『実用、文化、河出書房新社』の電子書籍一覧
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そもそも宗教とは何かと問いつつ、一神教の歩みを辿る宗教思想史講義。複雑な宗教史を鮮やかに解き明かす、決定的書物の登場。
上巻:古代ユダヤ社会における一神教発生から、キリスト教の展開、ローマ帝国の興亡、イスラム教の形成、十字軍まで
下巻:スコラ学から、宗教改革、近代国家の形成、アメリカ合衆国成立、ナチズムの世界観、イスラム主義の興隆まで
宗教とは何か? それは、共同体を作り上げるために必要とされる「フィクション」である。
そして世界史は、一神教的な信仰を基盤として築かれた共同体が、
段階的に構造を変化させることによって形成されてきた。
宗教の基礎を的確に捉えた上で、一神教の思想史を縦横に語る圧巻の講義録。
まず上巻では、ユダヤ民族が困難な境遇のなかから唯一神の信仰を案出した過程、
世界宗教としてのキリスト教の成立、ローマ帝国やゲルマン系諸族との関係性、
イスラム教の出現と拡大、カトリック的教皇主権体制の確立について論じられる。
下巻では、中世末期のキリスト教世界に花開いた、スコラ学から話が始まる。
学問の隆盛は、従来の信仰を内破させる作用をももたらし、宗教改革の運動が勃発。
その混乱を抑止するため、人工的な国家に主権を付与するという思想が提唱される。
こうして誕生した主権国家という「新たな神」は、急速に成長し、
近代の最強国アメリカを成立させる一方、ナチズムの惨劇をも生み出す。
そして中東では、ユダヤ人国家が再建されるが、イスラム主義の抵抗を招き寄せる――。
「「一神教は共同体を作り上げるためのフィクション」という一貫した観点によって描かれた観念の興亡史。
古代宗教に端を発するこの基本設定は、曲折を経て現代にも引き継がれている。
「信教の自由」と「政教分離」の関係もこの認識を踏まえなければ理解できないだろう。」
――宮崎哲弥(評論家)
※本電子書籍は、「一神教全史 上・下」の合本版です。 -
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