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『晶文社、0~10冊(実用、文芸・小説)』の電子書籍一覧

1 ~60件目/全279件

  • 有意義な対話のためのレベル別・超実践ガイド

    分断と二極化の時代、考えが極端に異なる人とも礼節と共感を保って会話・対話をするにはどうしたらよいか? 友人や家族との会話、ビジネスでの交渉、SNSでの議論……よい会話のための入門級の基礎知識から、強硬派・過激派に対処するための達人級のテクニックまで、すべてを網羅した実践的マニュアル。

    リチャード・ドーキンス氏推薦
    「すべての人がこの本を読めば、世界はもっとよい場所になるだろう」

    戸田山和久氏推薦
    「著者たちの思想も行動も気に入らない。なのに、本書には学ぶべき価値あることがギッシリつまっている。というわけで、私は、極端に考えが違う人たちから「根本的に異なった考えをもつ人と語り合うスキル」を教えてもらったのだ。稀有な読書体験を与えてくれた本書に感謝。分断のあっち側にいる人もこっち側にいる人もぜひ読みましょう」

    【目次】

    第1章 会話が不可能に思えるとき
    第2章 入門:よい会話のための9つの基礎
     ──通りすがりの他人から囚人まで、誰とでも会話する方法
    第3章 初級:人の考えを変えるための9つの方法
     ──人の認知に介入する方法
    第4章 中級:介入スキルを向上させる7つの方法
     ──(自分を含む)人の考えを変えるための効果的スキル
    第5章 上級:揉める会話のための5つのスキル
     ──会話の習慣の見直し方
    第6章 超上級:心を閉ざした人と対話するための6つのスキル
     ──会話のバリアを突破すること
    第7章 達人:イデオローグと会話するための2つの鍵
     ──動かざる人を動かす
    第8章 結論
    謝辞
    原注
    監訳者解題
    参考文献
    索引

    【著者・訳者】

    ピーター・ボゴジアン(Peter Boghossian)
    1966年生まれ。アメリカ合衆国出身の哲学者。主たる関心は、批判的思考や道徳的推論の教育に関する理論とその実践。ソクラテス式問答法を活用した囚人教育プログラムの研究によってポートランド州立大学から博士号を取得し、2021年まで同大学哲学科で教員を務めた。意見を異にする人びとが 互いの信念や意見の根拠について理性的に話し合うためのテクニックである「路上の認識論」(Street Epistemology)を提唱。著書に、『無神論者養成マニュアル』(A Manual for Creating Atheists , 2013)など。

    ジェームズ・リンゼイ(James Lindsay)
    1979年生まれ。アメリカ合衆国出身の文筆家、批評家。テネシー大学ノックスビル校で数学の博士号を取得。宗教やポストモダン思想の問題を分析・考察する論考を多数発表している。著書に、『「社会正義」はいつも正しい――人種、ジェンダー、アイデンティティにまつわる捏造のすべて』(ヘレン・プラックローズ共著、山形浩生+森本正史訳、早川書房、2022年)など。

    藤井翔太(ふじい・しょうた)
    1987年東京都生まれ。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了、テンプル大学大学院教育学研究科修士課程修了。関心領域は応用哲学、教育哲学。現在、テンプル大学ジャパンキャンパス アカデミック・アドバイザー/講師。訳書に、ナンシー・スタンリック『アメリカ哲学入門』(勁草書房、2023年)、ドナルド・ロバートソン『認知行動療法の哲学――ストア派と哲学的治療の系譜』(共監訳、金剛出版、2022年)など。

    遠藤進平(えんどう・しんぺい)
    三重県津市生まれ、愛知県名古屋市育ち。慶應義塾大学文学部人文社会学科哲学専攻卒、アムステルダム大学論理学修士課程修了(Master of Logic)。現在、シドニー大学博士課程(Philosophy, PhD)。曖昧さや様相といった伝統的な哲学のトピックから、冗談や脅迫、挨拶のようなコミュニケーションの(ときに哲学分野では非標準的なありかたとして放置されがちな)諸相に関心がある。業績など:https://researchmap.jp/shimpei_endo
  • セルフ手術で結石を取りだした鍛冶屋の男、
    無痛分娩の先陣をきったヴィクトリア女王、
    とがった器具で痔を切り裂かれたルイ14世……
    スプラッターな「試行錯誤」がいまの医術を築いてきた

    麻酔はない、消毒もない、手洗いすらない時代。
    外科医たちは白衣ではなく、返り血を浴びても目立たないよう黒衣を着ていた。
    傷口は水で洗うかわりに焼きごてで焼灼(しょうしゃく)。
    出血多量のときこそ瀉血(しゃけつ)。
    患者はベッドに押さえつけられ阿鼻叫喚の手術がおこなわれたが、
    そこには治療の道を切り開こうと必死に手探りしていた人たちがいた。
    驚愕と震撼とユーモアに満ちた、背筋も凍るほど刺激的な一書。

    現代に生まれて、ほんとうによかった――

    目次
    序章 「手」で治す外科医たち

    第1章 ある鍛冶屋の男
    膀胱を自分で切り裂き摘出――結石

    第2章 アブラハムとルイ16世
    ペニスを石でしごいて包皮を切りとる――包茎

    第3章 エリザベート皇后
    心臓を刺されても歩き回れたのはなぜか――血液循環

    第4章 インノケンティウス8世・レオ10世・ヨハネ23世
    教皇も逃れられない暴食――肥満

    第5章 ヨハネ・パウロ2世
    人気教皇、銃撃され腸が穴だらけ――人ストーマ工肛門

    第6章 ペルシア帝国ダレイオス王
    「手術で死んだら、外科医の手を切り落とす」――脱臼

    第7章 ジョン・F・ケネディ
    世界が見つめる世紀の大解剖――気管

    第8章 リー・ハーヴェイ・オズワルド
    ケネディと同じ外科医が暗殺者も――手術の限界

    第9章 アウストラロピテクス・アファレンシスのルーシー
    二足歩行とひきかえに――静脈瘤

    第10章 奇術師フーディーニ
    水拷問よりも腹パンチよりも――虫垂炎

    第11章 ヴィクトリア女王
    無痛分娩、歴史が動くとき――麻酔

    第12章 大航海時代の貿易商ストイフェサント
    砲弾で砕かれた脚はどうなるのか――壊疽(えそ)

    第13章 名探偵ポアロとシャーロック・ホームズ
    外科医は金星人、内科医は火星人――診断

    第14章 イランの元皇帝
    一・五リットルの膿を腹に抱えた亡命生活――合併症

    第15章 バロック音楽家リュリとボブ・マーリー
    足指切断のかわりに失ったもの――播種(はしゅ)

    第16章 ローマ帝国執政官
    丸々と肥えた軍人には脂肪切除を――開腹手術

    第17章 アインシュタイン
    天才の血管は破裂寸前――動脈瘤

    第18章 内視法の生みの親たち
    腹を切り裂くか、鏡を突っ込むか――腹腔鏡手術

    第19章 アダム・宦官・カストラート
    ペニスを切り落とす10の方法――去勢

    第20章 英国王ジョージ6世
    イギリス王室とタバコの関係――肺がん

    第21章 宇宙飛行士アラン・シェパード
    究極のプラセボ治療――瀉血(しゃけつ)

    第22章 英国キャロライン王妃
    でべそを隠した王妃の壮絶な最期――臍ヘルニア

    第23章 イタリア戦争を生き延びた若き医師
    自分の傷に指を突っ込み腹腔を学ぶ――鼠径ヘルニア

    第24章 19世紀フランスのパン屋
    歯科医がつくった機械の肩を埋め込まれた男――人工関節

    第25章 レーニン
    頭痛、不眠、ノイローゼの指導者――脳卒中

    第26章 胃腸をはじめてつなぎ合わせた外科医
    ちょっと雑でも高速技なら大丈夫――胃切除

    第27章 ルイ14世
    とがった器具をさし込み一気に引き抜く――痔

    第28章 動物園の獣医
    デンキウナギに麻酔をかける――動物の手術
  • それは「家族」と呼ばれるのだろうか。ユダヤ人の夫。日本人の妻。ペルーからきた赤ん坊。異なる三つの旅券をもった男と女が、子どもと大人が、アメリカの小さな町で一つの「チーム」を組んで暮らしはじめた──。
    著者が移り住んだアメリカのさまざまな町で書き綴られた、さりげなくも感動的な暮らしのスケッチ集。1984年刊行の名エッセイ集、待望の新装復刊。
    解説:榎本空。

    「ヤエルはほっそりした長いからだをして、わたしたちのところへきた。生まれた三日目だった。/生まれたてのみどり児はまるまると肥ってはおらず、手や脚に多くの皺がある。見えないはずの目を大きく見開いて、じっとある一点に焦点を合わせているように見えたりする。それがひどく真剣なまなざしで、「これからはあなたもまじめに生きるんですよ」と、わたしに伝えようとしているのかしらと思ってしまう。」(本文より)

    【目次】
    ■ペルーからきた私の娘

    ■ウィラード盲目病棟
    白樺病棟の「高砂」
    かげりもない、ペネイの夜ふけに
    ボランティアたちの晩餐会
    スパゲティかぼちゃ

    オムライス
    ヘンリーの運勢判断せんべい

    ■鯨が生んだ鱒
    『アメリカの鱒釣り』の表紙の町
    『アメリカの鱒釣り』の表紙の男
    はじまりとおわり
    連続と不連続
    一すじの黒髪と紙屑籠
    ペンキ塗るひと
    たましいの遺産

    あとがき

    解説 聞くことと聞けぬこと、その奇蹟について 榎本空
  • 1,870(税込)
    著:
    尾池哲郎
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    スキンケアの謎に迫る、これからの美容のバイブル

    ◆肌の「うるおい」「透明感」とは何か?
    ◆常在菌の存在を忘れている?
    ◆どうして何種類も液体をつけるのか?
    ◆「デトックス」は可能か?
    ◆「天然由来」「植物性」は安全か?

    「肌のキメこそ美人の条件」「もっと美白、もっとアンチエイジング」……
    美容にまつわる惹句はあふれているが、そもそも「美しい」とは何なのか?
    独自の高級化粧品を研究・開発してきた著者が、
    科学の知見で「美しさ」について徹底分析。
    ふだんのスキンケアを科学の視点でとらえかえせば、
    目からウロコの美容論にたどりつく。

    「わたしたちの体は、化学成分の化学反応によって成り立っている――」

    【目次】

    第1章 キホンを化学的に――「美しさ」の概説
    キメ / 美白 / ツヤとテカリ / ハリ / 肌荒れ / 常在菌
    第2章 スキンケアの科学――何のためにしているのか
    ◆起床――美しさには「スイッチ」がある
    ◆洗顔――洗うのではなく整える
    ◆化粧水――そもそも肌の「うるおい」とは
    ◆美容液――肌にとっての「栄養」とは何か
    ◆美容クリーム――「肌質の変化」のストライクゾーン
    ◆UV対策――肌最大の敵は「紫外線」
    ◆運動――体と肌の関係
    ◆入浴――毎日のルーティンをあらためて考える
    ◆ヘアケア――頭を見つめなおす
    ◆ストレス

    第3章 美容の世界のあやしい科学――真実に見えるニセ美容
    ◆ニセ美容――「噓」の見抜き方
    ◆防腐剤フリーは存在するのか?
    ◆アレルギーと効果効能――超微量成分の世界
    ◆迷走するアンチエイジング
    ◆植物性か、動物性か、化学合成か
  • 「訂正可能性の哲学」がケアの哲学だったことを、本書を読んで知った。
    ケアとは、あらゆる関係のたえざる訂正のことなのだ。
    ──東浩紀

    人と出会い直し、つながりを結び直すために。
    「大切にしているもの」をめぐる哲学論考。

    「僕たちは、ケア抜きには生きていけなくなった種である」
    多様性の時代となり、大切にしているものが一人ひとりズレる社会で、善意を空転させることもなく、人を傷つけることもなく、生きていくにはどうしたらいいのか? 人と出会い直し、歩み直し、関係を結び直すための、利他とは何か、ケアの本質とは何かについての哲学的考察。
    進化生物学、ウィトゲンシュタインの「言語ゲーム」、スラヴォイ・ジジェクの哲学、宇沢弘文の社会的費用論、さらには遠藤周作、深沢七郎、サン=テグジュペリ、村上春樹などの文学作品をもとに考察する、書きおろしケア論。『楢山節考』はセルフケアの物語だった!

    「大切なものはどこにあるのか? と問えば、その人の心の中あるいは記憶の中という、外部の人間からはアクセスできない「箱」の中に入っている、というのが僕らの常識的描像と言えるでしょう。/ですが、これは本当なのでしょうか?/むしろ、僕らが素朴に抱いている「心という描像」あるいは「心のイメージ」のほうが間違っているという可能性は?/この本では哲学者ウィトゲンシュタインが提示した議論、比喩、アナロジーを援用してその方向性を語っていきます。」(まえがきより)

    【目次】
    まえがき──独りよがりな善意の空回りという問題
    第1章 多様性の時代におけるケアの必然性
    第2章 利他とケア
    第3章 不合理であるからこそ信じる
    第4章 心は隠されている?
    第5章 大切なものは「箱の中」には入っていない
    第6章 言語ゲームと「だったことになる」という形式
    第7章 利他とは、相手を変えようとするのではなく、自分が変わること
    第8章 有機体と、傷という運命
    終章 新しい劇の始まりを待つ、祈る
    あとがき
  • 運命、この文学的なるもの
    「運命とは、あえて大きくいうならば、人間の弱さと創造性に基づいた、本質的に文学的な観念なのだ」(本書より)──『存在の耐えられない軽さ』などの小説作品で知られ、長年ノーベル文学賞の有力候補に名を連ねながら惜しくも世を去った作家ミラン・クンデラ(1929–2023)。東と西、政治と文学、歴史と現在、偶然と必然のあいだを揺れ動く人間の運命を見つめ続けた作家の仕事を読み解く本格評論。第4回東京大学而立賞を受賞した博士論文を大幅改稿。

    【目次】
    序論 運命の星座
    第1章 歴史の終わり、運命の終わり――『冗談』におけるメランコリー
    第2章 成熟と小説――『生は彼方に』における自己批判
    第3章 運命の皮肉、歴史の怪物――『ジャックとその主人』におけるアイロニー
    第4章 世界と亡命――『笑いと忘却の書』における語りの視差
    第5章 運命の様相――『存在の耐えられない軽さ』における偶然性
    第6章 身振りと根拠――『不滅』における悲劇の散文化
    第7章 「軽さ」を祝う――『無意味の祝祭』における反出生主義との対峙
    結論 スターリンと天使
    あとがき
    参考文献
    索引

    【著者】
    須藤輝彦(すどう・てるひこ)
    1988年生まれ。日本学術振興会特別研究員(PD)。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。ミラン・クンデラを中心として、チェコと中央ヨーロッパおよび啓蒙期の文学・思想を研究している。学部時代はヴェネツィアに、修士時代はプラハに、博士時代はパリに留学。学術論文のほか、一般読者向けの読み物として、ルポルタージュ「燃えるノートルダム」(集英社新書プラス)、「あいまいなチェコの小説家」(webゲンロン)、「批評の復習」(『文学+』WEB版)など。訳書に、モラヴィア美術館編『美術館って、おもしろい!』、アンナ・ツィマ『シブヤで目覚めて』(いずれも河出書房新社、阿部賢一との共訳)。
  • 3,080(税込)
    著:
    木村武史
    著:
    山本孟
    著:
    田澤恵子
    著:
    岩嵜大悟
    著:
    斧原孝守
    著:
    石川巌
    他8名
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    いつから人は死すべき存在となったのか。そして、死んだらどこへと向かうのか。
    神話における<死の意味>とは。
    日本における神話研究の最前線を斬新な観点から平易に伝える
    <シリーズ神話叢書>、待望の第三弾!

