『太田出版、大塚英志、1円~(文芸・小説、実用)』の電子書籍一覧
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庵野秀明の「シン・」シリーズは、「おたく」の歴史を踏まえた自覚的な「つくり直し」である。その方法と美学の出自を探る、挑発的芸術論。
戦後の「おたく」表現のフェティシズムや美学の出自は、戦時下に狂い咲いたアヴァンギャルドが、戦後、政治的にウォッシュされたものであるというのがぼくの一貫した主張だが、「シン・」シリーズは、
その美学や方法を「正しく」運用し直し、戦後おたく表現を「修正」する試みなのだ。成田亨ウルトラマンの初期デザインの採用などその際たるものだろう。しかし、それは「特撮」とか「アニメ」とか
戦後のジャンルに必ずしも閉じたものでなく、もう少し広い。その「広さ」が重要だ。 (「あとがき」より)
※本データには、図版・注釈への双方向リンクは含まれません。
<目次>
第一章 赤いエッフェル塔の歴史学
1 ローアングルの鉄塔の系譜学
2 「映画」的なものをめぐる見えない運動
3 板垣鷹穂の「映画的」手法
4 「後衛」たちの鉄塔
第二章 第3村問題と郷土映画
1 『シン・エヴァ』に於ける再「物語」化
2 戦時下に育まれた手塚治虫の映画理論
3 『海の神兵』と文化映画実装問題
4 柳田國男のデータベース的映画論
5 郷土巡礼
第三章 原形質と成熟
1 「成長」もアニメ的「動き」と捉える手塚の美学
2 『シン・ゴジラ』という蛭子譚
3 「変身」「変形」への執着
4 エイゼンシュテインの原形質とゲーテの形態学
5 原形質から生成される人造人間 -
凛とした在野学
牧野守 ――映画史家。1930年樺太生まれ。ドキュメンタリー制作者として活動する傍ら、戦前の「キネマ旬報」をはじめとする映画資料を膨大に収集し、後にコロンビア大学に所蔵される「マキノコレクション」を形成した。日本映画研究の基盤となる資料群を次々に復刻版で公開しながら、在野の文献史学の立場で映画検閲・記録映画・映画理論の研究を発表。加えて『鉄腕アトム』幻のシナリオを執筆するなど、その足跡は多方面に及ぶ。
序論 牧野守の資料論―収集・研究・育成をめぐって
第一章 亀井文夫
第二章 厚木たか
第三章 三木茂
第四章 大村英之助
第五章 江藤文夫
第六章 波多野完治
第七章 岸富美子
第八章 伊藤武郎・能登節雄
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「天皇」も
「文豪」も
「お気持ち」化する
天皇「お気持ち」、スクールカースト、多崎つくる、腐女子AIりんな、LINE文学…。
私たちはあらゆるものを「感情」として表出し、「感情」として消費して生きている。余りに感情的すぎる日本の現在を不愉快に「批評」する試み。
「感情化」とはあらゆる人々の自己表出が「感情」という形で外化することを互いに欲求しあう関係のことを意味する。理性や合理でなく、感情の交換が社会を動かす唯一のエンジンとなり、何よりも人は「感情」以外のコミュニケーションを忌避する。(略)その結果、私たちは「感情」に対して理性的でありえることばを政治からジャーナリズム、文学にいたるまでことごとく葬っている。私たちは私たちに心地良い感情を提供することばしか、政治にもジャーナリズムにも文学にも求めず、その要求にそれらはいとも簡単に屈した。だからぼくは本書で敢えて不快なことばを連ねる。(「第一章 感情天皇制論」より)
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近代への努力を怠ってきたツケが、今この社会を襲っている。
日本の終わりを書きとめるための、過激な社会学者と実践的評論家による奇跡の対談集。
2003年~04年にかけて『新現実』に掲載された2本の対談に加え、2011年夏に行われた新たな対談を収録。東日本大震災を経てより明確になった日本の問題点を、真摯かつ過激に語り合う。
私たちは、やりなおせるのか――。
空気に縛られやすく、政治を人任せにしてきた日本人が、自分で考える力を持った近代的個人となるためにはどんな教育が必要か。民主主義を制度にとどめず、私たちの心の習慣にするための真摯な提言は必読。
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