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『国書刊行会(実用、文芸・小説)』の電子書籍一覧

1 ~60件目/全83件

  • ナチが略奪したのは美術品だけではなかった。世界を思想的にも制覇しようという彼らの野望にとって、厖大な量の本や資料を略奪し、それを用いて「敵」を研究し尽くすことが、不可欠な手段だった。
    ナチは「野蛮な知の破壊者」ではなかった。「敵」を知るために厖大な本や資料を読み尽くし、それを利用し歪曲して、ナチの視点から世界史を書き換えるという壮大な目論みが、本の略奪の動機だった。
    戦争末期の混乱のなかでナチが略奪した大量の本は失われ、叢書やコレクションは四散した。戦後ソ連に運ばれたまま戻らぬ本も多い。ドイツの多くの図書館は、失われた叢書を補填すべく、出所を確かめぬまま略奪本を受け入れた。今世紀になり、そのような略奪本を洗い出し、もとの所有者やその子孫に返還する運動が進行中である。 
    著者はヨーロッパ各地を訪れ、本の略奪、蔵書の消滅や四散、そして返還の現在を、新資料とともに検証している。
    スウェーデン「Foundation Bengt Janson's Memorial Fund Prize 2018」受賞作品。

    「このような歴史は、今なおわれわれを驚愕させる。研究者たちが新たな問題を掘り起こし、新たな手がかりを辿ると、初めて明るみに出る事実が今なお存在する」(シカゴ・トリビューン紙)
    「思想史、探偵小説、略奪本返還運動の記録が渾然一体となったこの本は、読者の興味をかきたてずにはおかない」(ロサンジェルス・レビュー・オブ・ブックス)
  • ポール・サイモンの文学的・詩的な歌詞の魅力そして凄さとはなにか? サイモン&ガーファンクル時代からソロ時代まで網羅した『ポール・サイモン全詞集』収録作品と最新作『七つの詩篇』(2023年)の全210曲をあらゆる角度から徹底解説、並外れた技巧と深みを湛えたポール・サイモンの歌詞世界の全貌を解き明かす――『全詞集』訳者による『全詞集』最良の副読本!
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    マンガを描く立場から演出を解き明かす、基本図書として定評のある指導書。マンガの原理論をもとにした説明は具体的、明快で、マンガ家志望者にとって有益な知見に溢れており、創作の道を勇気づけてくれる。
    本書で米クイル賞、英イーグル賞を受賞。ハーベイ賞伝記・歴史・ジャーナリスティック部門最優秀プレゼンテーション賞ノミネート。


    (「はじめに」より)
    やぁ、みんな! スコット・マクラウドさんの『マンガの描き方』をお届けするよ!
    マクラウドさんは日本でも評判の高い『マンガ学』(1998年、美術出版社/2020年、復刊ドットコム)を描いた人さ。この本はマンガというジャンルの成り立ちについていろんな方向から分析し、しかもそれをマンガの形式を使って書いたもの――つまり、マンガによるマンガ論だったんだ。
    この本もそれをふまえたものなので、だから『マンガの描き方』はある意味では『マンガ学』の実践編みたいなものかもしれない。
    この本でも扱われるテーマは幅広いよ。絵とことばでストーリーを語る方法から、キャラクターの作り方、感情の表し方、ことばと絵の組み合わせ方、背景についての考え方、マンガを描くのに必要なツール、マンガのスタイルの多様さ、それからマンガをめぐるコミュニティといったものまで。広いというか、いろんなレイヤーにわたってることがわかるんじゃないかな。(・・・続きは本書で!)
  • 誰も見ることのできなかった、幻のテレビドラマがついに! 名作ドラマシリーズ『ふぞろいの林檎たち』幻の第5部、新発見の『男たちの旅路』の未発表回、未映像化の2時間サスペンスドラマなど貴重なシナリオを一挙収録。『ふぞろいの林檎たち』放送40周年記念。 編・解説=頭木弘樹

    *1983年より始まった青春群像ドラマの傑作シリーズ『ふぞろいの林檎たち』。パート4(97年)で完結とされていたが、なんと幻のパート5が存在していた! パート1〈落ちこぼれ大学生篇〉パート2〈社会人奮闘篇〉パート3〈人生の転機篇〉パート4〈若者たちとの邂逅篇〉につづく、四十代の葛藤を描く完全未発表作『ふぞろいの林檎たちⅤ 』前・後篇(2002-03年頃)。
    *鶴田浩二・水谷豊主演の名作ドラマ『男たちの旅路』シリーズ(76-82年)、その第4部の2話から登場しなくなる水谷豊がなんと出演し続けるバージョンがあった! 新発見の完全未発表エピソード〈オートバイ〉(79年)。
    *山田太一がなんと2時間サスペンスドラマを書いていた!――平凡な夫婦がまきこまれる奇妙な犯罪譚『今は港にいる二人』(82年)
    *附録として、山田太一が初めて書いたシナリオ『殺人者を求む』(58年)を収録。
    *「ふぞろいの林檎たち」「男たちの旅路」全エピソードあらすじ付き
    *山田太一エッセイ「ボツ」収録
  • 4,066(税込)
    著:
    Hieros Phoenix
    レーベル: ――

    本物の魔術を修めんとする、選ばれし者へ
    人生の真意を探る鍛錬〈大いなる作業 magnum opus〉の真髄がここに――
    現役魔術師による確かな経験と実践に基づく正統的理論書。クロウリーの魔術体系と伝説の聖典『法の書』に挑み、魔術師をめざす全ての者のための深遠なる基礎概論。

    【目次】
     序章
    第1部 〈預言者666とセレマの黙示録〉
    第1章 世紀末の獣 アレイスター・クロウリーの伝説
    「黄金の夜明け」参入
    東洋と西洋の秘儀研鑽「銀の星」団結成
    「東方聖堂騎士団」参入
    20 世紀最大の魔術師とトート・タロット
    クロウリー以後の魔術界 オカルト・リバイバルとセレマの発展
    第2章 『法の書』の啓示
    『法の書』伝授とその背景
    『法の書』の主要メッセージ
    『法の書』とセレマイト
    第3章 新時代(アイオン)の魔術とホルスの時代の秘儀参入
    時代(アイオン)の概念と『法の書』以後の魔術的世界観の変革
    「秘められた神」と「真の意志」
    ホルスの時代(アイオン)と子供の術式
    新時代(アイオン)の救世主と筆記者アレイスター・クロウリー
    第4章 「銀の星」団と「東方聖堂騎士団」
    「銀の星」団の魔術カリキュラム
    「東方聖堂騎士団」の位階制度と中核的儀式「グノーシスのミサ」
    21 世紀の「銀の星」団と「東方聖堂騎士団」
    第5章 新時代(アイオン)の修業体系と「大いなる作業」
    錬金術のセレマ的解釈
    黒化 腐敗「聖守護天使の幻視」
    白化 啓発「聖守護天使の知識と会話」
    赤化 昇華「深淵横断」
    第2部 〈戴冠する獣と魔法の杖〉
    第1章 魔術の再生 実践的魔術の基礎
    魔術の定義 その普遍的定義と新時アイオン代の定義
    「黄金の夜明け」団の魔術と新時代(アイオン)の魔術の共通点と差異
    実践魔術の代表的技法とその目的
    第2章 アレイスター・クロウリーと儀式魔術
    カバラと万物照応 『七七七の書』の活用、儀式魔術と霊視
    クロウリーとゲマトリア セレマ魔術特有の用語とその数値的分析
    新時代(アイオン)の魔法円と神殿 魔法武器とその象徴的意味
    セレマの主要儀式一覧と解説
    ホルスの時代(アイオン)の儀式魔術総括
    第3章 アレイスター・クロウリーと神秘主義
    クロウリーと8段階のヨーガ
    『道徳経』『易経』―中国の体系の影響
    仏教の影響―無我、四聖諦、八正道、涅槃
    イスラム神秘主義とその影響
    タントリズムとクロウリーの性魔術
    第4章 魔術の実践的アプローチ
    魔術実践のための基礎的考察―検討すべきポイント
    初学者のための基礎訓練カリキュラム
    ソロ魔術師と結社所属魔術師の相違点
    必須参考文献紹介
     終章
    附録Ⅰ 『OZ の書』セレマイト宣言書
    附録Ⅱ 用語解説
    附録Ⅲ 参考文献一覧
  • 「まぎれもない世紀末文学者の一人であろう。」澁澤龍彦
    「文学の森には驚くほど美しい宝石が隠れている。」河村錠一郎

    冴えない元聖職者志望が、突然「ローマ教皇」に――!?

    屋根裏部屋で一匹の猫と暮らす中年作家ジョージ。聖職者を志すも夢破れた彼のもとに、ある日突然、枢機卿が訪れる。「あなたが教会での将来を断たれたのは誤りでした。」念願の神父となったジョージが、観光気分で教会選挙に沸くローマへ行くと、知らぬ間に教皇に選出されていた! 「ハドリアヌス七世」を自称したジョージは、型破りな〈宗教改革〉に乗り出し、謀略渦巻く教皇庁に大波乱を巻き起こす――! 澁澤龍彦も注目した、異形の英国世紀末作家による〈伝説的奇書〉にして破天荒な〈自伝的幻想小説〉が、遂に邦訳!!!