    本論集においては従来、神話研究において中心だった「死の起源神話」という
    問題だけでなく、「死」を広いテーマとしてとらえ、死の神話・死の象徴に関
    わる多様な表象を分析していく。通常あまり触れることのない地域の神話・伝
    承を仔細にわたり取り上げつつ、現代に関係する事象とも向き合うことで、わ
    れわれが持つ「死の観念」「死のルーツ」を明らかにする。

    【目次】
    1:山本 孟◎『テリピヌ神話』にみるヒッタイト時代アナトリアの「死」の世界
    2:田澤恵子◎古代エジプトにおける死後の復活再生と神々の協働
    3:岩嵜大悟◎聖書は死の起源についての神話を語るのか?
    4:斧原孝守◎雲南少数民族の死の起源神話
    5:石川 巌◎最初の死――古代チベット土着宗教儀礼説話に見る死の起源
    6:大木 舞◎不死なる神ヴィシュヌの化身神話
    7:二宮文子◎中世南アジアのスーフィズムにおける「死」と「死者」
    8:黒田賢治◎生と死のはざまを「生きる」――現代イランの「殉教者の奇跡」
    9:内海敦子◎インドネシア――死と天界と生まれ変わり
    10:窪田幸子◎アボリジニの死の概念と神話
    11:松村一男◎死すべき人間と不死の神々
    12:植 朗子◎『ドイツ伝説集』「死の伝説」「生の伝説」をめぐる〈神話的な死〉
    13:岩崎 賢◎メソアメリカの《死と生の旅》の神話
    14:木村武史◎北米先住民宗教における死の神話
  • 2,640(税込)
    著:
    キム・グミ
    訳:
    すんみ
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    ◎1999年に韓国・仁川(インチョン)で実際に起きた火災事件を題材にした著者初の長編小説、待望の邦訳刊行

    ミシン会社で働くサンスと敬愛(キョンエ)。お荷物社員の二人がチームを組むことになった。すれ違い、空回りしながら距離を探り合う日々。やがて互いの過去が少しずつ関係を変えていく。そんな中、チームはベトナムへの派遣が決まり、それぞれの思いを胸に新しい地を訪れるが――。理不尽な火災事件で親しい人を失い、亡霊のように生きていた男女の転機と再生を描く。

    [目次]
    空白はやっかいだ
    E
    あなたと私のお別れ
    空っぽの心
    殺人は恋愛のように、恋愛は殺人のように
    冷えきった夏
    あなたには妹がいますか?
    痛みにも気づかずに笑っていた
    雨粒が頭上に降り注いでくる
    オンニには罪がない
  • 1,760(税込)
    著:
    戸谷洋志
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    狂うのが、愛。憎むのが、恋。
    哲学は「恋愛」を語ることから始まった。
    クズへの愛はなぜ成立するのか? なぜ私は愛されたいのか? 永遠の愛はどこまで続くのか?
    ――すべて哲学が答えます。
    現代に流れる「ロマンティック・ラブ」の幻想を解体する驚愕の哲学入門!!!

    紹介するのは、プラトン、デカルト、ヘーゲル、キルケゴール、
    サルトル、ボーヴォワール、レヴィナスの七人。
    彼らはそれぞれが違った仕方で人間と世界の関係を捉え、
    その人間観の中で恋愛(哲学)を論じている。恋愛とは何かを
    考えることは、そもそも人間とは何かを問い直すことを要求する。
    本書ではそれらを全体として再構成することで<恋愛>を広い
    視野の元で捉え直していく。

    【目次】
    ・はじめに
    ・第1章:なぜ誰かを愛するのか?――プラトン
    ・第2章:なぜ恋愛に執着するのか?――デカルト
    ・第3章:なぜ恋人に愛されたいのか?――ヘーゲル
    ・第4章:永遠の愛とは何か?――キルケゴール
    ・第5章:なぜ恋愛は挫折するのか?――サルトル
    ・第6章:女性にとって恋愛とは何か?――ボーヴォワール
    ・第7章:なぜ恋人と分かり合えないのか?――レヴィナス
    ・おわりに
  • 1,980(税込)
    著:
    堀田新五郎
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    資本主義をさらに暴走させようとする加速主義の時代だからこそ、「ゲームの外側へと降り立つ手順」「世界外への離脱」を探求する撤退的知性が求められている。その鮮やかな実践。
    ──内田樹

    行き過ぎた市場原理主義、環境破壊による地球温暖化、経済格差の拡大、出口の見えない戦争……多くの矛盾や暴力を生みつつも、疾走を続ける近代システム(民主主義+資本主義+テクノロジーの三位一体)。その先に待ち受けるカタストロフィーを回避するためには、撤退する知性が必要だ。人々の思考を「持続」へと方向づけるメカニズムを解明し、適切な局面で適切に撤退できることこそが知性であると説くマニフェスト。「近代の学問」と、仏道・茶道・華道などの「道」の知見を接合する、壮大な哲学的思索と問題提起の書。

    “いま考えるべきは、次の処方箋や、個々の処方箋が効かない理由ではない。「惰性」それ自体である。これまでのやり方を停止し、撤退すべき場面にもかかわらず、次の処方箋、次の処方箋へと人々を押し流す「惰性・慣性」のメカニズムを解明し、撤退の条件を探ること、これがいま知性に求められる課題ではなかろうか。カタストロフィー前の方向転換、これが「撤退学」の目標にほかならない。”(本書より)

    【目次】



    ■I部 撤退学宣言──ホモ・サピエンスよ、その名に値するまであと一歩だ

    はじめに

    ◎1章 撤退学宣言 問題編──近代システムとはなにか?
    1 近代システムとはなにか?/2 システムの暴走と「近代の超克」/3 「惰性・慣性の力」からは脱出不可能?/4 【問題】 ◎2章 撤退学宣言 解決編──なぜ生物は3つ以上の眼を持たなかったのか? 1 撤退の困難、あるいは生物が3つ以上の眼をもたないわけ/2 人間の知的特性 /3 【解答】/ ◎3章 撤退学宣言 展望編──テクノロジーは加速し、人類は愚行を繰り返す 1 テクノロジーは加速し、人類は愚行を繰り返す─よって主権者の顕現?/2 世界の彼方、存在の側へ──鬼退治/3 【展望1】 宗教と政治との新たな連関/4 【展望2】 学と道との新たな連関 ■II部 補論 撤退の知性──イエスとソクラテスから ◎4章 補論1 イエス論──奇天烈の倫理 イエス論1 倫理とイエス/イエス論2 政治と文学、あるいはマキァヴェッリとイエス/ ◎5章 補論2 知性と反知性──ソクラテスを起点に 1 はじめに/2 知性の祖型:ソクラテスの無敵/3 反知性の典型:反ユダヤ主義者/4 問題提起:知性は自らを維持したまま、propertyの不条理な肯定が可能か?/5 回答:決断主義を超えて 完全性の反復 おわりに
  • 世界を変えるための「最古の科学」が「儀式」だった――。
    生活や価値観が猛スピードで変化する現代。昔からある「儀式」は単調で、退屈で、無意味にみえる。でも、ほんとうに? 認知人類学者の著者は熱した炭の上を歩く人々の心拍数を測り、インドの祭りでホルモンの増減を測定。フィールドに実験室を持ち込んで、これまで検証されてこなかった謎めいた儀式の深層を、認知科学の手法で徹底的に調査する。ハレとケの場、両方にあふれる「儀式」の秘密と活用のヒントを探究する空前の書。

    ジョセフ・ヘンリック(人類学者、ハーバード大教授)
    「ギリシャの火渡りからアマゾンの恐ろしい祭礼まで、認知人類学者の著者は、リズム、ダンス、音楽、苦痛、犠牲などから成る、一見すると無意味で反復的で因果関係が不明瞭な〈儀式〉を、人類がどのように、なぜ行うのかを探求する。民族学的なデティール、個人のナラティヴ、認知科学の成果が盛り込まれた本書は、QOLや健康状態の改善、地域社会の構築のために、古代からの知恵であり最新の科学でもある〈儀式〉をどのように活用できるかを教えてくれる」
  • 1,870(税込)
    著:
    松波太郎
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    臨床家が読み解き明かしている「背中」の秘密。
    図解イラスト多数で、セルフチェック・セルフケアも可能な東洋医学入門。

    あなたの知らない「あなたの背中」が見えてくる。

    身体の中心にあり最も広大な面積をもっているのに、
    これまでほとんど「中心」として扱われることのなかった
    「背中」という〝空白〟を東洋医学的に読み取り、
    そこを解きほぐしていく。
    読んでコリがほどける「治療本」。

    【もくじ】

    〈1〉〝中〟央の〝心〟臓
    ・自覚≠他覚
    ・ツノ
    ・ヒト科の時間
    ・なるべく緊急性の高い背中からご紹介していこうと思っています……
    ・血圧を下げるハリ灸
    ・皮膚炎
    ・羽ばたくためのセルフケア・ペアケア
    ・背中は語っている

    〈2〉背中が痛い!
    ・予診票も背中のごとし
    ・緊急性の高いことも……
    ・地の文と「 」
    ・凹vs凸
    ・脊柱管狭窄症にたいするハリ灸
    ・側弯症
    ・背中を解くケア

    〈3〉毛が生えちゃってるんですけど……
    ・背中のプライバシー
    ・伝染――ウツ
    ・体内マップ
    ・毛とは……
    ・クスリの代償
    ・肝臓≠肝
    ・毛―白―咳―辛―哭―皮―肺

    〈4〉いつのまにこんなに黒く
    ・〈3〉と〈4〉の順番
    ・病〝変〟
    ・きちんとクスリが効いてくれますように
    ・腎=黒
    ・腰痛、トイレが近い、下腹部痛、生理不順、不妊……
    ・こどもの背中

    〈5〉特徴のない背中
    ・指~手~腕~肘~脇~肩~首~
    ・デルマトーム
    ・皮膚➝筋膜➝筋腹➝コリ……
    ・自律神経
    ・〝平〟らに〝和〟んでいく
    ・傷痕

    〈6〉後ろ向きに生きるケア
    ・治療〈陰〉
    ・猫背
    ・背中本
    ・背中の空白
    ・足に始まり、足に還る
    ・表現療法?
    ・ラスト・ケア
  • 気づけばいま、雑貨界が物の世界を逆に覆いかくしつつある。
    ほとんどの物が、いつ雑貨屋に連れていってもはずかしくないすがた、かたち、ふるまいを身につけてしまっていて、むしろ雑貨化していない物こそがマイノリティになっているのだ。だとしたらマジョリティとしての雑貨は、もう「雑」という字を捨てて、ふつうに「物」と呼んだらいいじゃないか──本書より

    物の売買を巡る状況は刻々と変化している。いままさに波にさらわれんとする物の価値をひとつずつひろいあげる珠玉のエッセイ集。本、アート、工芸、情報、音楽、おしゃれ、サブカル、聖と俗……、ゆらぎ続ける世界のはざまで生きのびる方法をケレン味のない筆致で綴る。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    数学が楽しいなんて、信じられる?
    ストローの穴を数えたり、最強の暗号をつくったり……
    受験大国・韓国発! 「ワクワク」が数学力を目覚めさせる

    「なんで数学を勉強しなきゃいけないの?」
    数学大好きなキム・ミニョン教授は、だんだん難しくなっていく数学を前に
    不安そうな2人の生徒に出会う。
    英語は好きだけど数学は苦手なアイン、計算は得意だけど楽しくないジュアン。
    数学に自信をなくしたまま大人になった編集者ボラムも含めた4人は、
    ちょっとユニークなクラブをつくり、キム教授から特別レッスンを受ける。
    メビウスの帯を切ってみたり、座標で遊んだり、誰にも見破れない暗号をつくったり……
    それからフェルマーの定理もピタゴラスの法則も。
    「難しく感じるところは読み飛ばしてもOK!」
    もっと知りたくなるテーマが、数学の五感を目覚めさせていく。

    ◆目次より◆

    【1回目の授業】
    見た目がちがっても友達になれるよ――位相幾何学とオイラー標数

    【2回目の授業】
    数の気持ちが読めたなら――ピタゴラスの定理と靴ひも公式

    【3回目の授業】
    まだ私のこと数字だって思ってる?――ピタゴラス数とフェルマーの最終定理

    【4回目の授業】
    挑戦! 最強の暗号づくり――公開鍵暗号と剰余演算

    【5回目の授業】
    解いてみよう! 暗号解読大作戦――フェルマーの小定理、オイラーの定理、剰余演算2
  • からだのバリア機能=皮膚の力を高めるスキンケアが
    さまざまな悩み・不調を改善する。

    花粉症/アトピー性皮膚炎/フードアレルギー/帯状疱疹
    副腎疲労症候群/ニキビ・吹き出物/乾燥肌/毛穴/シワ/たるみ
    シミ・くすみ/抜け毛・薄毛/かゆみ/やけど/あから顔/クマ

    お肌のトラブルはからだのSOS。
    美しく健やかな肌で毎日を楽しく過ごすための知恵を
    イラスト図解多数にて伝授。

    【目次】
    はじめに

    第1章 みんな知っておきたい、「肌荒れ要注意」そのワケは?
    ・なぜいま「肌のケア」を見直すのか?
    ・皮膚症状とも関係あり! 近代、多くの人を悩ませる病気
    ・肌の役割は多彩! 浄化・恒常性キープ・センサー機能について

    コラム:酸化・糖化・炎症とは?

