十数年単位で行う大規模修繕工事は、マンションの居住価値を高め、建物の寿命を延ばし、その資産価値を維持・向上していくために欠かせません。
この大規模修繕工事について、実施時期や費用についてとりまとめたものが長期修繕計画ですが、多くのマンションではその内容が不十分で、新築当初から見直しすらされていないというマンションもあるほどです。
また、たいていのマンションでは、新築時にデベロッパー(販売業者)が長期修繕計画を作成しますが、建物が完成する前の計画であるため、建物の実情が反映されていないうえ、マンションを売りやすくするために、修繕積立金の金額が安く設定され、将来的に「破綻」を迎えることが明白な計画が少なくありません。
さらに、大規模修繕工事を請け負うコンサルタント(設計監理者)や管理会社、工事業者の間には、談合とリベート授受の問題が横たわっています。大規模修繕工事を発注するマンション管理組合は、その談合・リベートの“食い物に”され、ムダに高い工事費を支払わされているのです。
近年、マスコミがこの大規模修繕工事の談合・リベート問題や不適切コンサルタント問題を取り上げ、国土交通省も調査に乗り出すようになりましたが、その根は深く、いまも大規模修繕工事の業界には談合・リベート問題がはびこっています。
本書は、修繕積立金を破綻することなく積み立てるための長期修繕計画の見直しと、大規模修繕工事の実施時に、業者による談合・リベートを排除し、本当に必要な工事を、適正な価格で発注することができるようになるためのさまざまな情報を紹介しています。
■収録トピック
・ディベロッパーと管理会社と工事業者の3角関係
・コンサルタント(設計監理者)による大規模修繕工事の不適切な見積り
・必要な工事を適正価格で発注するために
・修繕積立金は必ず破綻する
・長期修繕計画を見直す
・管理会社が大規模修繕をやりたがる理由
・大規模修繕工事の流れ
・修繕工事で知っておきたいポイント
・駐車場問題と収益化
・談合とリベートの実態
・大規模改修工事でマンションの資産価値を高める
・長期修繕計画見直し成功例
・管理コスト見直しで修繕積立金の増額
他
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