    ★栞エッセイ=河村錠一郎

    ・澁澤龍彦、生田耕作、丸谷才一、D・H・ロレンス、グレアム・グリーンらが注目・絶賛した「異形の英国世紀末作家」の代表作。
    ・河村錠一郎氏の紹介により、文学の「裏街道」読者に邦訳が待望されていた「幻の奇書」。
    ・造語や古語を鏤めた革新的で実験的な文学的手法を駆使した、英国モダニズム文学の正統な「古典的名著」。
    ・聖職者を志すも挫折した作家の男が書いた「作家が教皇に成り上がる物語」。いわば「100年前のなろう小説」。
    ・英ガーディアン紙「最高の英語小説100冊」選出。
    ・英国の名門ペーパーバック「ペンギン・クラシックス」所収。
  • 11歳の少年JRが巨大コングロマリットを立ち上げて株式市場に参入、世界経済に大波乱を巻き起こす――!? 
    ミステリ作家・殊能将之も熱讃した、世界文学史上の超弩級最高傑作×爆笑必至の金融ブラックコメディがついに奇跡的邦訳!!
    第27回全米図書賞受賞作。


    ***

    ロングアイランドのとある公立学校に通う少年JR・ヴァンサントは、弱冠11歳にして金儲けに興味津々、いつも頭の中はビジネスチャンスのことばかり。
    ある時JRは、軍需余剰品売買の情報を得て、自身のクラス・6年J組名義で勝手に銀行口座を開設、わずかな資金で要領よく海軍放出のピクニック用フォークを大量に陸軍へ売却し、大儲けに成功した。また一方で、社会見学の時間にクラスのお金でたった1株を買っただけのケーブル会社の社則違反を見つけ出し、株主として損害賠償を請求、さらなる大金をせしめる。
    こうして得た資金を元手に潰れかけの紡績会社を買収し、企業経営に乗り出したJRは、音楽家志望の教師バストを代理人としてこき使いながら、わらしべ長者的に投資規模を拡大。いくつもの中小企業を雪だるま式に乗っ取り、「JR社ファミリー」なる企業グループを瞬く間に築き上げる。マッチポンプ方式でグループ内の連携を強化し事業を軌道に乗せ、満を持してアメリカ株式市場に参入。
    かくしてアメリカンドリームを体現するがごとく成功の道を突き進むかに見えたJR社ファミリーだったが、間もなくJR自身の手に負えなくなり、市場を貪欲に飲み尽くす巨大コングロマリットと化し大暴走、数多の企業や人々を巻き込み、世界経済に大波乱を巻き起こす――!

    訳者あとがきの一部をこちらでご覧いただけます。
    書評サイト「ALL REVIEWS」 https://allreviews.jp/review/2831
  • 超高密度文体で紡がれる黙示録的ゴシック・サスペンス! 

    全米図書賞&日本翻訳大賞受賞作『JR』の作家ギャディスによる、一軒の古いゴシック式洋館を舞台に繰り広げられる、世界的陰謀と底無しの悪意が渦巻く狂騒劇――



    今は亡き大鉱山主の娘エリザベス・ブースは、ハドソン河畔にある古いカーペンター・ゴシック様式の屋敷に、夫ポールと暮らしていた。
    山師気質で粗暴なポールは、メディアコンサルタントとしての成功を目論見、いくつもの胡散臭い事業の立ち上げを画策し動き回っている。
    ひっきりなしに屋敷にかかってくるいくつもの電話、そして訪ねてくる怪しい男たち。
    彼らが交わす錯綜した会話の断片からは、CIA、FBI、放送局、種子販売会社、鉱山開発会社などの影が垣間見え、やがて巨大利権をめぐる遠大な世界的陰謀へと話は広がり、エリザベス自身もそこで起こる事件へと巻き込まれていく……
    全米図書賞受賞『JR』の作家ギャディスによる、一軒の屋敷を舞台に繰り広げられる、超絶技巧×超高密度文体のゴシック・サスペンス&黙示録的狂騒会話劇。
    (1985年作)
  • 『ドードーをめぐる堂々めぐり』著者川端裕人が贈る、スリリングで感動的な「絶滅動物小説」!

    科学記者の「タマキ」は、ゲノム研究者になった幼馴染「ケイナ」と二十年ぶりに再会した。
    ステラーカイギュウ、リョコウバト、オオウミガラス、そして、ドードー鳥と孤独鳥……自然豊かな房総半島南部の町で過ごした小学生の頃から、絶滅動物を偏愛してきたふたり。

    カリフォルニアで最先端のゲノム研究「脱絶滅」に取り組むケイナに触発されたタマキは、江戸時代に日本の長崎に来ていたという「ドードー鳥」の謎と行方を追う旅へと乗り出した。

    〈もっと知りたいと願った。
     ドードー鳥と孤独鳥の秘密を、ケイナちゃんとわたしを結びつける秘密を。〉

    日本、アメリカ、欧州、そしてドードーの故郷モーリシャスへ。
    やがてふたりの前に、生命科学と進化の歴史を塗り替える、驚愕の事件が待ち受けていた――

    会いに行こう! もう会えない「幻の鳥」に――


    忖度なしの〈堂々たるドードー小説〉
    『ドードー鳥と孤独鳥』、堂々刊行!


    *美麗函入
    *挿絵多数収録

    ◎装幀・本文設計=山田英春
    ◎装画=Dodo/Solitaire, Extinct Birds, Walter Rothschild, 1907, William Frohawk del. より
  • 謎の生命体「こんとん」の取材記者として調査船に乗り込んだ男女。たどり着いた島=こんとんの上で、二人が見たものとは……。(「こんとんの居場所」)

    防衛省のシステムに侵入した天才少年ハッカーが開いたのは、人類を"次の段階"に進める禁断の扉だった。人々が次々と人間の姿を失っていく中、ある親子が再会する。(「白い霧」)

    それは滅びか、救済か――。
    文藝賞受賞作『いつか深い穴に落ちるまで』(2018)、『孤島の飛来人』(2022)に続く、現代文学の異才による最新作品集!

    ◆赤坂真理氏、ラランド・ニシダ氏、推薦!

    「退屈な日常から、非日常にグラデーションで少しずつ染まっていく感覚。読書の喜びの根源に触れた気がする」
    ニシダ(ラランド)

    「するする運ばれていくうちに思いがけないところにいて、たとえそれが破滅かもしれなくても、笑えてしまう。ああ、言葉にだけ可能な、こんな旅があるのだ」
    赤坂真理(作家)
  • 爛熟の世紀末文学

    マリオ・プラーツが『肉体と死と悪魔』において言及した数少ないスペイン作家バリェ=インクラン。W・B・イェイツやガルシア=ロルカを想起させる作品など、この世ならぬ場所へと誘う、17の短篇小説。頽廃の園へ。

    神秘主義的なキリスト教と土俗的な民間信仰、背徳的な罪咎の宴――

    高貴な輝きと隠遁の雰囲気を湛えた昏い廃園は、夢うつつに微睡みながら訪れる客人を待ちわびる。

    「放しません。貴女は僕のもの、貴女の魂は僕のものです……肉体は欲しません、いずれ死がそれを奪いに来るでしょうから。」
    ――「我が姉アントニア」より

    装丁:岡本洋平(岡本デザイン室)
  • 自動機械の自立性向上に特化された近未来の軍事的進歩は、効果的かつ高価になり、その状況を解決する方法として人類は軍備をそっくり月へ移すことを考案、地球非軍事化と月軍事化の計画が承認される。こうして軍拡競争をAI任せにした人類であったが、立入禁止ゾーンとなった月面で兵器の進化がその後どうなっているのか皆目わからない。月の無人軍が地球を攻撃するのでは? 恐怖と混乱に駆られパニックに陥った人類の声を受けて月に送られた偵察機は、月面に潜ってしまったかのように、一台も帰還することがなかったばかりか、何の連絡も映像も送ってこなかった。かくて泰平ヨンに白羽の矢が立ち、月に向けて極秘の偵察に赴くが、例によってとんでもないトラブルに巻き込まれる羽目に……《事の発端から話した方がいいだろう。その発端がどうだったか私は知らない、というのは別の話。なぜなら私は主に右大脳半球で記憶しなくてはならなかったのに、右半球への通路が遮断されていて、考えることができないからだ》レムの最後から二番目の小説にして、〈泰平ヨン〉シリーズ最終話の待望の邦訳。
  • シリーズ15冊
    2,500(税込)
    訳:
    江部鴨村
    レーベル: ――

    「大乗思想の最高頂に達したもの」(鈴木大拙)「世界最高の文学」(川端康成)と評され、法華経と並んで大乗仏典を代表する経典といわれる華厳経。この仏教の根本経典の我が国唯一の口語全訳本を電子書籍化。本電子書籍は『口語全訳華厳経』の分冊版です。『口語全訳華厳経 1 寂滅道場会』には 復刻にあたって/緒言/凡例/解題/華厳経の主題/華厳経の内容/華厳経の原理/華厳経の表現/華厳経の結構/華厳経の伝承/世間浄眼品/盧舎那仏品を収録。
  • 2,957(税込)
    著:
    千和裕之
    レーベル: ――

    戦中映画の名作『無法松の一生』でヒロインを演じ、日本中を魅了した園井恵子。宝塚少女歌劇では春日野八千代らと舞台に立ち、随一の演技派として活躍。女優として阪東妻三郎、高峰秀子、丸山定夫らと映画や舞台で共演し、高い演技力と気品ある美しさから未来の大女優を嘱望されるも、終戦直前の昭和20年8月、滞在先の広島で運命の日を迎える――。
    大林宣彦『海辺の映画館 キネマの玉手箱』、井上ひさし『紙屋町さくらホテル』のモデルになるなど、死後75年を経ていまも語り継がれる伝説の女優であり、演劇を通して自立した女性の生き方を追い求めた32年の劇的な生涯を、丹念な取材により描く初の本格評伝。
  • ◆『フランケンシュタイン』+『そして誰もいなくなった』……ホラー、ミステリの「優良物件」を名匠がどう料理するのか!?(山口雅也)

    メキシコのバハ・カリフォルニア沖に浮かぶホースシューアイランド、この島に設立された国際低温工学研究所(ICI)の代表ローレンス・ホッブズ博士は、極秘裏にある実験計画を進めていた。長期間冷凍保存していた複数の体から外科手術によって脳や臓器を取り出して殻(シェル)となる体に移植し、人間を蘇らそうというのだ。
    コンピュータやテクノロジーに関するあらゆる犯罪を捜査するコンピュータ検察局(CIB)は、ICIの活動に疑念を抱き、捜査員アール・ジャジーンをこの手術の記録撮影技師として島に送り込む。潜入捜査を開始したジャジーンだったが、やがて思わぬ事態に直面する。手術によって「彼」が心拍と脈拍を取り戻した翌朝、ICIの後援者エミリー・ワトソンが行方不明となり、その後何者かによって外部との連絡手段を絶たれたこの孤島で、手術のために集められた医師たちが一人、また一人と遺体となって発見される。
    現代ミステリの旗手ホックが特異な舞台設定で描くSFミステリ〈コンピュータ検察局シリーズ〉最終作。本邦初訳。

    装訂・シリーズロゴデザイン=坂野公一(welle design)
  • カズオ・イシグロ(ノーベル文学賞作家)絶賛!
    「美しく、怖ろしい……近ごろ私が発見した最高に面白い小説」
    ――ガーディアン紙「今年のベスト・ブック(2021)」

    〈文学界のロック・スター〉〈ホラー・プリンセス〉エンリケスによる、12篇のゴシカルな恐怖の祭典がついに開幕!!!

