『文春文庫、401円~500円(文芸・小説、実用)』の電子書籍一覧
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「十一月がくれば私は満六十七歳になる。」――妊娠中の娘から2羽のインコを預かったのが受難の始まり。けたたましく啼くわ人の耳は齧るわで、平穏な生活はぶちこわし。一難去ってまた一難。今度は娘が持ち込んだ仔犬に安眠を妨げられる。揚句の果てに、孫のお守りだと? もう、ええ加減にせえ! ああ、我が老後は日々これ闘いなのだ。
2024年映画公開の『九十歳。何がめでたい』に連なる、痛快抱腹老後エッセイシリーズ第1弾。
※この電子書籍は1997年3月に文藝春秋より刊行された文庫版を底本としています。 -
ミステリーの「今」を読みたければ、池袋を読め。刺す少年、消える少女、マル暴に過激ジャーナリスト、カリスマダンサー……駅西口公園、通称ウエストゲートパークを根城にする少年少女たちが、発熱する都会のストリートを軽やかに疾走する。若者たちの現在をクールに、そして鮮烈に描く大人気シリーズの第一作。青春小説の爽快感とクライムノヴェルの危険な味わいを洗練させ、新しい世代から絶大な支持を得て話題となった連続ドラマの原作。
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駅のタクシー乗場で突如弾丸に襲われた母娘。現場に居合わせた宇野と夕子は、すぐに犯人が割れるだろうと予測したが、母親を予期せぬスキャンダルが襲い、事態は思いがけない方向へ…(「裏切った弾丸」)。心霊スポットを紹介するロケ現場で、1人のお笑いタレントが毒を盛られた疑いで急死。妻は自分が夫を恨んでいたことを告白、またロケの際はかならず手づくり弁当を持たせていたことも明かした…(「幽霊注意報」)。日常に潜む悪意――赤川マジックは今作も絶好調! 大人気「幽霊」シリーズ第23弾。
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最後の木版浮世絵師といわれた光線画家・小林清親の波瀾に充ちた半生と江戸から明治に移りかわる風俗、庶民の生きざまをあざやかに描いた第百回直木賞受賞の長篇。(田辺聖子)
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日本人の90パーセントが病院で死ぬ。
なのに、末期医療のなんと粗末なことか。
医師のこの痛切な反省が、日本にホスピスの理念をもたらした。
本当に人間らしく死を迎えるにはどうしたらよいかを考え続けた
医師による、愛と願望の書。
解説・永六輔
※この電子書籍は、1996年8月に刊行された文春文庫を底本としています。 -
収録作『手』が映画化。2022年9月16日公開。監督・松居大悟、出演・福永朱梨/金子大地ほか。
『人のセックスを笑うな』『論理と感性は相反しない』など、ビビットな文体とセンスで時代の空気感をすくい取る、山崎ナオコーラの中短編集。
年配の男性の顔や指の写真を集め、ブログに載せることは罪であろうか? おじさんを研究する25歳の女性の視点から、異性を個人ではなく集合体として捉える切なさを描いた「手」。
NHKラジオ文芸館で紹介され異例の話題となった、血のつながらない娘と暮らす44歳のサラリーマンが主人公の、『お父さん大好き』など4作を収録。おじさんたちが可愛く思えてくる、ウィットと切なさに満ちたナオコーラ・ワールドが堪能できます。(※2009年刊の単行本『手』を改題) -
“歌に生き恋に生き”た世界的に名を馳せたオペラ歌手藤原義江。英国人の貿易商を父に、下関の琵琶芸者を母に持った義江の波瀾の人生を描いた直木賞受賞作。(田辺聖子)
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「こっこ」こと華原琴子、早生まれの8歳、小学校3年生。好きな言葉は「孤独」。
2014年に芦田愛菜主演で映画化された話題作!
狭い公団住宅に、中華屋から譲り受けた赤い大きな円卓で食事をする華原家は、頑固で文字好きの祖父、明朗快活な祖母、ハンサムで阿呆な父と美人で阿呆で素直な母、それに中2の美人の三つ子の姉の8人家族。みんなこっこがかわいくてしょうがなく、何かと構うが、こっこは反骨精神豊かに「やかましい!いろいろと」「なんで、て聞くなやボケが」と心で思う。
こっこの尊敬する人物は、祖父の石太と、同じ公団に住む同級生のぽっさん。ぽっさんの吃音を、こっこは心から美しいと思う。吃音や眼帯をした同級生のものもらい、韓国人の同級生の不整脈をかっこいいと憧れ、それを真似したときに、「こっこはなんでそんな風なんや」と大人に怒られてしまう。しかしこっこは感じる。なぜかっこいいと羨んでやったことがいけないのか。こっこはぽっさんに相談し、人の痛みや言葉の責任について、懸命に「いまじん」するのだった。そうして迎えた夏休みの祖母の誕生日。ぽっさんにも「言わない」出来事がこっこに起きて――。
世間の価値観に立ち止まり、悩み考え成長する姿を活きのいい言葉でユーモラスに温かく描く。
※この電子書籍は2013年10月に文藝春秋より刊行された文庫版を底本としています。 -
ぼくらの教科書はブラウン管の中にあった!
