗米道の組織について
    一 三會日 二 命籍信米制の起源 三 治と祭酒 四 義舎と道民 五 人頭税としての五斗米 六 廚について 七 結語
    第七章 道教における三元説の生成と展開
    一 はしがき 二 三元品誡経 三 三元説の由来 四 三元玉京玄都大獻経の出現 五 業報因縁経弘救品 六 盂蘭盆経との関係 七 結語
    附篇
    第一章 初期の僊説
    一 史記封禅書の始皇帝に関する記事 二 武帝時代の僊説 「在るもの」から「成るもの」へ 三 倦人と上天 四 結語
    第二章 老子化胡説の成立
    一 老子浮屠併尊から併祀へ 二 老子化胡説の成立 三 結語
    後篇 抱朴子の研究
    第一章 葛洪傳
    一 学問 二 社會的地位 三 異書探訪への大旅行 四 受爵 五 抱朴子の述作とその所謂俗情について 六 受爵以後 七 系圖と年譜 附 鮑〓傅
    第二章 論衡・僭夫論と抱朴子
    一 論衡と抱朴子 二 抱朴子と潜夫論 三 結語にかえて
    第三章 抱朴子における紳仙思想の性格
    一 金丹の大藥とその意味 二 出世間道的仙逍 道家思想との関係 三 仙の目的 四 祭祀否定とその限界 五 貴族主義 六 道徳主義とその意味 七 仙説の綜合とその観念論的性格 八 結語 宗教性の問題
    あとがき
    ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

    大淵 忍爾
    1912年生まれ。東京大学文学部東洋史学科卒業、岡山大学名誉授、文学愽士。
    著書に、『初朞の道教 道教史の研究1』『道教とその経典 道教史の研究2』『敦煌道経 目録篇』『敦煌道経 図録篇』『六朝唐宋の古文献所引 道教典籍目録・索引』(編著)などがある。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【内容紹介・目次・著者略歴】
    仏教思想が儒教や道教とどのように結びつきながら中国に受容されたか、三教交渉史の観点から明らかにした画期的業績。
    古代より中国の知識人は現実的・実践的な事柄に興味を示し、専ら政治・道徳・処世が関心事であったが、六朝時代は例外的に仏教・道教などの宗教が盛んとなった。本書は六朝の知識人がどのような仏教思想を持ちそのどこを拠り所としたかを探っていく。

    【目次より】
    凡例

    第一章 大乗仏教の受容における儒教の役割
    一 序言 二 仏教信奉者の儒仏調和の態度 三 慈悲と仁 四 大乗的救済論と儒教 五 結語
    第二章 蘆山慧遠の仏赦思想
    I 輪廻報応の思想
    一 序言 二 三世因果の理法 三 煩悩と輪廻 四 輪廻報応の数えと宗教的自覚 五 涅槃の教えと天地・帝王の徳化 六 結語
    II 「沙門不敬王者論」の思想
    一 序言 二 「沙門不敬王者論」の成立 三 在家篇 四 出家篇 五 求宗不順化篇 六 体極不兼応篇 七 形尽神不滅篇 八 結語
    第三章 竺道生の仏教思想
    I 大乗観と小乗観
    II 実相と空
    III 頓悟成仏説
    一 序言 二 謝霊運「弁宗論」における頓悟義 三 迷いと悟り 四 理と言葉 五 一乗思想と頓悟成仏説 六 無生法忍と頓悟 七 結語
    IV 一闡提成仏義
    第四章 宗炳の神不滅の思想
    一 序言 二 神と形 三 輪廻の当体と法身 四 西方浄土と往生 五 法身説の形成六 般若の空と不滅の神 七 結語
    第五章 顔延之の儒仏融合論
    一 序言 二 何承天「逹性論」における三才の人と衆生 三 儒仏融合論第一型 四 儒仏融合論第二型 五 結語
    第六章 智ぎの懺法の思想
    I 三昧法としての懺法
    一 序言 二 四種三昧と懺法 三 法華懺法 四 方等懺法五 請観世昔懺法と金光明懺法 六 結語
    II 奉請三宝の儀式と道教のしょう祭
    一 序言 二 奉請三宝の儀式とその目的 三 奉請三宝の由来 四 道教のしょう祭 五 奉請三宝と奉請天真 六 智ぎと道数 七 結語
    あとがき
    序(英文)
    目次(英文)
    ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