    第2章 超健康な肌をめざすベーシックスキンケア
    ・年齢・性別は関係なし! よりよく生きるために素肌力アップを
    ・生活に定着させたい基本のスキンケア

    第3章 よくある肌トラブル別 リセットHOW-TO
    ・トラブルやエイジングサインに手を打とう!
    ▼ニキビ・吹き出物
    ▼乾燥
    ▼毛穴が目立つ
    ▼シワ
    ▼たるみ
    ▼シミ・くすみ
    ▼抜け毛・薄毛
    ▼その他のトラブル
    ・美容医療を味方につけてセルフケアをアップデート

    コラム:V I O 脱毛とは?

    第4章 美しくすこやかな肌をつくる暮らし方
    ・「きれい」と「すこやか」を両立させる生活とは?

    おわりに
    参考文献
  • 1,980(税込)
    著:
    橋本求
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    「人類はウイルス、細菌、寄生虫との戦いと共生の歴史。読むとやめられなくなる」──養老孟司

    リウマチ・膠原病、クローン病、さらに花粉症、アトピー性皮膚炎などの疾患は、なぜ起きるようになったのか? その背景から、人類が何万年もかけて積み重ねてきた進化の物語を読む。

    自己免疫疾患(体を守る免疫が逆に自分の体を攻撃する疾患)とは、清潔で快適な環境を求めてきた人類の代償というべき「宿業の病」。そのような病が生まれたのはなぜか? マラリアやインフルエンザなど感染症との戦いの歴史、寄生虫との共生、腸内細菌叢の知られざる力、爬虫類・昆虫などとの毒を介した生存競争、脊椎動物の「顎」の獲得、ネアンデルタール人との混交、農耕革命・産業革命などの生活様式の変化……数々の驚くべきトピックとともに語る、読み出すとやめられない「遺伝子と免疫」の秘密。

    “本書がご紹介するのは、「自己を攻撃する病」がなぜ起きるようになったのかについての夜話です。ただし、その夜話は、できるだけ現代医学の最新のエビデンス(根拠)に基づいてお話ししたいと思っています。根拠として用いたのは、遺伝学やバイオインフォーマティクスの考え方。この最先端の学問を使って、自己免疫疾患やアレルギーといった病気がなぜ起きるようになったのか、その謎について迫りたいと思います。(序章より)”

    【目次】
    序章 「免疫学」から学ぶこと

    ■第I部 免疫と遺伝子──時空を超えてつながる病

    第1章 病原体なき病
    第2章 ガラパゴス島の啓示
    第3章 史上最悪のインフルエンザ
    第4章 コウモリの不吉
    第5章 シマウマのステルス戦略
    第6章 進化医学の考え方

    ■第II部 免疫と環境──運命を異にする双子の姉妹

    第7章 「清潔」という病
    第8章 昭和の子ども「青洟」のヒミツ
    第9章 寄生虫という「古き友」
    第10章 腸内細菌のチカラ

    ■第III部 免疫系の進化──自己免疫とアレルギーの起源

    第11章 顎の出現とともに現れた病
    第12章 哺乳類の勝利の代償
    第13章 旧人類との邂逅と新型コロナ
    第14章 農耕革命の光と影
    終章 免疫進化のガラパゴス
  • しくじり続きの飲酒の夜々、苦しみと発見の断酒の日々––––
    元アルコール依存症の女性ライターがつづる、ユーモアとペーソスたっぷりの再起エッセイ!

    【『アル中ワンダーランド』まんきつさん推薦!】
    「共感しすぎてつらさをともなう一冊であると同時に パズルのピースがピタリとはまる解放感がありました」

    サラはニューヨークで働くライター。6歳でビールの味を知り、学生時代はバーボンでバカ騒ぎし、就職した新聞社ではワインをあおってキーボードを叩く。そんな酒漬けの日々を送っていた。しかし飲酒による記憶障害「ブラックアウト」にたびたび陥り、出張先のパリでは気がつくと見知らぬ男とセックスの真っ最中! やがて彼女は決意する。「わたし、酒をやめる」
    原著刊行から8年経ってなお、アメリカ本国で売れ続けているロングセラーエッセイ。女性のアルコール依存症が増加する現代のおける必読書であり、お酒に失敗した経験のある人、人生の再出発を余儀なくされた人を、共感と笑いで励ましてくれる一冊です。

    ■目次
    前奏 光の都
    0 酒を飲む女たち
    I 飲酒の夜々
    1 ビール泥棒
    2 飢え
    3 男物の服を着る
    4 仕事中も飲む
    5 知らない人
    6 ずっと夢見てきた人生
    幕間 はじまり
    II 断酒の日々
    7 ほかに方法ないの?
    8 ものすごく気まずくさせる存在
    9 ひたすら食べる
    10 セックス
    11 パワフルなバラード
    12 ここがわたしの場所
    訳者あとがき

    ◆訳者あとがきより 「(著者のサラ・)ヘポラが酒をやめられたことは、もちろんすばらしい成果だけれど、それよりも価値があると思えるのは、彼女が人生のどん底に陥っても、そこから立ち上がる方法を自分で体得したことだ。わたしたちの誰もがそれを身につけたいと思っているはずであり、ヘポラが語るストーリーはアルコール依存症に悩む人だけでなく、自分の進むべき方向が見えなくなった人や、承認欲求に振り回されて本当の自分がどういう人間だったかわからなくなった人にも、きっとヒントをあたえてくれると思う」
  • 2,200(税込)
    著:
    布施琳太郎
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    つながりすぎた社会で〈二人であることの孤独〉を取り戻す
    若きアーティストによるSNS時代の恋愛・制作・人生論

    「本書が捉えようとするのは、すべてがつなげられた社会から脱出して二人の時間を過ごし、その後で、労働や学校、家族といったつながりへと帰っていくことを可能にする世界制作の方法である。つまり二人のあいだで接続と断絶を様々に組み替えて、自分たちの手でストーリーを作る方法の模索である。そうした行き来を可能にするのがラブレターなのだ」(本書より)――新時代のアーティストが提案する、SNS以降を生きるための〈新しい孤独のプラクティス〉。

    人を愛する、とは詩で、
    詩を詩のままにするのが、
    ラブレターなのかなって思う。
    ――最果タヒ

    【目次】

    はじめに
     序章 二人であることの孤独
    第一部 ラブレターの歴史
     第一章 代筆されたラブレター
      恋文横丁における代筆文化
      自動手記人形の主語
      共に作る喜び
     第二章 「私」の場所
      寺山修司のラブレター
      日本語の問題
      詩的な病い/病的な詩
     第三章 「あなた」の場所
      光年性のラブレター
      行為=場所としてのポスト
      インターネットのなかのラブレター
    第二部 恋人たちの共同体
     第四章 ラブとは何か
      恋愛の起源
      ロマン主義的恋愛
      ロマンティック・ラブ・イデオロギー
     第五章 『魔法使いの弟子』
      バタイユの恋愛論
      運命というメビウス
      恋人たちの共同体
     第六章 誤変換的リアリズム
      二人であることの病い
      見えるものと、見えないもの
      誤変換の恋人
    あとがき 作品からラブレターへ(コンテンツではない)
  • 1,870(税込)
    著:
    青木海青子
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    本は違う世界の光を届ける窓
    図書館は人と人の出会いの場所
    司書の仕事はケアにつながる

    奈良県東吉野村にひっそりとたたずむ「ルチャ・リブロ」は、自宅の古民家を開いてはじめた私設の図書館。このルチャ・リブロの司書が綴る、本と図書館の仕事にまつわるエッセイ。
    人と接するのが苦手で、本という「窓」から外の世界と接してきた。そんな著者が自らの本棚を開放することで気づいた「図書館」の本質的な効用。精神疾患を抱える「支えられる立場」から、司書という「人を支える立場」になりえた体験を通じて、司書の仕事の豊かさ、奥深さ、そして本という「窓」の持つ力が伝わってくる。
    読むと訪れてみたくなる、ある個性的な図書館の物語。写真・宗石佳子。

    “私の来し方には、いつもそこに「本」と「生きづらさ」が座しています。自分自身の読んできたものと、読書の周辺を紐解くだけで、「この人、よく生きていたなあ」と何やら放心してしまいます。ルチャ・リブロはそんな私自身の読んできたものを開いたような場所で、だからこそ、少ししんどい状況にある人が、ふとこの場所を見つけて遠い道のりをやってきてくれるのではないかと考えています。(「まえがき」より)”

    【目次】

    ■1 司書席から見える風景
    不完全な司書
    本という窓
    古い家で、いとなむこと
    蔵書を開くことは、問題意識を開くこと
    ルチャ・リブロの一日
    公と私が寄せては返す
    窓を眼差した人
    時間がかかること、時間をかけること
    諦めた先の諦めなさ
    ペンケースを開け放つ
    森から来た人達
    知の森に分け入る
    葛根湯司書
    図書館への道
    ルールとのつきあい方
    偶然性と私設図書館
    夜の海の灯り

    ■2 クローゼットを開いて
    クローゼットの番人が、私設図書館を開くまで
    幽霊の側から世界を見る
    当事者であること、伴走者であること
    絶対あると思って探しに行かないと見つからない
    探求のお手伝いが好き、レファレンスブックが好き
    カーテンに映る影
    本と暴力と
    光の方へ駆ける
    窓外に見えるもの
    旅路の一里塚
    明るい開けた場所に出られるような言葉

    ■3 ケアする読書
    デコボコと富士正晴
    書くことのケア性について
    「分からない」という希望
    生きるためのファンタジーの会
    木炭で歯をみがくことと、オムライスラヂオ
    私の影とのたたかい
    背後の窓が開く
    「土着への処方箋」のこと
    「本について語り合う夕べ」のこと

    ■4 東吉野村歳時記
    峠をのぼるひと、のぼる道
    屋根からの手紙
    とんどと未来
    馬頭観音祭と、往来と
  • 1,870(税込)
    著:
    ハルノ宵子
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    吉本家は、薄氷を踏む
    ような〝家族〞だった。

    戦後思想界の巨人と呼ばれる、父・吉本隆明。
    小説家の妹・吉本ばなな。
    そして俳人であった母・吉本和子――
    いったい4人はどんな家族だったのか。
    長女・ハルノ宵子が、父とのエピソードを軸に、
    家族のこと、父と関わりのあった人たちのことなどを思い出すかぎり綴る。

    『吉本隆明全集』の月報で大好評の連載を、加筆・修正のうえ単行本化。
    吉本ばななとの姉妹対談(語りおろし)なども収録する。
  • 吉本のお笑いが本格上陸する前夜、「東京のお笑い」を育てた男がいた。
    日本初のお笑いライブ開催から、サンミュージックで「一発屋製造工場」を立ち上げるまで。
    そのウラとオモテを駆け抜けた抱腹絶倒の半生とは!? 

    現役大物芸人たちが口をそろえて、
    【東京の芸人で世話になっていない人間はいない】
    という、TVでは見られない(!?)伝説の芸人
    「ブッチャーブラザーズ」のリッキー兼サンミュージック副社長
    岡博之が、「付き人から副社長まで」の物語を書き下ろした
    「私小説」!

    東映京都にやってきた若きスターとの出会いにより二人は突如、大都会東京に。
    ひょんなことから舞台に立つことになった彼らは、そこから芸能界の裏と表を駆け巡る。
    知られざる東京のお笑い史の一幕を語る、笑って、泣ける、「愛」の物語。

    【本書に登場する芸人たち】
    とんねるず/ウッチャンナンチャン/ダウンタウン/爆笑問題/ダチョウ倶楽部
    ホンジャマカ/ヒロミ/古坂大魔王/ネプチューン/アンタッチャブル
    アンジャッシュ/オアシズ/竹中直人/ダンディ坂野/カンニング竹山/ TAIGA
    髭男爵/小島よしお/かもめんたる/スギちゃん/鳥居みゆき/ヒロシ
    メイプル超合金/ Yes! アキト/ぺこぱ/狩野英孝…and more(敬称略)

    【目次】
    はじめに:理想の家
    1:付き人はじめました
    2:幸福な京都時代
    3:ブッチャーブラザーズ、誕生
    4:東京のお笑いは夜の世界に花開く
    5:サンミュージックへの帰還――お笑い班復活
    6:進撃のお笑い班――なぜ、一発屋が次々誕生するのか
    7:現役お笑い芸人、経営者になる
    あとがき
  • 3,520(税込)
    著:
    髙田胤臣
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    空前絶後、情熱の国を食べ尽くす!
    おなじみのトムヤムクン、ガパオから、日本では絶対食べられない各種の麺、超マニアックで危険な料理、そして豊富なスイーツまで、タイ在住20年間で実際に食べた料理を一気に紹介。
    タイ人も知らない、食の由来と文化的背景にアプローチする、必携の熱帯見聞録!