    寝煙草の火で老婆が焼け死ぬ臭いで目覚める夜更け、
    庭から現れどこまでも付き纏う腐った赤ん坊の幽霊、
    愛するロック・スターの屍肉を貪る少女たち、
    死んだはずの虚ろな子供が大量に溢れ返る街……


    「もっと 火をつけねば」


    〈スパニッシュ・ホラー文芸〉とは
    エルビラ・ナバロ、ピラール・キンタナ、サマンタ・シュウェブリン、フェルナンダ・メルチョール、グアダルーペ・ネッテル――今、スペイン語圏の女性作家が目覚ましい躍進を遂げている。作家によっては三十か国以上で翻訳され、世界中で好評を博すなど、現代文芸シーンにおける一大ブームとなっている。中でも、社会的なテーマを織り込みながら、現実と非現実の境界を揺るがす不安や恐怖を描いた作品群である〈スパニッシュ・ホラー文芸〉は、特に高く評価され、全米図書賞などの著名な賞の候補にも作品が上がるなど、今、最も注目すべき熱い文芸ジャンルの一つである。本書の著者マリアーナ・エンリケスは、〈文学界のロック・スター〉〈ホラー・プリンセス〉と称され数々の賛辞を受ける、現代アルゼンチン文学の頂点に君臨する作家である。


    【2021年度国際ブッカー賞最終候補作】
    LOS PELIGROS DE FUMAR EN LA CAMA, Mariana Enriquez, 2009
  • 雹と雨と雷鳴の狂乱とも形容すべきすさまじい嵐の夜、没落した名家バナーワース家の館の一室で眠るフローラは、ふと得体の知れない何者かが窓を破って部屋に侵入しようとしていることに気づく。恐怖で凍り付き、四肢を硬直させ、「助けて」とつぶやくことしかできないフローラが目にしたのは、血の気のない蒼白な顔、磨かれたぶりきのような目、深く裂けた唇、そしてぞっとするような瞳にも増して、なにより目を引く、白くぎらぎらした鋭い牙のような、猛獣のそれを思わせる突き出た醜悪な歯を持つおぞましい生き物であった。部屋に侵入した怪物は、不気味な咆哮をあげながらフローラに近づき、その長い髪を手にからめとって体をベッドに押しつけると、鋭い金切り声を上げるフローラの喉笛に牙のような歯を突き立てた。ほとばしる血潮が滾々とあふれ、室内にはそれを吸う異様な音が響いた……
    ヴィクトリア朝時代のイギリスで、週刊の安価な媒体に連載された《ペニー・ドレッドフル》の代表的な作品であり、以後のあらゆる吸血鬼作品や吸血鬼造型の原点ともなったゴシック・ホラー小説の伝説的作品、世紀を超えて、ついに刊行開始!

    装訂・シリーズロゴデザイン=坂野公一(welle design)
  • 過保護に育てられたレデヴン館の相続人ビル・レデヴン少年は、同年代の少女のいる知人宅で休暇を過ごすよう親に命じられ、気乗りしないまま、シルバーのロールスロイスに乗せられ目的地に向かっていた。ところが、霧が濃くたちこめた荒れ地の途中で、いきなり、意味も分からないまま、お抱え運転手のブランドンに車からつまみ出されてしまう。同じころ、周到な計画のもとに、〈ナイフ〉と呼ばれる若者がボースタル少年院から逃亡する。
    ビルは荒れ地をさまよううちに少年パッチと知り合い、行動をともにするようになる。二人はビルが思わぬ形で手に入れた暗号で書かれた文書を解読しながら、〈にやついた若者〉、〈ヴァイオリン〉、片手が鉤爪の男との、追いつ追われつの冒険へと踏み出してゆく。
    オールタイムベスト級の傑作を次々と発表し、いわゆる英国ミステリ小説の黄金時代最後の作家としてゆるぎない地位を築いたクリスチアナ・ブランドが、すべての少年少女のために、みずみずしい筆致で、荒涼とした大地と海が広がるイギリス南部のダートムアを舞台に繰り広げられる冒険を描いたジュヴナイルの傑作。

    装訂・シリーズロゴデザイン=坂野公一(welle design)
  • ストリッパーとしてオハイオ州コロンバスのゲイエティ劇場に出演していたジプシー・ローズ・リーは、旧知の興行主H・I・モスに誘われ、親友のジージー・グレアムとともに、彼がオーナーを務めるニューヨークのオールド・オペラ劇場に移籍する。華やかな舞台の裏で繰り返される、踊り子同士のいがみあいや喧嘩、口さがない悪口、踊り子とコメディアンとの恋愛沙汰、警察による手入れ、と移籍先での毎日は騒がしい。そんな中、新しいトイレのお披露目を口実に楽屋で開かれたパーティの席上で、皆から嫌われていた踊り子のロリータ・ラ・ヴェルヌが、Gストリングを首に巻きつけた状態の遺体で発見される。自身にも嫌疑を向けられたリーは、恋人のビフ・ブラニガンとともに調査を始めるが、やがて第二の殺人が!
    一癖も二癖もある人間が出入りし、生々しい人間関係が渦を巻く猥雑を極めたバーレスクの世界を舞台に繰り広げられる、アメリカン・バーレスクの伝説的スターによる異色のミステリ、ここに開幕! クレイグ・ライス代作説を徹底究明した前説だけでもミステリ・ファンはMUSTの一冊。

    ◆女性読者の皆様、「ストリッパー」という惹句を目にして敬遠するなかれ。本作は、ボーヴォワールが『第二の性』を著す以前の1941年に、アメリカの知的で自立した女性の生きざまというフェミニズム・テーマを、声高でなく面白おかしく描いた文学的価値もあるミステリ良作なのです。(山口雅也)

    装訂・シリーズロゴデザイン=坂野公一(welle design)
  • 「虚構と現実のあわいに君臨する異能の作家。」(山口雅也)

    「人形は死を告げる」「つなわたりの密室」「殺人者」「殺しの時間」「わたしはふたつの死に憑かれ」「恐ろしく奇妙な夜」の6編を収録した、『赤い右手』の作者ジョエル・タウンズリー・ロジャーズによる中短編傑作集。
    【アラート】ネタバレの恐れがあるのであらすじ等は一切書きません。

    《目次》
    【炉辺談話】 『恐ろしく奇妙な夜』(山口雅也)
    人形は死を告げる
    つなわたりの密室
    殺人者
    殺しの時間
    わたしはふたつの死に憑かれ
    恐ろしく奇妙な夜
  • チェルシーに住む二組の芸術家夫婦が、初めての下宿人であるベンジャミン・カンを隣家から迎えることになった。だがしかし、その隣家とは、クリフォード・フラッシュによって設立された、法廷で無罪放免となった殺人犯たちが生活を営むアスタリスク・クラブの本部であった! ところが、カンが下宿を始めた翌朝、あちこちにネズミが出没する下宿の自身の部屋で息絶えたカンを、芸術家の妻ファンが発見する。カンとの連絡が途絶えたことを不審に思ったフラッシュは、リリー・クルージを新たな下宿人として送り込むが、リリーとも連絡がとれなくなってしまう。下宿人を迎え入れるたびに次々と死体になっていくことで疑心暗鬼となり恐慌をきたした夫婦たちが死体の処分を巡って右往左往の大騒ぎを繰り広げるいっぽう、二人が殺害されたことを知ったアスタリスク・クラブの面々は、秘密裡に死体を取り戻すべく芸術家宅への侵入を企てる…… 熱烈なファンを生み出し、近年再評価の著しいパミラ・ブランチによる、ブラック・ユーモアをふんだんにちりばめたクライム・コメディの傑作!
  • アメリカの天才物理学者ルーカス・マルティーノは、自らが立案した極秘のK88計画の実験中に大爆発に巻き込まれ瀕死の重傷を負った。事故の起きた研究所が、連合国支配圏とソビエト社会主義国支配圏の境界近くにあったため、マルティーノはいちはやく現場に駆けつけたソビエト側の病院に収容されてしまう。そして3か月後、外交交渉の末、マルティーノは解放されることになる。だが国境線の検問所のゲートから現れたのは、卵型の金属の仮面をつけ、体のほとんどが機械で出来た、変わり果てた姿のマルティーノであった! 果たして彼は本物のマルティーノなのか、それとも別人なのか、本物であれば洗脳されているのではないのか、解放したソビエトの意図とは? 解放に立ち会った中央ヨーロッパ国境地区の保安責任者ショーン・ロジャーズは、様々な方法でこの人物の正体をつきとめようと試みるもののことごとく失敗に終わる。その後、新たにマルティーノの追跡調査担当者に任命されたロジャーズは、マルティーノをニューヨークに送り届け、彼を泳がせ、その行動を追跡することで正体に迫ろうとするが……。全編に緊張感をみなぎらせ、独特の抒情を漂わせつつ展開する、SF界の巨匠バドリスの代表的長編SFサスペンス。 装訂・シリーズロゴデザイン=坂野公一(welle design)
  • 3,001(税込)
    著:
    山尾悠子
    レーベル: ――