    小林 正美
    1943年生まれ。中国思想研究者。早稲田大学名誉教授。専門は、儒教・仏教・道教の三教交渉史(特に六朝時代)。早稲田大学第一文学部卒業、同大学院文学研究科東洋哲学専攻博士課程修了。
    著書に、『六朝道教史研究』『六朝仏教思想の研究』『唐代の道教と天師道』などがある。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【内容紹介・目次・著者略歴】
    斯波六郎の中国文学研究の全体像がわかる遺稿集。 幅広く中国文学を探究し、かつその深遠に迫る必読書である。教育論も併録する。

    【目次より】
    序言
    I 文選学研究
    解題 文選
    解題 昭明太子
    一 李善文選注引文義例考
    二 読文選札記
    三 文選訳注
    II 文心雕龍研究
    解題 文心雕龍
    一 文心雕龍札記
    二 文心雕龍范注補正
    III 六朝唐代文学研究
    一 六朝人の作品に見える二三の語に就いて
    二 「為当」考
    三 文筆考
    四 「賦得」の意味について
    五 後漢末期の「談論」について
    六 陶靖節詩箋補正
    七 杜詩札記
    八 中國の人生詩人達
    九 雑纂
    一 漢の文学
    附篇
    一 中等教育に於ける漢文の訓読について
    二 随筆
    斯波六郎博士 年譜
    あとがき
    斯波六郎博士 著作目録
    ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

    斯波 六郎
    1894-1959年。中国文学者。広島大学名誉教授。広島高等師範学校卒業、京都帝国大学卒業、京都帝国大学大学院退学。文学博士。
    著書に、『六朝文学への思索』『中国文学における孤独感』などがある。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【内容紹介・目次・著者略歴】
    道教史上もっとも主要な時期である六朝期江南の天師道と葛氏道という代表的道流の歴史的変遷を独自の方法により解明した画期的業績。

    【目次より】
    まえがき
    凡例
    緒言
    第一篇 葛氏道と霊寶経
    序章 葛氏道と上清派
    第一章 『太上霊寶五符序』の形成
    第二章 『霊寶赤書五篇眞文』の思想と成立
    第三章 霊寶経の形成
    附 霊寶経の分類表
    第二篇 天師道とその道典
    序章 東晉・劉宋期の天師道
    第一章 『九天生神章経』
    第二章 『河上眞人章句』
    附 『老子道徳経序訣』
    第三章 『老子想爾注』
    第四章 「大道家令戒」
    第五章 『上消黄書過度儀』
    補論一 『太上洞淵神呪経』と『女青鬼律』と『太上正一呪鬼経』の成書年代について
    補論二 『玄妙内篇』の成立について
    補論三 『千二百官儀』の思想と成立
    第三篇 道教教理の形成
    第一章 道教の終末論
    第一節 東晉期の道教の終末論
    第二節 上清経と霊寶経の終末論
    第三節 劉宋・南齊期の天師道の終末論
    第二章 劉宋期の天師道の「三天」の思想とその形成
    補論 三教交渉における「教」の観念
    参考文献目録
    あとがき
    索引
    英文梗概
    ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

    小林 正美
    1943年生まれ。中国思想研究者。早稲田大学名誉教授。専門は、儒教・仏教・道教の三教交渉史(特に六朝時代)。早稲田大学第一文学部卒業、同大学院文学研究科東洋哲学専攻博士課程修了。
    著書に、『六朝道教史研究』『六朝仏教思想の研究』『唐代の道教と天師道』などがある。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    【内容紹介・目次・著者略歴】
    老子思想の宗教的展開を道徳経の注解と老子伝承との両面から考察し、中国文化の基層をなす道教思想の形成に光を当てた意欲作。

    【目次より】
    再版に当って
    緒言
    凡例
    前篇 老子河上公注の研究
    序章 先人の研究と私見
    第一章 老子河上公注の二側面

    第一節 道家の養生説
    第二節 道家思想と河上公注
    第三節 道家的養生と道教的養生
    第二章 河上公注の特殊相

    第一節 六章注と五蔵神説
    第二節 五十九章注と『國身同也』説
    第三節 治國・治身並記の注解
    第三章 河上公注の成立

    第一節 六朝隋唐初の資料から見た河上公注
    第二節 現行本の成立
    第三節 原本河上公注
    結語
    第四章 河上公説話の形成

    第一節 河上公説話の構成
    第二節 道教の不敬王者論
    第三節 河上公説話と不敬王者論
    余論
    第五章 老子節解考

    第一節 流伝の状況
    第二節 節解の佚文
    第三節 節解の思想
    第四節 節解の成立
    第五節 節解と河上公注
    結語
    附 老子内解考
    第六章 老子想爾注考