    日本国内では、インド(カレー)料理、中華料理に次ぐ
    ポジションとして定着した「タイ料理」。
    しかしまだまだ定番料理しか知られていない!
    渋谷でタイ料理店にてバイトをしつつタイ語を学び、
    タイに渡って20年、タイ料理の裏も表も知り尽くす著者が、
    メニューはもとより、知られざる食事のマナーや慣習、
    歴史的背景から、レストランガイドまで徹底的に解説する。
    食から浮かび上がるタイの人たちの気質や文化とは。
    20年間の変化とあわせてあなたの知らないタイを紹介。

    【目次】
    はじめに――タイ料理という深い沼に足を踏みこむ勇気はあるか?
    第1章:世界中の人々に好まれるタイ料理とはそもそもなにか
    第2章:然るべき場所でタイ料理を食べるために知っておきたいこと
    第3章:知っておきたいタイ料理における食事の作法
    第4章:押さえておきたいタイ料理の基本メニュー
    第5章:本物を楽しむための専門店系タイ料理
    第6章:豊かな海があるタイだからこそ海鮮系タイ料理
    第7章:クイッティアオに代表されるタイ麺類
    第8章:暑い国だけどタイ式鍋料理をしっかり楽しむ
    第10章:本当は存在しない……タイのサラダの世界
    第11章:勇気があるなら挑戦したいマニアックなタイ料理
    第12章:いつでも気軽に食べられる軽食系のタイ料理
    第13章:タイのスイーツや果物からも目が離せない
    第14章:知らなかったタイのアルコールの世界
    第15章:土産物になるタイ料理
    おわりに――タイ料理の世界に出口はない
  • 2,200(税込)
    著:
    宮沢章夫
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    「これは耳を澄ますための寓話である」
    『ヒネミ』『14歳の国』と並ぶ「静かな劇」の幻の傑作、初上演から約30年の時を経て、遂に書籍化。

    時代は現代、場所は砂漠。「砂漠監視隊」7名が砂漠を見つめるだけの日々。他には何も起こらない。しかし、何か起こってしまっては困るので、監視を続けなければならない。そんな中、遠くから聞こえるかすかな声。その声を聞いたものは砂の向こうに姿を消していく。ひとり、またひとり……。
    『ヒネミ』『14歳の国』と並ぶ「静かな劇」の代表作、初上演から約30年の時を経て遂に書籍化。いまなお求められている鎮魂のナラティブ。

    〈これは耳を澄ますための寓話である。遠い彼方から聞こえる声、聴き落としてしまいそうな、そのかすかな声を聞くために。「忘れられ、闇の中に消えてしまった、『もうひとつの可能性』を、死者と対話しながら蘇らせる」ために。砂漠を監視する者らのただ茫然とした日常と、砂漠が生んだ奇妙な物語だ〉。(1994年初演時のメッセージより)
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    今なお色褪せない、少年ファンタジーの名作が待望の復刊。

    輝く夏の陽ざしのなか、12歳の少年ダグラスはそよ風にのって走る。その多感な心にきざまれる数々の不思議な事件と黄金の夢……。夏のはじめに仕込んだタンポポのお酒一壜一壜にこめられた、少年の愛と孤独と夢と成長の物語。巨匠ブラッドベリが贈る、少年ファンタジーの永遠の名作。

    【山崎ナオコーラ氏、推薦!】
    ファンタジーは日常にある。
    散歩の道に、家事の途中に、黄金色の夏に……。
    子どもと大人で、一緒に読みたい!
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    考え続ける力を養う対話レッスンで「またやりたい!」の声がきこえる――
    英国発! 準備ゼロでも楽しめる哲学対話のプレイブック

    考える・伝える・聞く能力を育むとして、近年注目を集めている〈哲学の授業〉。
    哲学のすばらしい点は、まったく知識がなくても誰でも議論に入れること。
    大人がアシストすることで、子どもたちは哲学することを自然と楽しめるようになる。
    子どもとの哲学で大切なのは、子どもたちが問いを立て、
    自分たちで考え、安心して失敗できる場をつくること。
    5 ~ 13歳の生徒たちと哲学対話を行ってきた著者が、
    すぐに使える30の対話プランを紹介。
    短い物語のあとに続く一連の問いをたどり、
    活発な議論と奥深い思考の世界へ子どもたちを導いていく。
    家庭や地域、他教科の授業でも使える一書。

    【目次より】

    第1部 理論編――子どもと哲学するために
    子どもに問うこと/教室での哲学探究/先生のワザ/ヒントとコツ

    第2部 実践編――じっさいにやってみよう
    椅子 / アリの生きる意味 / 同じ川に2回入ることってできる? / 無人島ゲーム /
    なくしものをしてみよう! / ギュゲスの指輪 / 王子さまとブタ / テセウスの船 /
    コッチとアッチ / 幸せな囚人 / 黄金の指 / アリとキリギリス / カエルとサソリ/
    人生の本 / ピラミッドの影 / 魔法の杖 / ぶっちゃうビリー /
    何もないということについて考える / 6人の賢者たち / 別の惑星のあなた /
    シービーのお話 / 友だち / トニー・テスト / 泥棒 / アンドロイド /
    ウソ / 再生 / 人間になれた? / 永遠の端っこへ / どこにいるの? / 公平の井戸

    巻末資料
    ト ラブルシューティング / 用語集 など
  • 2,640(税込)
    著:
    片岡大右
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    ギリシア神話の九人のミューズ。それに続く十人目の詩神こそが「批評」。
    「批評」と「生きること」の関係を再定義・再構築する試み。

    デヴィッド・グレーバー/『鬼滅の刃』/小沢健二/『ゲーム・オブ・スローンズ』/ユク・ホイ/ブレイディみかこ/『ウォッチメン』/加藤周一/ボルタンスキー兄弟……アナキズムからケア、エンパシーまで、多彩な作家・作品世界を題材に、気鋭の批評家が描く「批評」の未来!

    「批判または批評は、現在の生を押しつぶすのではなく、それが現に持っている力を正当に認めるとともにいっそう活性化させる方法」
    思想、哲学、文学からドラマ、アニメまで、幅広いフィールドで言論活動を続けてきた著者の、初の本格評論集。デヴィッド・グレーバーの翻訳・紹介者として、加藤周一の研究者として、そしてポピュラーカルチャーの良き享受者としての活動の集大成にして、「批評と生きること」を再定義する野心的な試み。

    "批評と生きること。本書を構成する、分量も分野もまちまちな多様な文章をまとめる作業のなかで、わたしは「批評」あるいは「批判」という行為そのものを主題化し、それと「生きること」――わたしたちがこの世界のなかで生を受け、生を保ち、さらには生きるに値する充実した経験を享受することといったすべての意味において――との関係をめぐる諸問題を、書物全体を緩やかに一貫する問いかけとして提示しようと考えました。"(「序に代えて」より)
  • 魔法戦士に変身して戦う姿は少女に自信を与えるのか、
    それともミニスカートにハイヒール姿の性役割を植えつけるのか?
    少女文化コンテンツがもつ二面性への問いを発端とし、
    ディズニープリンセス、おもちゃ、外遊び、ゲーム、魔法少女アニメ、文学、K-POPアイドルまで、
    子どもたちが触れるコンテンツが内包するジレンマ、問題点を洗い出す。

    【目次】
    第1章 ディズニーは、どうやってプリンセスブランドを復活させたのか?
    第2章 外は危険、ディズニーから離れないで
    第3章 女の子は人形を、男の子はアクションフィギュアを本能的に求めるのか?
    第4章 子どもには思う存分遊ばせよ!
    第5章 ゲーム業界、どうしようもないと思っていたら間違いでした
    第6章 魔法の国からやってきたサリーのパラドックス
    第7章 魔法少女アニメが衰退した理由
    第8章 セーラームーンはなぜ世界を救えなかったのか?
    第9章 魔法少女アニメはおもちゃのカタログ?
    第10章 すべての文学は少女から始まった
    第11章 私らしくいられない世の中で「児童書」として生き残る
    第12章 文学界、少女ヒーローの裏に隠された性差別の陰
    第13章 アイドル「パスニ(追っかけ)」、「ファンフィクション(二次創作)」、「ホームマスター(ファンサイトの管理人)」、それぞれの推し活
    第14章 白状します、女性アイドルを見るたびに申し訳なくなる理由を
    第15章 少女は幻想を満たす存在ではなく、人間です!
  • 2,860(税込)
    著:
    藤村靖之
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    デキルことがイッパイある! 酷暑の夏はもうこりごり!
    地球を冷やし、思考をアップデートする、エネルギー・食・生活など9カテゴリー77のアイディア。非電化工房代表による、安価でできて幸福度が上がる、あたらしいライフスタイルの提案。本文オールカラー。

    環境破壊、気候変動、エネルギー危機など、いま地球レベルで問題となっているさまざまな課題。そのなかでも、地球温暖化による世界的な酷暑は、待ったなしの案件。「地球を冷やす!」ための草の根レベルの対処法を、食料、エネルギー、廃棄物、ライフスタイルから娯楽など9つの分野でヴィジュアルとともに紹介。非電化工房の長年の成果をもとにした、全世界で実践できる77のアイディア。

    "車や電気やプラスチックを大量に使い続けるのは、それが無いと幸せに生きてゆけないという思い込み、あるいは、どうしていいのかわからないという諦めが理由の一つだと、僕は思う。そこで、車や電気やプラスチックを少ししか使わなくても幸せ度が上がるアイディアを、再び提案したくなった。
    簡単にできて、支出が減り、幸せ度が上がるアイディアがいい。非電化工房を2000年にスタートしてから、そんなことばかりを追求してきたので題材には事欠かない。アイディアを77個並べてみたので、その中から自分でも愉しく実現できて、支出が減り、幸せ度がアップしそうなテーマを選んでいただきたい。"
    (「まえがき」より抜粋)

    【目次より】
    序論 地球温暖化の原因

    ■CATEGORY1 暖房・給湯・冷房
    温水シャワーの廃熱回収/風呂の廃熱回収/杉皮の屋根/クールルーフ/太陽熱温水器/天窓/グリンカーテン/湯たんぽ/井戸水冷房/薪ストーブ/……

    ■CATEGORY2 調理・保存
    ソーラーフードドライヤー/保温調理器/圧力鍋/非電化冷蔵庫/ガラス瓶保存食/……

    ■CATEGORY3 水と洗浄
    雨水トイレ/循環式手洗い器/ガラス瓶浄水器/重曹を使う/……

    ■CATEGORY4 農業と食べ物
    森林農業/家庭植林/サツマイモを栽培する/薬草茶/地産大豆の豆腐と納豆/塩を作る/キノコを栽培する/ウッドチップマルチ/……

    ■CATEGORY5 廃棄物
    バイオトイレ/フランス式ガラス瓶暖房/アップサイクル/コンポスター/……

    ■CATEGORY6 エネルギー
    アンペアダウン/廃車風力発電機/ロケットストーブ/断熱便座/非電化シャワートイレ/……

    ■CATEGORY7 移動・通信
    重力エレベーター/紙製自動車/車を持たない生活/……

    ■CATEGORY8 生活スタイル
    ストローを作る/木綿の服を長く着る/二十四節気七十二候/機械と家を直して使う/ダーチャ/森に住む/……

    ■CATEGORY9 娯楽
    自給自足を趣味にする/ミツバチと暮らす/……
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    ここにあるのは、うまい食い物だけだ!――自分が食べたいと思った通りに作ればいい。
    世界で一番殺された男」が教える、簡単だけど、最高の満足を与えてくれる
    「カンティーナ」(酒場)料理。

    ジューシーなカルニータスから、たっぷり甘いシナモンシュガーのザ・ローライダー(ドーナツ)、
    そして、ロサンゼルス・タコス・アワード受賞の名店「トレホズ・タコス」のタコスたちが
    この一冊で味わえる!

    【本書について】
    ハリウッド・スターになるずっとずっと昔の話、ダニー・トレホは母親と「いつかレストランを開こう」という夢を語りあっていた。それから何度か警察のお世話になったあと、ボクシングのチャンピオンになり、300本もの映画に出演して、ハリウッドで最も愛される「悪党」になったトレホは、幼い頃の母親との夢を「トレホズ・タコス」で実現することになった。前科者から俳優へ、さらには断薬・断酒カウンセラー、レストラン経営者へと華麗な変身をとげたトレホの人生は、まさにゼロから身を起こした男の本物のサクセス・ストーリーだ。 本書には、ジューシーなカルニータスからヴィーガン・カリフラワー・タコス、フワフワのシナモンシュガー・ローライダー・ドーナツにいたるまで、ありとあらゆる食の好みに合わせた75種類 もの料理が紹介されている。だがそれだけにとどまらない。本書のページには、自分自身の人生を深くかえりみて、自らの生まれ育った町やルーツに敬意を払い、人生の途上で自分を助けてくれたさまざまな人たちに対する感謝の気持ちを忘れないトレホの思いがあふれている。そんな彼が、自分を育てたロサンゼルスの街と、そこに息づくラテン・カルチャーに捧げるおいしい感謝の贈り物――それが『ダニー・トレホのタコスを喰え!』なのだ。

    【目次】
    はじめに 
    ――昔むかし、ロサンゼルスで 
    トレホ流料理スタイル 
    ――ミックスこそがメキシカン
      ――『トレホズ・タコス』のキッチン:トレホ流料理に欠かせない食材
    ――肉の基本:どんな肉(と魚)を使う? 
    ――マチェーテからモルカヘテまで:道具について 
    ――トレホ流LA案内:ダニーおすすめの(ほぼ)食中心LAガイド 
    サルサ、クレマ、ソース、ドレッシング
    タコス、ブリトー、ボウル、ケサディーヤ
    タコス以外の料理 
    ドーナツ&デザート 
    マルガリータと飲み物 
    謝辞
    索引
  • 2,420(税込)
    著:
    山本想太郎
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    「インテリア」というと、家具の選び方であったり、モダン調・ヴィンテージ調といったテイストのことだと理解されることが多い。けれど実際は私たちの生活とインテリアは切っても切り離せないものであり、普段何気なく暮らしている身の回りのすべてがインテリアだといっても過言ではない。
    「家づくり」が専門化されることでブラックボックス化されてしまった現代において、「建築」という専門領域と「生活」をつなぐ大気圏としてのインテリア=「超インテリア」という概念のもとに、日本の生活空間、そして都市の姿を新たに提案する。
  • 子育てにおいて、いちばん大切なことは「子どもに対して敬意を以て接すること」
    男の子の親にも、女の子の親にも読んでもらいたい、旧くてあたらしい子育て論。

    男手で女の子を育てた内田先生と、女手で男の子を育てた三砂先生。共に「離婚して子どもを育てた親」であるふたりによる、誰も書かなかった子育て論。最優先にされるべきは、「子どもに対して敬意を以て接すること」。いまの時代にあわせてアップデートされた、旧くてあたらしい子育て論にして、すべての子育て中の親たちと、育てられ中の子どもたちへ贈る、あたたかなエール。

    「子どもを育てる、ということは、許されることを学ぶことだ、と思います。(…)子どもを持った時点での親の成熟なんて、たかが知れているし、親自身が生きてきた時代と環境とに抜き難い影響を受けながら、なんとか生き延びようとしているような不完全な存在なのですから、かならず、間違います。よかれ、と思ってやったことも、間違っているかもしれない。」(三砂ちづる)

    「僕は未熟な親として子育てをしてきて、ある時点で、「子どもを愛すること」と「子どもを傷つけないこと」では、「子どもを傷つけないこと」の方を優先させるべきではないかと考えるに至りました。(…)「子どもを愛しているから」「子どものことを心配して」「子どもの将来のことを考えて」という理由で子どもを傷つける親が実に多いということを骨身にしみて知ったからです。」(内田樹)

    子育てって困難でしょうか?/子どもは手離すときがむずかしい/親子関係で決定的に重要なこと/子育てにおける母語の意味/性教育はナナメの関係で/感情のカタログを増やす/親を許すこと、親から許されること/生きているなら、それでいい/一度は死んだもの、と思って育てる/「女の社会」にも「男の社会」にも逃避できること/「〈それ〉を何と呼ぶか」よりも「〈それ〉をどう扱うか」/複雑な現実は複雑なままに/今日を機嫌良く生きていくことができたら/……子育てで悩み迷うひとに響く言葉が満載。

    目次
    ■第1便 寄り道しながらはじめましょう
    第1便A 子育てって困難でしょうか? 三砂ちづるより
    第1便B 子どもを手離すときのむずかしさ 内田樹より

