「海軍反省会」全131回の内容をそのまま残すために発刊されている、『[証言録]海軍反省会』の第5巻。第38回から第44回までの議論が収録されている。主だった内容は、第38回において、日本海軍の原爆開発担当者だった三井再男大佐が広島原爆に関わる調査について発言している件。第39回において、戦艦大和設計担当者だった牧野茂技術大佐から、大和設計における苦渋に満ちた深い反省の念が語られる件。第43回における、駐独武官補佐官であった藤村義朗(義一)中佐が語る、ドイツ敗北後、混乱の中でアメリカ・ダレス機関との接触を続けた緊迫の空気などがあり、読みどころは数多い。巻末に、前記の三井再男氏が、原爆投下当日に広島市内で調査し、8月8日にまとめた資料、「八月六日広島空襲被害状況調査報告概要」を付す。
(C)戸髙一成/PHP研究所
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2009年夏の刊行開始から10年、この11巻をもって『[証言録]海軍反省会』は完結である。最終11巻には113回から131回までの録音が残された17回分を収録した。統帥権問題、特攻、5・15事件などの論議の後、丁度、「文藝春秋」が平成2年12月号に掲載した、「昭和天皇独白録」が話題を呼んだことから、反省会のメンバーも大いに興味を抱き、3回にわたってその真偽を含めた厳密な論議を展開している。また、巻末には、全巻の総目次を掲載した。残された400時間分にわたる録音の活字化は、多くの回に裏方として参加し、発言者の声を聞き分けられる唯一の人物である編者なくしては成らなかった。貴重な記録が残された記念すべき一冊である。
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2009年夏の刊行開始から10年、この11巻をもって『[証言録]海軍反省会』は完結である。最終11巻には113回から131回までの録音が残された17回分を収録した。統帥権問題、特攻、5・15事件などの論議の後、丁度、「文藝春秋」が平成2年12月号に掲載した、「昭和天皇独白録」が話題を呼んだことから、反省会のメンバーも大いに興味を抱き、3回にわたってその真偽を含めた厳密な論議を展開している。また、巻末には、全巻の総目次を掲載した。残された400時間分にわたる録音の活字化は、多くの回に裏方として参加し、発言者の声を聞き分けられる唯一の人物である編者なくしては成らなかった。貴重な記録が残された記念すべき一冊である。
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