    迷宮的作家・山尾悠子の足跡を辿る500頁。  
    泉鏡花・澁澤龍彦・ボルヘス・デルヴォーなど、偏愛する作家や画家をめぐる文章、自作解説、回想、掌篇小説など全80余編。20代の若書きから現在に至るまで、初のエッセイ集成。書き下ろしの「読書遍歴」も収録。
  • 6,160(税込)
    編・訳:
    河﨑豊
    編・訳:
    藤永伸
    訳:
    上田真啓
    訳:
    藤本有美
    訳:
    堀田和義
    訳:
    八木綾子
    他1名
    レーベル: ――

    古代インドで仏教と同時期に同地域で誕生し、いまなおインドで続くジャイナ教。初期仏典にも多くの記録が残り、祖師マハーヴィーラは六師外道のひとりニガンタ・ナータプッタとされ、主な教義と死亡記事も伝わる。しかも、ジャイナ教聖典と同一の詩句が仏典中に多く見られ、仏教の教えとして伝わっている。
     ジャイナ教徒はインド総人口のわずか0.4%ではあるが、19世紀にはインド民族資本の大部分を占めていたといわれ、マハートマ・ガーンディーの非暴力・菜食主義に影響を与え、南方熊楠はその徹底した不殺生を仏教よりも高く評価した。
     本書には、ジャイナ教の二大分派である白衣派の聖典から、【第Ⅰ篇】には古層文献を、【第Ⅱ篇】には出家者と在家者との戒律文献を、【第Ⅲ篇】には初期仏典と共通する伝承から作られたパエーシ王の物語を、【第Ⅳ篇】にはジャイナ教の祖師マハーヴィーラの伝記を収めた。
     【第1章】『アーヤーランガ』第一篇は、出家修行者が解脱を達成するために遵守すべき禁欲的な修行生活全般を主題とする。なかでも第九章は、マハーヴィーラ出家後の厳しい苦行生活を古風な韻文で描いた、最古の祖師伝である。
     【第2章】には、『スーヤガダンガ』第一篇第四章と第五章第一節を収めた。前者は男性出家者が女性との接触を避けるべきことを教示しており、最初期ジャイナ教のジェンダー観に有意な資料を提供する。後者は最初期ジャイナ教の地獄観を表す資料であり、『スッタニパータ』などの初期仏典、ヒンドゥー教の大叙事詩『マハーバーラタ』や法典『マヌ法典』にも類似した観念が見出され、当時の地獄観の共通認識を知るうえで欠かすことができない。
     【第3章】には『ウッタラッジャーヤー』から古層に属する第一章から第二〇章、そして第二五章を収めた。出家者の生活への心構え、説話、伝説、対話篇、修行論、解脱論や業論といった教学的議論など、さまざまな内容で構成され、仏典にも並行する詩句が見出される。
     【第4章】『ダサヴェーヤーリヤ』(十夜経)は、基本的な教義や出家生活上の規定をまとめた白衣派の古層をなす聖典であり、現在でも出家の儀式を終えた者が最初に学習する派もある。
     【第5章】『ウヴァーサガダサーオー』第一章は、白衣派聖典中、もっともまとまって在家信者の宗教生活を説く章であるとともに、後に数多く著された在家信者向けの行動規範マニュアルの祖型ともなり、ジャイナ教の在家信者観をうかがう上で欠かすことのできない資料である。
     【第6章】には、来世を信じず霊魂と身体が同一であると主張するパエーシ王と、ジャイナ教僧ケーシの対話である「パエーシ王物語」(『ラーヤパセーニヤ経』後半部)を収めた。訳注には、これに並行するパーリ仏典と3本の漢訳仏典との対応箇所を記した。
     【第7章】には、白衣派ジャイナ教在家者にもっともよく知られる『ジナチャリヤ』(ジナたちの伝記)からマハーヴィーラ伝を収録した。
     【第8章】『ヴィヤーハパンナッティ』第九篇第三三章「クンダッガーマ」を収めた。前章においてマハーヴィーラは最初にバラモン族の夫人の胎に宿り、胎児のままクシャトリア族の夫人の胎に移った。本章前半では、最初の母であるバラモン族の夫人と夫がマハーヴィーラと再会し、出家して解脱するまでが描かれる。後半部では、最初の教団分裂を引き起こしたジャマーリの出家から死までが記され、仏典におけるデーヴァダッタの破僧事件を彷彿とさせる。
     アルダマーガディー語原典から訳出された本書により、マハーヴィーラ在世時の姿が、ここに蘇る。
  • 3,001(税込)

    川の中洲で共食いを繰り返す異常繁殖した白兎たち、

    耳から生えてきた肢に身体を乗っ取られた作家、

    レストランで供される怪しい肉料理と太古の絶滅動物の目撃譚、

    死んだ母親から届いたフェイスブックの友達申請……



    今、世界の文芸シーンでブームの渦中にある〈スパニッシュ・ホラー〉の旗手による、11篇の鮮烈な迷宮的悪夢が本邦初上陸!!!



    現実と地続きに現出する奇怪な歪み、底知れぬ不安と恐怖を、

    生理的嫌悪感を催すような濃密で冷たい筆致で描き切った、

    現代スペインホラー文芸の旗手による11篇の鮮烈な傑作怪奇幻想短編集!



    〈スパニッシュ・ホラー文芸〉とは

    マリアーナ・エンリケス、ピラール・キンタナ、サマンタ・シュウェブリン、フェルナンダ・メルチョール、グアダルーペ・ネッテル――今、スペイン語圏の女性作家が目覚ましい躍進を遂げている。作家によっては三十か国以上で翻訳され、世界中で好評を博すなど、現代文芸シーンにおける一大ブームとなっている。中でも、社会的なテーマを織り込みながら、現実と非現実の境界を揺るがす不安や恐怖を描いた作品群である〈スパニッシュ・ホラー文芸〉は、特に高く評価され、全米図書賞などの著名な賞の候補にも作品が上がるなど、今、最も注目すべき熱い文芸ジャンルの一つである。そして、このほど本書で初めて邦訳紹介するスペインの新進作家エルビラ・ナバロも、その代表的な書き手として数えられる。



    作者エルビラ・ナバロは世界最大の文学誌Granta誌(英)のスペイン語圏ベスト若手作家にも選出された気鋭の作家。 本書の英訳版(2021)は、ニューヨーク・タイムズ紙、ロサンゼルス・タイムズ紙などの各紙誌でも絶賛され、同年の全米図書賞翻訳文学部門ロングリストにノミネートされた。



    「この作家は生まれながらの文学的才能に恵まれている」エンリケ・ビラ=マタス

    「不安を掻き立てる、カフカ風ですばらしい語り口」マヌエル・ジョレンテ



    La isla de los conejos, 2019



    【目 次】

    ヘラルドの手紙

    ストリキニーネ

    兎の島

    後戻り

    パリ近郊

    ミオトラグス

    地獄様式建築に関する覚書

    最上階の部屋

    メモリアル

    歯茎

    占い師



    謝辞

    訳者あとがき
  • 2,323(税込)
    著:
    H・H・ホームズ
    訳:
    白須清美
    製作総指揮:
    山口雅也
    レーベル: ――

    伝説の「さまよえるユダヤ人」を名乗るアハスヴェルが主宰する教団「光の子ら」を糾弾すべく準備を進めていたカルト宗教の研究者ウルフ・ハリガンは、ひょんなことから知り合った作家志望の青年マット・ダンカンの協力を得、二人は「光の寺院」で開かれる教団の集会に参加する。その集会の場で、全身に黄色い僧衣をまとった教祖アハスヴェルは、信者たちとともに「ナイン・タイムズ・ナイン」の呪いを唱え、ウルフの死を予言する。
    その翌日、ハリガン家の家族とクロッケー場でゲームに興じていたマットがふとウルフのいる書斎を見ると、ウルフの机に身をかがめている黄色い僧衣を着た人物の姿が目に入る。窓は施錠されており、邸内の扉から書斎に入ろうとするものの、やはり鍵がかかっていて中に入れない。再び外に出て窓から中をのぞくと、ウルフは顔面を撃たれて床に倒れており、存在したはずの黄色い衣の人物は消え失せていた……。
    この不可解な密室殺人の謎に直面したダンカンは、探偵小説嫌いのマーシャル警部補と共に「密室派の巨匠」ジョン・ディクスン・カーの《密室講義》を参照しながら推理・検討をするのだが、なんと《密室講義》のどの分類にも当て嵌まらないことが判明する。困惑する捜査陣を前に、難事件の経緯を知った尼僧アーシュラは、真相究明のために静かに祈りを捧げるのだった……。果たして異色の尼僧探偵の祈りが通じ、神をも畏れぬ密室犯罪の真相が看破されるのだろうか!?
    ジョン・ディクスン・カーに捧げられ、エドワード・D・ホックが主催する歴代密室ミステリ・ベストテンにも選出された、都市伝説的密室ミステリが新訳によって半世紀の時を経てここに甦る!

    装訂・シリーズロゴデザイン=坂野公一(welle design)
  • シリーズ7冊
    2,851(税込)
    著・イラスト:
    和田誠
    レーベル: ――

    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    イラストレーター・グラフィックデザイナーとして活躍し、さらにエッセイスト・映画監督・作曲家など多彩な顔をもつ和田誠(1936–2019)の代表作にして、映画エッセイの名著が愛蔵版で復活! 書き下ろしエッセイ=村上春樹

    記憶に残る〈映画の名セリフ〉をイラストレーションとともに紹介する本シリーズは、「キネマ旬報」で1973年から23年のあいだ断続的に連載され、全7巻の単行本にまとまり長年映画ファンに愛されてきた。今回オリジナルのまま再現した本体を函に入れた特別仕様で復刊、各巻に書き下ろしエッセイを掲載した栞を付す。
  • 2,112(税込)
    著:
    山田佳央
    レーベル: ――

    本書は、「中学受験・大手塾が合わない子の国語の教科書」である。
    みなさんは「中学受験の国語ができる子の二つの事実」を知っていますか?