    ■第2便 感情とのつきあい方
    第2便A なぜすべてにそう悲観的なのでしょう? 三砂ちづるより
    第2便B 親子関係で決定的に重要なこと 内田樹より

    ■第3便 子育てにおける母語の意味について
    第3便A 性教育はナナメの関係で 三砂ちづるより
    第3便B 感情のカタログを増やす 内田樹より

    ■第4便 親を許すこと、親から許されること
    第4便A ぼんやりすることで得られる力 三砂ちづるより
    第4便B 生きているなら、それでいい 内田樹より

    ■第5便 家族をむずびつけるもの
    第5便A 一度は死んだもの、と思って育てる 三砂ちづるより
    第5便B 家族とは「想像の共同体」 内田樹より

    ■第6便 『細雪』の世界から
    第6便A 「女の文化」と「男の文化」の絡み合い 三砂ちづるより
    第6便B 「女の社会」にも「男の社会」にも逃避できること 内田樹より

    ■第7便 野生と文明のあわいにて
    第7便A  女性の身体性は取り戻せたか? 三砂ちづるより
    第7便B 「産めよ殖やせよ」の逆説 内田樹より

    ■第8便 「母性」なるものをめぐって
    第8便A 母性活性化スイッチ 三砂ちづるより
    第8便B 「〈それ〉を何と呼ぶか」よりも、「〈それ〉をどう扱うか」 内田樹より

    ■第9便 複雑な現実は複雑なままに
    第9便A 人間が太古から物語を使って行ってきたこと 三砂ちづるより
    第9便B 「真のリアリスト」と「リアリストもどき」を分かつもの 内田樹より

    ■第10便 「ものすごく気持ちの良いこと」を経験する
    第10便A 自分を手放せること/自立していくこと 三砂ちづるより
    第10便B 自我が消えてしまう時の解放感と愉悦 内田樹より

    ■第11便 没入すること、10歳前後であること
    第11便A 当時の女の子たちは失神していた 三砂ちづるより
    第11便B 師に全幅の信頼を置く 内田樹より

    ■第12便 長い時間軸の中で考える
    第12便A 無条件に愛され、無条件に見守られること 三砂ちづるより
    第12便B 大人たちから子どもを守るために学校は生まれた 内田樹より

    ■最終便 子育てにおいて、時代が変わっても変わらないもの
    最終便A 今日を機嫌良く生きていくことができたら 三砂ちづるより
    最終便B 親族が存続するために最もたいせつなこと 内田樹より

    長いあとがき 三砂ちづるより
    短いあとがき 内田樹より
  • 1,980(税込)
    著:
    春日武彦
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    人はなぜ自殺するのか? 人はなぜ自殺しないのか?
    そのあわいをみつめつづけてきた精神科医、春日武彦による
    不穏で不謹慎な自殺論考。

    自殺は私たちに特別な感情をいだかせる。もちろん、近親者が死を選んだならば、なぜ止められなかったのかと、深い後悔に苛まれ、悲しむことだろう。だが一方、どこかで覗き見的な欲求があることも否定できない。「自殺はよろしくない」「でも自殺せざるを得なかった人の辛さに思い巡らせるのも大切」「あなたの命は決してあなただけのものではない」など、さまざまな意見を持つ人に読んでもらいたい、自殺についての深掘りエッセイ。自殺されたクライアントとの体験や、さまざまな文学作品、遺書、新聞報道記事などを下敷きにした、自らも自殺に近い位置にいる精神科医による、自殺をめぐる集大成。

    「強引に言い切ってしまうなら、人間そのものに対する「分からなさ」が身も蓋もない突飛な形で現出しているのがすなわち自殺ということになろう。その突飛さを前にして、動揺した我々は、(情けないことに)つい「ゲスの勘ぐり」やら下品な好奇心至上主義を全開にせねばいられなくことが稀ではない。悼んだり悲しむと同時に、無意識のうちにそんな方向に走ってしまう。だから「その不可解さがもはや珍味と化している事案」と表現してみても、あながち的外れではあるまい。
    そんな次第で自殺に関して思うこと、感じること、精神科医としての意見、文学的関心などをだらだらと書き連ねていきたい。もっとも、それが正鵠を射た内容であるのか否かは、自殺を遂げた当人ですらはっきりとはしないであろうけれど。」
    (「はじめに」別バージョンより)

    目次

    はじめに
    第1章 胃の粘膜
    第2章 石鹸体験
    第3章 登場人物を自殺させる
    第4章 遺書のリアル
    第5章 自殺の七つの型 ①美学・哲学に殉じた自殺。
    第6章 自殺の七つの型 ②虚無感の果てに生ずる自殺。
    第7章 自殺の七つの型 ③気の迷いや衝動としての自殺。
    第8章 自殺の七つの型 ④懊悩の究極としての自殺。
    第9章 自殺の七つの型 ⑤命と引き換えのメッセージとしての自殺。
    第10章 自殺の七つの型 ⑥完璧な逃亡としての自殺。
    第11章 自殺の七つの型 ⑦精神疾患ないしは異常な精神状態による自殺。
    第12章 漆黒のコアラ
    おわりに
  • <倭姫宮創建100年、記念刊行>

    各地を巡る長旅を経て、聖地〈伊勢〉を発見し、今も生きる「祭」の基礎を築いた女性がいた――。
    知られざる皇女の物語をひもとき、伊勢神宮の神秘を明かす。

    皇祖神・天照大神を祀り、年間800万人が参拝に訪れる伊勢神宮。2千年以上の歴史がある神宮に、2023年11月、創建100年を迎える新しいお宮がある。そこに祀られている、倭姫命(第11代垂仁天皇皇女)の生涯は、まさに神宮創建の「はじまりの物語」だった。
    神宮が伊勢の地に建てられるまでのヤマトヒメの旅をたどり、その足跡=「元伊勢」(神宮以前にアマテラスが祀られてきた場所)を訪れ、苦難と成長の物語をひもとく。

    <坂東眞理子氏(昭和女子大学総長)推薦!>
    著者たちは、古代史のおぼろな闇の中から倭姫命という女性リーダーを再発見した。倭姫命は天照大神を祀る伊勢の地にたどり着くまで、元伊勢の各宮跡で武力でなく、心と衣食と文明で倭を伝え創ったのである。
  • 1,980(税込)
    著:
    吉原真里
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    水村美苗氏(作家)、推薦!
    河合隼雄物語賞、日本エッセイスト・クラブ賞
    (『親愛なるレニ―』にて)受賞後、著者初の半自伝的「私小説」。

    些細な日常が、波乱万丈。カリフォルニア・ニューイングランド・ハワイ・東京を飛び交う
    「ちょっといじわる」だった少女にとっての「真実」とは。

    透明な視線と卓越した描写で描かれるちょっとした「クラッシュ」たち。

    【推薦コメント】
    小さい頃のアメリカ体験が優れた資質に火をつけ、英語がもう一つの母語となった希有な女性――その瑞々しい筆で綴
    られる思い出話は、おかしく、哀しく、そして驚きに満ちている。私たち日本人が日本人であることの意味をいかに
    考えずに済ましているか、済ましていられるかを考えさせる。
    ――水村美苗氏(作家)

    【目次】
    ミリョンとキョンヒ
    ――The Plastic Wrapper
    ある日、とつぜん
    いなり寿司の発表
    ピアノ・レッスン
    ハイウェイの向こう側
    こちら側の人間
    Love, Always
    ――On Not Becoming Asian American
    レベッカの肖像画
    ブドウと水着
    ニューヨークのクリスマス
    On Being Interpellated as Asian American
    The Chinese Boy
    カシオの腕時計
    山手線とナマチュウ
    ――On the Matter of Eggplant
    詩人のキス
    Kitchen & Bath
    ――On Becoming a Woman of Color
    お向かいへのご挨拶
    父とイチロー
    続 私小説
    ――What I Write About When I Write in English
  • 歴史を剝ぎ取られ母を失った人々の声を時を超えてよみがえらせる、現代ブラック・スタディーズの古典的作品にして、紀行文学の傑作。

    「歴史が個人の物語になるとき、ソウルを揺さぶる一冊になる」
    ──ブレイディみかこ

    ブラックスタディーズの作家・研究者、サイディヤ・ハートマンが、かつて奴隷が旅をした大西洋奴隷航路を遡り、ガーナへと旅をする思索の物語。奴隷になるとはいかなることか? そして、奴隷制の後を生きるとはいかなることか? ガーナでの人々との出会い、途絶えた家族の系譜、奴隷貿易の悲惨な記録などから、歴史を剝ぎ取られ母を失った人々の声を時を超えてよみがえらせる、現代ブラック・スタディーズの古典的作品にして、紀行文学の傑作。

    "わたしは、消滅した人々の残余を発見するという目的とともに、ガーナに降り立った。(…)奴隷制という試練がいかにして始まったのか、理解したかった。いかにしてひとりの少年が綿布二メートル半やラム酒一本と、そしてひとりの女性がかご一杯の宝貝と等価になったのかを、了解したかった。類縁と他者を隔てる境界を越えたかった。名のない人々の物語を語りたかった──奴隷制の餌食となった人々や、捕囚を免れるために辺鄙な、荒漠とした土地へと追い込まれた人々の物語を。(「プロローグ」より)"

    【目次】
    プロローグ よそ者の道
    第一章 アフロトピア
    第二章 市場と殉教者
    第三章 家族のロマンス
    第四章 子よ、行け、帰れ
    第五章 中間航路の部族
    第六章 いくつもの地下牢
    第七章 死者の書
    第八章 母を失うこと
    第九章 暗闇の日々
    第十章 満たされぬ道
    第十一章 血の宝貝
    第十二章 逃亡者の夢

    訳者あとがきにかえて──『母を失うこと』についてのノート
  • 2,090(税込)
    著:
    田上孝一
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    数々の名言を遺したマルクス、その真意はどこにあったのか? 資本主義の限界が見えてきた今、結論から読むマルクス入門。

    「哲学者たちは世界を様々に解釈してきただけだが、大切なのはそれを変えることである」(フォイエルバッハ・テーゼ)
    「労働日の短縮が根本条件である」(資本論)
    「人間というものはいつも自らが解決できる課題しか立てない」(経済学批判)
    「人間の解剖はサルの解剖のための鍵である」(経済学批判要綱)

    マルクスの著作からは数々の名言が生まれている。だが、はたしてその真意は正しく読み取られているか? マルクスの意図はどこにあったのか? 膨大なマルクスの文章の中から、彼の思想的核心を示す言葉20節を切り取り、その意味するところを深掘りして解説するテキスト。資本主義の限界が見えてきた待ったなしの状況で、マルクスの言葉の力を体感できる、結論から読む最速のマルクス入門。

    "複雑で難解とされるマルクスの思想に対して、それは要するに何なのか、一言で言ってマルクスは何を言おうとしていたのか? こうした端的な問いに、まさにマルクス自身の一言によって明快に答えようとするのが本書の試みということになる。/マルクスに成り代わって、マルクス自身が言い放しにして詳しく説明しないでいる彼の結論的テーゼの意図を大きく敷衍しながら説明する。読者は短い一文が持つ理論内容の大きな広がりに、きっと驚かれるだろうと思う。(「まえがき」より)"

    目次
    まえがき
    1●ブルジョア社会では過去が現在を支配し、共産主義社会では現在が過去を支配する。『共産党宣言』
    2●資本主義的生産様式が支配する社会の富は、一つの「巨大な商品の集まり」として現れ、個々の商品はその要素形式として現れる。我々の探求はだから、商品の分析と共に始まる。『資本論』
    3●人間が宗教の中で彼自身の頭の作り物に支配されるように、資本主義的生産の中では彼自身の手の作り物に支配される。『資本論』
    4●資本主義的生産は、一つの自然史的な必然性を持って、それ自身の否定を生み出す。それは否定の否定である。これは私的所有を再建しはしないが、恐らくしかし、資本主義時代の成果の基礎の上に個人的所有を再建する。『資本論』
    5●生産物を彼自身のものとして認識すること、その実現の諸条件からの分離を無法で強制されたものとして判断すること──は、とてつもない意識であり、それ自身資本に基づいた生産様式の生産物であり、しかしそれだからこそその滅亡への弔鐘である。『経済学批判要綱』
    6●人間というものはいつも自らが解決できる課題しか立てない。というのも、正確に考察されるならばいつでも、課題そのものがその解決の物質的諸条件が既に手許にあるか少なくともそれの生成の過程が進行中であるところにだけ発生していることが常に見い出されるからである。『経済学批判』
    7●批判の武器はもちろん武器の批判にとって代えることはできず、物質的な力は物質的な力によって倒されなければならない。しかし理論もまた、それが大衆をつかむや否や、物質的な力となる。『ヘーゲル法哲学批判序説』
    8●私的所有の思想を止揚するためには、考えられた共産主義で全くこと足りる。現実的な私的所有を止揚するためには、現実的な共産主義的行動が必要である。『経済学・哲学草稿』
    9●哲学者たちは世界を様々に解釈してきただけだが、大切なのはそれを変えることである。『フォイエルバッハ・テーゼ』
    10●人間の本質は社会的諸関係の総体である。『フォイエルバッハ・テーゼ』
    11●環境と教育の変化に関する唯物論的教説は、環境が人間によって変えられること、教育者自身が教育されなければいけないことを忘れている。『フォイエルバッハ・テーゼ』
    12●古い唯物論の立場はブルジョア社会である。新しい唯物論の立場は人間的社会あるいは社会的な人間性である。『フォイエルバッハ・テーゼ』
    13●人間的自己疎外としての私的所有の積極的止揚としての共産主義、それゆえ人間による人間のための人間的本質の現実的獲得としての共産主義、それだから完全な、意識された、そしてこれまでの発展の全成果の内部で生まれて来た、一つの社会的な、すなわち人間的人間としての自分自身への人間の帰還としての共産主義。『経済学・哲学草稿』
    14●食べ、飲み、そして産む等々もなるほどまた真正な人間的機能である。しかし、それらを他の人間的活動の範囲から切り離してそれだけを究極にして唯一の最終目的としてしまうような抽象化においては、これらの人間的機能は動物的である。『経済学・哲学草稿』
    15●人間の解剖はサルの解剖のための鍵である。『経済学批判要綱』
    16●困難はギリシアの芸術や叙事詩がある種の社会的発展形式に結び付いているのを理解することの内にあるのではない。困難はそれが我々に今なお芸術的享受を与え、そしてある確かな点で規範及び到達できない手本として通用することである。『経済学批判要綱』
    17●人間は美の法則に従っても形作る。『経済学・哲学草稿』
    18●共産主義社会の中では画家という者はいなくて、せいぜい何かの時に絵も描く人間がいるだけである。『ドイツ・イデオロギー』
    19●労働日の短縮が根本条件である。『資本論』
    20●現実において、そして実践的唯物論者たちすなわち共産主義者たちにとって問題なのは、現存の世界を変革すること、現前の事物を実践的に攻撃し、変えることである。『ドイツ・イデオロギー』
    付論●物件化としての商品化
    あとがき
  • 1,760(税込)
    著:
    みなみしま
    著:
    坂口恭平
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    【創造と表現の源泉へ。こころの扉をひらく、<声の共同体>とは】
    建築、文学、美術、音楽、領域を超えて幅広い活動を展開する
    坂口恭平のこれまで語られなかった考え方と方法論を解く、
    実践的講義録。

