『光文社文庫、501円~800円(文芸・小説、実用)』の電子書籍一覧
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新進俳優として注目されていた兄が、自分をかばい交通事故で亡くなった。やり場のない悲しみと後悔を抱える琴子は、死者に再会できるという千葉の内房にある食堂へと向かう。その店で故人との思い出の料理を食べると、ありえない現象が起こるというのだ。半信半疑で訪れた彼女を包んだ温かな奇跡とは? 感動の涙をおさえきれない切なくて優しい連作短編集。
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新入社員が会社で見つけた不思議な鏡。「鏡よ鏡、同期で一番仕事ができるのは、だぁれ?」と尋ねると……。(「同期で一番」) 大学の教務課には、落とした単位をくれる女神のような女性がいるという。(「教務課の女神」) 「白雪姫」「金の斧」「赤ずきん」など、誰もが知る名作童話を大胆アレンジ! あなたを夢の世界へと誘う傑作ショートショート14篇を収録。
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伊豆半島沖の大川豆島にゾンビが大量発生!? 政府によってバイター(=他の人間を咬む者)と名付けられたゾンビは血肉を求めて人を襲い、島内は凶暴なバイターで溢れた。そんな折、相澤総理大臣の娘・彩香が島に滞在していることが判明する。絶望的な状況のなか、自衛隊と警察の混成チーム「ブラッド・セブン」が結成された。彼らに課せられた密命は「彩香の救出」。7人の精鋭は死地から彩香を救出することができるのか!?
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読書メーター of the year2021 第1位! 事故による頸椎損傷で、寝たきりの「妻」(49)を介護している「わたし」(50)。設計士の一志(39)と編集者の摂(38)夫婦は妊活が実らず、特別養子縁組の話が。様々な悩みを抱える男女の「過去と未来」が照らし出したものとは――。『デフ・ヴォイス』シリーズなどで現代社会の歪みを描き続けてきた著者渾身の傑作長編。
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物言えぬ犬猫を虐待する者を、私たちが逮捕する! 東京都に実験的に設置された動物保護を目的とする〈東京アニマルポリス〉通称TAP。動物看護士師からTAP職員に転身した北川璃々は、同僚たちや警察ともタッグを組み、さまざまな動物虐待事件へと切り込んでゆく――。有名タレントによる愛犬虐待疑惑、多頭飼育崩壊、高級ペットショップが抱える闇……。次々と立ちはだかる問題に彼らはどう立ち向かうのか!?
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教師夫婦が謎の失踪を遂げた「川口事件」。現場には大量の血痕が残されていたが死体は発見されていない。逮捕された被害者の実兄は容疑を否認、事件の翌年に無罪が確定する。疑念を抱いたジャーナリストの杉山康平は、人権派弁護士の妨害に悩まされながら取材を続けるが、関係者の多くが重要な部分で口を閉ざしてしまう。一体彼らは、何を隠しているのか? 後味の悪さがクセになる著者の真骨頂、フェイク・ドキュメントの傑作!
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ひとり息子の死をきっかけに、互いに気持ちが離れていった早紀と信夫。ある日、早紀のもとに信夫が列車転落事故に巻き込まれたという連絡が入る。遺体が夫のものと確信のもてない早紀は、知人のジャーナリスト・篠山の協力を得て夫の足跡を探り始めるが、そこには信夫の不倫相手として疑っていた女と、謎の男の影が見え隠れしていた……。数々の名ドラマの脚本を手がけてきた著者が放つ、戦慄のノンストップ・サスペンス!(『人生脚本』改題)
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入社7年目の松久奏己は、地味に目立たぬように仕事をしてきたはずだった。しかし、社長肝いりの新部署へ異動になり、変わり者でイケメンな医師、森琉吾と、チャラ系ホスト顔の薬剤師、眞田昇磨と働くことに! 異動初日から緊張の連続でいつもの困った症状が現れる――。会社での困りごと対処法や、体調不良へのお役立ち情報も満載の、ちょっと元気になれる物語!
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「三十年後のお前だ」――庭から侵入してきたおじさんはいきなり高校生の俺に告げた。タイムマシンで未来からやってきたのだ、と。そう見れば、どことなく自分に似ている。これから起こることを次々明かしていくこの人物はいったい?(「三十年後の俺」) あの手この手で読み手の笑いを誘い、喜怒哀楽の渦に巻き込むシュールな短編&ショートショート全12編。(『比例区は「悪魔」と書くのだ、人間ども』改題)
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松本市に移住して半年の清水真紀は、長野市に住む片瀬敏子から猫のニシンを預かることになった。敏子が入院している間の、期間限定の里親だ。ニシンは敏子の友人・宮田文枝の猫だったが、文枝が何者かに殺されたことから敏子が引き取ったのだという。ニシンと暮らし始めた真紀は、夫の忠彦とともに、その殺人事件の謎に挑むことに――。読めば長野に行きたくなる、『ただいまつもとの事件簿』に続く大好評長野ミステリー第2弾!