    一つ目は、国語ができる子は「大手塾に入る前からすでにできている」という事実。
    つまり国語ができる子は、そもそも国語を勉強していないのである。

    本書では国語ができる子と国語ができない子の比較をしながら課題を詳しく解説。
    著者も国語が苦手で、10以上の大小の塾や通信教育、個人指導も受けたが一向に伸びず、国語が足を引っ張ったため浪人も経験。

    本書の目的は国語ができる子が入塾前に身につけている国語の基礎・土台にあたる部分を、できない子に身につけてもらうことである。それを「国語の心得」と名づけた。具体的にいうと三つの取り組み方と四つの考え方に分けられる。これらが身につけば、現在大手塾の集団授業での理解も進み、演習も身についていく。それらが身についていない子は複数年集団授業を受けても伸びない。ここに大きな原因があった。

    二つ目は、「集団授業を受信できる子」という事実。

    集団授業ではあらかじめ決まった難関校合格に向けたカリキュラムと、想定する子供の課題を解決するための解決策を提示していく。それを受信できる子は、塾が設定したカリキュラムについていける子であり、塾が想定した課題とのギャップは少ない。発信される情報を集中して聞き、理解することができる子。つまり受信できる子である。

    一方で大手塾に合わない子は受信できない子である。原因として、子供が抱える課題と塾の想定している課題がズレているか、子供が想定外の課題を持っているかである。

    ここで重要なのは子供一人一人の課題をきちんと理解することである。授業や解決策を提示する前段階の話である。本書ではそれを「聞く授業」と呼んでいる。子供の課題から授業する著者の聞く授業と、志望校合格へ向けた発信する大手塾の集団授業や、有名ユーチューバーの講義とは出発点がそもそも違うのである。

    著者は1対1の個別指導塾講師であり、中学受験生である子供の一人一人が抱える特殊な課題の理解に努めてきた。それは個別性が高い(特殊かつ多様)ことが原因となっていることを見つける。

    集団授業や動画配信する授業は汎用性、網羅性がある一方特殊性はなく、多様ではない。だから国語が苦手な子に理解することが難しいのだ。「できない子の現実」と一人一人と向き合い続けて20年。子供たちの声を「聞く」ことに努める指導を積み上げ、個別性と特殊性を重点においた結晶のような国語の教科書である。
    わかりやすい表現や言葉を厳選しており、親はもちろん、読むことに慣れてきたら高学年の小学生も読むことが可能。

    本書のエッセンスは、「大手塾とは違う ! 個性と主観重視する」、「アニメ、漫画、ドラマ等も使って学べる」、「簡単 ! 親が読めば子を伸ばせる」など。
  • 1960年代。さまざまな人種と階層の人間が行き交う混沌の街、ニューオーリンズ。

    無職、肥満、哲学狂、傍若無人な怠け者にして、口達者なひねくれ者の30歳崖っぷち問題児イグネイシャスは、子煩悩な母アイリーンとふたりで郊外の小さな家で暮らしながら、どこに発表するというあてもない論文を、子供向けレポート用紙に書き散らしていた。

    しかしある時、ふたりで街に出かけた帰り、母が自動車で他人の家に突っ込んで多額の借金をこさえ、その返済のため、イグネイシャスはしぶしぶ就活を始める。

    イグネイシャスは、潰れかけのアパレル工場、次いで零細ホットドッグ移動販売業者で職を得るが、職場では仕事を放り出し、事務所をリボンで飾り付けつつ黒人たちの労働デモを扇動したり、ホットドッグをつまみ食いした挙句に声を掛けてきた怪しい男に屋台を押し付けて映画に出かけたりするなど、好き勝手やり放題。やがて今度は職場から放り出され、警察にも追われるようになったイグネイシャスは、一癖も二癖もある奇人変人たちを巻き込んだり巻き込まれたりしながら逃亡劇を繰り広げ、ニューオーリンズの街に大騒動を巻き起こす——!!!

    デヴィッド・ボウイも愛読した、全世界200万部超のロングセラー&1981年度ピュリツァー賞受賞作、J・スウィフト、W・ギャディス、J・ヘラー、D・F・ウォレスの系譜に連なる、アメリカカルト文学史上の伝説的傑作にして、奇人変人たちが暴走する、爆笑《労働ブラックコメディ》が、ついに邦訳!!!


    ☆全世界200万部超の大ベストセラー
    ☆1981年度ピュリツァー賞受賞作
    ☆デヴィッド・ボウイが選ぶ100冊

    A Confederacy of Dunces, 1980

    ◎装画=塩井浩平
    ◎装幀=山田英春
  • 芥川賞作家にして心霊研究家の三浦清宏が繙く、
    スピリチュアリズムの歴史の決定版!

    コナン・ドイルがとりこになった!
    ポルターガイスト、降霊会、エクトプラズム、心霊写真、念写……。
    ハイズヴィル事件からはじまり英国ヴィクトリア期に黄金時代を迎え、アメリカの超心理学へ――驚異の霊媒と科学的分析の相克に、新たな可能性の扉が開く!

    湯浅泰雄賞受賞作(2008年講談社刊)に、フォックス姉妹、D.D.ホーム、エヴァ・C、マージェリ―、ユーサピア・パラディーノ、ウィリアム・ホープら霊媒たちの、驚異の超常現象など図版140余点を増補。さらに貴重な英国物理霊媒コリン・フライの来日降霊会レポートを50頁以上併録する充実の新版!

    「この本を書こうと思った第一の理由は、これから心霊について勉強しようと思う人に、今まで歴史的にどういうことがあったのか、またどういう研究が行われてきたのかを知っていただきたいと思ったからです。これは私自身の体験からですが、はじめて心霊のことを勉強しようと思ったときに、そういうことを教えてくれる日本語のいい参考書がまったくなかったので、手探りと試行錯誤でやらなければならなかったからです。……
    これは19世紀の半ばに英国人を中心としてアメリカ人やヨーロッパの人たちが抱いた一つの夢と、その成り行きを書いたものです。科学の揺籃期にあったヴィクトリア朝の人でなければ考えつかないような、突拍子もない夢想を実現しようとした歴史上の物語です。それは英国以外のいろいろな地域に伝播しながら、まだ見果てぬ夢として今も続いています」(本書「まえがき」より)
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    ご住職、ご自坊の経理、本当に大丈夫ですか? 収益事業がない寺院の税務と会計は、これ1冊で十分! 高額な会計ソフトや煩雑な税法の知識はまったく必要なし! 収益事業を行っていても、自分で簡単にできる事務もたくさんあります。「本書を参考に自分で行えば税理士費用が削減できる」と〈税理士自身(著者)がいっております〉。「これだけは覚えてほしい」という重要箇所はゴチックにして目立たせ、各章末には「ポイント!」欄を設けました。
     【第二版】では現在の税法に合わせて改訂し、法定調書とマイナンバー制度とを増補しました。
  • 修行の世界を垣間見る
    スタート地点の「慈しみの瞑想」から悟りへの最終ステップ「七覚支」というゴールまでをわかりやすく紹介する、《本物の瞑想》の実践を目指すためのガイドブック。
  • 英国王室御用達、笑いの大巨匠、あのウッドハウスの新シリーズ登場!!
    P・G・ウッドハウスの未知の傑作小説を続々と紹介。第1回は、百万長者のうえに容姿端麗、気立てもバツグンだけど、ちょっとおまぬけな青年紳士ボドキン君が主人公。豪華客船を舞台に、ワニを飼うお騒がせの人気赤毛女優、問題の多い変人客室乗務員、へーゼル色の瞳の女子ホッケー選手などなど、いつもの奇人と怪人たちが船上狭しと大活躍。最上質爆笑保証付きの至高の名作、本邦初訳。
  • 私はこの誓いを絶対に忘れない。

    雪に閉ざされたノルウェーの田舎町。11歳の少女シスの通う学校に、同じ年の少女ウンが転入してくる。ためらいがちに距離を詰め、運命の絆で結ばれたふたりの少女が、それぞれの思いを胸に、森深くの滝の麓につくられた神秘的な〈氷の城〉を目指す……類稀な研ぎ澄まされた文体により、魂の交歓、孤独、喪失からの再生を、幻想的・象徴的に描き上げたヴェーソスの代表作。

    凛とした切なさを湛えた、出会いと別れの物語。

    【英ペンギン・クラシックス収録の20世紀世界文学の名作】
    【1965年度北欧理事会文学賞受賞作】
    記憶に残る〈映画の名セリフ〉をイラストレーションとともに紹介する本シリーズは、「キネマ旬報」で1973年から23年のあいだ断続的に連載され、全7巻の単行本にまとまり長年映画ファンに愛されてきた。各巻に書き下ろしエッセイを掲載した栞を付す。
  • 2,534(税込)

    これはわたしの犬《むすめ》。
    もし何かしたら、殺してやる。

    この世から忘れ去られた海辺の寒村。子どもをあきらめたひとりの女が、もらい受けた一匹の雌犬を娘の代わりに溺愛することから、奇妙で濃密な愛憎劇《トロピカル・ゴシック》が幕を開ける……
    人間と自然の愛と暴力を無駄のない文体で容赦なく描き切り、世界15か国以上で翻訳され物議をかもしたスペイン語圏屈指の実力派作家による問題作が、ついに邦訳!!
  • 2,851(税込)
    著:
    高原英理
    レーベル: ――

