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文芸

福永武彦 電子全集3 先鋭な実験『夜の三部作』、そして『愛の試み』。

あらすじ・内容

“暗黒意識”を主題にした『夜の三部作』、愛と孤独の様相を正面から描いたエッセイ『愛の試み』。福永文学の精髄に迫る。

人間の奥深い内部で不気味に蠢き、内側からその人を突き動かそうとする“暗黒意識”を主題に書かれた「冥府」、「深淵」、「夜の時間」からなる『夜の三部作』。死後の世界を舞台にした「冥府」、敬虔なクリスチャンの女性教師と野獣のような男との奇妙な愛を描いた「深淵」、
男女の三角関係を過去と現在の二重時間軸構造で描く「夜の時間」は、それぞれに福永の死生観が滲み出た先鋭的かつモダニズムに満ちた中篇作品である。
福永が長期療養生活から復帰して間もない時期に続けざまに発表された作品群ではあるが、それぞれのストーリーに繋がりはない。
また、ほぼ同時期に発表された短篇「水中花」、「時計」、「遠方のパトス」、「河」も併録。

一方『愛の試み』は、愛と孤独についての一切の妥協を排して思索した足跡を綴ったエッセイ集で、愛と孤独の様相を正面から論じると同時に、自作小説の自解の側面も持つ重要な作品である。エッセイのほかに9篇の挿話(掌小説ともいえる)から成る。そのうち「愛の終り」は新潮版の文庫版や全集に未収録の作品。

附録として、「冥府」、「深淵」、「夜の時間」、「遠方のパトス」の主要異動表のほか、「冥府」初刊本扉に記された未発表の自筆俳句、東京療養所入所時の自筆メモ等の貴重な資料も収録している。

この作品の容量は、35.2MB(校正データ時の数値)です。

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作品情報

シリーズ
福永武彦 電子全集(福永武彦 電子全集)
著者
レーベル
福永武彦 電子全集
出版社
小学館
カテゴリ
文芸・小説
ページ概数
1704
配信開始日
2018/12/21
対応端末
  • PCブラウザ
    ビューア
  • Android
    (スマホ/タブレット)
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ページ概数

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シリーズ最新刊

文芸 福永武彦 電子全集20 日記と自筆物に見る福永武彦。

著: 福永武彦

若き日の福永の苦悩の日々を綴った『戦後日記』『新生日記』に加え、晩年の画文集『玩草亭百花譜』と年譜等を収録した最終巻。

『福永武彦戦後日記』は2011年、没後32年を経て刊行され、1945年、46年、47年の日記が収録されている。
45年は終戦後、疎開先の帯広から職を求め上京する生活、46年は妻と息子の待つ帯広への帰郷と教職へ就くさま、47年は結核に侵され帯広療養所での病中日記が記されている。
翌年に刊行された『福永武彦新生日記』は、1949年と1951~53年の日記が収録されている。
49年は東京清瀬の療養所での病中日記であるともに、家族生活の崩壊の兆候が記され、51~53年の日記では、妻と協議離婚後の入院最後の病中日記。
両日記を通じ、福永作品読解のための様々な材料を見つけ出すことができる貴重な資料である。
『玩草亭百花譜』は全3巻からなり、1975年夏以降、亡くなる直前までに福永自身が描いた草花を中心に構成された画趣溢れる画文集。
他に単行本や全集に未収録のエッセイ、解説文、対談・座談などを収録。

附録として、自筆書庫図、初刊版『塔』印税支払い通知画像に加え、「福永武彦年譜」も掲載。

価格

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「福永武彦 電子全集(福永武彦 電子全集)」シリーズ作品一覧(全20冊)

2,750(税込)