ジャイアントロボが、念仏の鉄が、ロボコンが、カースケが人生の先生だった…。熱い思いと愛惜でつづった懐かしのTV番組の数々。
『サンダーマスク』『仮面ライダー』『快傑ライオン丸』『必殺仕事人』『太陽にほえろ!』『月光仮面』など50本以上の作品の魅力を語り尽くした1冊を電子復刻しました。
※この電子書籍は2001年12月刊行の文春文庫を底本としています。電子化にあたって、一部の収録画像や内容を変更しております。予めご了承ください。 -
どこから読んでも懐しさで体が震える痛快TV読本!
インドの山奥で修行し、悪と戦わずに政治家に訴えるレインボーマン。お茶の間を沸かせた電線音頭のデンセンマン。
令和では見られない、70年代テレビ番組の「ゆがみ」を楽しく徹底解説。
※この電子書籍は2001年4月刊行の文春文庫を底本としています。電子化にあたって、一部の収録画像や内容を変更しております。予めご了承ください。 -
進化した類人猿の処理を任された男、反米テロ組織リーダーの暗殺作戦に参加した少年たち、姐さんにスパイの拷問を依頼された極道の俺、福島の警戒区域にATMや空き巣を狙って侵入したチンピラ、夏休みの少年少女たちに襲われた多摩川の河川敷のホームレス、おやじ狩りを繰り返す少年、運命の人と出会うべく婚活パーティーに参加するサラリーマン、SNSで友達をつくるナイジェリア出身の少女……
豪華な音楽に彩られた12本の短編が新たな世界の到来を予言する!
『ピストルズ』『クエーサーと13番目の柱』『□』と同時期に書かれた珠玉の12の短編を収録。
芥川賞作家・阿部和重の魅力を堪能できる短編集。
収録作品: 「Man in the Mirror」「Geronimo-E, KIA」「Bitch」「Just Like a Woman」「Search and Destroy」「In a Large Room with No Light」「Life on Mars?」「Sunday Bloody Sunday」「For Your Eyes Only」「The Nutcracker」「Family Affair」「Ride on Time」 -
官僚組織の複雑怪奇さ、エリートたちの強固さ、北朝鮮ミサイル――日本人にとっての「覚悟」とは何か。
現代社会に生きる全ての読者に壮大な感慨を呼び起こしてくれる、内田康夫堂々の代表作!
北海道・利尻島に美しくそびえる利尻富士で、不審死したひとりのエリート社員。
警視庁刑事局長の兄・陽一郎から調査を頼まれた浅見光彦は、ある女性から
託された謎のメッセージとCDから事件の真相に迫ってゆく。
次第に見えてくるのは、防衛庁という巨大組織に生きる人々の苦悩と正義、恐ろしさ。
警視庁を背負うエリートである兄・陽一郎は光彦とともに
「彼らの正義」を動かすことができるのか?
個人の正義と国家犯罪がぶつかるシーンの緊迫感、家庭と恋人を大切にしていた男の無念の死を思い、「大義」を真摯に論じる浅見光彦の必死の姿は感動を呼ぶ。
著者の代表作の新装版です。 -
仕事に迷う、人生に迷う、迷ってばかりの私に、
〈ひげ人形愛好会〉から招待状が!?
ミュンヘン! 鈴の音が宵闇に沁むような響きに惹かれて、旅に出た私。
でも、この旅の目的は私にもわからない。
迷い続ける日常を引きづったまま、私はどこへ往くのだろう――。
さりげない情景に仕組まれた、ひと匙の毒とユーモア。
幸せも不幸も、神様からの贈りもののように思えてくる、愛らしい十の物語。
解説・瀧井朝世
※この電子書籍は2011年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
「自由ホンポウな女になりたい!」「その方、カツラですの」「やっぱり罠にはまった。そんな気がする」
あなたの心を揺るがす物語がきっとある。ようこそ魅惑の〈森絵都ワールド〉へ!