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小さな救世主現る!? 5歳の息子は、新型コロナウイルスがいち早く感知できるらしい。この力を無駄にしてはいけない――。父親が取った思いがけない手立てとは? 「コロナと潜水服」(表題作) ほか人生の哀歓溢れる全5編を収録。愛と奇想の奥田マジックが光るファンタジー短編集。
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北海道トムラウシの山村留学から福井に帰ってきた宮下家。子供たちの妄想犬だった白い柴犬ワンさぶ子が実際に家族の一員となった。三人の子供たちは大学生、高校生、中学生となり、それぞれ自分の道を歩き始めていく。広がる世界、音楽とともに自由を楽しむ宮下家五人と一匹の、笑いと涙溢れる感動の三年間の記録を描いた作品が待望の文庫化。「一年後」を描いた小説宝石掲載エッセイ、「その後」を描いた宮下奈都氏のあとがきも!
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岡っ引きの夫に先立たれたおとせ。時を同じくして息子が嫁を迎えたため、手狭な家を出て吉原で住み込みのお針子となった。元町家の女房の目に映る、華やかな遊廓の表裏で繰り広げられる遊女たちの痛切な営みと恋模様、人情劇。めぐる季節の中で、いつしか自身にも仄かな想いが兆し始め――。著者の没後10年を前に4カ月連続で新装版刊行! 第一弾となる本編には、公私にわたり交流のあった諸田玲子氏の書下ろしエッセイを収録。
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女子アナとして華やかな世界で生きてきた美季子は、四十二歳になったいまも独身である。大学の同級生だった兼一と結婚した親友の美里は、彼の不倫の果てに離婚。不倫相手と新たな家庭を持った兼一だったが、またもや女性問題でトラブルを起こす。美季子には、消えない兼一への複雑な想いが……。成熟した四十代だからこそ芽生える「心の迷い」を描き出した傑作。
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独り暮らしのおもちさんは、持病が悪化し、入院することになった。東京に住んでいる娘と、近くに住んでいる嫁があれこれと世話をやいてくれる。夫が特養にに入ってからは、娘は一日二度、電話をしてくれているし、嫁のトモちゃんは、車で買い物に連れて行ってくれている。人生最晩年のおもちさんの毎日の、愛嬌と不安、懐かしさともどかしさ。『平場の月』の作者が描く、誰かの助けと共にある生活の、寂しさが胸に迫る。
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探偵たちの集まった館で殺人事件が起きた。その晩、探偵たちの口にしたワインに幻覚剤が混入していたことで、事件は思わぬ方向へ転がっていく……。(ディテクティブ・オーバ―ドーズ) ほか“食”をテーマにした全5篇を収録。異世界転生からエログロ、本格ミステリーまで、唯一無二のミステリー作家・白井智之が美味しく調理した短編集。
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名古屋で空襲に遭い、機銃掃射を受け記憶を失った少女・七恵は、指物職人の坪倉夫妻に引き取られて小布施へ移った。6年後に縁談が舞い込むが、折悪しく彼女に降りかかった不幸のために破談となってしまう。その後、坪倉が建て替えの仕事を請けた酒蔵で一人の男が殺された。いったい誰が、何のために――? 度重なる不幸に見舞われた七恵の失われた記憶はよみがえるのか!? 葛飾北斎ゆかりの地を舞台に描く傑作ミステリー!
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業績不振に端を発する粉飾決算で危機に陥った総合電機メーカー・コクデン。好調だった軽自動車市場の伸び悩みに喘ぐ自動車メーカー・イナズミ。社運を賭けた燃料電池自動車の開発に展望を描ききれない世界屈指の自動車メーカー・タカバ。各々の企業が次世代EVの市場に賭け、事業戦略の舵を切る。産業の激変に備え、新たな市場を開拓すべく奮闘する男たちの物語。
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酒問屋「千石屋」の一人娘・麻は、その背の高さときっぷのよさで、界隈では有名人。気のいい亭主の婿養子・鶴次郎とともに、客筋からもご近所からも、なにかと頼られる存在だ。今日も、ちょっとした困りごとが持ち込まれ、解決に奔走するのだが――。市井のさまざまな人間模様を鮮やかに活写する時代連作集。
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1946年、春。疎開していた少年探偵団の団員も少しずつ戻ってきたが、二十面相の暗躍はやむことがなかった。団員の羽柴くんの家には、明智探偵と小林少年の偽者まで現れたという。銀座の美術店、名古屋の映画館、私立学園の建築予定地と、神出鬼没の二十面相を、明智は追い詰めることができるのか? そして「小林少年の偽者」の正体は!? 辻真先版『怪人二十面相』第二弾!