    本書は2023年2月に5回に渡ってTwitter(現X)上のスペースで行われた坂口恭平の講義録。
    「心学校」というタイトルは、第1回目の配信で生まれた「声の共同体」の別名である。
    ただし本書は坂口自身が執筆しているわけではなく、ソクラテスにおけるプラトンがそうであったように、
    連続講義にて聴き手を務めた南島興(みなみしま)が著者となっている。
    孤独な人々が孤独さを失わずに恐れずに心をひとつにするための実践の場として、心学校は開講された。
    ここは、参加したすべてのものを勇気づける、自らが自らを学ぶ喜びの溢れる
    「新作ラジオドラマ学校」なのである。
  • 〈今日の夕食は何にしようかなと思案しながら、
    夕暮れの靖国通りをひとり歩く幸せ。〉
    幸福な食事はどこにある?
    神保町、下北沢、京都……専用スプーンを胸にひそませ、今日も続くカレー漂流。
    そして青春の食事には、餃子ライスが必要だ。はたしてそんな食事は見つかったか。
    記憶と幻想で紡がれる物語。

    * * *

    1 カレーライスは漂流する
    母親の黄色いカレーライス
    今日はカレーライスよ!
    どんなカレーライスにももはや驚かない
    火事を見ながらカレーライス
    木製の専用スプーン
    京都カレーライス再訪
    鴨南蛮カレーうどん、ナインボール
    カツカレーのはしご
    白いご飯はありますか
    涙も一緒にスプーンで食べた
    僕のカレーライスにはお肉をたくさん入れてください
    カレーライス小説を考える 他

    2 餃子ライスはひとりで食べる夕食の幸せ
    どしゃ降り餃子ライス
    珈琲にしましょうか
    なんとかならないかしら
    僕の餃子は二人前
    消しゴムを買う
    今夜はひとり飯
  • 2,970(税込)
    編著:
    大崎晴地
    著:
    池上高志
    著:
    毛利悠子
    著:
    河本英夫
    著:
    十川幸司
    著:
    村山悟郎
    他7名
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    バリアフリーは「障害者」を「健常者」に合わせる考え方だが、社会の均質化につながるのではないか。本当のゆたかさは「障害」の側にあるのではないか。そうした意識から、アーティストである大崎晴地は、障害そのものを建築的に考える《障害の家》プロジェクトを進めてきた。三度の展示を経て、建設に向けた計画が始まっている。本書はこれまでの展示と連動して行なわれた対談・座談の記録集であり、「障害」「家」「リハビリ」「アート」を多角的に考えるための一冊である。
  • 暴動が起きた日から、世界は「あたしたち」と「あいつら」のふたつに分かれた――
    1992 年、アメリカ・ロサンゼルス。私立高校での生活も終わりにさしかかり、アシュリーと友人たちは、学校よりもビーチで過ごす時間が長くなっていた。 4 月のある日の午後、ロドニー・キングという黒人男性を半殺しにした4人の警察官に無罪判決が下され、すべてが一瞬にして変わってしまう。激しい暴動・抗議活動が起き、生まれ育ったLA の街が燃え広がるなか、ただの女の子だったはずのアシュリーは「黒人の子」になった。白人の幼なじみとの不協和音、家族のなかの対立、自分への軽蔑……。
    ブラック・ライヴズ・マター(BLM)の源流となったロサンゼルス暴動という、じっさいの歴史的事件に着想を得た長編小説。NYタイムズ・ベストセラー選出、ウィリアム・C・モリス賞ファイナリスト。

    宇垣美里さん推薦!
    「自分自身を知るために、関係ないけど関係なくなんかない、貧富・性別・自分のルーツ。30年前を舞台にしながら、今と何ら変わらない問題を前に、等身大の少女の成長が眩しい」

    「ときどき、女の子でいることはきついし、黒人でいることもきつい。その両方だと、二重の負担がかかってるのに、不平は言わせてもらえないようなものだ。自分の在り方について憶えておくべきことが多すぎる――」(本文より)
  • 「自分のために作る料理」が、様々な悩みを解きほぐす。
    その日々を追いかけた、実践・料理ドキュメンタリー。

    【磯野真穂さん(文化人類学者)推薦!】
    食べることは生きること。
    なのに、自分のための料理は億劫。
    それはなぜ?
    料理を愛する著者が贈る、これまでにない料理本。

    * * *
    著者のもとに寄せられた「自分のために料理が作れない」人々の声。「誰かのためにだったら料理をつくれるけど、自分のためとなると面倒で、適当になってしまう」。そんな「自分のために料理ができない」と感じている世帯も年齢もばらばらな6名の参加者を、著者が3ヵ月間「自炊コーチ」! その後、精神科医の星野概念さんと共に、気持ちの変化や発見などについてインタビューすることで、「何が起こっているのか」が明らかになる――。

    「自分で料理して食べる」ことの実践法と、その「効用」を伝える、
    自炊をしながら健やかに暮らしたい人を応援する一冊。
    * * *

    【目次より】
    料理は大変だと思っているあなたに
    Stage1 料理の問題たち
    1 料理についてこんがらがってしまっていること
    2 自分のために料理するのって難しい?
    Stage2 実践!自分のために料理を作る
    Stage3 自分のために料理を作る七つのヒント
    絶対に自炊して欲しい、なんて言えない
    おまけ・本書で紹介したレシピ
    しょうが焼き
    ワンパンで作れる「トマトツナパスタ」
    レンチンで作れる「シーフードカレー」
    好きな野菜で作れる豚汁
    カブの葉とじゃこの炒め物
    カブとしらすのサラダ
  • 全員、嘘つき。空前の偽情報[ガセネタ]が世界を揺るがす!
    裏切り、寝返り、嘘と罠。欲望渦巻く<情報[ネタ]>の世界。
    諜報とジャーナリズムが融合し、情報を操作する時代の舞台裏を鮮やかに描く、
    衝撃のノンフィクション。

    【佐藤優氏(作家・元外務省主任分析官)、推薦!】
    本来、国家のために用いられる技法を身に付けたインテリジェンス・オフィサー
    (スパイ)が金儲けに走り民間諜報員となり、マスメディアと結託することで、
    世の中に多大な害悪を与えている実態を明らかにした傑作。
    情報の世界の現在を知るための必読書。

    【目次】
    プロローグ:スティールを追え
    第1章:レンタル・ジャーナリズム
    第2章:ラップダンス・アイランド
    第3章:オポジット・リサーチ
    第4章:ロンドン情報取引所
    第5章:バッド・ブラッド
    第6章:株ウクライナの明日
    第7章:六番テーブル
    第8章:グレントラージュ
    第9章:放尿テープ
    第10章:発覚、エピソード1
    第11章:発覚、エピソード2
    第12章:トロイア戦争
    第13章:ロックスター
    第14章:エピソード1:「二重スパイ」
    第15章:ピカピカ光るもの
    第16章:ナタリアとのディナー
    第17章:情報収集屋
    あとがき
    ソースについて
  • 動物の苦しみ、気候危機、健康な食生活を気にかけるすべての人へ。「最も影響力のある現代の哲学者」ピーター・シンガーが動物解放論、ヴィーガニズムとベジタリアニズムについて書き継いできたエッセイと論考を精選。1973年の記念碑的論文「動物の解放」から2020年の新型コロナウイルス禍に対するコメントまで、半世紀にわたる著述活動を一冊に封じ込めたオールタイム・ベスト・コレクション。

    目次

    はじめに
    動物の解放――1975年版の序文
    動物の解放(1973年)
    これが鶏の倫理的な扱い方だろうか?(ジム・メイソンとの共著)(2006年)
    オックスフォードのベジタリアンたち――私的な回想(1982年)
    ベジタリアンの哲学(1998年)
    もしも魚が叫べたら(2010年)
    ヴィーガンになるべき理由(2007年)
    培養肉は地球を救えるか?(2018年)
    COVID-19に関する二つの闇(パオラ・カバリエリとの共著)(2020年)
    訳者解説
  • まちを観察すれば、未来のすがたが見えてくる――まち歩きを楽しみ、まちの歴史と現在を知り、まちづくりのヒントを探す多彩な視点を紹介。

    都市(まち)には人々が集まり、モノやコトが溢れている。目の前の風景をただ眺めるだけでなく、「観察」という行為に高めると、まち歩きは発見に満ち、ビジネスやまちづくりのヒントまで見えてくる。まちを観察する現代の手法を紹介し、東京各エリアを中心に、歩き、カメラに収め、統計的な観察を行った。目まぐるしく変化し続けるまちの活動の断片を記録した、新世紀の考現学。
  • 1,760(税込)
    著:
    木村美幸
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    日本の100歳人口は今や9万人を超えるという。この数は、なんと60年前までの600倍近い。90歳を超えてなお、日々を活き活きと過ごし、周囲に活力と元気を振りまく素敵な「生涯現役」の鉄人たち14名が、いまの関心ごとや取り組んでいる仕事、毎日の食事や暮らし方、この先の夢を語るインタビュー集。

    目次
    ●谷川俊太郎(詩人)——僕が愛して止まないものは「秘密」。それを自分の内部でもち続けるのが大切。
    ●道場六三郎(和食料理人)——僕の料理は「遊びと反逆」。そのときそのときでひらめいたものを形にしていくので、どんどん進化していく。
    ●樋口恵子(評論家)——それぞれ違う老いがある。まさに「老いこそ個性的」。みんなそれぞれ、できる部分で付き合っていかねば。
    ●野見山暁治(洋画家)——描いているときりがない。「これでいい」と手放すことができない。描くことが面白いから続けられる。
    ●大村崑(喜劇役者)——足腰が立つ限り、声が出る限り、頭が働く限り、「喜劇役者」として、ずっと仕事を続けたい。
    ●大川繁子(保育士)——何かを始めるのに遅すぎることはない。いつまでもわくわくする気持ちを忘れないこと。
    ●鮫島純子(エッセイスト)——何事にも感謝の気持ちをもって接する習慣をつけると、自然と笑顔になる。日常の心のもち方が最も大切。
    ●室井摩耶子(ピアニスト)——100歳を過ぎた今も、「これでいい」と思ったことはない。「もっと もっと もっと」と思う。「いま」を精一杯生きたい。
    ●玉川祐子(浪曲曲師)——長生きの秘訣は、くよくよしないこと。つらいこと、悲しいことはなるべく忘れて、物事をいいほうに解釈する。
    ●三浦雄一郎(プロスキーヤー・冒険家)——ひとつの頂上に達したら、また次の頂上を目指したくなる。あきらめなければ、いつか夢の頂上に立てる。
    ●杉浦範茂(イラストレーター)——「絵」に間違いはない。絵は自由で、やりたいように描きたいように描けばよい。
    ●暉峻淑子(経済学者)——自分に関係のない出来事なんてこの世には何もない。そのうちのどれを選んで自分のアイデンティティとするか。
    ●渡辺貞夫(サックス奏者)——自分の音を納得できるまで突き詰めていきたい。楽なものって面白くない。好きなことをやっているから夢中になれる。
    ●青木悦子(郷土料理研究家)——これからも工夫しながら精魂込めて、家庭の「真心料理」を後世につないでいきたい。まだまだ感動をみなに伝えたいという情熱がある。
  • 実はカウンセラーもこんな心の問題を抱えている!
    第一人者が実践してきた「自分で自分をケアする方法」をまとめて公開。
    『セルフケアの道具箱』と一緒に読みたい、みんなのカウンセリング副読本。

    ロングセラー『セルフケアの道具箱』の著者が、自ら実践しているセルフケアをまとめて大公開。カウンセラーを目指した経緯、さまざまな心理療法との出会いから、自らの不調・不安(多動、ギャンブル依存、喫煙癖、共依存の母親との関係etc…)に対して実践してきたコーピングまで、実体験に基づくセルフケアメソッドを惜しげもなく披露。『セルフケアの道具箱』と一緒に読みたい、みんなのカウンセリング副読本。イラスト・細川貂々。

    《スキーマ療法では、過去のトラウマや今抱えている生きづらさ、その人の人生そのものについて語り合うことが多く、そういうとき、「先生(伊藤)のトラウマや生きづらさや人生についても知りたい」と思うクライアントが少なくないようで、問われれば、率直にお伝えするようにしています。 そのような私自身の自己開示によって、クライアントとの相互理解が進んだり、クライアント自身の自己理解が深まったりすることが少なくありません。読者が「まだ出会わぬクライアント」だとしたら、それらの方々に、私自身の実践や体験についてお伝えすることに、なにがしかの意味があるのではないか、と思うようになったのでした。》(「はじめに」より)
    【本書の内容より】
    ●自動思考に対するマインドフルネスについての話……空に浮かぶ雲に自動思考をタイピング/シャボン玉かタンポポの綿毛をフーっと吹く/うんこのイメージ
    ●マインドフルネスの普段使いについての話……食べる/触る/においを嗅ぐ/歩く/家事/
    ●呼吸に親しみ、呼吸と仲良くすることについての話……待ち時間呼吸法/アロマ呼吸法/リフレッシュ呼吸法/
    ●「思い直し」の技術である認知再構成法についての話……「自動思考」と「助ける思考」を対話させる/つらい感情を受容し、ひたすら優しい言葉をかけ続ける/イメージのなかで納得のいくストーリーを作る/
    ●問題解決法という最強の対処法……翌朝の早起きが嫌で仕方がないときの問題解決/トイレ掃除をこまめにするための問題解決/難しい専門書を読み進めるための問題解決/痴漢撃退のための問題解決/母の入院先を見つけるときの問題解決/
    ●衝動的かつアディクション的な特性でいろいろやばかった話……ゲーム/競馬とカジノ/万引きで捕まっちゃった!/
    ●両親に巻き込まれ続けてきた話/
    ●私が実践しているスキーマ療法……早期不適応的スキーマを手放す/チャイルドモードへのアクセスとケア/
    etc…
    目次

    第1章 こうしてカウンセラーになりました

    「どうしてカウンセラーになったのか」の話 その1
    「どうしてカウンセラーになったのか」の話 その2
    認知行動療法との出会いとその後についての話 その1
    認知行動療法との出会いとその後についての話 その2
    認知行動療法との出会いとその後についての話 その3
    スキーマ療法との出会いとその後についての話 その1
    スキーマ療法との出会いとその後についての話 その2

    第2章 困ったときのマインドフルネス

    マインドフルネスとの出会いとその後についての話
    自動思考とのつきあい方についての話
    自動思考に対するマインドフルネスについての話
    マインドフルネスの普段使いについての話 その1
    マインドフルネスの普段使いについての話 その2
    ネガティブな刺激に対するマインドフルネスについての話
    呼吸に親しみ、呼吸と仲良くすることについての話

    第3章 いまもこうして生きてます

    「思い直し」の技術である認知再構成法についての話
    問題解決法という最強の対処法についての話
    エクスポージャー(曝露療法)をいろいろ試しちゃった話
    試行錯誤しながら禁煙をなんとか続けているという話
    衝動的かつアディクション的な特性があり、いろいろやばかった話
    両親に巻き込まれ続けてきた話
    私が実践しているスキーマ療法についての話
  • 初のフランス・ジャズの全貌

    ロックの種子は、欧州にいつ播かれたのかとい問いに、偉大なロック・ミュージシャンは次のように答えている。
    「20世紀初頭、ジャズがパリに入ってきた。それがすべてだ」
    村上龍さん推薦!

