『KADOKAWA、坂東眞砂子、401円~500円(文芸・小説)』の電子書籍一覧
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夫が“常世蟲”と彫られた古い石の器を拾ってから身辺に奇怪な出来事が……
めぐみは平凡な主婦として穏やかな日々を送っていた。ある夜、夫が古い石の器を持って帰宅。富士川のほとりで拾ったというその器には「常世蟲」と彫られていた。この時から彼女は奇怪な夢や超常現象に悩まされ始める。そしてある日、夫の体から巨大な緑色の虫が這い出るのを目撃してしまった! 深まる謎は、古代の俗信仰「常世神」へと遡ってゆく……。日本人の心の底に眠る恐怖を鮮烈なイメージで呼び起こす秀作。高橋克彦氏曰く「私にとって忘れられない作品」。 -
土俗と聖性の混沌。著者独壇場の5編の連作集
土佐の山に囲まれた盆地に。ひっそり佇む嬉才野(きざいの)村。村の家々では、かつて盛大な「神祭(じんさい)」が行われていた。それは、氏神様に一年の収穫を感謝する祭りであり、遠方からの親戚縁者が集い、村が賑わう日でもあった。村に住む老女・由喜の脳裏に甦った、四十年前の「神祭」の奇妙な記憶とは……。ある盆の日、山中に忽然と消えた公務員・定一。山に隠れて、あることないことを吹聴し、村人を嘲弄し始めた。定一は神隠しにあったのか、それとも死んでしまっているのか……。嬉才野村を舞台に、神秘と幻想美あふれる土俗世界を描いた、珠玉の短編小説集。 -
高知の山里で「狗神筋」と忌み嫌われる女の前に現れた青年。二人が結ばれたとき悪夢が……
過去の辛い思い出に縛られた美希は、四十路の今日まで恋も人生も諦め、高知の山里で村人から「狗神筋」の一族と忌み嫌われながらも、静かに和紙を漉く日々を送ってきた。そんな時、一陣の風の様に美希の前に現れた青年・晃。互いの心の中に同じ孤独を見出し惹かれ合った二人が結ばれた時、「血」の悲劇が幕をあける! 不気味な胎動を始める狗神。村人を襲う漆黒の闇と悪夢。土佐の犬神伝承をもとに、人々の心の深淵に忍び込む恐怖を嫋やかな筆致で描き切った傑作伝奇小説。 -
高知の寒村で葛の吊り橋を渡り女のもとに通う青年。男女の心に潜む亀裂と官能
東京で、証券会社に勤務する青年・竜介。多忙を極める仕事と、半年前に妻を交通事故でなくした心の傷から逃れるがごとく、郷里、高知の寒村に帰省した。そこで後家の篤子と再会し、次第に心惹かれて行く。向こう岸の山の斜面に建つその家を訪ねるには葛橋を渡らねばならない。古事記の伝説に基づき、黄泉の国とこの世をつなぐといわれる葛。その葛で編まれた吊り橋が竜介にもたらしたものは……。男と女の心に潜む亀裂と官能が、深い闇から浮かび上がる表題作を含む、傑作中編小説集。 -
タブーもモラルもない、限りない自由と官能を描ききった究極のエロス
日常世界の中でふと垣間見てしまった性の秘密に戸惑いながら、大人への階段を昇ってゆく少女の姿を描いた「世界の真ん中」。村祭りで出会った見知らぬ年上女性に誘惑され、熱く夢のような一夜を迎える少年の心情に迫った「ホップ・ステップ」etc。空港で、更衣室で、金木犀の茂みの中で、性の悦びが光る波となって、私を陶酔の海へと導いてゆく……。未知の扉の向こうに、新しい自分を発見する13の物語を収めた傑作官能小説集。
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