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人の心は鬼よりも不可思議で恐ろしい。恐怖、哀切、妖艶、感嘆――鬼にまつわる説話を大胆に脚色した、奇想と怪異の短編集。鬼が出ると噂の安義橋を渡ることになった太郎暮房。そこで出会った艶やかな髪と白い肌を持つ見目麗しい女は、思いがけないことを口にするのだが。(「安義橋秘聞」)ほか全八話を収録。
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杉原爽香(すぎはらさやか)、十五歳の秋――それは、親友の死ではじまった。「学校で会いたいな」土曜の深夜、爽香が受けた電話は、行方不明中の親友・久代からだった。学校へ急行した爽香は、教室で久代の死体を発見する。かたわらには、若草色のポシェットが……。主人公の少女が、一作ごとに成長していく画期的ミステリー! 多くの読者の要望に応え、ついに電子書籍化が実現。爽香シリーズ、第一弾!
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デパ地下の和菓子店「みつ屋」で働き始めた梅本杏子(うめもときょうこ)(通称アンちゃん)は、ちょっぴり(?)太めの18歳。プロフェッショナルだけど個性的すぎる店長や同僚に囲まれる日々の中、歴史と遊び心に満ちた和菓子の奥深い魅力に目覚めていく。謎めいたお客さんたちの言動に秘められた意外な真相とは? 読めば思わず和菓子屋さんに走りたくなる、美味しいお仕事ミステリー!
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小学校6年で将棋部の玻璃は、小児脱毛症になり、二学期からウィッグを着けて登校している。友達にバレないか不安で、しかも、かゆい。そんな時、将棋を指せるカフェをみつけた。店主で元女流棋士の夕子さんは、「日常に組み込まれていない場所」がほしい時もある、と言ってくれた。カフェでの時間で、玻璃は心を落ち着かせることができるようになっていく。大人になりつつある少女が、悩み迷いながら成長していく物語。
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心躍る夏休み、小学生の琴美たちの住む田舎町を騒がす事件が起きる。30年前に殺された女の子とは。信じていた「あの人」の正体とは。建設が中止された廃ホテルに隠された大人たちの事情とは。それぞれに謎を追う、3つの世代の子供たちだったが、思いがけない危険が迫る。ハラハラドキドキの展開、驚きのラストが待ち受ける、企みに満ちたミステリー。
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敗色濃厚となった太平洋戦争末期、大阪の旧家のいとはん・橘トシ子は国民学校の教師となる。栄養不足で教え子たちが次々と命を落とす中、少ない燃料と穀物で大量のポン菓子を製造できる機械の存在を知る。トシ子は、その機械を量産できる製造工場を立ち上げようと、物資不足の大阪を後にして、“鉄の町”北九州へ一人乗り込むが……。人々を飢えから救い、復員兵の職を作り出した実在する女性の奮闘の半生を描く。(『バケモンの涙』改題)
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平凡なサラリーマンだった浅見克則は、はずみで傷害事件を起こしてしまう。判決は懲役一年。だが、試行段階の「消失刑」を選べば刑期が短縮され、自宅で過ごせるという。ただし、特殊なリングの装着で周囲から“見えない”存在となり、人との交流は完全に禁じられる。深く考えず選択した彼に押し寄せる過酷な運命――絶望的な状況の中、彼が見出した一筋の希望とは?(『ボクハ・ココニ・イマス 消失刑』改題)
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葛飾区青戸の女子大生殺害事件。浮上した被疑者は、すでに別件で本所署に留置されていた。勝俣に呼び出された姫川玲子は、本所の案件には触るなと強要される――。(「それが嫌なら無人島」) 住人の男が自殺した家の床下から、女性の腐乱死体が発見された! 二人の関係は? そして男の不可解な行動の意味とは?(「六法全書」) ほか、姫川玲子が新たな魅力を見せる全7編。
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内務省に新設された華族捜査局で、警部補の来見甲子郎は局長周防院円香の指揮の下、九鬼梨伯爵家で起きた陰惨な毒殺事件の捜査を行うことに。曲者ぞろいの伯爵家一族に確執が見え隠れする中、円香の独自の捜査スタイルに甲子郎は翻弄され続ける。そして事態は首切り連続殺人に発展! 大正時代の東京を舞台に展開する陰惨で奇怪な殺人に、麗しき捜査官が挑む。
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美貌の新進推理作家として注目されている柚木しおりは、未解決の殺人と傷害致死事件の関係者だった。彼女の作品を読んだことで、事件を洗い直すことを決意した舟見警部補は、以前難事件を解決に導いたジャン・ピエールに捜査協力を依頼しようと動き始めた――。圧倒的な推理力を発揮する青年が暴く、見えなかった真実。函館物語第2弾が登場!
