[作品について]「晶子詩篇全集」は、明治・大正・昭和の歌人与謝野晶子の自選詩集で、「君死にたまふことなかれ」や「山の動く日」ほか代表的な文語・口語詩421篇が収録されている。 これらは1904(明治37)年から1928(昭和3)年までに、「明星」「青踏」「女学世界」「婦人之友」「婦人公論」「三田文学」「芸術自由教育」「読売新聞」「横浜貿易新報」等の誌紙に発表されたもので、その多くが「恋衣」「夏より秋へ」「さくら草」「舞ごろも」「瑠璃光」といった歌集、「一隅より」「我等何を求むるか」「愛、理性及び勇気」「若き友へ」等の評論感想集および紀行文集「巴里より」に収録されている。 本文は、雲片片(56篇)、小鳥の巣(59篇)、夢と現実(40篇)、壺の花(15篇)、薔薇の陰影(25篇)、月を釣る(35篇)、第一の陣痛(41篇)、幻想と風景(87篇)、西土往来(29篇)、冷たい夕飯(34篇)の十章に分かれる。このうち、欧州旅行中の詩篇である「西土往来」はやや異色であるが、その他は切り口や表現方法は異なっても、花、昆虫、天候、自然、人物、社会等の事物と自己の生活や感情を歌っている。ある作品は生きいきとして共感や親しみが持て、ある作品は押韻がリズミックで読んで(作曲されているものは歌って)楽しく、またある作品は人生を凝視して滋味あふれるといった、いずれも珠玉のような詩のアンソロジーとなっている。 晶子の短歌の読者であれば、これらの詩の背景に思い当たる歌が仄見えるであろうが、詩は短歌と異なって難解さが少なくストレートに迫るところから、誰でもが晶子の感動に直接触れることができる。これは得がたい読書の体験を与えてくれるものではないだろうか。(武田秀男) 各詩篇の出典一覧は、こちら。[文字遣い種別]新字旧仮名
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