    第一節 想爾注と想爾戒
    第二節 世間偽伎の意義
    第三節 想爾注と河上公注
    後篇 老君伝の研究
    序章 展望と論点
    第一章 老子神化の発祥

    第一節 邊韶の老子銘
    第二節 王阜の聖母碑
    第三節 老子変化経
    第四節 老子神化の諸相
    第二章 歴代化現説考
    第三章 老君伝とその年代
    第四章 函関における老君と尹喜 太上混元真録を中心として

    第一節 去周入関の物語
    第二節 道徳経及び節解伝授の物語
    第三節 西昇経と老君昇天の物語
    結語
    第五章 青羊肆説話の検討
    第六章 化胡説話の諸相

    第一節 〓賓王教化の物語
    第二節 于〓國説法の物語
    第三節 化胡説話の推移
    結語
    あとがき
    ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

    楠山 春樹
    1922年生まれ。中国古典研究者。早稲田大学名誉教授。早稲田大学文学部東洋哲学科卒業。文学博士。
    著書に、『老子伝説の研究』『老子 柔よく剛を制す』『老子入門』『淮南子』『道家思想と道教』『老子の人と思想』『「老子」を読む』『老子のことば』などがある。
  • 1,375(税込)
    著:
    武内義雄
    解説:
    浅野裕一
    レーベル: 講談社学術文庫
    出版社: 講談社

    昭和11年(1936)に『支那思想史』の書名で刊行され、戦後は『中国思想史』と改題してたびたび再刊されて今世紀まで読み継がれてきた概説書の、初の文庫化。孔子・老子に代表される古代思想はもちろん、その後の儒教・仏教・道教の相互交渉、朱子学・陽明学の成立、清代の考証学の確立まで、2000年以上におよぶ中国思想の幅広い歴史を、コンパクトに通観する。
    著者によれば、維新以後この種の著作は数種出ているが、いずれも学者の伝記とその著書の解題を並べたものにすぎず、思想推移の跡をたどるに不便である、という。そこで本書では、思想変遷の過程を明らかにし、異質な思想が接触し変化する歴史を描くことに多く筆を割いている。
    なかでも本書の大きな特徴は、四書五経の研究を深めた学問「経学」の変遷や、儒教や宋学への仏教の影響について大胆に説き明かしていることで、一人の研究者がこれほどの広い視野で中国の思想史を捉えた書物は、その後著されていない。
    学術文庫のロングセラー、『孫子』『墨子』『諸子百家』等の著者、浅野裕一氏(東北大学名誉教授)が巻末解説を執筆。〔原本:岩波書店、1936年・1957年・2005年刊〕
  • ヒトラーは、古代スパルタを「歴史上、最も明らかな人種国家」として称揚した。優生学に基づいた人種主義政策をはじめ、いわゆる「スパルタ教育」に範をとった教育政策、「北方人種」神話、さらに「祖国に殉ずる死」の美化にいたるまで、第三帝国の政策には、さまざまな形でスパルタが影を落としている。「スパルタ」は国家社会主義者にとって一種の合言葉であった。
    日本ではほとんど紹介されることのなかった、第三帝国におけるスパルタ受容の諸相を明らかにし、そのような事態を前に、人文主義者と呼ばれる古代ギリシア・ローマの学者たちが、ナチズムとどのように対峙したのかを描き出す、かつてない試み!

    「優れた詩人、哲学者、音楽家を輩出した文化大国のドイツが、なぜナチズムのような危険思想の台頭を許したのか?」 第二次世界大戦後にナチス・ドイツの蛮行が明らかになって以来、いまだ答えの出ない問いである。
    著者は、ドイツ人が18世紀後期以降、古代ギリシアに抱いた特別な愛着にその答えを求める。日本がユーラシア大陸の高い文化を輸入して自国の文化や国家を形成していったように、ドイツは、古代ギリシア・ローマを熱心に探究することで、独自の文化や国家を形成していった。これらの研究・教育に携わる人々は「人文主義者」と呼ばれた。
    失業と貧困に喘ぐヴァイマル共和国の下、古代ギリシアに対するシンパシーのモデルが、アテナイからスパルタに転じた時、人文主義者たちにも大きな転換点が訪れる。彼らは、スパルタを模範に据えたナチズムといかに向き合ったのか。研究に没頭することで傍観した者、人文主義存続のために協調した者、学問の自由を賭けて抵抗した者――三人の人文主義者の生き方を通して、人文主義とナチズム、さらに学問と国家のかかわりを問い直す意欲作!