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ぶたのぬいぐるみが生命(いのち)を持ったら!? 見かけはかわいいぬいぐるみだが、中身は知恵も分別も人一倍ある中年男・山崎ぶたぶた。義母(?)の代理でカルチャースクールのエッセイ講座に通うことになったぶたぶたが、仲間の生徒たちの人生に温かな波紋を広げてゆく……。くすっと笑えて、静かな感動が残る――ご存じ超人気シリーズが登場!
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慶応元年、博多。山笠の祭に命を懸ける「のぼせもん」たちがその準備にある中、黒田藩では保守派と、尊王攘夷派の筑前勤王党との対立が強まり、企てが進行していた。祭の英雄の九蔵と筑前勤王党の月形洗蔵は互いを友と慕いつつ、考え方の違いから対立する。そして一人の志士の謎の死から事態が動く。国のため、山笠のため、熱き者たちが激動の時代を駆け抜ける!
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この温かさ、誰かに伝えてください。致死率95%、凶悪なウイルスの大流行が収束した世界。感染から生還した者らは、瞳が白銀色に変化する異能力者、ヴァリアントとなっていた。救急救命科で働く医師岬純也は、公安に追われるヴァリアントの少女悠から接触を受け、ある計画を打ち明けられる。そして純也は、彼らの生存をかけた闘いに巻き込まれてゆく――。読む手が止まらない最高のエンタメ長編!
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猛吹雪の夜、図書館に少年がひとり取り残された。暖房機が壊れ、極寒の館内。突然現れた謎の男は少年を救い、やがて大切なことを伝え始めた――。(表題作)1931年の満洲。大連のダンスホールで働く千春は、内地からの旅行者らしき青年に恋をする。彼には、胸に秘めた危険な計画があるようなのだが……。(「傷心列車」) 時を旅する者たちの数奇な運命を描く全6編。
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敵対する組の親分を殺し、13年余りの刑期を終えて出所した、ピストルの健太、通称“ピスケン”こと阪口健太。自衛隊の湾岸派兵に反対し単身クーデターを起こし、自殺未遂した“軍曹”こと大河原勲。大物政治家の収賄の罪を被った大蔵官僚出身の元政治家秘書“ヒデさん”こと広橋秀彦。個性的すぎるこの三人が奇妙な縁でタッグを組み、彼らを陥れた巨悪に挑む。「悪漢小説の金字塔」決定版!
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田中圭史は64歳。メガバンク・みずなみ銀行のOBで、55歳で転籍した関連会社勤めもあと1年、つつがなく終わるはずだった。しかし、大学の同窓同ゼミで五菱銀行へ就職、合併後のみずなみ銀行で出世した中村が、田中の勤める会社の社長に就任したことから、田中の人生の歯車が狂い始める。「平凡」「無風」すら許されず、荒波には翻弄されるしか術がないサラリーマン人生の晩年を笑いとペーソスで描く。
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「織田信長公死す」――本能寺が燃え落ち、織田家中の誰もが右往左往するなか、「織田一の男」と謳われた丹羽長秀は何を思い、何を為すのか? 山崎の合戦、清洲会議、賤ヶ岳の戦い、小牧・長久手の戦い――歴史の転換点で長秀が見せた不可解な言動の裏には、未来を見据えた深謀遠慮があった。「信長公記」の著者、太田牛一の視点から描かれた戦国秘史!(『織田一の男、丹羽長秀』改題)
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いま話題の怪盗〈チェシャ猫〉から、「ニヤニヤ笑い」の猫の絵の脅迫状が! 警視庁の片山刑事は〈アダムとイヴ・コンクール〉の最終選考会が開かれる、画壇の重鎮・野上益一郎邸の警備に出かけた。〈チェシャ猫〉は入選作を狙っているのか、それとも──。はたして選考会当日、殺人事件が! ホームズ対〈チェシャ猫〉の対決が始まった!
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会社員法学士湯河勝太郎が歩いていると、安藤という探偵が友人に紹介してもらったと声をかけてきた。実は湯河本人を調べているといい、今の妻とはまだ法律上の結婚はしていないこと、前の妻はチブスで死んだことを語り始める。湯河は不愉快な顔になった――。(「途上」) 江戸川乱歩にも多大な影響を与えた、谷崎潤一郎の探偵小説傑作選が登場!
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