寛仁2年(1018年)。<神の子>としての使命を終えたと自覚した宮は、望んで義明と結ばれ、神としての能力(ちから)を失った。これからは穏やかで、平凡だけど満ち足りた生活ができる、そう思っていた矢先、義明は宮の式神が火華鬼に使役されていることを知る。単身、火華鬼に挑んだ義明は生命(いのち)を……。宮を護ると言ったあの約束は!? 感動の最終章(講談社X文庫ホワイトハート)。
550円〜638円(税込)
寛弘3年(1006)、平安京。焼失した内裏再建が始まったが、内覧・藤原道長は困惑していた。夜の都大路では、資材や人足が消え、銀鬼が空を飛ぶという。<神の子>宮と、聖結界を持つ夫・義明は、花山院に取り憑いた魔物相手に闘っていた。この異国の魔物には、宮の力も通じない! 苦闘する2人の前に、宮と瓜二つの銀髪の少年が現れた。なぜか、動揺する宮……。<カゲ>と呼ばれた、この少年の正体とは!?
寛弘3年(1006)晩秋、平安京。処女の産む“神の子”が世を救うという邪教が、末法思想に揺れる世間に広まっていた。義明と出家した親友の重家が、邪教のからくりを暴く。だが、“神の子”と崇められた魔物は、赤子の姿で女たちの腹を喰い破る! 怪我をおして闘おうとする宮の前に、魔物を庇って立ちはだかったのは、承香殿の女御――かつて帝に入内した、重家の妹――だった。しかも、魔物の背後には……!?
寛弘4年(1007)、春。道長の金峰山参詣のための精進を一緒にと、高雅邸に招かれた義明。だが、結界の弱いその屋敷で、人々は惨い悪夢に襲われる。疑心暗鬼の道長の策略で、宮は義明の想いを誤解したまま斎院(いつきのいん)に閉じ込められてしまう。ヒトの欲望を歪んだ悪夢へと変えて苦しめる夢魔(むま)を、操っているのは誰? 黄泉と現世(うつつ)の狭間で、ひとり絶望的な闘いに挑む義明は……!?
宮への策謀を続ける内覧道長(ないらんみちなが)は、異国の術を遣う妖しげな若者・太圭智(たけち)を紹介される。その後、義明の屋敷が突然の暴風や不審火にみまわれた。それは、宮が使役する九曜の式神たちの反乱。宮が〈神の子〉としての能力(ちから)を失いつつあるのか…?不安を抱いて闘う宮を、亡者の群れが襲う。太圭智の真の狙いは、何?自らを犠牲にする宮を、義明は引きとめられない……!!
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