    【本書の内容】

     第1部 人文主義者とナチズム――傍観、協調、抵抗
    第一章 傍観:イェーガー――「政治的な人間の教育」
    第二章 協調:ハルダー――人間性の擁護から人種主義へ
    第三章 抵抗:フリッツ――「学問・大学の自由」の擁護
    補 論 古典語教師の往復書簡に見るナチズムへの傍観
     第2部 第三帝国におけるスパルタの受容
    第一章 スパルタについて
    第二章 ナチズムの世界観・政策とスパルタ
    第三章 第三帝国のスパルタ受容に対する国外での賛否
    第四章 第三帝国のスパルタ受容に対する国内での批判
     第3部 第二次世界大戦後の人文主義者
    第一章 イェーガー――人文主義からキリスト教へ
    第二章 ハルダー――人種主義からオリエンタリズムへ
    第三章 フリッツ――「学問・大学の自由」の擁護から啓蒙主義へ
    結 語
    注/文献目録/初出一覧 
    あとがき
  • ※ この商品には出版社独自のフォントが実装されています。より良い読書体験を得るためには、iOS・Android端末での閲読を推奨します。それ以外の環境では、独自フォントでの正しい表示を保証できません(通常フォントでの閲覧には問題ありません)。

    哲学は、世界を生き抜くための武器である
    フランス人は、幸福についてのさまざまな哲学的な立場や議論を学びます。そしてそれを哲学小論文(ディセルタシオン)という「思考の型」に当てはめて、自分なりに表現することを、高校時代に徹底的に練習しています。生きていく中で自分が遭遇した問題や困難をどのように理解すべきか、人生をどのように切り開いていくかを考えるための実践的な道具が哲学なのです。しかし、これはフランス人の専売特許ではありません。誰でも「思考の型」を身につけ、活用しながら、この世界を生き抜いていくことができるのです。われわれもまた、幸福に至る道を見つけるために、哲学すればいいのです。
  • 〈なぜ「占い」が儒教の核心的原理なのか?〉
    〈大いなる矛盾に満ちた「中国的二元論」の思想史〉

    哲学的であって通俗的、神秘的であって合理的―
    陰と陽による二元論で世界を把握しようとする思考様式が、先秦から清朝に至るまでの哲学、世界観、歴史観を貫いていることを示す、碩学による無二の思想史。
    易を知ることは、「中国的思考」の本質を理解することである!

    【本書より】
    ―最も中国独自のもの、それは易―
    易には逆説めいたものがある。法則の中の破格を容認する。論理より象徴、数をよしとする。これは中国の学問芸術について見られる。易は人の運命を天道と一つに見る。中国の歴史の見方とつながるところがある。(第四章より)

    【解題・三浦國雄】
    「本書は『易経』というテクストに焦点を絞り、それがどのようにして成立し、漢代から清朝に至るまで、どのような解釈が施されたか(つまりどのように読まれたか)を解明しようとしたものである。その際、『易経』や注解および注解者の内部に降り立って分析する一方(「心理」や「意識」「無意識」の語がよく使われる)、そのような読解が生み出された根拠を注解者の内面とともに外面│すなわち彼らが生きていた時代相にも求めるところに本書の独自性がある。その結果として、本書のボリュームの大半を占める第一章(易経の成立)と第二章(易学の展開)がおのずから先秦から清代に至る思想史になっているのであるが、これは余人には真似のできない著者の独壇場と云ってよい」

    【本書の内容】
    第一章 易経の成立
     第一節 通説とその批判
     第二節 易の発生基盤
     第三節 経
     第四節 左伝に見える易
     第五節 彖と象
     第六節 陰陽
     第七節 繋辞
     第八節 十翼の完成
    第二章 易学の展開
     第一節 前漢の易
     第二節 後漢の易学
     第三節 王弼、それ以後
     第四節 宋・明の易説
     第五節 清朝の易学
    第三章 筮法
    第四章 易と中国人のものの考え方
    解題 三浦國雄

    ※1960年にサーラ叢書(平楽寺書店)より刊行された同名書の文庫化です。
  • 1300年以上読まれた「統治の教科書」不朽の古典、全文完全新訳。
    とても読みやすい平明な訳文と、背景となる歴史がよくわかる解説でおくる、決定版!