    鬼才高原英理三十年の軌跡。これを知らずに幻想文学を語ってはならない。
    鉱物、結晶、月、星、夢、夜、夏、少年少女、世界改変、書物、詩。いくつものモティーフを重ねつつ、ときに重厚、ときに軽妙、それぞれが全く異なる現代日本幻想文学の至高点。幾多の具眼の士から絶賛された珠玉の既発表作10篇に遊び心あふれる書き下ろし中篇『ガール・ミーツ・シブサワ』を加える。
  • 中国の台湾・尖閣に対する軍事的冒険を抑止できるか。 その鍵は日米台の連携強化にあり、具体的方策を説く国民必読書の決定版。
    中国は、台湾の平和的統一を目指す努力は放棄しないとしつつも、武力行使を放棄していないことをたびたび表明し、軍事的威嚇を繰り返している。
    中台間の軍事バランスは中国有利に傾き、その差は年々拡大しつつあり、中国の武力行使は実際に生起する可能性があり、その事態は切迫しつつあると考えなければならない。
    他方、歴史的にも国際法上も日本固有の領土である尖閣諸島について、中国は、「 釣魚島(日本名は魚釣島)およびその付属島嶼(尖閣諸島)は…、台湾の付属島嶼」であり、「台湾とその附属島嶼である釣魚島は中国の不可分の領土の一部である」との独自の主張に基づき、中国海警局の艦船がほぼ毎日尖閣諸島周辺の接続水域において確認されるとともに、わが国領海への侵入を繰り返している。このように、中国の「力を背景とした一方的な現状変更の試み」はますます深刻化している。
    つまり、中国の台湾統一に向けた武力行使の範囲には日本の尖閣諸島が含まれており、同諸島を焦点とした日本の南西地方有事は、台湾有事と同時に生起する可能性が高いと見なければならない。
    まさに台湾有事は日本有事であり、その意味からも日本と台湾は「運命共同体」として死活的利害を共有していると言っても過言ではない。
    「台湾が危ない・日本も危ない!」この危機に際し、日台双方はもとより、日米台3か国の協力連携の取り組みの必要性は、避けて通れない喫緊の課題である。
    本書は、日本と台湾は正式の国交がなく、「非政府間の実務関係」という政治外交的困難の下に置かれているが、日米安保条約と台湾関係法を一体化させ、いまこそ日米台3か国の安全保障・防衛協力の強化に向け、連携して今後の可能性を最大限に模索することが急務であることを説き、国民と共に考えるための情報を提供する。


    役行者(えんのぎょうじゃ)が祈りだした蔵王権現とは、いったいなにか。
    そもそも神なのか、仏なのか。
    本書によって、修験道の本尊である蔵王権現の全貌が明らかになる。
    そして、修験道の実践のありようが示される。
  • 長篇小説を執筆中の作家ポール・オレロンは古い貸家に引越すが、忽ち創作は行き詰まり、作家は周囲に何者かの気配を感じ始める。邪悪なものの憑依と精神崩壊の過程を鬼気迫る筆致で描き、ブラックウッド、平井呈一らが絶賛した心理的幽霊譚の名作「手招く美女」。沈没寸前のガレオン船の前に霧の中から現れた謎の船の正体とは……超時間的な幻想譚「幻の船」。シチリアの富豪の娘が旅先のチュニスで英国青年と恋に落ち、同時に神秘的な人格の変容を経験する。エキゾティックな舞台に古代幻想が交錯する中篇「彩られた顔」など全8篇と、作者がその怪奇小説観を披露したエッセーを収録。英国怪奇小説の黄金時代に、精緻な心理主義と怪異描写、斬新なアイデアで新しい地平を拓いたオリヴァー・オニオンズの怪奇小説傑作選。
    -
    ◇ 最新の研究に基づき全面改訳した決定版
    ◇ 本邦初訳の〈序文〉全13頁を増補
    ◇ 『法の書』誕生の鍵となった〈啓示の銘板〉のカラー写真および全訳詩文を増補
    ◇ 自筆原稿全65点の写真をより鮮明に収録
    ◇ クロウリーの言葉に基づき「法の書」本文の一部に特色赤インクを使用
  • 山伏・修験道の本尊「蔵王権現」の入門書。
    大自然に学び、大自然の霊威を体感する修験道が、いま注目されている。
    役行者(えんのぎょうじゃ)が祈りだした蔵王権現とは、いったいなにか。
    そもそも神なのか、仏なのか。
    本書によって、修験道の本尊である蔵王権現の全貌が明らかになる。
    そして、修験道の実践のありようが示される。
  • 稀代の魔術師アレイスター・クロウリーが遺した人類への提言、『法の書』が世紀を経てついに真の姿を現す!
    -
    ◇ 最新の研究に基づき全面改訳した決定版
    ◇ 本邦初訳の〈序文〉全13頁を増補
    ◇ 『法の書』誕生の鍵となった〈啓示の銘板〉のカラー写真および全訳詩文を増補
    ◇ 自筆原稿全65点の写真をより鮮明に収録
    ◇ クロウリーの言葉に基づき「法の書」本文の一部を赤色で表示
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    『少年の不思議の角笛』『子供の死の歌』等の全歌曲から、『大地の歌』『嘆きの歌』、交響曲の歌詞まで、マーラー音楽の全訳詩と詳細な解説を収録。ファン待望の一冊!
  • アメリカ各地に残る幽霊話は、この国が忘れようとしてきた過去、見捨てられた存在を闇の中から呼び起こす。先住民、魔女裁判、奴隷制、南北戦争、売春宿、精神病院、刑務所、廃工場――幽霊たちがかきたてる恐怖の背後には、アメリカという国が抱える根源的な不安がひそんでいる。全米の有名な幽霊スポットを興味深いエピソードをまじえて紹介しながら、「幽霊の国アメリカ」の深層を描いて話題を呼んだノンフィクション。

    【目次】
    著者より一言
    序 幽霊出没の解剖 ニューヨーク州ニューヨーク

    I 非家庭的なもの――家と館
    第 一 章 隠し階段 マサチューセッツ州セーラム
    第 二 章 動く土地 ルイジアナ州セントフランシスヴィル
    第 三 章 果てのない家 カリフォルニア州サンノゼ
    第 四 章 鼠穴の啓示 ニューヨーク州ジョージタウン&イリノイ州ブル・ヴァレー
    第 五 章 短命の家系 ミズーリ州セントルイス

    II 閉店後に――バー、レストラン、ホテル、売春宿
    第 六 章 悪魔のような場所 ヴァージニア州リッチモンド
    第 七 章 ベイビー ネヴァダ州リノ
    第 八 章 通り過ぎる カリフォルニア州ロサンジェルス

    III 公共心ある幽霊たち――刑務所、精神病院、墓地、公園
    第 九 章 憂鬱なる観想 ウェストヴァージニア州マウンズヴィル
    第 十 章 染み マサチューセッツ州ダンヴァーズ&オハイオ州アセンズ
    第十一章 悪魔が来るのを待つ サウスカロライナ州チャールストン&カンザス州ダグラス郡
    第十二章 我らが高名なる死者 テネシー州シャイロー
    第十三章 大聖堂公園を吹き抜ける風 オレゴン州ポートランド

    IV 無用の記憶――都市と町
    第十四章 濡れた墓 ルイジアナ州ニューオリンズ
    第十五章 廃墟の中で ミシガン州デトロイト
    第十六章 ヒルズデール、USA

    エピローグ ニューマシンの幽霊たち カリフォルニア州アレンデール

    謝辞
    訳者あとがき
    文献注
    索引
  • 翻訳文学を求める熱心な編集者に告げておく。ピエール・マッコルランは、現代に復活させてしかるべき作家である。マッコルランを出す勇気と機略のある編集者がいたら、私はそのひとに敬意を表するだろう。——澁澤龍彦

    アントナン・アルトー、レイモン・クノー、ボリス・ヴィアンらも熱愛してやまなかったフランスの小説家ピエール・マッコルラン。
    奇妙で、ファンタスティックで、ユーモアに溢れるその傑作を集大成した、本邦初の3冊本選集がついに刊行。
    第1回配本は、奇妙な笑い病のパンデミックがこの世を滅亡させる、世界終末論的疫病小説『黄色い笑い』。マルセル・シュネデールがマッコルランの最高傑作と絶賛したマンドラゴラ幻想小説『悪意』。長編2編を収録。ともに本邦初訳。
  • 強いものが勝つとは限らない。運も重要である――
    世界的な分子系統学者が着目する「進化」の最重要トピックス。
    文系と理系の枠を超えて「進化」を読み解く!

    今世紀に入って、科学分野は比べものにならないほどの精度と分析能力で発展してきた。日進月歩に新知見が登場し、それらを結びつけた、深く広い「進化の歴史」が語られようとしている。それが本書である。
    アリストテレスの「生命の階段」からはじまり、ダーウィンの『種の起源』が革命を起こした、進化にまつわる仮説の数々。
    分子系統学の登場で新たな時代を迎えた“進化学の現在”までを、探求の道をともに歩んだ研究者たちとのエピソードを交え、生物学的な空間、大陸移動など地球科学的な時間軸の絡みあいのなかにつむぐ、38億年の壮大な「進化」のストーリー! カラー口絵添。

    ◎漂流する大陸と生物の進化
    ◎進化発生生物学「エボデボ」
    ◎エピジェネティックス ほか
  • ウッドハウスの全小説中、否、世界文学史上、もっともイカれていて、ハチャメチャで、ナイスなキャラの持ち主といわれたフレッド伯父さんが、あのブランディングズ城で大暴れ。英国ウッドハウス協会の「一番好きな短編」投票でも堂々のトップを獲得した「ゆけゆけ、フレッド伯父さん」もあわせて収録。
  • 1994年から2010年まで「キネマ旬報」誌に連載されたものを中心に、他に類を見ない約300本ものテレビドラマ批評を集大成。
    テレビドラマ曲がり角の地デジ元年にあたり、その歴史の検証と内容の検討に必須の基礎資料。
    演出家・鶴橋康夫、笠浦友愛、脚本家・井上由美子、大森寿美男ら推薦!
  • シリーズ4冊
    5,4565,808(税込)
    訳:
    松村淳子
    レーベル: ――

    『ダンマパダ』第1章から第3章までの由来を物語る全32話

    初期仏教最古の詩篇のひとつとされ、古来広く伝承されてきた『ダンマパダ(真理のことば)』。
    そのパーリ語註釈書に説かれる、これらの詩句にまつわる物語を原典から全訳!

