宮内庁が公開した『昭和天皇実録』を丹念に読み抜き、昭和という時代、昭和天皇という存在をさらに深く記録する、昭和史研究者としての著者が満を持した試みの第2巻。
今回は二つの時代を扱う。第二次大戦敗戦期と、テロとファシズムの昭和初年である。この時期に天皇がいかに生きたかを、『昭和天皇実録』を歴史を追って読み込みながら、その都度、著者の昭和史への識見により史実を拡充して語っていく。
敗戦期においては戦争終結に向けた天皇の不退転の意志が描かれる。昭和初年には、すでに天皇と軍部の軋轢や齟齬が様々に表面化していたことが新たに明らかにされる。天皇個人の時代経験を丹念に調べ上げ、書き込むなかから、天皇と天皇制が軍事に利用された時代を批判的に振り返ろうとする著者のメッセージが浮き上がってくるだろう。
序章 軍部に抗う天皇
第1章 太平洋戦争敗戦
第2章 改元、そしてテロの時代へ
第3章 満州事変とファシズム
宮内庁が公開した『昭和天皇実録』を丹念に読み抜き、昭和という時代、昭和天皇という存在をさらに深く記録する、昭和史研究者としての著者が満を持した試みの第3巻。今回は二・二六事件と日中戦争の時代を扱う。日本社会がテロとファシズムに覆われ、軍部の台頭に誰も抗えなくなり、日本が中国に進出してゆく時期である。戦争が拡大してゆくこの時期、天皇がいかに生きたかを、『昭和天皇実録』を歴史を追って読み込みながら、その都度、著者の昭和史への識見により史実を拡充して語っていく。その後太平洋戦争へと進展してゆく日中戦争の時代に、天皇と軍部との間ではすでに軋轢や齟齬が様々に表面化しており、それが西園寺公望ら側近や近衛文麿や政治家をも巻き込んで権力の内部で複雑な関係を形成していたいたことが明らかにされる。天皇は国際政治を冷静に見つめる視点を保持しており、戦争に批判的な立場をとりつつも、徐々に軍部の動向を追認せざるを得なくなっていく。天皇個人の時代経験を丹念に調べ上げ、書き込むなかから、天皇と天皇制が軍事に利用された時代を批判的に振り返ろうとする著者の意志が浮き上がってくる。天皇と「戦争の時代」を、2016年の翼賛的状況のなかで再考する瞠目の論考も収録。
各1,760円 (税込)
2014年8月に宮内庁が公開した『昭和天皇実録』を丹念に読み抜き、昭和という 時代、昭和天皇という存在をさらに深く記録する、昭和史研究者としての著者の 満を持した試み。
著者は『昭和天皇実録』を、これまで民間に明らかにされなかった国家所蔵の記 録を用いたものである点で極めて重要な文書としながらも、その記述にはさまざ まな意図が隠されており、『昭和天皇実録』を真に意味あるものにするためには、 眼光紙背に徹した読解が必要だと言う。そこで著者は『昭和天皇実録』を歴史を 追って読み込みながら、その都度、著者の昭和史への圧倒的な識見により拡充し、 これまでの歴史研究の成果と突き合わせてゆく。
本書は『昭和天皇実録』をテーマとしつつ、昭和史の新たなスタンダードを確定 する画期的な一冊である。第1巻では昭和天皇の戦争体験を詳細に検証する。
宮内庁が公開した『昭和天皇実録』を丹念に読み抜き、昭和という時代、昭和天皇という存在をさらに深く記録する、昭和史研究者としての著者が満を持した試みの第2巻。
今回は二つの時代を扱う。第二次大戦敗戦期と、テロとファシズムの昭和初年である。この時期に天皇がいかに生きたかを、『昭和天皇実録』を歴史を追って読み込みながら、その都度、著者の昭和史への識見により史実を拡充して語っていく。
敗戦期においては戦争終結に向けた天皇の不退転の意志が描かれる。昭和初年には、すでに天皇と軍部の軋轢や齟齬が様々に表面化していたことが新たに明らかにされる。天皇個人の時代経験を丹念に調べ上げ、書き込むなかから、天皇と天皇制が軍事に利用された時代を批判的に振り返ろうとする著者のメッセージが浮き上がってくるだろう。
序章 軍部に抗う天皇
第1章 太平洋戦争敗戦
第2章 改元、そしてテロの時代へ
第3章 満州事変とファシズム
宮内庁が公開した『昭和天皇実録』を丹念に読み抜き、昭和という時代、昭和天皇という存在をさらに深く記録する、昭和史研究者としての著者が満を持した試みの第3巻。今回は二・二六事件と日中戦争の時代を扱う。日本社会がテロとファシズムに覆われ、軍部の台頭に誰も抗えなくなり、日本が中国に進出してゆく時期である。戦争が拡大してゆくこの時期、天皇がいかに生きたかを、『昭和天皇実録』を歴史を追って読み込みながら、その都度、著者の昭和史への識見により史実を拡充して語っていく。その後太平洋戦争へと進展してゆく日中戦争の時代に、天皇と軍部との間ではすでに軋轢や齟齬が様々に表面化しており、それが西園寺公望ら側近や近衛文麿や政治家をも巻き込んで権力の内部で複雑な関係を形成していたいたことが明らかにされる。天皇は国際政治を冷静に見つめる視点を保持しており、戦争に批判的な立場をとりつつも、徐々に軍部の動向を追認せざるを得なくなっていく。天皇個人の時代経験を丹念に調べ上げ、書き込むなかから、天皇と天皇制が軍事に利用された時代を批判的に振り返ろうとする著者の意志が浮き上がってくる。天皇と「戦争の時代」を、2016年の翼賛的状況のなかで再考する瞠目の論考も収録。
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