    □よき君主は諫言に傾聴する□
    唐王朝(618-907年)の第二代皇帝にして、王朝の最盛と謳われる七世紀「貞観の治」をなした皇帝・太宗が、広大な版図を治め、王朝を栄えさせるために、臣下と議論を交わし、ときには痛烈な諫言を受け入れた様を描いたのが、この『貞観政要』全十巻四十篇です。

    「私の非が明らかにならない理由は、官僚たちが従順で、皇帝の機嫌を損うのを憚かっているためだろうか。そうならないように、私は虚心に外からの忠告を求め、迷いを払いのけて反省しているのである。言われてそれを用いないのであれば、その責任を私は甘んじて受け入れよう。しかし、用いようとしているのにそれを言わないのは、いったい誰の責任であるか。今後は、各自が誠意を尽くせ。もし私に非があれば、直言して決して隠さないように」(本書 巻二「任賢」より)

    □「人の上に立つ者」のために書かれた□
    太宗が死して60年余が過ぎ、国史編纂に携わる歴史家の呉兢によって編纂されたこの書物は、唐王朝が変革のときを迎えようとする時代にあって、貞観の治世を手本とするよう、当時の皇帝に上進されたものでした。

    □日本人も古代から読み継いだ□
    平安時代の日本にも伝わると、以来江戸時代を経て現代に至るまで、統治者の心構えを説く必読書として読まれ続けてきました。
    徳川家康も明治天皇も読んだと言われる、「主君のための教科書」です。

    □ビジネスの智恵として□
    現代にも通じる、人材育成、組織統治、コミュニケーション術の要諦を説く一冊として注目されています。

    □歴史学の眼で「全文」を読み解く□
    『貞観政要』が描くのは「理想の君主」像だけではありません。
    長く皇帝の座にあった太宗は、やがて怒りやすくなり、傲慢で贅沢になり、直言を嫌がるようにもなっていきます。
    ・なぜ編者・呉兢は、そのようなことまで記したのか
    ・唐王朝はいかなる歴史の中で築かれたか
    ・実像の皇帝・太宗はどのような人物であったか
    歴史学者ならではの鋭い分析とわかりやすい解説で、本書の「本当の意義」を読み取ることができます。

    【本書は訳し下ろしです】
  • ベートーヴェンはナポレオン戴冠の知らせを聞いて作曲中の第三シンフォニーの楽譜を床にたたきつけたといいます。「ボナパルト」なるタイトルを持つはずだったこの交響曲は標題をあらため、英雄交響曲《シンフォニア・エロイカ》として発表されました。ナポレオンに落胆したものの、革命の時代に終止符をうつ「英雄」を待望していたのです。
    ドイツ人作曲家ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン(1770-1827年)の生きた18世紀から19世紀にかけてのヨーロッパは、革命の進行する激動の世紀でした。この時代の人々にとって、自前の代表者をもちえないドイツですら、「英雄」とは実在する観念でした。どのようにして英雄像はリアリティを持ったのでしょうか。
    馬上のナポレオンを目撃したヘーゲル。皇帝となったナポレオンに謁見したゲーテ。
    ナポレオンという「英雄」は幻想にすぎなかったのか。ベートーヴェンの生涯をたどりつつ同時代の偉人たちをとおして、「英雄の世紀」を臨場感あふれる筆致で描きます。
    西洋史の泰斗が達意の文章でおくる近代創成のロマン!!