    ・口論を続ける比丘たちに失望し、象の世話を受け独りで雨安居を過ごしたブッダ
    ・サーリプッタとモッガッラーナの誕生から出家までと前世の誓願
    ・ブッダに敵対して生きながら地獄に落ち、十万劫後に独覚となるデーヴァダッタ
    ・マハーリに問われて、ブッダが三十三天とその王サッカ(帝釈天)の由来を語る
    など、ブッダゴーサの珠玉の筆致で語られる、時にウィットに富み時に心が洗われる物語の数々を、ご堪能あれ!
  • 奴らは、いる――。
    「悪魔憑依」に挑む異色のアメリカ人医師が、25年に及ぶ体験を赤裸々に綴った衝撃のドキュメント。

    著者のギャラガー博士は一流大学で研鑽を積んだアメリカの精神科医・精神医学者だが、1990年代から、「悪魔憑き」「憑依」と呼ばれる症例に多く接するようになり、医学的観点から“悪魔憑依”について診断・研究するようになった。さらにはキリスト教カトリック公認の「祓魔師(エクソシスト)」からもしばしば助力を乞われ、“悪魔憑依”の現場に幾度も立ち合い、その現実を目の当たりにしてきた。
    本書はそんな特異な経歴と実績をもつ精神科医がこれまでの「症例」について詳細にレポートし、かつ深い分析を加えたもので、原著の刊行は2020年。関係者のあいだでは待望されていた1冊である。
    科学的・医学的世界と悪魔祓いの世界という2つの対極的世界を長年にわたって歩んできたギャラガー博士によれば、悪魔憑依の症例は、本人がそう思い込んでいるだけ、つまり何らかの精神疾患や精神病に起因するものが圧倒的に多い。しかし、明らかにこれにはあてはまらないケースも確実に存在する。祓魔式の最中に30分間も空中浮揚した女性、憑依状態になると全く知らないはずの複数の言語をわめいて暴れ回る女性、憑依に陥ると体重200ポンドの男性を軽々と投げ飛ばす小柄な女性、消息を絶った真正の悪魔崇拝者……。
    このような数多くの瞠目すべき例を紹介しながら、著者は、科学的知見を超越した「悪霊」「悪魔」の存在が疑いえないことを、明らかにしてゆく。
    現代アメリカにおける悪魔憑依現象の実態について、豊富な実体験にもとづいて冷静に分析してみせた本書は、現代社会がサイキックな問題であふれかえっていることを雄弁に物語っている。

    【目次】
    ◆イントロダクション
    ◆第1部 懐疑者から観察者へ
    第1章 最初の旅 興味を抱いた学生
    第2章 司祭来る 外的苛虐の観察
    第3章 ジュリア、サタンの女王 その憑依と、驚くべき能力
    ◆第2部 研究者にして診断医
    第4章 霊による障害 憑依のスペクトラム診断
    第5章 苛虐の種類の診断
    第6章 心の問題 虚偽の事例およびその他の医学的課題
    第7章 キャサリン――母親、主婦、被憑依者 彼女が受けた一連の祓魔式と、儀礼の実際
    第8章 真剣な研究者
    第9章 悪霊信仰の歴史、超常現象および侵襲という観念の出現
    第10章 アリス 悪魔祓いの成功事例と、原因と解決に関する追記
    ◆第3部 相談役にして研究者――医師による擁護と警告
    第11章 バーバラと見当違いの悪魔への恐怖
    第12章 最後の論争 悪魔祓いの濫用、および批判者、研究者、メディアに対する、憑依およびいわゆる超常現象の科学的情勢に関する最後の覚え書き
    ◆エピローグ これらの現象の背後にある真実 何故悪魔は攻撃するのか
  • 《レギスⅢへの着陸完了。サブ=デルタ92型砂漠惑星。われわれは第二手順に則ってエヴァナ大陸の赤道地帯へ上陸する》この通信から40時間後、まったく意味をなさない奇妙な音声を伝えてきたのを最後に消息を絶ったコンドル号を捜索するため、二等巡洋艦インヴィンシブル号は琴座の惑星レギスⅢに降り立った。そこは見わたす限りの広大な大地に生命の気配のない、赤茶けた灰色の空間であった。やがて、偵察のために投入された撮影衛星が人工的な構造物をとらえ、探索隊が写真が示す地点へと向かう。たどり着いたのは、奇怪な形状を有し廃墟と化した《都市》であった。《都市》の内部へと足を踏み入れ、調査を進める探索隊であったが、そこにコンドル号発見の知らせがもたらされる。急ぎ現地に向かった一行が目にしたのは、あたり一面に物と人骨が散乱し、砂漠にめり込んでそそり立つ、変わりはてたコンドル号の姿であった。謎に満ちたこの惑星でいったい何が起こったのか!?――『エデン』『ソラリス』からつらなるファースト・コンタクト三部作の傑作のポーランド語原典からの新訳。
  • 501(税込)
    著:
    渋沢栄一
    レーベル: ――

    我が国近代化のためにその生涯を捧げた渋沢栄一が晩年、折りにふれ語った、処世から人生全般にわたる、滋味溢れる講話を集大成。今回の刊行にあたっては、常用漢字を使用し、かなづかいも現代かなづかいに改めた。難しい語句や読みづらい漢文がまじる箇所も渋沢本人の言葉を忠実に収録した。
  • 幻想文学新人賞(選者=澁澤龍彦・中井英夫)と群像新人文学賞の鬼才、高原英理の怪奇恐怖小説を集大成。都市幻想を描く「町の底」、ゾンビの愛の物語「グレー・グレー」など、伝説的なホラー小説集『抒情的恐怖群』の全7編に、「 闇の司」「 水漬く屍、草生す屍」「かごめ魍魎」など5編を増補。「ホラーの古典的素材を昇華させ、巧緻な語りの技術で幻惑的な幻想小説に仕上げた」と絶賛された中短編小説。
    京極夏彦氏推薦!「幻想を言葉にするのではない、言葉が幻想なのだ。戦慄を飼いならした小説ではない、小説が戦慄せしめるのである。高原英理の紡ぐ殺ぎ落とされた幻想と幻想の行間に、我々は己の儚さを知り、ただ戦慄するのである。」


    【目次】
    I
    町の底
    呪い田
    帰省録
    緋の間
    II
    樹下譚
    グレー・グレー
    影女抄
    III
    闇の司
    IV
    水漬く屍、草生す屍
    かごめ魍魎
    よくない道
    日の暮れ語り

    後 記
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    日常生活にまつわるあらゆる悩みを解決する画期的な秘法の数々。本書は、密教の流れをくむ秘術を、呪文の唱え方から呪符の書き方に至るまで詳しく紹介した、初の実践的呪いマニュアルである。呪符68点掲載。
  • 残念ながら自分には
    いささか陰鬱な傾向があるに違いない――

    英国屈指のユーモア作家に隠された、もう一つの顔。

    ユーモア小説『ボートの三人男』で知られるジェローム・K・ジェロームによる異色作品集。

    西洋骨董のように古風な趣と気品をそなえた、知られざる逸品の数々。
    心和ませる幽霊小説、冷たく怖い怪奇小説、優しく美しい幻想小説、不思議な現代ファンタジイ、数千年の時を跨ぐケルト・ファンタジイ等々、多彩な味わいの奇譚17篇を収録。
    1篇ごとに異なる魅力の、世にも稀なる短篇小説集。

    【目次】
    食後の夜話
    ダンスのお相手
    骸骨
    ディック・ダンカーマンの猫

    ウィブリイの霊
    新ユートピア
    人生の教え
    海の都
    チャールズとミヴァンウェイの話
    牧場小屋(セター)の女
    人影(シルエット)
    二本杉の館
    四階に来た男
    ニコラス・スナイダーズの魂、あるいはザンダムの守銭奴
    奏でのフィドル
    ブルターニュのマルヴィーナ
    訳者あとがき
  • 《ベルギー幻想派の最高峰》
    ジャン・レー/ジョン・フランダースの決定版作品集!