何気ない言葉に傷ついたり、理想と現実のギャップに嫌気がさしたり、いきなり頭をもたげてくる過剰な自意識にとまどったり……。
生きているかぎり面倒は起こるのだけれど、それも案外わるくないと思える瞬間がある。
ふとした光景から“静かな苦笑いのひととき”を抽出した、読むとちょっと元気になる小説集。
解説・白石公子
※この電子書籍は2009年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
ケンカ・キリノの真骨頂といえる初のエッセイ集。
直木賞受賞直後の多忙な日々を綴った日記や書評、映画評、いわれなき中傷に対して真摯に真っ向から反論する表題作の長篇エッセイに加え5篇のショート・ストーリーも収録。
デビュー以来10年の軌跡をまとめ、小説では味わえないストレートな「桐野夏生」の魅力がぎっしりと詰まった著者初のエッセイ集。
解説・東野圭吾
※この電子書籍は2008年1月刊行の文春文庫を底本としています。 -
女にも荒ぶる魂がある、闘いたい本能がある!
女子プロレス界に渦巻く陰謀を描く傑作長篇ミステリー。
「ファイアボール」と呼ばれる女子プロレス界きっての強者・火渡抄子、といまだに一勝もできない付き人の近田は、外国人選手の失踪事件に巻き込まれる。
新人のリンチ事件、事務所の独立問題……トラブル続出の中、後楽園ホールの試合が近づいてくる。
女子プロレス界に渦巻く陰謀と、女の荒ぶる魂を描く長篇ミステリー。
解説・鷺沢萌 -
才気あふれるユーモアが織りなす、まさしの不思議な世界。
青春の喜び、悲しみ、楽しさ、苦しみをみずみずしいタッチで綴った23の自画像風エッセイ。
幼い日のほろ苦い思い出をめぐる「泣いた赤鬼」、ユーモアあふれる「珍さんの薬」など5つの短篇小説。
まさしのステージで味わう感動を、本書でどうぞ! -
若きさだまさしが人生、愛、音楽を語った選りすぐりの365の言葉。
「体内に燃えたぎる熱い血を抱きしめて、それでも僕は、できるだけ静かに歩いてゆくつもりです。」
「『言葉』というもの程、鋭い刃物をまだ知りません。」
「人の優しさは甘さではなく、許容量である、と思う。」
「一分一秒を重くするには、一分一秒を思いやるといい。」
1982年当時のさだまさしの著作やインタビューから選び抜いた言葉の数々。
みずみずしい感性にあふれた20代のさだまさしが蘇る。
レコーディングやコンサート風景などの写真、本人によるイラストも多数収録。 -
さだまさしの「語り」で甦る中国英傑たち。
さだまさしが、あの古典を語ったら……?
劉備が、曹操が、そして諸葛孔明が、なんだかおかしい。有名な中国英傑たちが、近所のおじちゃんに思えてくる。
桃園の契りから三顧の礼、劉備の死まで。定評ある話芸の才で挑戦した6時間の口演を紙上で再現。
初心者にはまたとない水先案内、上級者にも全く新鮮な「笑える三国志」! -
ある日突然、世界のすべてが変わる。
蜘蛛女、巨女、シマウマ男に犬人間……地球規模で新たな「進化」が始まる。
小説界を震撼させた、芥川賞作家の驚異のデビュー作。
解説・椹木野衣 -
阿佐田哲也=色川武大のいとこにして生涯連れ添った愛妻。
鬼才と呼ばれた作家との風変わりな夫婦生活を活写した名エッセイ。
15歳も年上でデブでハゲで、大の風呂嫌いで、おまけに難病ナルコレプシーの従兄との結婚生活は、1日6食の食事作りに、絶え間ない来客への対応をして、20年間に10回も引越しの片付けをする毎日……。
天才・鬼才と謳われ、ギャンブラーにして作家であった夫とのいささか風変わりな夫婦生活を愛憎をもって追想したエッセイ。 -
第134回芥川賞(2006年)候補作。
恋人との大喧嘩の果て、薬の過剰摂取(オーバードーズ)で精神病院の閉鎖病棟に担ぎ込まれた明日香。そこで拒食・過食・虚言・自傷など、事情を抱えた患者やナースと出会う。普通と特別、正常と異常……境界線をさ迷う明日香がたどり着いた「場所」とは一体、どこなのか?