    【本書の内容】
    はじめに
    第一章 英雄(エロイカ)の世紀
    第二章 啓蒙の賢人から普遍の天才へ
    第三章 啓蒙都市民の誕生
    第四章 ヨーロッパ国際関係のなかのドイツ
    第五章 ナポレオン革命
    第六章 ナポレオン・ショック
    第七章 市民と英雄
    第八章 古典主義からロマン主義へ
    第九章 静穏の一八二〇年代
    主要参考文献
    学術文庫版あとがき
    関係年表
  • 太平記よみの語りは、中世・近世を通じて人びとの意識に浸透し、天皇をめぐる2つの物語を形成する。その語りのなかで、楠正成は忠臣と異形の者という異なる相貌を見せ、いつしか既存のモラル、イデオロギーを掘り崩してゆく。物語として共有される歴史が、新たな現実をつむぎだすダイナミズムを究明し、戦記物語研究の画期となった秀作、待望の文庫化。

    これほど、読むたびに知的興奮を覚えさせられる本は、めったにない。10年前、兵藤さんからこの本を贈られ、一気に読んでそのスリリングな議論展開のとりこになって以来、『太平記<よみ>の可能性』は、文字通り私の座右の書になった。そのときどきの私の関心に応じて、さまざまな読み方ができ、そのたびに啓発される。この本自体、豊かな<よみ>の可能性にみちているのだ。――<川田順造「解説」より>

    〔原本:1995年刊行の講談社選書メチエ〕

    第1章 太平記の生成
    第2章 もう1つの「太平記」
    第3章 天皇をめぐる2つの物語
    第4章 楠合戦の論理
    第5章 近世の天皇制
    第6章 楠正成という隠喩(メタファー)
    第7章 『大日本史』の方法
    第8章 正統論から国体論へ
    第9章 歴史という物語
  • 書きのこされた「歴史」は、現実に営まれた事実としての「歴史」とイコールではない。神から人へと直線的な時間で編まれた日本書紀と、神がみと人間の時間が併存する古事記。天皇の婚姻系譜における父系と母系。クーデターの正統性と敗者への視点……。過ぎ去った時間を手中におさめたい意志が歴史を編集する。神話と歴史をともに表現行為ととらえ、古代の世界観を検討する。
    ベストセラー『口語訳 古事記』を生み出すことになる、通説への疑義と考察に満ちた一冊を大幅にアップデートして文庫化!
  • 本書は、ジャーナリストとしてのカール・マルクス(1818-83年)が執筆した代表作、待望の新訳です。書名にあるルイ・ボナパルト(1808-73年)は、よく知られているとおり、ナポレオン1世の甥にあたります。1836年に武装蜂起を起こしたものの失敗して国外追放処分を受けたルイは、4年後にもクーデタを試みて失敗、終身禁固の刑を宣告されました。6年後の1846年に脱獄してイギリスに亡命しましたが、そこに勃発したのがヨーロッパ全土を巻き込む1848年の革命でした。
    急遽フランスに帰国したルイは、同年9月には憲法制定議会の議員に選出され、貧困層のあいだに根強く残るナポレオン崇拝を利用して、12月には大統領選挙で勝利します。そうして、3年後の1851年12月2日にはクーデタを起こし、反対派の議員を逮捕して議会を解散、国民投票で圧倒的な支持を得ると、ついに翌1852年12月には皇帝に即位し、ナポレオン3世(在位1852-70年)として第二帝政を開始することになるのです。
    本書は、この過程をジャーナリストとしてつぶさに見ていたマルクスが、1848年の革命から1851年のクーデタに至る歴史を追いながら、何が起きたのか、なぜナポレオンは次々にみずからの野望を実現することができたのかを分析したもので、ルイが皇帝になった1852年に雑誌で発表されました。ここに見られるのは、巧みに民意を利用して選挙に大勝し、政治と憲法をほしいままにしていくプロセスにほかなりません。同じ光景は、それから150年以上を経た今日、さまざまな国で再現されているものだと言えるでしょう。
    ――こうした背景を踏まえつつ、数多くの巧みな翻訳を送り出してきた訳者が「慣れない畑」にもかかわらず育て上げた豊かな果実が、この新しい翻訳です。底本は、1869年にハンブルクで単行本として出版された改訂第2版を用いました。
    本書の日本語訳としては岩波文庫(1954年)と平凡社ライブラリー(2008年)のものが広く親しまれてきましたが、第2版の翻訳である前者はいかんせん古いと言わざるをえず、後者は新しいものの第1版の翻訳で、必ずしも一般的とは言えません。そのような状況が長らく続いてきた中、練達の訳者による第2版の新訳、たくさんの人たちのニーズに応える、まさに待望の1冊になることでしょう。