    フランスにおいて異質の音楽として出発したジャズが、どのように受容・発展・普及したか、そしてどのように、20世紀のフランスと世界の芸術と文化の王道を歩んだか。自身の体験と取材によって、「音楽と人間」、その栄光と悲しみのすべてを記す。

    【目次より】
    〔第一部〕 ジャズの都パリの誕生
    ジャズ到来/サルヴァドールをめぐって/エディット・ピアフの恋/美輪明宏との対話/プルーストの決闘騒ぎ/ジャン・コクトー/『パラード』の衝撃/魔都ベルリン/ジョセフィン・ベーカーの死/武満徹/岡本太郎 ほか
    〔第二部〕 ジャンゴ・ラインハルトとボリス・ヴィアンのパリ
    ルイ・アームストロングを知る/ジャンゴ・ラインハルト神話へ/占領下のスウィング・ジャズ/ボリス・ヴィアンとパリ解放/ビックス・バイダーベック、村上春樹/ボーヴォワールと『うたかたの日々』/パリのカフェ、ヘミングウェイ/グレコとの邂逅/デューク・エリントンのパリ/ミシェル・ルグランのジャズ ほか
    〔第三部〕 パリの空の下ジャズは流れる
    大江健三郎、バド・パウエル、セロニアス・モンク/サルトルの葬儀/ゲンスブール親子/フランソワーズ・アルヌールとの邂逅/マイルス・デイヴィスのパリ/『死刑台のエレベーター』とルイ・マル監督/モーリス・ロネの死/アーチー・シェップよさらば/キース・ジャレット/ビル・エヴァンス/オーネット・コールマン/パット・メセニー/ミルト・ジャクソン、ジョン・ルイス ほか
  • 1,650(税込)
    著:
    吉本ばなな
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    信仰と自由、初恋と友情、訣別と回復。
    淡々と歌うように生きるさまが誰かを救う、完全書き下ろし小説。
  • どうして人はいつか死んでしまうのに生きるのだろう?
    優生思想、障害、安楽死と緩和ケア、子どもたちの自殺、コロナ対策、終末期医療費、HPVワクチン、ニセ医療薬……最前線で取材を続ける医療記者、渾身のノンフィクション。

    難病を患いながら詩や画の創作に打ち込む兄弟、重度の知的障害者で一人暮らしを続ける青年、人を生産性で計ろうとする風潮に抗う研究者、安楽死の議論を広めようとする治りにくいがんの写真家、高齢者医療費についての誤解を糺す学者、HPVワクチン接種後の体調不良の苦しみを語る母娘……医療にかかわる問題の最前線を歩き取材してきた記者が、病いや障害、喪失の悲しみ・苦しみを生きる力に変えるべく綴る医療ノンフィクション。わたしたちが直面するさまざまな医療問題が、この一冊に詰まっている。

    【目次】
    I部■優生思想に抗う
    1 難病と生きる──岩崎航・健一さんの「生きるための芸術」
    2 知的障害者が一人暮らしすること──みんなを変えたげんちゃんの生き方
    3 なぜ人を生産性で判断すべきではないのか──熊谷晋一郎さんに聞く負の刻印「スティグマ」

    II部■死にまつわる話
    4 安楽死について考える──幡野広志さんと鎮静・安楽死をめぐる対話
    5 死にたくなるほどつらいのはなぜ?──松本俊彦さんに聞く子どものSOSの受け止め方
    6 沈黙を強いる力に抗って──入江杏さんが語る世田谷一家殺人事件もうひとつの傷

    III■医療と政策
    7 「命と経済」ではなく「命と命」の問題──磯野真穂さんに聞くコロナ対策の問題
    8 トンデモ数字に振り回されるな──二木立さんに聞く終末期医療費をめぐる誤解

    IV部■医療の前線を歩く
    9 HPVワクチン接種後の体調不良を振り返る──不安を煽る人たちに翻弄されて
    10 怪しい免疫療法になぜ患者は惹かれるのか?──「夢の治療法」「副作用なし」の罠
    11 声なき「声」に耳を澄ます──脳死に近い状態の娘と14年間暮らして

    終章 言葉は無力なのか?──「家族性大腸ポリポーシス」当事者が遺した問い

    「しんどいことばかりで生きる気力を失いそうになる時、命綱のように自分をつなぎ止めてくれる言葉。どんな状態にあっても、そのままの自分を肯定し、それでも生きることを励ましてくれる言葉。 もし、そんな言葉を誰かと分かち合えたなら、ひとりで引き受けなければいけない心の痛みが少しでも軽くはならないだろうか。誰かが心の奥底から発した言葉で自分の人生が照らされるなら、ひとりで生まれて、ひとりで生の苦しさを引き受け、ひとりで死ぬ絶対的な孤独が少しでも和らがないだろうか。
    そんなことを夢見て、私は今日も言葉を探しにいく。」(「はじめに」より)
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    Twitterフォロワー数40万超!!! BBC、ロイター、ワシントンポストなど海外メディアでも話題沸騰!
    2022年度版の珠玉の「報告」をお届け。

    コロナ禍を経て、再び注目を集める「レンタルなんもしない人」の
    なんもしなかった依頼話を総まとめ。
    ちょっと斜めに、やっぱり不思議で、なんだかほっこり、ところが切ない、
    本当にあった日々の出来事を独自の感性で切り取った、少し奇妙な現代史。

    【2022年度のなんもしなかった話】
    1月:レンタルなんもしない人ってまだ生きてるの?
    2月:今日依頼ないの?
      3月:旦那さんのちんちん触らなかった
    4月:私は全然楽しくないです
    5月:父も喜ぶだろうと思いました
    6月:キャンペーン実施中
    7月:どうぞ。無職の一万円
    8月:敷居は低くあってほしい
    9月:東京こえ~
    10月:これでうちの子存在してますよね
    11月:一緒に歩いてほしい
    12月:ねえレンタルさんきいて! わたしがんになったの!
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    いくら親でも、わたしの同意なしに写真をのせるのは、まちがってるってことだよね?

    ダルムのママはインフルエンサー。ダルムが生まれてからのほぼすべて日々が、ママのSNSにのせられている。
    インフルエンサーのママをもつばかりに、いつも「ほんとうの自分」でいられないダルム。
    しかし、クラスメートのアラの言葉がダルムを変える。

    SNSに勝手にだれかの写真をのせることは、なぜいけないのか?
    自分がいやだと思ったときにどう行動できるのか?
    韓国発、SNSを使うすべての人必読のものがたり。

    目次

    ママは#インフルエンサー
    最初はそうじゃなかった
    みんなとちがうナム・ダルム
    今日のコンセプト
    へいぼんなユン・アラ
    だれにも言えないひみつ
    消えたぼうし
    うそのパレード
    いやだと言う勇気
    わたしはわたし!
    インフルエンサーのママを告発します
    善良な影響力
  • 機能不全家庭による貧困や虐待の連鎖を断ち切れ!
    見えざる弱者・傷ついた者の回復の道とは?

    アルコール依存の父、過干渉の母、家庭内暴力の兄という機能不全家庭で育ち、「生きづらさ」からの解放をテーマに言論活動を続ける著者が実体験で語る、貧困・虐待家族のリアル。幼少期に受けた傷からどう回復するか。負の連鎖をどう断ち切るか。マインドフルネス、スキーマ療法など心理療法も経て、家族と絶縁するまでの道のりを描く、実録ノンフィクション。
    私が育った家庭はいわゆる「機能不全家家庭」と呼ばれるものでした。家庭内不和により会話はほとんど無く、代わりに怒号が飛び交い、暴力による支配が行われているのが日常だったのです。死に物狂いで家から逃げ出したとき、20年以上続いた地獄がようやく終わったのだと、心の底から安堵しました。しかし現実とは残酷なもので、私はその日、気が付かないまま「第二の地獄」に足を踏み入れていたようです。(「はじめに」より)
    「私がされていたことは、虐待だったんでしょうか」
    この質問を心理士にできるようになるまで、カウンセリング治療を始めて約1年かかりました。いつも通り1時間のスキーマ治療を終え、荷物をまとめて部屋から出る寸前、一瞬ためらいながら、ようやく口から吐き出した言葉です。
    心理士は私の質問に少し驚いた様子でしたが、じっと目を見て、はっきりとした口調で「100%、虐待だと思います」と答えました。
    そのとき、これまで十数年にわたって自分にのしかかっていたものが、すっと消えていった気がしました。(「母との絶縁」)

    【目次】
    第1章 「見えざる弱者」とは誰か──貧困・虐待・障害は目に見えない
    第2章 機能不全家庭で育つということ──アルコール依存の父、泣く母、暴力的な兄
    第3章 愛着の形成が持つ大きな影響力──「生きづらさ」の正体とは?
    第4章 生きづらさの根底と向き合う──スキーマ療法との出会い
    第5章 幼少期に受けた傷からの回復──母との絶縁まで
    終章 機能不全家族から回復するために──予防すること、孤立しないこと
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    提唱者による主著、待望の翻訳! 下からの「まちづくり」と上からの「都市計画」をつなぐ、注目の実践論

     タクティカル・アーバニズム(戦術的まちづくり)は、硬直したまちを変えるため、低予算、短期間でできる試みのこと。歩く人や自転車にやさしく、活気があり、公共サービスが充実した、市民が使いやすいまちは、どうすれば実現できるのか。 提唱者による本書では、タクティカル・アーバニズムの元ともいえる歴史から最近の事例まで、どうすれば実際にまちを変えることができるのか、その方法・理論を紹介。ひとびとがまちを変えてきた歴史をあきらかにする。この本を手に、小さな行動を起こし、大きくまちを変えよう!

    目次
    まえがき
    序文
    マイクのストーリー
    トニーのストーリー
    謝辞
    01 型を破る
    タクティカル・アーバニズムとは何か
    DIYアーバニズムvs.タクティカル・アーバニズム
    戦略vs.戦術
    より多くの人に働きかける方法と、より多くの人が応えてくれる方法
    タクティカル・アーバニズム:一般的な3つの適用例
    変化の必要性を行動で示す市民
    市民に参加してもらうためのツール
    フェーズ0 実施
    なぜこの先を読むべきなのか

    02 タクティカル・アーバニズムの着想の源と前例
    世界最古の通り
    ボンエルフ
    カストラ
    グリッドの発展
    北米の平屋住宅
    万国博覧会
    パブリックスペースで行われる都市の活動
    02-1 サンディエゴのバルボアパーク
    プレイストリート
    ストリートを開放し、コミュニティを変革する
    ボニー・オラ・シャークとパークメイキングの誕生
    移動図書館
    ブキニスト
    キッチンカー
    フロリダ州シーサイド:タクティカル(ニュー)アーバニズム

    03 次世代のアメリカの都市とタクティカル・アーバニズムの台頭
    都心回帰
    大不況とニューエコノミー
    都市をハッキングする
    物事を成し遂げるための課題

    04 都市と市民についてタクティカル・アーバニズムの5つのストーリー
    インターセクション・リペア
    04-1 オンタリオ州ハミルトンのインターセクション・リペア
    ゲリラ的ウェイファインディング
    ビルド・ア・ベター・ブロック
    04-2 テネシー州メンフィス:「ビルド・ア・ベター・ブロック」のきっかけ
    パークメイキング:ポップアップパーク、パークレット、パークモバイル
    04-3 パークレットの始まり
    ベイフロント・パークウェイとマイアミのパーキングデーの影響
    道路空間の広場化(Pavement to Plaza)
    ニューヨーク市の広場改善の略史
    パイロットテストを実施する
    04-4 「道路空間の広場化」クイーンズ区ジャクソン・ハイツ

    05 タクティカル・アーバニズムのハウツーマニュアル
    デザイン思考
    誘導的な質問

    06 まとめ:まちに出て、この本を使おう!

