「アメリカの電子書籍“ブーム”は終了しましたので」というコラムがネットでさかんにシェアされた。出典元はNY在住の出版エージェント・大原ケイ氏のブログ「Books and the City」。アメリカは日本のように「出版不況」ではないし、「流行り」だから買うという人も少ない。本の価格帯も「新刊のハードカバー20ドル、Eブック10ドル、セルフ・パブリッシング数ドル」とすみ分けができている。だが、電子書籍のセルフ・パブリッシングが「出版」のハードルを下げたことも事実だ。アメリカは、著者も読者も本は「モノ」ではなくメッセージをやりとりする「ツール」だという認識がある。本書は前出のコラムと「マガジン航」の記事をベースに再構成し、緊急出版したものである。電子書籍”ブーム”真っ只中にいる日本、舵きりのヒントがここにある。【読了時間 約16分】
【目次】
アメリカの電子書籍はもう“流行り”ではない
“ブーム”は終了、3割でまず定着
セルフ・パブリシングについて
マンガはメジャーじゃない
リテール(小売り)全体の形態が大きく変わっているのであって「本屋さんがなくなる」問題ではない
YAというカテゴリーから大ヒットが生まれる土壌がある
人が本を読まなくなっている、と諦めていない
Eブックの急成長が止まったその理由は?
アメリカの電子書籍の未来を占う
セルフ・パブリッシングは、必ずしも儲かりはしないが著者の選択は広がる
マルチメディア的な本が増えれば、単価が上がり、売上増につながるかも
定額読み放題のストリーミング型読書
内容やフォーマットが更に多彩に
Eブック関連のニュースがニュースでなくなる
(C)Kay Ohara 2014
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