    [本書の内容]
    政治党派一覧
    関連年表

    はじめに
    ルイ・ボナパルトのブリュメール18日

    訳者あとがき
  • イタリアの思想家が注目を浴びるようになって、すでに久しい。中でも世界の思想を中心で牽引してきたのが、ジョルジョ・アガンベン(1942年生)である。そして、今日に至るまで多数の著作をコンスタントに発表し続けてきたアガンベンの代表作が《ホモ・サケル》と題された全4巻計9冊に及ぶプロジェクトであることに異論はないだろう。その構成は、以下のとおりである。

    I『ホモ・サケル』1995年(邦訳:以文社)
    II-1『例外状態』2003年(邦訳:未来社)
     2『スタシス』2015年(邦訳:青土社)
     3『言語活動の秘跡』2008年
     4『王国と栄光』2007年(邦訳:青土社)
     5『オプス・デイ』2012年(邦訳:以文社)
    III『アウシュヴィッツの残りのもの』1998年(邦訳:月曜社)
    IV-1『いと高き貧しさ』2011年(邦訳:みすず書房)
     2『身体の使用』2014年(邦訳:みすず書房)

    1995年から2015年まで、実に20年をかけて完結したこのプロジェクトは、いったい何を目指したのか? 日本語訳も残すところ1冊となったいま、《ホモ・サケル》に属する4冊のほか、アガンベンの翻訳を数多く手がけてきた著者が、その全容を平明に解説する。
    プロジェクトの表題として掲げられた「ホモ・サケル(homo sacer)」とは、ローマの古法に登場する、罪に問われることなく殺害でき、しかも犠牲として神々に供することのできない存在のことである。ミシェル・フーコーが「生政治(biopolitique)」と名づけて解明に着手したものの完遂することなく終わった問いを継承するアガンベンは、この「ホモ・サケル」に権力の法制度的モデルと生政治的モデルの隠れた交点を見る。裸のまま法的保護の外に投げ出された「ホモ・サケル」の「剥き出しの生(la nuda vita)」の空間が政治の空間と一致するようになり、排除と包含、外部と内部、ビオスとゾーエー、法権利と事実の区別が定かでなくなること――それが近代における政治の特徴にほかならない。
    現在進行形の重大な問いを壮大な思想史として描き出した記念碑的プロジェクトは、われわれにとって尽きせぬヒントにあふれている。その最良の道標となるべき1冊が、ここに完成した。

    [本書の内容]
    プロローグ アガンベンの経歴
    第I章 〈閾〉からの思考
    第II章 証 言
    第III章 法の〈開いている〉門の前で
    第IV章 例外状態
     補論 「夜のティックーン」
    第V章 オイコノミア
    第VI章 誓言と任務
    第VII章 所有することなき使用
    第VIII章 脱構成的可能態の理論のために
    エピローグ 「まだ書かれていない」作品
  • 老荘思想の根本経典。『老子』のテクストに基づく「原文」を元に、最新の研究の成果を盛り込んだ「読み下し」「現代語訳」「解説」を付しました。『老子』には、「無為自然」「道」「徳」の根本思想、「小国寡民」「無為の治」の政治哲学、「不争」の倫理思想、養生思想など、古代中国の思想の根幹があります。『荘子』『呂氏春秋』『韓非子』『荀子』『淮南子』などに多大なる影響を与えた偉大なる書物です。
  • ヘルメス文書、グノーシス、カバラー、タロット、黒ミサ、フリーメーソンやイリュミニズムなどの秘密結社、そしてナチ・オカルティズムとユダヤ陰謀論……古代から現代まで、オカルトは人間の歴史と共にある。一方、「魔女狩り」の終焉とともに近代が始まり、その意味合いは大きく変貌する――。理性の時代を貫く非理性の系譜とは何か。世界観の変遷を闇の側からたどる、濃密なオカルティズム思想史!

・キャンペーンの内容や期間は予告なく変更する場合があります。
・コインUP表示がある場合、ご購入時に付与されるキャンペーン分のコインは期間限定コインです。詳しくはこちら
・決済時に商品の合計税抜金額に対して課税するため、作品詳細ページの表示価格と差が生じる場合がございます。

ページ先頭へ

本を予約しました

※予約の確認・解除はこちらから

予約済み書籍

キャンセル及び解除等

発売日前日以降のキャンセル・返品等はできません。
予約の確認・解除、お支払いモード、その他注意事項は予約済み書籍一覧をご確認ください。