悲しくて笑うしかない、絶望から再生への14日間を描いた本作は2007年、松尾スズキ自身の監督・脚本で映画化された(主演・内田有紀)。
解説・枡野浩一 -
剣豪小説の第一人者にして剣道・抜刀術の高段者である著者が、古武道の真髄に迫る!
古来より伝わる六つの流派に取材した出色の対談集。
徒らに勝敗にこだわる昨今の武道は技法に浮薄のそしりを免れないのではないか。
剣道三段、抜刀術五段を誇る剣豪小説の雄が、現代に息づく古来の「武」の精神を辿る。
柳生新陰流、香取神道流、馬庭念流、竹内流、柳生心眼流、諸賞流の六流派の訪問記と、二木謙一、秋山駿、安西水丸、勝新太郎との対談、薩南示現流や豊臣秀吉などについて書かれたエッセイを収録。
豪華な随筆・対談集。 -
家光の密命を受け、諸国を巡り将軍家に仇なす者を討つ。
新陰流、剣の真髄ここにあり!
徳川将軍家の兵法師範をつとめる柳生宗炬の嫡男・十兵衛は、家光公の近習として幼少より仕える。
しかし二十歳の頃、十兵衛は突然、家光の勘気にふれ追放となる。
実はこの追放劇、彼を隠密として野に放つための狂言であった。
十兵衛は諸国武者修行と称し、徳川家に仇なす者を討つ旅を続ける。
若き十兵衛の隠密旅と名勝負をドラマチックに描いた、剣豪小説の決定版!
解説・多田容子 -
かつて、会社四季報をめくれば、上場会社の株主欄のいたるところに「竹田和平」という名前を見つけることができた。生前、上場会社百数十社の大株主であり、和製バフェットと呼ばれた竹田和平さん。貧しい菓子職人だった竹田さんはタマゴボーロで成功し、後に日本一の大投資家として名を馳せるようになる。彼の投資の神髄は、意外なほどシンプルなものだった。
「値上がりを期待して株を買ってはいけない」
「情報源はひとつで充分。会社四季報を熟読せよ」
「投資とは結局、経営者の資質を見極めること」などなど。
しかし、まっとうすぎるからこそ、みんなが見落とす盲点なのだ。さあ、今日からあなたも竹田さん流の旦那的投資術で、豊かで楽しく喜びに包まれた人生を送ってみようではないか。
解説・真田英里(竹田和平さんの最後の個人秘書) -
週刊文春連載エッセイ「夜ふけのなわとび」から抜粋した林真理子さんのお言葉集。毒舌が芸にまで昇華された林さんのエッセイですが、中でも含蓄があっておもしろい言葉のエッセンスを集めた金言格言集ともいうべき一冊です。
「口説かれた話を、得意げに言う女ほどみっともないものはない」
「女性が思ったことを何でも口に出来る、という立場になるには、(1)年齢(2)地位(3)お金(4)地位の高い夫のいずれかを手に入れなくてならない」
「完璧に釣り合いのとれた名前は嫁かない女の証」
「女の小ジワというのは、男のハゲに近い」
「地味な男ほど派手な女が好きだ」などなど。
一本筋が通った林さんの人生観に読めば思わずフムフムと深~く頷く自分がいることでしょう。とりわけ女性にとっては、生きて行くのに有益この上ない言葉ばかり。まさに、「運命を変える言葉」なのです。
【目次】
・女について
・恋愛と結婚について
・男について
・家庭について
・仕事について
・食べることについて
・オシャレについて -
「初めまして、お父さん」。
元ヤンでホストの沖田大和の生活が、しっかり者の小学生・進の登場で一変! 思いもよらず突然現れた息子と暮らすことになった大和は、宅配便会社「ハニー・ビー・エクスプレス」のドライバーに転身するが、荷物の世界も親子の世界も謎とトラブルの連続。
宅配便会社の仲間や、ホストクラブ経営者のおかま・ジャスミン、ナンバーワンホストの雪夜らも巻き込んでの、大騒動を描いた『ワーキング・ホリデー』が刊行されたのは2007年。その後の大和と進の物語を書いた『ウィンター・ホリデー』が2012年、同年には『ワーキング・ホリデー』が映画化され、文庫も含め「ホリデー」は人気シリーズへと成長。
本書には親子の物語ではなく、彼らを取り巻く人々の物語、いわば「ホリデー」シリーズの外伝ともいえる6つの短編が収録。
1 「ジャスミンの部屋」 …… ジャスミンが拾った謎の中年男の正体は?
2 「大東の彼女」 …… お気楽フリーターの大東の家族には実は重い過去があった
3 「雪夜の朝」 …… 完璧すぎるホストの雪夜にだってムカつく相手はいるんだ!
