戦わぬ強国「日本」―世界有数の軍事力を誇りながらも、専守防衛にとらわれ、敵対的な周辺諸国から侮られているのが日本の現状である。そして、北方領土返還問題が依然として暗中模索のなか、ユーラシア大陸に驚天動地の巨大地震が発生した。大災害を受けたロシア連邦は、巨額な支援金を見返りに、とうとう北方領土返還に応じる。だがその影には、北方領土に眠る地下資源を巡り、日露米3国の思惑と欲望が絡み合っていた…。一方、後継者問題から内紛に陥っていた北朝鮮は、国力回復を狙い、日本各都市にテロを決行。さらに、ミサイル艇による原発攻撃をしかけてきた。海空自衛隊、海上保安庁は緊急出撃し、ここにおいて日本は、ついに北朝鮮との開戦を決意する。だがそれは、新たな世界大戦へのプロローグに過ぎなかった…。緊迫感あふれる近未来戦記・新シリーズ。

卑劣なテロ攻撃により、ついに戦乱の火蓋を切った日本と北朝鮮。敵基地に先制攻撃をかけるべく、航空自衛隊は平成の零戦たる国産戦闘機F‐2『バイパー・ゼロ』を放ち、海上自衛隊の新鋭艦隊と連携作戦を敢行する。その一方で、地震や干ばつ、大雨などの気象異変による災害は続き、中国とアメリカは深刻な危機に見舞われていた。また、精神的に追いつめられたロシア大統領は、錯乱ゆえか新たな野望ゆえか、密かに北方領土の再奪取を画策し始めていた。そして、中国で惹起した大規模な内乱の影響を受け、日朝戦は思わぬ展開を見せていくのだが…。アジアの盟主となりつつある日本は、対北朝鮮戦から息をつぐ間もなく、南洋に自衛隊を派遣し、凶暴な海賊勢力との死闘を繰り広げる。そしてそれは、やがて襲い来る世界大戦の序曲に過ぎなかった…。全編緊迫のシリーズ第2弾。

かつてない規模の地震や干ばつ、天変地異により、世界情勢が揺れ動くなか、各国の指導者たちは自国の利益と再建を求めて、戦意を高揚させていった。国境をめぐって争うインドと中国、北方四島を再奪取せんと野望を剥き出しにするロシア、そして超大国の復権を賭けてアフリカの地域紛争に介入するアメリカ…これらの火種が、世界全体を未曾有の第三次世界大戦へと向かわせていく。一方、熾烈な対北朝鮮戦を終結させた日本は、アジア小国の紛争解決やソマリアの海賊退治などを経て、アジアの盟主となっていった。国際社会で着実に実力と名声を得ていく日本に対し、亡国の岐路に立たされたロシアと中国がその野望の牙を剥く。混沌の坩堝に陥った世界で、自衛隊は祖国日本を守るため、果てなき戦いへと出撃するのだが…。架空戦記の鬼才が描く衝撃の近未来シリーズ、堂々の完結。