    邦訳書に寄せて
  • 2,200(税込)
    著:
    樫原辰郎
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    ロックとはなんだったのか? 進化心理学、認知科学、神経科学、人類学、霊長類学、自然主義哲学、二重過程理論、処刑理論、生物学的市場仮説、お婆ちゃん仮説 etc. ――最新のサイエンスと歴史知識を駆使してロック文化を多角的に考察する。情熱的に語られがちなロックを、冷静に、理性的に、縁側で渋茶をすするお爺さんのように語る、前代未聞のポップカルチャーの哲学。好評連載「ロックの正体」(晶文社スクラップブック)を完全書籍化。

    目次
    1 おもむろに、老人がロックを語り始める
    2 森のゴリラのダンスパーティ
    3 なぜ歌うのか? なぜ踊るのか? なぜ戦うのか?
    4 奴隷と自己家畜化のロックンロール
    5 協力と競走の協奏曲
    6 ロックンロールがロックに変化して実存主義と出会う
    7 良かれと思ってHighway to Hell
    8 メインストリートの文学者
    9 ドラッグ・フロイト・ロックンロール
    10 熱く語れ!……その結果
    11 暗い時代の小春日和
    12 メイド・イン・ジャパン
    13 発表します。資本主義の正体について
    14 ミスマッチにより青年は荒野を目指す
    15 文明化と道徳化のロックンロール
    最終楽章 CODA ロックの正体
    Bonus track あるいは参考文献という名のブックガイド
  • AIが人の仕事を作る世界。
    超高速で拡大する「ギグワーク」の最暗部をえぐる渾身のルポルタージュ。

    Amazon、Google、Microsoft、Uber。
    大企業が提供する自動化(オートメーション)された
    サービスの裏側に潜む、数えきれない「見えない労働者」の
    存在と実情とは。

    【文化人類学者×コンピューター社会学者】
    が新しい局面へと突入した、「労働」の変化をリアルに伝える。

    アメリカ人の推定8パーセントが「ゴーストワーク」で少なくとも一度は働いたことが
    あり、その数はますます増え続けている。
     彼らは通常、これまでの「仕事」において法で定められている最低収入よりも少なく、
    健康上の利点はなく、理由を問わずいつでも解雇されてしまう。この種の「仕事」を管理
    する労働法はまだなく、これらの末日の組立ラインは、驚くほど多様な範囲の労働者を引
    き込んでいる――お金に急いている若いシングルマザー、早期退職を余儀なくされた専門
    家、就職に失敗したものたち。彼らは過労と過少賃金に日々苦しんでいる。
    情報化が進み機械化が進むにつれて増大が予想される「見えない労働者」をどう考える
    か。雇用主、労働者、そして社会がこの新しい種類の仕事とそれに携わる人々についてで
    きることとは何か。

    【目次】
    序 機械の中の幽霊
    第1部:自動化のラストマイルのパラドックス 
     第1章:ループ(作業工程)の中の人間たち 
     第2章:出来高払いの仕事からアウトソーシングへ
      ――自動化のラストマイルの略史 
    第2部:苛酷な仕事 
     第3章:アルゴリズムの残虐とゴーストワークの隠れたコスト 
     第4章:お金(以上のもの)のために熱心に働く 
    第3部:ロボットにやり返す 
     第5章:見ず知らずの人の優しさと協同の力
     第6章:ダブルボトムライン
    結論:目下の課題 

    謝辞
    方法に関する付録
    註一覧
    解説:彼らは幽霊じゃない 成田悠輔
  • 国会でも会社でも商店街の会合でも
    そして学校のなかでも、
    人間の行動には同じ力学=「政治」が働いている……
    いまを生きるわたしたちに必要なのは
    半径5メートルの安全保障 [安心して暮らすこと] だ!

    学校生活のモヤモヤを政治学から見てみると、
    わたしたちはとっくに政治に巻き込まれていた!

    ◆自治:女子の靴下だけ黒限定のトンデモ校則
    ◆議会:かみ合わなくてイライラがつのる学級会
    ◆多数決:むりやり感あふれる過半数ルール
    ◆公平:不登校を「ズルい」と思ってしまう気持ち
    ◆支持:意見を言えない人はどうする?問題

    心をザワつかせる不平等も、友だち関係のうっとうしさも、孤立したくない不安も……
    教室で起きるゴタゴタには、政治学の知恵が役に立つ!
    学校エピソードから人びとのうごめきを読みといて、社会生活をくぐりぬけていこう。
    人が、社会が、政治が、もっとくっきり見えてくる。

    「安全保障、といっても軍備や国家間の紛争の話をしようというわけではない。半径五メートル、それは僕たちの日常の生活空間の話だ。日常の生活空間(とくに教室内)で頭を抱えながらうずくまるのではなく、少しでも心穏やかに、安心して過ごすために、なにより政治学が役に立つ、ということを伝えたいのだ」
    (「はじめに」より)

    【目次より】

    はじめに

    序章 大前提――力を抜いて自分を守る
    ――善・悪・社会
    教室のなかの安全保障/だれも立派にはなれません/友だちが一〇〇人も必要なワケがない/世界史に一度しか登場しない僕たち

    第1章 言うことを聞く/聞かせるということ
    ――権力・合意・自治
    政治とは「選ぶ」こと/僕たちの心の習慣――理由を放置したまま従う/トンデモ校則は守るべき?/「みんなで決めた」というフィクション

    第2章 どうして「話し合い」などするのか
    ――議論・中立・多数決
    話し合いは失敗する/偏りを確認するために/「論破」に含まれているもの/多数決=民主主義?――とりあえずの風速計/黙っているが考えている/言い出せない人のための政治

    第3章 仲間をつくるということ
    ――対立・支持・連帯
    友だちより「仲間」を/対立を恐れず、やみくもに戦わず/上も下もない対等な僕たち――協力関係の組み立て

    第4章 平等をめぐるモヤモヤ
    ――公平・公正・分配
    心がザワつく厄介な「平等」/平等を切り分けてみる/平等でないと困る理由

    第5章 政治は君たちの役に立つ
    ――責任・民主主義・政治
    自己責任論なんて無視してよいのだ/やり直しが前提のシステム――民主主義/学校でも家でもない場所へ

    おわりに
    大人はなかなか変わりにくい/こんな世の中にしてしまった/政治学は教室を放置してきた/僕たちもかつては君たちだった
  • 知られざる数学3カ条
    ◎数学は身体活動
    ◎数学が大得意になる方法がある
    ◎偉大な数学者も私たちも脳は同じように動く

    たくさんの生徒が苦手意識をもち、大人になってもコンプレックスが消えない数学。
    得意なひとと苦手なひと、極端に分かれてしまうのはなぜだろう。
    数学は「学ぶ」ものではなく「やる」もの。
    スプーンの持ち方や自転車のこぎ方のように、正しい方法を教えてもらい、
    使うことで自分の身体の一部になる。
    歴史上の偉大な数学者たちは、直観と好奇心を総動員する術(すべ)を知っていた。
    さまざまなエピソードをひも解きながら、深い理解と柔軟なメンタルへ導く。
    「1+2+3+……+100」出てくる数式はこれひとつ!
  • 1,760(税込)
    著:
    川奈まり子
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    「ふすまの隙間にガムテープを貼ったんです。
    開かずの間に居る者が隙間に目を当てて覗くから。
    ――人間の目、でした」

    家怪談の決定版! 最恐の物件集、ここにあり。
    家族と家が重ねた時間が恐怖に彩られていく。体験者が語る24軒の現代怪異譚。

    【推薦】
    三津田信三(作家)
    「民俗学的知識に裏打ちされた
    確かな取材によって浮かび上がるのは
    家が齎す悍ましいばかりの
    怪異の数々である」

    はやせやすひろ(都市ボーイズ)
    「身の毛がよだつ二十四軒が
    「自宅だけは大丈夫」という甘い思い
    を無慈悲にぶち壊す。
    すみません。先ほどからあなたの後ろ
    に立つ方はご家族ですか?」

    【目次】
    零軒:さとがえり
      一軒:かりずまい 
    二軒:じゅずつなぎ
    三軒:こしかた 
    四軒:おきざり 
    五軒:おんなもん 
    六軒:おにどの 
    七軒:ねずみにひかれる 
    八軒:あらわし 
    九軒:おくつき 
    十軒:えな 
    十一軒:むこどの 
    十二軒:えにし 
    十三軒:かいまみる 
    十四軒:さわりあり
      十五軒:やなり 
    十六軒:やねうら 
    十七軒:あかずのま 
    十八軒:ならわし 
    十九軒:みょうじごめん 
    二十軒:さそいみず 
    二十一軒:とらわれて 
    二十二軒:こもりがき 
    二十三軒:かめおさ 
    霊軒:ただいま
  • 1,540(税込)
    著:
    鳥羽和久
    レーベル: ――
    出版社: 晶文社

    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    BTSから世界とつながる。
    楽曲やメンバーの言葉、ARMYとの関係の分析から、いまを生きるための術をさぐるBTS論の決定版!
     この1冊でARMYはバンタンと出会い直し、そしてBTSに初めて触れる人はその深みに驚嘆する。哲学、文学、精神分析、ケア、資本主義分析などを背景にした、BTSを通した「いま」を生きぬくサバイバルガイド。BTSメンバー(RM・JIN・SUGA・J-HOPE・JIMIN・V・JUNG KOOK)それぞれの魅力を描いたコラム付き。

    【目次】
    1章 BTSとARMY
    2章 二面性のある世界
    3章 アイデンティティ
    4章 BTSの精神分析
    5章 BTSと資本主義
    6章 BTSの現在地
    7章 「推し」の幸福論
    終章 走れバンタン!

    ========本書の内容から========
    1章 BTSとARMY
    BTSという「推し」の見つけ方/新しい時代の価値観を体現するBTS/「推し活」の効用/テテとつながっているなら世界とつながっている/「弱い自分」を内面化する子ども/「推し」のことは私だけがわかる/世界の誰かの「好き」とつながっている/Love Myself 自分を愛すること/連帯するARMY/Save ME ~BTSとARMYは連帯して「私たち」になる/Mikrokosmos ~孤独な星どうしの引力

    2章 二面性のある世界
    長男ジンの魅力/ジンの卓越したバランス感覚/RMという個性のデコボコ/メンバー同士の暗黙の了解/ケアし合うメンバーたち/ムードメーカー、ホビ/BTSのやさしい世界/BTSが見せるダブルバインドな世界/ON ~苦痛を持ってこい/黄金マンネ、ジョングク/Am I Wrong ~特権階級が支配する世界

    3章 アイデンティティ
    彼らの音楽には触れてはならない/BTSのオーセンティシティ/No More Dream ~韓国の学歴社会/O!RUL8,2? ~子どもに「人生を楽しめ」と語る大人の詭弁/バンタンの初期衝動/初期バンタンの弱点と愛おしさ/社会適応して「生きる実感」を失っていく十代/ルサンチマンと精神分析/葛藤を手放さないBTS/文化の盗用?/Ma City ~故郷を歌うアイドル/韓国の地域対立/光州事件の悲劇/「語り」が歴史を形骸化する/BTSの批判精神/光州を歌うホソク/BTSと政治

    4章 BTSの精神分析
    「好き」との付き合い方~シュガの発言から/「享楽」する私たち/「楽な夜を」/好きには嫌いが混じっている/アンビバレンツなシュガの表現/シュガの管理社会批判/悪夢から目を覚ませ/劣化した現実でしかない「夢」/大人は子どもに希望を語ってほしい/Paradise ~僕には夢がない/花様年華 ~いまお前は幸せか?/信念よりもいまを柔軟に生きる/夢に多くの意味を与えてはいけない~シュガのインタビューから/So What ~自分独特のライン/Singularity ~魅惑するテテ、声を封じられた子ども/Inner Child ~内なる子どもに光が差す/BTSというペルソナ/キム・ソクジンの絶望的な暗さ/RMの自己とペルソナの葛藤/BTSというパーソナリティ分裂/Yet To Come ~メッセージの二重性/「ほんとうの自分」なんてない

    5章 BTSと資本主義
    夢が持てない若者/ヘル朝鮮/n放世代/Spine Breaker ~資本主義批判/スプーン階級論/泥のスプーンでベプセ/「浪費」と「消費」の倫理学/Go Go ~YOLO族とノーマネー族/享楽するBTS

    6章 BTSの現在地
    世界的スターに/Sea ~幸せの中で感じる恐怖/海と砂漠/希望のあるところには必ず試練がある/Euphoria ~僕を破滅させるかもしれない陶酔的な幸福感/アポロンとディオニソス./BTSという文学作品/グローバルアイドルBTS/RMの国連演説/RMのオーセンティシティ/「正しい声」を代弁すること/BTSと公共性/UGH! ~「正義」に居直らないこと/アンチと呼ばれる人たち/Butter ~メタファーの効用/政治的正しさの代弁者/非当事者が声を上げること/「傲慢じゃないのか」RMの葛藤/普遍に移行すると特殊性が死ぬ/正しさを代弁する立場から身を剥がす

    7章 推しの幸福論
    現代の幸福論/デフォルトをマイナスに設定する現代/推し活を通して世界とつながる/推すことの危うさ/FAKE LOVE ~嘘をつくのはうんざり/「使用」関係と「支配」関係/「支配」関係に陥り、アンチに転落する/Use me、僕を使用してください/息を吐くように他者を支配する/Pied Piper ~挑発するBTS/Filter ~推しとファンの共犯関係/エグいジミン/Anpanman ~揺れるヒーロー/「推し」を思い通りにしたい/Seesaw ~推しとファンのバランスゲーム

    終章 走れバンタン!
    頂点を極めたBTS/灰色の犀/人間を包摂する資本主義/Yet To Come ~変化について/防弾会食2022を振り返る/RMはグループの発端/「7」の真実/7年間のProof/Black Swan ~僕の声が聞こえているのか?/Run BTS/ジンの入隊/best moment is yet to come

    ■鳥羽和久のメンバーへのコラム
    ナムジュン・・・言葉と詩の人、ソロアルバム『Indigo』、言語と美術
    ソクジン・・・執着を持たない人、ジンのLove Myself、生活者の視点
    ユンギ・・・ユンギペンはヤバい、アンビバレンツな人、精神的な拠り所
    ホソク・・・私の希望、ダンスリーダーで調整役、やさしくて一番熱い人
    ジミン・・・芸術的表現力、「関係性」を大切にする人、クオズの友情
    テヒョン・・・ロマンチックな人、グループを異化する存在、天然の詩人
    ジョングク・・・ミスターBTS、まだまだ足りない、黄金マンネはBTSの宝
  • 少年ミシェルはJ.D.サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』のホールデン・コールフィールド、
    あるいは忘れがたいレジャン・デュシャルムの『曖昧なる鼻』のミルミル加わって、
    私たちの小説の記憶の中に長く留まるだろうことを断言する ―J.M.G ル・クレジオ


    舞台は1970年代終わり頃のコンゴの大都市ポワント=ノワ ール。主人公はアルチュール・ ランボーの『地獄の季節』を愛読し、ブラッサンスを愛聴する少年ミシェル、12歳。ガールフレンドは愛くるしい同級生のカロリヌ。父親はフランス人所有のホテルで働き、白人客が残した本を家に持ち帰ってくる。母親はもう一人子供をほしがっていて、「お腹を開く鍵」はミシェルがもっていると呪術師が告げる。飛行機が頭上を横切り、ミシェルと年上の友人ルネスは着陸する国を夢見ている。自国はマルクス• レーニン主義一党独裁体制。ラジオからはテヘランアメリカ大使館人質事件、イラン皇帝シャーの死などのニュースが流れる。少年ミシェルの周りにおこる数々の波瀾、ユーモラスな出来事、不思議な経験を作家アラン・ マバンクは淡々と暖かい眼差しで描いていく。幼年・青春の思い出を下敷きにした感動の自伝小説。フランス語圏ブラック・アフリカを代表する作家の代表作待望の翻訳。

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