4 「ナナの好きなくちびる」 …… お嬢さまナナがクラブ・ジャスミンにはまった理由
5 「前へ、進」 …… まだ見ぬ父を探し当てた小学生の進の目の前には――
6 「ジャスミンの残像」 …… ヤンキーだった大和とジャスミンの出逢いの瞬間
ハートウォーミングな6つの物語。
解説・藤田香織 -
戦後日本のポップスシーンとともに生きたポップスター、はじめての自伝。
日系2世のジャズ・ミュージシャンを父に持ち、十代のはじめからジャズを聴き始め、カントリー&ウェスタン、ロカビリーといった戦後復興期の音楽シーンをミュージシャンとして体験。
グループサウンズの全盛時代には、ザ・スパイダースのメンバーとして、堺正章や井上順らとともにポップスシーンの頂点に立つ。
その後もロックンロール、フォークと、さまざまな音楽に取り組み、そのハイレベルな音楽性は、小西康陽や小山田圭吾といった後進のミュージシャンからリスペクトされている。
本書では、親友で早世した俳優の赤木圭一郎や、ミュージシャン、俳優、作家、デザイナーなどが出入りした東京・飯倉「キャンティ」の思い出、松任谷由実や吉田拓郎といったミュージシャンとの交遊を、都会育ちらしく洒脱に語る。
2017年3月にがんで逝去するまで、つねに音楽活動やカルチャーシーンで強い存在感を発揮し、多くの人から「ムッシュ!」と愛された男の輝かしいクロニクル。
※単行本・文庫収録写真のうち、一部、電子版には収録されていないものがあります。※ -
大学時代の友人結婚式に出席中、上司の親の通夜手伝いに呼び出されたОLヨシノ。
二次会幹事とスピーチを相方に押し付け、喪服に着替えて急きょタクシーで葬儀場へ。
既に大多数の社員が集まり、打ち合わせを重ねるなか、ヨシノを猛烈な空腹感が襲う。
「マジマ部長の親父とやら、間が悪すぎる…もう一日ぐらいなんとかならなかったのか」
ヨシノのてんやわんやな一日はまだまだ続く。芥川賞候補作。
09年に「ポトスライムの舟」で芥川賞、11年に「ワーカーズ・ダイジェスト」で織田作之助賞を受賞し、
いまもっとも乗っている女性作家の傑作中篇。「冷たい十字路」を併録。
解説・陣野俊史 -
古い屋敷で留守番をする「僕」がある夜見た、いや見なかったものは何だったのか? 椎の木の根元から突然現れた緑色の獣とそのかわいそうな運命とは。「氷男」と結婚した女は、なぜ南極に行こうとしたのか……。次々に繰り広げられる不思議で、楽しく、そして底なしの怖さを秘めた7つの物語。
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古都・金沢を舞台に、恋と青春の残滓を描いた短編集。
「金沢あかり坂」
――金沢の花街で生まれ育った凛は、別れた恋人の記憶を引きずったまま
芸妓になった。その心をいやしてくれたのは父の遺した笛だった・・・。
「浅の川暮色」
――新聞社の事業部に務める森口は、十数年ぶりに記者時代の初任地、
金沢を訪れた。夜、浅野川を見つめる森口の意識に、それまで自分の内側に
押し込めていた女性の姿が浮かび上がる。
「聖者が街へやってきた」
――北陸のK市にあるラジオ局に勤める魚谷と同僚、友人の新聞記者は、
古い城下町の秩序に挑もうとして、世界各国に打電された奇妙な事件を
作りだすが・・・。
「小立野刑務所裏」
・・・いまから十数年前、私は金沢に住んでいた。金沢は誇り高く、そして
怖ろしい町だった。著者を思わせる男が回想する金沢で暮した日々。 -
生まれ故郷の古い住宅地図には、あの少女の家だけが、なぜか記されていなかった。あの家が怖くて、ずっと帰らなかったのに。同窓会を口実に、ひさしぶりに故郷を訪ねた主人公の隠された過去、そして彼の瞼の裏側に広がる鮮やかな“緋色のイメージ”とは、一体何なのか……。直木賞受賞の傑作ホラー。表題作ほか、選考委員の激賞を受けた「ねじれた記憶」など、粒よりの七篇を収録。痺れるように怖いのに、とてつもなく懐かしい――高橋克彦ならではの独自の世界を満喫できます。
・キャンペーンの内容や期間は予告なく変更する場合があります。
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