  • 文芸 福永武彦 電子全集6 『ボードレールの世界』、わが同類。

    詩人・福永武彦が、自己の作詩体験に裏打ちされた“憂愁の詩人”ボードレール詩篇の分析と翻訳、解説、小伝等を収録。

    収録作品は、“憂愁の詩人”ボードレールの詩篇の分析、評論、随筆、年表からなる研究書『ボードレールの世界』、パスカル・ピアが記し、福永が翻訳した小伝『ボードレール』、同じく福永が翻訳した、ボードレールの作品集『悪の華』初版と再版と「新・悪の華」、『パリの憂愁』。
    さらにボードレールの作風に影響を受けながらも、「偶然」を排した完全・完璧な美しい詩を書いた、フランス印象派の代表詩人マラルメの作品7篇の翻訳も収録。 戦中よりマチネ・ポエティクの同人として詩篇創作に刻苦していた福永が、戦後「自ら詩を書く者でなければ覗き得ぬ深淵、自らコスモスを持つ者でなければ感じ得ない神秘」を、刻み付けるように記した著作『ボードレールの世界』は、福永初の単著でもあり、同時にフランス文学者としての福永の横顔が垣間見れる重要な作品といえる。
    初刊『ボオドレエルの世界』「序文」の中で福永は「僕は年来ボオドレエルを愛讀してゐるうちに、詩人としての立場、自ら創作する者としての立場から、小さなボオドレエル論を書いてみたいと思ふやうになつた。ボオドレエルの詩作には、自ら詩を書く者でなければ覗き得ぬ深淵、自らコスモスを持つ者でなければ感じ得ない神秘が、多くあるやうに思へた」
    と記している。
    附録として、初刊本『ボオドレエルの世界』自作短歌入り署名本、ボードレール「旅への誘ひ」翻訳過程のメモ等を収録。

    ※この作品はカラー写真が含まれます。

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    2,750(税込)

    2,500円 (+消費税250円)

  • 文芸 福永武彦 電子全集7 戦前の文業(散文)、大河小説『獨身者』。

    中学、高校時代の時代の校友会雑誌に寄稿した小文、未完作『獨身者』等、戦前に書かれた“青春の軌跡”をたどる。

    収録作品は、戦前の文業(散文)として5分野に分け全92篇を収録。

    「中学時代までの作品」として、1924年2月2日「九州日報」掲載の童謡「ネコトイヌ」を筆頭に、開成中学校「校友会雑誌」に掲載された小文等7篇。「第一高等学校時代の作品」として、「草の花」体験を垣間見ることができる小文「ひととせ」「絶望心理」他の
    小説評論等10篇(うち小説作品は旧字版も併載)。
    さらに、初めての長篇小説『小説風土』の執筆が頓挫している間に構想された小説『獨身者』は、1944年に若者達の“栄光と悲惨”を
    第11章まで綴ったものの未完に終わった作品で旧字版と新字版を併載。
    「映画評論」は1937年から1940年にかけて、主に雑誌「映画評論」に掲載され、全68篇を収録。ペンネーム北原行也名で投稿された作品も多い。
    フランス映画への言及が最も多く、ジュリアン・デュヴィヴィエ、ジャック・フェーデの作品等を、作品が藝術的であるか否かに
    引き絞って厳しく論評したものが多い。
    また戦前の翻訳作品として『北緯六十度の戀』等6篇を収録している。

    附録として、福永武彦名を紙誌で確認できる最も古い「ネコトイヌ」が掲載された
    「九州日報」1924年2月2日夕刊面、福永自筆家系図、『獨身者』創作ノートなどを収録。

    ※この作品はカラー写真が含まれます。

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    2,750(税込)

    2,500円 (+消費税250円)