    現代ゴシック・ファンタジーの最高傑作『マルペルチュイ』待望の新訳に加えて、ほとんどの収録作が初訳となる、幻の本邦初紹介短篇集2冊、枠物語的怪奇譚集『恐怖の輪』とJ・フランダース名義の幻想SF小説集『四次元』を収録。

    飽くなき生への歓喜と病的でグロテスクな想像力を混淆させ、幻怪で濃密な文体によって独自の世界を創造した、作者絶頂期の精華を集大成。

    ***

    【収録作】
    『マルペルチュイ 不思議な家の物語』
    Malpertuis: Histoire d’une maison fantastique
    大伯父カッサーヴの奇妙な遺言に従い、莫大な遺産の相続と引き換えに〈マルペルチュイ〉館に住まうこととなった一族の者たち。
    幽囚のごとき彼らが享楽と色恋に耽る一方、屋敷の暗闇には奇怪な存在がひそかに蠢き、やがて、住人たちが消える不可解な事件が立て続けに起こる。
    一族の若き青年ジャン=ジャックはこの呪われた館を探索し、襲い来る幾重もの怖ろしい出来事の果てに、カッサーヴの末裔たちが抱える驚くべき秘密と真実に辿り着く……
    満を持して新訳となる、ジャン・レーの代表作にして、『ゴーメンガースト』『アルゴールの城』に比肩する現代ゴシック・ファンタジーの最高傑作。

    『恐怖の輪 リュリュに語る怖いお話』
    Les Cercles de l’épouvante
    中世騎士の義手が引き起こす怪、ディー博士の魔術道具の呪い、怪鳥ヴュルクとの凄絶な戦い……
    幾重もの恐怖の輪が環をなす、収録11篇中10篇が本邦初訳の、父が愛娘に語る枠物語的怪奇譚集。

    『四次元 幻想物語集』
    Vierde Dimensie: fantastiche verhalen
    自動人形に宿った死刑囚の魂の怪、顕微鏡の中に現れた小さな老人の化物、奇妙な逃亡呪術を用いる殺人犯を追う刑事……
    収録全16篇が本邦初紹介となる、ジョン・フランダース名義のオランダ語怪奇幻想・SF・ミステリ短篇集。

    ***

    装幀:坂野公一(welle design)
    装画:ジャン・デルヴィル「メドゥーサ」(1893)
    扉画:フェルナン・クノップフ「ブリュージュにて――正門」(1904頃)
  • オーストリア・シュタイアーマルク州北部に、ヘリアナウという全寮制の学校がある。インディゴ症候群を患う子供たちのための学園だ。この子供たちに接近するものはみな、吐き気、めまい、ひどい頭痛に襲われることになる。新米の数学教師クレメンス・ゼッツはこの学園で教鞭をとるうちに、奇妙な事象に気づく。独特の仮装をした子供たちが次々と、車でどこかに連れ去られていくのだ。ゼッツはこの謎を探りはじめるが、進展のないまますぐに解雇されてしまう。その15年後、新聞はセンセーショナルな刑事裁判を報じる。動物虐待者を残虐な方法で殺害した容疑で逮捕されていた元数学教師が、釈放されたというのだ。その新聞記事を目にした画家のロベルト・テッツェルはかつての教え子として、ゼッツが手を染めたかもしれない犯罪の真相を追いかけていく──軽快な語り口と不気味さが全篇を覆い、独特な仕掛けがさまざまな読みを可能にする。既存の小説の枠組みを破壊して新しい文学の創造を目指した、神童クレメンス・J・ゼッツの野心溢れる傑作長篇。

    ◆円城塔氏
    ナイフのような思考回路に指を滑らせていく
    これは人が読んでよい類いの書物であるのか

    ◆山本貴光氏
    私はなにを読んでいるのか?
    デジタルゲームで遊ぶときのように、
    つぎつぎと現れる多様な断片の組み合わせから、名状しがたい意識が創発する
    これは、近づく者を狂わせる複合現実小説(Mixed Reality Fiction)だ
  • 《世界が変わる哲学》がここにある!

    現代フランスを代表する作家ウエルベックが、19世紀ドイツを代表する哲学者ショーペンハウアーの「元気が出る悲観主義」の精髄をみずから詳解。その思想の最奥に迫る!

    ***

    本書『ショーペンハウアーとともに』は単なる注釈書ではない。一つの出会いの物語でもある。二十五から二十七歳のころ――つまり、一九八〇年代半ば――ミシェル・ウエルベックは、パリの市立図書館でほとんど偶然に『幸福について』を借りた。「当時、私はすでにボードレール、ドストエフスキー、ロートレアモン、ヴェルレーヌ、ほとんどすべてのロマン主義作家を読み終わっていたし、多くのSFも知っていた。聖書、パスカルの『パンセ』、クリフォード・D・シマックの『都市』、トーマス・マンの『魔の山』などは、もっと前に読んでいた。私は詩作に励んでもいた。すでに一度目の読書ではなく、再読の時期にいる気がしていた。少なくとも、文学発見の第一サイクルは終えたつもりでいたのだ。ところが、一瞬にしてすべてが崩れ去った」。衝撃は決定的だった。若者は、熱に浮かされたようにパリ中を駆け巡り、『意志と表象としての世界』を見つけ出す。それは、彼にとって「世界で最も重要な書物」となった。そして、この新たな読書はさらにすべてを「変えた」。

    私の知る限りでは、いかなる哲学者もアルトゥール・ショーペンハウアーほどすぐさま心地よく元気づけてくれる読書を提供してくれる者はいない。「書く技術」の問題ではないし、この手のジャンルに見られる饒舌でもない。それは公衆に向って発言しようというほどの勇気をもつ者ならばあらかじめ同意書にサインすべき前提条件のようなものだ。『反時代的考察』第三篇は、ショーペンハウアーを否定する少し前に書かれたものだが、そこでニーチェは、この哲学者の深い誠実さ、廉直さ、正直さを賞賛している。ショーペンハウアーの声の調子、その一種の粗野な善良さについて名調子で語り、それを読めば読者は名文家や文体に凝る連中に対して嫌悪感を覚えるだろうと述べる。これこそ、広い意味での本書の目的である。
    (本文より)

    ***

    Arthur Schopenhauer
    アルトゥール・ショーペンハウアー
    (1788-1860)
    19世紀を代表するドイツの哲学者。
    ドイツ観念論に東洋哲学を取り入れ、実存主義・ニヒリズムの先駆者としても知られる。
    主著は『意志と表象としての世界』(1819年)。彼の唯一で独自な思想は、若き日のニーチェを熱狂させたほか、ヴィトゲンシュタイン、フロイト、アインシュタイン、トルストイ、プルースト、ボルヘス、ワーグナーなど、後世の哲学者・作家・芸術家などに多大なる影響を与えた。
    今日においては『余禄と補遺』(1851年)からの抜粋である『幸福について』『読書について』などのエッセイが広く一般に親しまれている。
  • 本格ミステリの巨匠エラリー・クイーンは、フレデリック・ダネイ、マンフレッド・リーという従兄弟同士の合作作家。プロット担当のダネイと小説化担当のリーは、毎回、手紙と電話で意見を交換しながら作品を創り上げたが、その合作の実際は長く秘密にされてきた。本書は二人の往復書簡によって、二つの異なるタイプの才能が細部の検討を重ね、時に激しい議論を戦わせながら、中期の傑作『十日間の不思議』『九尾の猫』『悪の起源』を完成させていく過程を明らかにした貴重なドキュメント。

    「この書簡集を夢中になって読み終えた今、私は、フレッドとマニーがこれだけ争っているのに本が完成して出版されたという事実を、信じることができない。しかし、二人がそれをやってのけたことを神に感謝しよう!」
    ――ウィリアム・リンク(本書序文より)
  • シリーズ4冊
    6,5127,040(税込)
    訳:
    大竹晋
    レーベル: ――

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    本巻には、
    ・『顕戒論縁起』など入唐開宗の経緯を示す諸著作、
    ・『授菩薩戒儀』『顕戒論』など大乗戒の確立をめざす諸著作、
    ・『法華経』の開経たる『無量義経』の註釈『註無量義経』、
    を執筆年順に収める。
    伝教大師が築かれた、円・密・禅・戒を統合する日本天台宗の原点がここにある。

    【目次】
    凡例
    『現代語訳 最澄全集』を読むための基礎知識
    願文
    請入唐請益表
    授菩薩戒儀
    大唐新羅諸宗義匠依憑天台義集
    天台法華宗付法縁起
    註無量義経
    山家学生式
    比叡山天台法華院得業学生式
    請菩薩出家表
    請立大乗戒表
    天台法華宗年分得度学生名帳
    内証仏法相承血脈譜
    顕戒論
    上顕戒論表
    顕戒論縁起
    遺言
    総解題
    解題
    原文校訂
  • シリーズ2冊
    1,6801,681(税込)
    著:
    川端葉子
    レーベル: ――

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    中級レベル(日本語能力試験N2~N3レベル)の文型&表現を使った例文を、イラストでわかりやすく解説。
    日本語能力試験の「文法」対策にも。

    ※本書は、2012年に発行された『イラストでわかる日本語表現 中級』の改訂版です。
    改訂版では、必要な部分にふりがなをふり、文法の解説や、「他の例文」などを見直しました。
    メインとなる文型&表現を使った例文とイラストに変更はありません。
    「練習問題」「まとめ問題」などの変更箇所に関しては、別表をご覧ください。
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    紀元前1000年頃、ゾロアスターが西アジアで創始し、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教に多大な影響を与えた世界最古の創唱宗教ゾロアスター教――その根本テキストが、今、生きた言葉でよみがえる! 壮大な神々への賛歌にして、宗教学・神話学・言語学や古代イランの歴史・文化に興味ある人は必読の、世界的大古典。

    ◆『アヴェスタ』とは
    そのゾロアスター教の聖典が古代のイラン語であるアヴェスタ語によって書かれた『アヴェスタ』である。それは神々への賛歌・詩頌、祈禱書、祭儀書など、多数のテキストから構成され、もともとは口伝で伝えられてきたものと考えられている。この中でもとくに重視されるのは「ガーサー」と呼ばれるゾロアスターの言葉で、古アヴェスタ語の韻文で書かれ、『アヴェスタ』の最古層に属している。
    『アヴェスタ』全般の内容を概観すると、善神アフラ・マズダーと邪神アンラ・マニユの対立を軸とした二元論的宇宙観を基軸としていて、信仰者には善思・善語・善行の三つの徳の実践を求め、世界の終末には救世主が現れると説く。
     アヴェスタ語は言語学的にはインド・ヨーロッパ語族のインド・イラン語派に属し、インドのヴェーダ語(サンスクリットの古形)と関係が深い。ヴェーダ語で書かれた古代インド(バラモン教)の聖典『リグ・ヴェーダ』は内容的にも『アヴェスタ』と類似点が多く、このことも古来注目されている。

    ◆本邦初の原典完訳
    『アヴェスタ』の日本語訳についてはこれまでにも抄訳や英訳からの全訳は存在したが、アヴェスタ語原典からの全訳は本書『原典完訳 アヴェスタ』が初。訳者はイラン語学を専門とする野田恵剛氏で、詳細な訳注も付され、謎多き古代宗教の全貌を明らかにした画期的な書となっている。

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