  • 文芸 福永武彦 電子全集9 『完全犯罪』、推理小説の領域。

    福永の“もうひとつの顔”「探偵小説作家・加田伶太郎」の作品を中心に、推理小説、エッセイ、翻訳作品などを収録。

    収録作品は、福永武彦の別のペンネーム、加田伶太郎名の探偵小説等、推理小説を巡るエッセイ『深夜の散歩』(中村真一郎、丸谷才一共著)、推理小説に関する雑文、解説、および翻訳作品など全49篇を収録。
    名探偵・伊丹英典が活躍する探偵小説「完全犯罪」、「幽霊事件」、「温室事件」、「失踪事件」、「電話事件」、「眠りの誘惑」、「湖畔事件」、「赤い靴」8篇に加え、「女か西瓜か」、「サンタクロースの贈物」、「素人探偵誕生記」、船田学名で記したSF作品「地球を遠く離れて」等を初刊版、決定版の2種ずつ収録している。
    探偵小説においては著者の加田伶太郎は文学作品の創造を目指しておらず、「筋とトリックと推理」を本質的要素として、エンターテインメント性を追求している。推理小説作家・都筑道夫いわく「日本推理小説史上でもユニークな地位をしめる本」と讃した“福永武彦のもうひとつの顔”である。

    また、知的愉楽としての大好きな探偵小説の名作に言及したエッセイ集『深夜の散歩』のうち福永執筆分を完全収録。その他、推理小説への関連文、乱歩、清張作品集への解説文のほか、翻訳作品としてメースン作『矢の家』等を収録。

    附録として、福永武彦直筆署名の入った本『完全犯罪』、『加田伶太郎全集』と、「湖畔事件」「サンタクロースの贈物」の創作ノート等を収録する。

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  • 文芸 福永武彦 電子全集10 『ゴーギャンの世界』、彼方の美を追い求めて。

    ゴーギャン作「かぐわしい大地」に圧倒され、終生追い続けたゴーギャンの謎。『藝術の慰め』など藝術評論も完全網羅。

    構想から完成まで6年の歳月を費やし、1961年、第15回毎日出版文化賞を受賞した評伝『ゴーギャンの世界』と、作品解説をした『世界の名画 ゴッホ/ゴーガン』を通して、福永が傾倒したゴーギャンの藝術とその謎を解き明かしていく。

    また、藝術評論として雑誌「芸術生活」で連載された『藝術の慰め』は、ピカソ、シャガールなど欧州及び米国の画家22名の絵画を巡ったエッセイで、多角的な視点から一人の画家の個性を描き出している。『意中の画家たち』は日欧のまさに“意中”の画家作品に言及したエッセイ集で、親交があった岡鹿之助の作品は象徴詩的であると、自らの文学観と切り結ぶ線上で論じ、晩年の執筆で福永没後に出版された『彼方の美』や、クラシック音楽に言及した評論「私の内なる音楽」、毎日出版文化賞受賞時のインタビューなども収録している。

    附録として、福永自筆のヘンリー・ミラー絵画のラフな模写や、『ゴーギャンの世界』刊行時に友人に配付された30分限定の小冊子等の資料写真を収録。

    ※この作品はカラー画像が含まれます。

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  • 文芸 福永武彦 電子全集12 『忘却の河』『幼年』、童話。

    愛の挫折と不在に悩む家族5人の葛藤を描いた『忘却の河』、“幼くして失った母”の原風景を描いた『幼年』、童話作品等を収録。

    『忘却の河』は、過去の事件に深くとらわれる中年男、彼の長女、次女、病床にある妻、若い男、それぞれの“独白”7章から成る作品。孤独な魂を抱えて救いを希求する彼らの葛藤を描く中で、各人の言動にリアリティが生じ(=社会性を獲得し)、大人の読者が入り込みやすい作品となっており、円熟した文章表現と相俟って福永武彦作品への入門として、最適な作品と紹介されることが多い。

    『幼年』は、福永自身「それはどうしても書かなければならない作品の一つに属してゐた」と記しているように、“幼くして失った母”の原風景を描きながら、主観的記憶尊重の作品として、自我の原型を純粋記憶をもとに探求しようとした重要な作品の一つである。

    そのほか、童話作品として、『幼年』と併行して執筆していた「猫の太郎」(未完)と、古事記をリライトした「おおくにぬしのぼうけん」、『幼年』創作の準備として翻訳したエッセイ「玩具のモラル」を収録する。

    附録として、『忘却の河』、『幼年』の本文主要異同表、未発表の『幼年』構想メモ等の資料写真なども収録。

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    2,750(税込)

    2,500円 (+消費税250円)

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